投稿日: 2012/02/02 9:08:59
年末年始の何時だったか仕事中に背中の小さなTVで、津波被害で町の再興の支えとなる地元ラジオ放送に尽力する引き籠りだった青年の密着取材番組をやってて、放送の最後に毎回「一緒に頑張ろう」と締めくくる。スーパーマンな事は出来ないにせよ避難所で、バラックで、ラジオを点ければ定点(そこ)に流れててくれる地元放送が
どんなにか心強い事分る気もする。それは角の電柱一つ、看板一つ、家の軒先一つと同じに、津波が来る前と同じ所で壊れ残った何かが標になるのだろう。
震災前と変わらずとは言え変わらなかったのは通信設備が残ったと言うだけで、状況は何もかも新しい。伝えねばならない事取材せねばならない事伝え方…何もかもが未経験な日々。
そんな手探りの中で悩みながらも洞察力や真剣さで徐々に現場の規範になり始めたのはそれまで引き籠りだった30歳台だかのその青年だと言う事だった。
ただ、リスナーや放送局での信頼とは逆に、特に収入になる訳でもない事に精出す彼は家族にとってそれまでの引き籠りと同じな訳で「チャンとした仕事につけ」と不評なのだ。
それが彼にも深刻な悩みで「もう辞めたい」と漏らしていた。
しかし
「ちゃんとした仕事」って何なのだろう?
放送を背に聴きながらそう思った。
...続く