Sthenia

Scrabbleをしませんか?

大橋陽子

Scrabbleは20世紀中葉、アメリカのAlfred Buttsが始めたボードゲームでWikipediaを検索すると歴史やルールをはじめ、必要な知識はすべて得られるが、記事が膨大なため、面倒なゲームであると勘違いされそうである。(写真はInternetから借用 https://www.google.co.jp/search?q=scrabble&newwindow=1&safe=off&client=firefox-b&dcr=0&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiU9N6iporXAhUCT7wKHVMgDHIQ_AUICigB&biw=1327&bih=778#imgrc=NsIwL1ESlCDC3M:)

しかし実はとても簡単なルールで成り立っているので、15分くらい経験者と実地にプレイをすれば簡単におぼえられてしまう。クロスワードパズルに似た、とても、とても面白いゲームで、誰でもすぐはまってしまう。英語以外にもドイツ語、フランス語、ロシア語等がある。国際競技や国内の大会もあるし、パソコン上でも対戦できるそうである。

ここでは英語を例に簡単な説明を試みる。対戦は2~4名でおこなう。全部で100枚あるコマ(tiles)にはそれぞれ1つ文字が書いてあり、最初はそれが一つの袋に入っている。各プレイヤーは基本的には7枚のコマ(7文字)を手持ちのコマとし、ボード上に15x15区画存在するマス(squares)の上に並べて単語(外国語と固有名詞以外)を作る。(写真はInternet から借用 https://www.google.co.jp/search?q=scrabble&newwindow=1&safe=off&client=firefox-b&dcr=0&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiU9N6iporXAhUCT7wKHVMgDHIQ_AUICigB&biw=1327&bih=778#imgrc=S4qYD6yc5l6YRM:)

それぞれの文字には点数(value)が割り当てられており、E, I, N, O・・・などはコマの枚数も多く、各1点だが、使い難い文字(Z, Q, Jなど)は各1枚ずつしかない上、それぞれの点数も高い。また、トランプのwild card のようにどの文字の代わりにも使える白コマもある。出せない時のパス、コマを取り換えるときのルール等もトランプに似ている。

マスにも規則的な地価(?)が付随している。つまり、文字の点数を二倍(double letter score、淡青色)、三倍(triple letter score、濃青色)にしたり、あるいはできた単語の合計点数を二倍(double word score、ピンク)、三倍(triple word score、赤)に引き上げたりする区画がある。(Fig. 1. S42年化学科卒 山田修三氏作製のスクラブルボードを手作りするためのファイルを改変)。プレイヤーはすでに置かれているコマに繋げて意味のある単語を作るのであるが、単語は上から下、左から右の二方向のみ許され、斜めはご法度。手持ちのコマをどのように置いて点数を挙げるか、ゲームの肇めの天地は広く、次第に窮屈になって、袋の中のコマが底をつく頃からが面白い。7文字を切るようになった手持ちのコマの中から、すでに置かれているコマと齟齬なく、狭い空地に単語を作るように文字を置くには、語彙とともにソフィスティケートな戦略が必要になる。

“S”は額面1点でしかないが、ある語を複数にしながら二つの文字列を同時に活性化するときに便利。“U”がなければ“Q”を出し難い(最近は“QI”という単語も許される由)から、普通は“U”は“Q”が来るまでとっておく。最初にコマを使いつくした人は他のプレイヤーの使い残したコマすべての点数をもらい受けるが、コマを残したプイレヤーは残したコマの点数合計が引かれる。(写真はInternet から借用 https://www.google.co.jp/search?q=scrabble&newwindow=1&safe=off&client=firefox-b&dcr=0&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiU9N6iporXAhUCT7wKHVMgDHIQ_AUICigB&biw=1327&bih=778#imgrc=dMVgyHR-072yzM:)

まず何かの方法でプレイの順番を決め、最初のプレイヤーは必ずボード中央、星印のついたピンクのマスを使いながら縦または横に単語(2字以上)を作る。ピンクはそれ自体double word squareであるが、もちろんなるべく点数が大きいコマを倍率を稼げるマスに入れて得点を上げることを図る。次のプレイヤーはこの文字列のどこか(複数コマでもよい)に繋いで単語を作る。以下同様。下に例を示す。

たとえばプレイヤー1が手持ちのコマから

“HEM”と横に入れたとする。 コマを3個しか使っていないので、どのように並べても淡青や濃青のマスには届かないが、Fig.2のように入れたとすると、double wordだから16点。(Fig.2: H E M , (4+1+3) x 2 =16

プレイヤー2がその前後に“C”と“IST”を足したとすれば(Fig.3)淡青色の“S”は2倍になるが、中央のピンクはもう使えないから15点。(Fig.3: C H E M I S T, 3+4+1+3+1+1x2+1=15

プレイヤー3がその後に“RY”を足したとすると、ピンクと淡青色はもう使えないがメリット最大の赤に入ったので、数列の合計点数を三倍にすることができて57点を得る。(Fig.4: C H E M I S T R Y, (3+4+1+3+1+1+1+1+4)x3=57

これに対してプレイヤー4がFig.5のように繋ぐと、“H”が淡青色で2倍、全体としてピンクに届いているからdouble wordで32点。(Fig.5: T H E O R Y, 1+4x2+1+1+1+4)x2=32

Fig.6 では既にボードの上にあるR を使って CARE と置いたが、Eが横のHと繋がってHEという語になるのでこの語も点数にカウントされる。(逆に横の文字と繋いで語が作れなければそこには文字を置けない。例えばHSは語にならないためここにはCARSと置くことはできない。)

Fig.6: C A R E + H E,3x3+1+1+1+4+1=17

Fig.7 ではSを使って2語を繋げた。これもPETSを置きつつSCAREという語も同時に作れるので2語分のカウントとなる。)(Fig.7: P E T S + S C A R E,(3+1+1+1)X2+1+3+1+1+1=19) こうしてゲームは続くことになるが、現実にはなかなかこのように都合のよいコマは手元に集まらない。もし、手持ちのコマ7枚を一度に出せればボーナス点50点が与えられる。詳細は実地で愉しみながら覚えるか、Wikipediaを参照されるとよい。ご一緒に遊びませんか? 付記:

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