イチジクについて

Fig Ficus

イチジクについてはお伝えしたいことが多すぎるので、ゆっくりと内容を充実させていきます。ここでのお話は、栽培品種のイチジク(Ficus carica)以外のイチジクです。栽培品種のイチジクは各項目のタイトルをクリックすると詳細ページが開きます。

イチジクの花を見たことがありますか?「ひまわりみたいなきれいな花だった」などと思う人は、嘘つきです。イチジクの花も果実も、果実?をかじらないと見えないのです。果実?の断面の写真を見ても分かりづらいので、イラストにしました。なぜ「果実?」なのか答えを探してみましょう。

イチジクで最も有名な話は、イチジクコバチとの絶対送粉共生でしょう。イチジクはイチジクコバチというハチの仲間によってのみ送粉が行われ、イチジクコバチはイチジクの果実(果嚢)の中でしか産卵できません。つまり、イチジクとイチジクコバチ、どちらかが絶滅するともう片方も必然的に絶滅してしまう関係です。

イチジクには、雌雄異株と雌雄同株という、雄花と雌花が別の木になるタイプ(雌雄異株)と、同じ木になるタイプ(雌雄同株)があります。異株と同株の送粉システムを説明します。文章で書くと長いので、動画を作成しました。

すべてのイチジクの種はイチジク属(genus: Ficus)に属します。現時点で約800種が知られており、様々な形態をしています。イチジクは、木本植物の中で最も多様な生育型を持つとも言われます。

イチジクの木を想像してください。大半の方は、川沿いや畑に生えている、スーパーなどで売られているイチジクがなる木を思い浮かべるでしょう。奄美や沖縄にお住まいの方は、ガジュマルが浮かぶかもしれません。オーストラリア・ケアンズにあるカーテンフィグツリー (Curtain Fig Tree)が一番に浮かんだ方はマニアックですね。イチジクの形態は6つに大別されます。イチジクをあなどってはいけません。