執筆：2018年4月

１． 自己紹介

高校生ぐらいから貧困や格差に興味があり、大学で経済学を勉強していました。途上国の経済成長に関する卒業論文に取り組む中で、人的資本（教育）に関する知識を深めたいと思い、今の専攻を選びました。職務経験は、ガーナでの起業家養成所にて1ヶ月のインターン。留学の動機は、途上国における教育経済学を体系的に勉強するには今の大学院が一番いいのではと感じたから。

２． 所属コースの概要

IOEで国際開発に関連するコースは私のコースを含めて4つあり、総称してEID (Education and International Development) Clusterと呼ばれています。

私の現在受講しているコースはMA Educational Planning, Economics and International Development (EPEID)です。

コースの強みと特徴としては、教育を経済学の観点から分析する力を身につけられること。教育に関わる意志決定に科学的な証拠を用いるにはどうすればいいのか、そしてその問題点を学ぶことができます。またコースにフルタイムで所属しているのが20人ほどで必修科目も多いため、コース内での仲がいいと思います。課題などは「助けて！」と言えば教授や友人が親身になって相談に乗ってくれると思います。

弱みとしては、自分で選択できる科目が少なく、途中で興味関心が変わった時に、そのコース以外の科目を受講するのが難しいことです。友人が挑戦していましたが、2か月以上リサーチや大学と交渉していました。また卒業論文の指導教官が1月頃振り分けられるため、それまでに論文テーマを決定しておく必要があることです。

クラスメートのバックグラウンドは、途上国で6か月以上の職務経験がある人が多いです。

３． 授業の概要

・授業名：Concepts, Theories and Issues (CTI) （必修科目）

・内容：教育開発に関する理論を勉強します。教育を様々な観点から分析する力を身に着けるための授業です。具体的には教育を投資として考える人的資本理論(human capital theory) 教育を権利として考えるhuman right approachなど。オムニバス形式の授業形態で、評価は5000字のエッセイのみです。

・授業名：Planning for Education and Development (PED)（必修科目）

・内容：教育政策、開発援助などの計画・評価手法を学ぶ授業です。Impact evaluation, theory of change などのフレームワークをどのように使うのか実践的に学べます。評価はされませんが、担当教官からフィードバックが返ってくるプレゼンテーションがあります。大学院では個人的にwritingやreadingの力が求められていると感じることが多いのですが、この授業ではプレゼンテーションやディスカッションなどspeaking, listeningに関する能力が求められ、それらの能力を鍛える貴重な機会だったと思います。評価は5000字のエッセイです。

・授業名：Economics Perspectives of Education Policy（必修科目）

・内容：教育政策を経済学的な観点から分析する授業です。教育を限られた費用でできる限り多くの人に提供するにはどうすればいいのか、そしてその時に生じる問題はどんなものがあるのか学びます。教育から得られる利益と費用を考慮しながら、教育費を政府、学生、親、企業などの教育に関わる利害関係者がどのくらい負担するべきかについての議論が個人的に面白かったです。評価は5000字のエッセイです。

・授業名：Impact Evaluation Methods

・内容：教育プログラムやプロジェクトの定量評価分析手法に関する授業です。ある事柄がある結果にどのくらい影響を与えたのか因果関係を分析する方法をSTATという統計ソフトを使いながら学べます。イギリスの研究で実際に使われたデータに触れながら、教育プロジェクトのためのデータ取得、分析する際に注意するべきことなど実践的なことが学べます。評価は2時間のテストです。

４． その他 大学付近でホームステイをしています。イギリスで実際に生活している人々の様子を垣間見れるのでおすすめです。