果実?の断面図
イチジクの花を見たことがありますか?「藤みたいなきれいな花だった」などと思った人、嘘をついてはいけません。イチジクの花も果実も、果実?をかじらないと見えないのです。果実?の断面の写真を見ても分かり分かりづらいので、イラストにしました。なぜ「果実?」なのでしょうか。
イチジクの花を見たことがありますか?「藤みたいなきれいな花だった」などと思った人、嘘をついてはいけません。イチジクの花も果実も、果実?をかじらないと見えないのです。果実?の断面の写真を見ても分かり分かりづらいので、イラストにしました。なぜ「果実?」なのでしょうか。
研究内容の紹介のページで、「イチジクの果実(果嚢)」としつこく書いています。それは、イチジクの果実と皆さんが思っているものは果実ではなく、果序だからです。果序とは、果実が付いている茎全体のことです。ちなみに、果実になる前の花の段階では、花序と書きます。イチジクの果序は、イチジク状果(果嚢)syconiumと呼ばれます。イチジク状果、と書くのがおっくうなので、果嚢を使用しています。果実が未成熟の場合は花嚢と書きます。果肉と思っていたものは果序軸で、果実の中の無数の粒々(痩果)こそが、イチジクの果実なのです。種子はもちろん種子です。果序の上の穴は、オスのイチジクコバチがメスが出られるようにするために開けた穴です(イチジクの送粉システムのページ参照)。
イチジクの果実が果序の中にあるのならば、もちろん花も花序の中にあります。この図は雌雄同株のイチジクなので、長いタイプの雌花と短いタイプの雌花、雄花(緑色の花)がひとつの花序の中に混在しています。雌雄異株のイチジクは、雄の木にはひとつの花序の中に短いタイプの雌花と雄花、雌の木には長いタイプの雌花しかありません。生まれた果嚢を出て花粉をつけたイチジクコバチは、とても狭い小孔をがんばって通って花序に入り、次世代を残そうとします。詳しくは、送粉システムのページで確認してください。