五文型
不定詞、動名詞、分詞など英文法を理解していくということは、言い換えれば、英語での思考順序を理解する必要があります。どんな言語でも音は時間的に前から後ろに進みます、そして、英語の文字については空間的に左から右に並べていきます。英語を母国語とする人は音を初めから終わりに向かって理解し、文字を左から右に読んで理解しています。
その語順は、まず主語があり、その次に述語(動詞)が出てきます。ここまでが重要です。例えば、「私は読みました」という、「主語+述語」に出くわしたとします。ここで文が終わってしまっていいでしょうか。ダメですね。読み手や聞き手からすると、「何を」という疑問が解決されません。英語はその疑問を解決せずに文を終わりにはできない言語なのです。「私はあげました」という「主語+述語」に出くわした場合はどうでしょうか。「誰に+何を」という疑問が読み手や聞き手にわき起こります。その疑問を解決しなくては終わりにしてはいけません。これを、まとめたものが、いわゆる5文型と呼ばれるものです。
5文型を説明してみましょう。
第1文型 S+V (主語+述語) 例えば、「鳥が鳴いている」の場合、読み手や聞き手からの疑問がわきません。
第2文型 S+V+C(主語+述語+補語) 例えば、「私は~です」の場合、読み手や聞き手にとって「何ですか」「どのようですか」という疑問がわきます。C(補語)はそれを満たさなければなりません。
第3文型 S+V+O (主語+述語+目的語) 例えば、「私は読みました」の場合、読み手や聞き手にとって「何を」という疑問がわきます。O(目的語)でそれを解決します。そこで、「私は読みました」(何を)「漫画を」という文にして疑問に答え文として完成させます。
第4文型 S+V+O1+O2 (主語+述語+目的語1+目的語2) 例えば、「私はあげました」の場合、「誰に+何を」という疑問が読み手や聞き手にわき起こります。そこで、「私はあげました」(誰に)「息子に」(何を)「時計を」という文にして疑問に答え文として完成させます。
第5文型 S+V+O+C(主語+述語+目的語+補語)例えば、「私は名付けました」の場合、「何を+どのように」という疑問が読み手や聞き手にわき起こります。そこで、「私は名付けました」(何を)「猫を」(何と)「ハイジと」という文にして疑問に答え文として完成させます。
5文型に登場する疑問、「何を」、「何」、「何と」、「どうのよう」という疑問を満たせば、文として完成してよいというわけです。つまり、ピリオドを打っていいわけです。「どのような、どのように」、「なぜ」、「どこで」、「いつ」という疑問については、あくまでも補足ということになります。例外的に、「私は行きました」という「主語+述語」に対する「どこへ」という疑問は満たさなければなりませんが、それは「私は行きました」で話が終わっても意味が全く通らないのが理由だと分かるでしょう。