ボルネオ生物部
ボルネオの生き物と現状を知ろう!
ボルネオの生き物と現状を知ろう!
サイチョウ
Rhinoceros Hornbill
ボルネオ生物部は、ボルネオ熱帯雨林の生き物の魅力や現状、保全活動に関連した学外活動の紹介ページです。ちなみに高校時代は生物部でした。
ボルネオ島は日本のはるか南にある世界で3番目に大きな島です(日本は7番目)。ボルネオ島周辺の森林は、一年を通して温室のような高温多湿環境、台風の影響を受けない地域のため、植物はどんどん成長します。とくに樹木は、光を求めて枝葉は上部に集中、モヤシのような樹形が目を惹きます。そんな樹木からなる森林の内部では、光や水環境の違いが植物の多様性を生み、それは植物に依存する動物の多様性にも影響します。「生き物の宝庫・熱帯雨林」生き物好きなら一度は憧れる場所ではないでしょうか。
多くの日本人にとって、ボルネオ熱帯雨林というと、遠い国の話だと思うかもしれません。しかし実は、ボルネオ島由来の木材(おもにベニヤ板や合板として加工利用)やパーム油(ヤシ油;世界で一番利用されている植物油)製品は、私たちの身の回りに溢れています。私も当初、ボルネオには熱帯雨林が広がっていると思い込んでいました。現実は大きく異なり、アブラヤシのプランテーション(大規模農園)が地平線の果てまで続き、野生動物の保護施設には森を追われたオランウータンはじめ多くの野生動物が運び込まれていました。
そこで私たちは、ボルネオ熱帯雨林(マレーシア・サバ州の熱帯雨林)にも目を向け、この地球で何が起こっているのかについても、自分の目で見て考える機会を作りたいと思います。熱帯雨林の魅力を体験してもらうと共に、野生動物の保護施設や大学などを訪問、現地の人たちとの交流を通じて、私たちの未来について一緒に考えませんか。
ボルネオ熱帯雨林(マレーシア・サバ州)
調査地の一つデラマコット林。この森は伐採を行っている商業林です。1997年、東南アジアで初めて責任ある森林管理を実践する森として、森林管理を認証する国際団体・森林管理協議会(Forest Stewardship Council;FSC)から認証を受けました。2024年3月、新たに5年間の再認証を受け、熱帯雨林のFSC認証林としては最長の認証期間を誇ります。
アブラヤシのプランテーション(マレーシア・サバ州)
ネガティブなイメージが強いパーム油ですが、私たちの生活に欠かせないのも事実です。写真手前・土がむき出しの部分は新しく植えられた若いアブラヤシ、写真奥・緑の濃い部分は成長したアブラヤシです。まずは知ることから始めましょう。
【2025年】
8月4-10日:ボルネオ野生動物スタディツアー
全国の中高生を対象に、ボルネオ保全トラスト・ジャパン(BCTJ)ならびにMRC Japanと実施
サンダカンにあるカビリ-セピロク森林保護区の昼夜散策を中心に、オランウータンやマレーグマをはじめとした野生動物保護施設(SORC & BSBCC)、森林研究所(FRC)、キャノピーウォークを併設する環境教育施設(RDC)を訪問しました。さらにコタキナバルにあるサバ大学(UMS)では、センザンコウとその保全活動に関する講義も受講しました。
【ボルネオ野生動物スタディツアーの様子】
マレーグマ保護センターではセンター長Dr. Wongさんに案内していただきながら、保護個体のエンリッチメント作業も体験
森林研究所では様々な昆虫標本を観察
サバ大学ではセンザンコウの専門家Dr. Elisaさんの講義を受講
エンリッチメントの材料集め
Pale Giant Squirrelを観察中
Red Giant Flying Squirrelの出巣待ち
Bornean Keeled Green Pit Viper
6月21日:講演「ボルネオ熱帯雨林の野生動物」板橋区立熱帯植物環境館(同館主催)
2月1日:講演「大学がボルネオの野生動物のためにできること」モンベル渋谷(BCTJ主催)
写真はセピロクRDC(サバ州森林局の環境教育施設)のキャノピーウォーク・タワーから撮影したものです。とんでもない高さに巣箱があります。
この巣箱は、大型のムササビ・アカオオムササビの親子に利用されていました。