「MSc Development Studies」London School of Economics and Political Science

(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE) 「開発学 修士課程」)

執筆:2013年3月 

1.自己紹介

2012年の5月にアメリカの4年制大学を卒業し、同年10月からLSEで勉強をしています。アメリカの学部では国際関係学を学んだのですが、その過程で先進国と途上国の差や難民問題についてさらに深く勉強したいと思うようになり、院で開発学を専攻することを決めました。アメリカの院ではなく、イギリスの院を選んだ理由はイギリスの方が開発学の歴史が深いからです。LSEの開発学には様々なプログラムがありますが、私は幅広く開発を学びたかったため、開発全般について学べる今のプログラムを選びました。


2.所属コースの概要

私が所属しているプログラムには約80人ほどの学生がいます。学生は様々な国から集まっていて、国際的な環境で学ぶことができます。アメリカやヨーロッパからだけではなく、中央アジアや中東からも多くの学生が集まってきています。このプログラムの強みは、選択教科の幅がとても広いことです。自分が開発の何を専門的に学びたいかによってクラスを選ぶことが出来るし、私のように幅広く学びたい場合は自分で興味のあるクラスを数ある選択肢の中から自由に選ぶことが出来ます。ただ、弱みとしては、このプログラムの学生たちは必修科目以外のクラスでは様々なクラスに分かれているため、必修科目(講義とセミナーが週に1回ずつ)以外のクラスで会うことがあまりありません。しかし、その代わりに他のプログラムの学生と関わる機会が多くあるのも、このプログラムの特徴だと思います。この必修科目では主に開発の理論と政策について学びますが、内容もとても深く、非常におもしろいクラスです。


3.授業の概要

・授業名: Development Theory, History and Policy

・内容:このクラスは2学期通して行う授業です。1学期では開発の歴史をたどり、その中で出てくる理論を深く学びます。2学期では学んだ理論をもとに現在途上国が直面している様々な問題に対してどのような政策をとるべきかということを学びます。例えば環境政策、農業政策、産業政策についてです。講義は週に1回2時間でセミナーは週に1回1時間半です。セミナーでは毎学期必ず一人一回はプレゼンテーションをしました。その後にディスカッションをしながら理解を深めていくという形式で行われました。

・授業名:Global Political EconomyⅠ

・内容:国際機関、特にIMFと世界銀行の政策がどのような影響を途上国に与えているか。

・感想:このクラスは実際に世界銀行で勤めていらした教授が担当しています。細かい内容は世界の経済の歴史をまずたどり、途上国と先進国の経済の違いを詳しくみていきます。そして、国際機関がどのように発展してきて、どのような思想をもとに動いているのかということも学びます。講義は週に1回1時間半、セミナーも同じです。セミナーではプレゼンテーションはありませんでしたが、毎回セミナーの前に紙1枚に質問の答えを書く課題と、クイズがありました。経済学の知識がないと、少し理解するのに時間がかかるクラスだと思います。


4.大学紹介

大学の校舎はあまり大きくないですが、設備はしっかり整っていて位置的にも不便がありません。 また学校のキャリアセンターでは就職活動に関するセミナーを頻繁に開催していたり、面接練習をしてもらえたりなど、手厚いサポートもあるのでとても助かります。LSEの院生は半分が職務経験者で、残りの半分は学部を卒業した後すぐにLSEに来ています。年齢も国籍も育った背景も違うたちが集まっていることが大きな特徴です。一人ひとりが生き生きとしていて、とても明るい雰囲気があります。


5.その他

私はトラファルガースクエアにあるLSEの学生寮に住んでいます。位置が非常に便利なところにあるので学校にも徒歩で行けるし、治安もとても安定した地域にあります。部屋には大きな机があり、勉強するにはとても良い環境です。食事はついていないので自炊が主ですが、徒歩2分以内にスーパーマーケットもあるので、買い出しにとても便利です。


6.留学をめざしている人へ一言

大学・大学院留学はとてもやりがいのあるものです!特に大学院では、学部と違って自分の議論を論理的に述べることが求められてきます。始めは慣れないことも多く勉強の内容も深くて大変ですが、時間をうまく管理すると非常に楽しい生活になると思います!