絵コンテは「分かり易さ」か「上手さ」か?

投稿日: 2017/01/13 18:30:05

【分かり易い絵コンテって何?】

NETで「絵コンテ」を検索してみると、

九割が「絵の上手さじゃない。分かり易さが大事」と言う話だ。

HOW TOものの動画も「絵コンテ」関連は多くて、

その殆どもその九割の例に漏れない動画ばかりだ。

「絵の描けない人の為の簡単絵コンテテクニック」なんてのも多い。

後の一割は「デッサン」について厳しい事が書いてある。

こちらもHOW TOものは、デッサンだのパースだのの上達法とかだ。

でも私はそのどちらにも、何だか違和感を覚えてしまう。

デッサンや絵の上手さは、

あった方が好いとか、問題じゃないとか、

そのいづれでもないだろうと思う。

先ず、

こう言うビジュアルを生む仕事では、

今更上達だの、上手いだのヘタだの、

在るだの無いだのじゃなく、

備わった上での仕事だろうと思うのだ。

どう描いてもハナからヘタでありようが無いところが基点で、

絶対音感みたいな資質の人間が就く仕事だろうと言う気がするのだ。

上手くなくて好い、

分かり易きゃ好いという、

その分かり易さって「漫画記号としての共通言語」の話?

複雑な思いの無言の行動の数秒は走書きの注釈じゃなく

どう「わかりやすく」描くの?

それでいい、と言うのは、

長らくその事に眼を瞑ったままやって来た自分達への甘やかしじゃないのかしら?

私が手前味噌でアレなんだけど、

ここにこのサンプルを貼付けたのは、

そんな思いからだ。

因に私は美術教育もデッサンも知らない。

NETでレクチャーされてる「描き方」も知らないし、

業界で言われる「リアル」と言う(これも描き方であり方法論)のも描けない。

何かを見て描く訳でも無い。

何を見て描くかと言うと、

そのシーンの中の人間を心の中で演じて体験しながら、

カラダに起ってる「感じ」を見て描く。

このとっさの仕草の時左足のふくらはぎの外側の筋が「ピン」としてれば「ピン」と。

その時足の小指が「グッ」となってれば「グッ」と。

右腕尺骨周りに「シュンッ」と感じるならそこは「シュン」の一筆が走る。

それもバラバラにじゃなく、

そのシーンの中で、

その気持ちで、

そう演じ動く人が重力や空気抵抗や気持ちや感じをどう知覚してるかをそのまま姿として瞬時に描く。

そうで無いと無理でしょう、こう言う仕事の役目は...

ーーというね、

日常業界で何時も感じる変な空気を言葉にしてみました。

でも、

後進には

ルーティーンや

描き方や

やり方、

と言った、

「自分の持ち場から手放れて次に渡す為の、最低限のやる事マニュアル」をやるのではなく。

ビジュアル造りの上から下まで誰一人の例外も無く

まだ見ぬ『「それ」を実現しよう』というたった1つの動機で、

コンテライターなら

「描き方」を描くのでも無く

「コンテ」や「イラスト」や「絵柄」を描くのでも無く

そんな事総てを忘れて、

ひたすら「ソレ」を見失わずキャッチして「ソレ」を描く者であって欲しい。

ここに貼付けたものは「スポーツ」のホンの短い時間の動きを描いただけの絵コンテのサンプルです。

判読出来ない様なアカ文字は要らない様に描いた積もり。

「わかりやすく」って何?

と今一度考え合いたいと思います。

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