COPQ-シックスシグマの財務指標

COPQ(Cost Of Poor Quality)


 
シックスシグマ・プロジェクトを運営していく上で財務上の指標となるのは、COPQ(=Cost of Poor Quality)である。COPQは欠陥により発生するコストの総称で、廃棄、リワークなどの「目に見えるコスト」に加え、廃棄、リワークなどにより発生する設計変更、計画変更などの「目に見えないコスト」にも着目し、特に、「目に見えないコスト」の方が大きく、これらを合算したCOPQは経営に大きな影響を与えると考えられている。

COPQは劣悪なコストが生むコストの意味であり、下図がその概念をよく説明している(図の出所は[1])。図は氷山を例に、再検査やリワークによる人件費など目に見えるコストと、設計遅延や製品、サービスの品質の劣悪さによる顧客ロイヤリティの喪失など目に見えないコストを分類し、目に見えないコストの方が大きな問題である場合が多く、内在するCOPQを最小にするため、指標に用いられている。
 
 


そして、プロジェクトを運営することで「コストが最低に抑えられたとき、経営品質は最高になる。シックスシグマは、利益の増加そして最高品質の製品とサービスを最低価格で消費者に提供するという形で、最大限の価値を企業に提供するのである[2] と経営品質に関わっていくことも特徴である。

そういった経緯から、導入した企業は、
「品質こそがGEの抱える問題」(ウェルチら(2005) [3])
「我々の品質は我慢ならないほど悪い状況にある。(モトローラ)[4]」 、
「社内独自の品質測定値が頭打ち状態(ソニー)[5]」
のように、明らかに経営状況を圧迫する要因が品質問題にあると特定し、シックスシグマを導入の動機としている。

 

  • COPQ算出について
COPQの算出において、「目に見えるコスト」である廃棄費用やリワークなどは算出が容易であるが、「目に見えないコスト」の算出は企業により異なり、企業独自にルールを定め、算出すればよい。また、シックスシグマプロジェクトはクロスファンクショナルであり、実施期間中の投下資本は、いわゆる漸進的なカイゼン活動とは異なり大きくなる。従って、COPQを算出することは、当該テーマを取り組むべきかの目安としての測定系になるため、リーダー、またはチームの財務感覚を教育する上でも重要な概念である。

 

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[1] de Feo,J., Bar-El,Z.,"Creating strategic change more efficiently with a new Design for Six Sigma process", Journal of Change Management, 3, pp60-80, 2002.
[2] Harry. J.M., "A New Definition Aims To Connect Quality With Financial Performance", Quality Progress , 33,  pp64-66, Jan 2000.
[3] J・ウェルチ,ジョン・A・バーン, 宮本喜一訳,『わが経営 下』, 日経ビジネス人文庫,p192,  2005.
[4] ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス編集部(「シックスシグマの改善インパクト」, ハーバードビジネス1998.7 ダイヤモンド・ハーバード・ライブラリー, ダイヤモンド社)による内容で、モトローラ役員会議において発言された営業本部長の「我々の品質は我慢ならないほど悪い状況にある」との意見が出された記載より。
[5] ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス編集部(「シックスシグマの改善インパクト」, ハーバードビジネス1998.7 ダイヤモンド・ハーバード・ライブラリー, ダイヤモンド社)による内容で、ソニーの「精密・小型化を追求するあまりややもすると壊れやすいといわれがち」である状況に対し、社内独自の品質測定値が頭打ち状態となっていた、との記載より。
  • 参考書籍