「BA in Development Studies」 School of Oriental and African Studies, University of London

(ロンドン大学 東洋アフリカ研究学院 「開発学 学部間交換留学」)

桐葉 恵(きりは めぐみ)さん

執筆:2017年4月

1. 自己紹介

早稲田大学国際教養学部から交換留学という形で勉強しています。日本では教養学部なのですが国際協力に関心があったため、特に中東地方の平和構築や国際関係を勉強していました。平和構築にどのような開発が必要かを考えるために開発学で有名なイギリスを志望しました。また、在日パレスチナ大使館でインターンをしていました。中東諸国の外交に触れるにつれ、私の学部では限られていた中東諸国についてもっと学びたいと思い、SOASに留学を希望しました。


2. 所属コースの概要

コースは3ターム制で、1・2タームがクラス、そして3ターム目がテストです。4unit分の授業、すなわち4から6コマぐらいのクラスを1年間に受講します。クラスは授業とチュートリアルに分かれ、1週間に2回あります。1タームずつ10回ほど授業があるのですが、それぞれ最終週に4000字から5000字のレポートが課されました。テストはで3時間で3本のエッセイを書くものです。私は交換留学なので、様々なコースから授業を取っています。コースの特徴としては、左寄りの理論から今の開発論や国際関係論を批判しながら考える授業です。チュートリアルの授業では中東からの学生が多かったのですが、西欧など大国への非難がとても大きく、面白かった反面苦労した部分もありました。


3. 授業の概要

・授業名:Landscape in Jerusalem

内容:歴史をさかのぼりながらイェルサレムのポップミュージックを考察し、イェルサレム社会を学ぶ。

感想:音楽からイェルサレムを学ぶという、今までに受けたことのないような内容の授業で非常に興味深かった。音楽コースの生徒と一緒で苦労したものの、授業からアラビア音楽やユダヤ音楽の特徴などを学べるためテストには問題なかった。

・授業名: Development and Conflict

内容:紛争の理論と、平和構築とその問題点について学ぶ。

感想:SOASらしく批判的に紛争解決に関わる開発や支援を学んでいき、日本の大学で学んだ平和構築に新たな視点を持つことができました。先生が非常に熱心で、チュートリアルでは架空の状況から平和構築を行うプレイローリングを行い、理論だけではなく実践からも考えることができた。

・授業名 Religion and World Politics

内容:宗教とそれに影響されている国際政治や社会を学ぶ。イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教、仏教など、世界中の国際政治を分析してゆく。

感想:国際政治は政治理論から考えていたが、思想や宗教という新しい観点から考えてゆき興味深かった。哲学への造詣が浅かったため最初の方は思想家とその考えがわからず苦労したが、だんだん慣れていった。


4. 大学紹介

Russell Squareにある、ロンドン大学の1つです。図書館にはアジアやアフリカに関する書籍が揃っています。キャンパスはとても小さいのですが、ロンドンの中心にあるためとても便利です。校風としては、かなり左寄りな学校です。清掃員さんや教員の地位をあげるデモやパレスチナ解放デモなど、たくさんの運動が行われています。ソサエティーはあまり盛んではありませんが、ジャパンソサエティーなど数え切れない様々な地域のソサエティーがあり面白いです。


5.その他

キングスクロスにあるSOAS生の寮に住んでいます。キングスクロスから10分以内につき、近くにスーパーもたくさんあるため、非常に便利なところです。設備はボロくキッチンは壊れますが慣れます。ロンドンは、美術館や博物館も多いところなので見飽きない魅力があると思います。


6.留学をめざしている人へ一言

留学はあっという間に終わってしまうのですが、今までにない濃い人生を歩んだのではないかと思います。きっと楽しいですからワクワクを忘れずに頑張ってくださいね。