(1)産地及び栽培の特徴

1.産地の特徴

【気候】里山も近く、平地に比べ昼夜の気温差が大きく(デンプンが生成され易い)イネの登熟に良い環境です。

【  水  】浜戸川は小さく細く水量は少ないですが、県内でも豊富なミネラルと栄養分を含んでおり健康で丈夫なイネが育ちます。

【土壌】河川流域は沖積層で形成され水はけが良く稲作に適した土壌です。

①【気候】里山の残る田舎町

熊本県の中心に位置する城南町は、熊本城から南へ約13kmの地点にあります。

城南町の中でも私の住む豊田地区(旧豊田村)は、河川周辺の水田地帯と果樹が盛んな山間地帯が織り成す自然豊かな小さな田舎町。

里山に隣接している豊田地区は平地に比べ昼夜の寒暖差が大きく、ブドウや柿などは色づきが良く糖度も増してきます。当然ながらイネも同様にデンプンの生成が促進され食味も良好となります。

タヌキやイノシシ、鹿やサルも近くの里山から顔を出します。

②【  水  】ミネラルと養分が豊富な河川

浜戸川は小さく細く水量は少ないですが、イネが最も必要とするケイ酸が多く含まれ、稲作には良い条件が揃っています。

「熊本県農業研究センター研究報告 第17号」

https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/6543.pdf


写真:里山と浜戸川

③【土壌】水はけが良い沖積層地帯

浜戸川流域の水田地帯は沖積層で形成され水はけが良好で、稲作に適した土壌です。

(土壌詳細)

地表から35cm〜60cmにある層の土性が砂質〜壌質で土色が灰色を呈する灰色低地土である。 沖積堆積物からなり、河成沖積平野、旧河床、扇状地などに分布する土壌である。 自然肥沃度としての保肥力が小〜中で、土壌の養分肥沃度は低中位。 地下水位は低く、排水は良好である。 

<出典:土壌情報閲覧システム>

https://soil-inventory.rad.naro.go.jp/explain/F4.html

2.栽培方法の特徴

・水稲栽培に必要な養分(窒素成分で)のおよそ75%は“水田土壌と河川用水”(67%+8%)からまかなうことができます。

このため、土壌の持つ地力を高めることを第一義とし、土壌に住む微生物や小動物を活かす土作りに取り組みました。

これにより、私の水田ではカエルやゲンゴロウ、ホウネンエビ、イトミミズなど多様な生き物の姿をみることができました。

3.栽培品種の特徴

4.土づくり

圃場には外部より窒素成分は持ち込みません。収穫後の稲わらを秋にすき込み地力を高めていきます。