A 離婚について夫婦間で話し合いができない(聞いても答えてくれない、暴力を振るわれる、実家に帰ってしまったなど、色々な事情があり得ると思います)、あるいは話し合いはできるけれども条件が折り合わない、という場合には、家庭裁判所に調停を申立てることになります(離婚の場合、原則として裁判の前に調停をする必要があります)。
その場合の家庭裁判所は、相手方の住所地の家庭裁判所になります。あなたの住所地などで申立てたい、という場合は、相手方の同意が必要です。
A 調停を申立てると、調停を開く日時が決められますから、その日に家庭裁判所に行くことになります。調停は、相手方と顔を合わせて直接話し合うのではなく、交替で調停室に入り、調停委員と話をする形で進められて行きます。相手が調停室にいる間は待合室で待機しているということになります。
ただ、2013年1月1日から施行された新しい法律では、各調停期日の最初と最後に、当事者双方を調停室に同席させて、調停委員が手続の説明をしたり、次の期日までに準備しておくべきことを説明したりすることになりました。
A Q2で述べたように、調停期日の最初と最後に相手と顔を合わせるのが原則なのですが、暴言を含むDVの被害を受けていたり、精神科や心療内科に通院しているなど、顔を合わせることで問題が生じるようなばあいには、同席しなくて良いとされています。また、調停自体は相手方と同席せずに進めるのが原則です。さらに、相手方が暴力を振るうような場合には、予め家庭裁判所にその旨を伝えておくと、呼び出しの時間をずらしたり、調停室の入退室についても配慮してくれるなどの対処をして貰うことが可能です。
A 調停はあくまで話し合いの手続です。調停委員はできるだけ努力してくれますが、それでも話し合いがつかなければ調停は終わりになります。その場合は、離婚の裁判を起こす必要があります。
A 調停と同じく家庭裁判所に起こすことになりますが、あなたの住所地か、相手方の住所地のどちらの家庭裁判所でも構いません。
A 離婚は、どのような場合でも認められるわけではありません。法律では、次の場合に離婚が認められるとされています。
A 未成年の子がいるときは、離婚に際して必ず親権者を決めなければなりません。親権者を定める基準としては、おおよそ次のように言われています。
あなたの場合、2歳の子と同居して暮らしていますから、親権者となれる可能性が高いと言えます。父親の方が経済力があるということであれば、養育費を支払ってもらえば良いわけです。
A 夫婦が離婚し、一方の親が親権者でなくなったとしても、親子の関係がなくなるわけではありません。月1回程度の面接を考えるべき場合は多いでしょう(ただし、DVがあるような時は別です)。
A 金額を話し合いで決めることができない場合には、裁判所が作成している養育費の算定表が参考になります。家庭裁判所で調停を行なう場合には、特別の事情がなければ、この算定表によって決めていくことになります。
弁護士 伊藤 宏