「BSc International Development Studies with Overseas Experience」School of Development Studies, University of East Anglia

矢次 未有希(やつぎ みゆき)さん

執筆:2010年2月

自己紹介

短大で異文化間コミュニケーションを学んだ後、入学しました。留学前は開発分野に関する知識はほとんどなく、国際関係を専攻しようと考えていました。その後、情報を集めたり本を読んだりして開発学を知り、アフリカ(マダガスカル)について学びたいと思いイギリスの大学に決めました。

入学時はBA/BSc Differed Choiceというコースを取っていたのですが現在はBScに変更し、コミュニティーベースのリソースマネージメントとエコツーリズムに興味を持っています。職務経験はありませんが、2008年の夏にカンボジアで2ヶ月コミュニティーベースでエコツーリズムを行っている村でボランティアとして働きました。


所属コースの概要

学部の授業は、1年次は開発に関する一般的なコースから始まるので、入学前に開発についてあまり知らなくても授業にはついていけると思います。イギリス人、ヨーロッパ圏の学生が比較的多いと思います。アフリカ、南アメリカ出身の学生もいますが少数です。日本人の割合は、多くも少なくもなくという印象です。

学部では、School of Environmental Science (ENV)の生徒(現在コース名はBSc Environmental Geography and International Development )や、開発と言語(私が知っている限りでは、スペイン語とフランス語がメジャーのようです)を並行して取っている生徒もいます。開発学部でBScを専攻した生徒は、2年次終了後(6月ごろ)に10日間ほどのフィールドトリップがあります。


授業全体について

教授の方針によって多少の違いはありますが、応用よりも理論重視なコースが多いです。レクチャーが週に数回とセミナーが数週間おきにあり、ワークショップがあるコースもあります。他の学部と比べるとセミナーの頻度やディスカッションの密度は低いようにも思います。また、セミナーが生徒のプレゼンテーションだけで終わることも多く、いくつか退屈なセミナーもありました。

どの授業も教授によって雰囲気は違うので、アドバイザーや上の学年の生徒に聞いて情報を得ると実際の雰囲気などがよく分かると思います。

開発学部に入学した場合、最初のセメスター終了後、Economics (ECO), Natural Resource Management (NR), and Social Analysis for Development(SAND)から2コースを選択し、選択したコースは3セメスター(1年半)必須になります。言語を取っている生徒は、1コースのみ選択するようです。私が選択していたNRは1日から数日のフィールドトリップなどもあり、特に2年次からは応用も重視されていました。また、Sub-Saharan Africa, South Asia, Latin Americaのなかから1コースをRegional Studyとして選択します。その他に、Data Analysis(数学のようなもの)などがあります。

必須と選択科目では、必須の方が多いと思います。他の学部の科目も自由に選択できますが、1セメスターにつき1コースです。

学期は秋と春の2学期制です。クリスマスとイースターホリデー(それぞれ1ヶ月)があり、試験は5月から6月にかけてあります。Reading Week(ターム中間にある1週間の休み)はそれぞれの学期の途中にあります。


これまでに受けた授業の内容・感想

授業名:Data in Development Studies 1年次、春学期(必須)

内容・感想:

リサーチを行う時に、ExcelやSPSSというPCファイルを使って、どのようにデータを集め分析するかということをやります。おそらく、1年次に(ほぼ)すべての生徒が途中でリタイヤしたいと思うユニット(授業)です(でも諦めずに友達と助け合って頑張ってください!)レクチャーとワークショップで授業は行われます。評価は、出題された問題やケースをファイルを使って分析し、結果をまとめて提出するのと学期末の試験で出されます。


授業名:Field Course 3年次(BScを専攻している生徒は必須)

内容・感想:

3年次のユニットですが、実際は2年次(試験)終了後の6月頃に2週間弱行うフィールドトリップです。昨年は、スコットランドのMallaig(マレイグ)でした。トピックは環境関連のものであればどんなものでもよく、それぞれが滞在中にリサーチを行います。評価は、結果のプレゼン(約20%)、大学に戻ってからリサーチペーパー(約80%)を提出します。リサーチはグループで行っている生徒もいますが、ほとんどが個人でリサーチ・プレゼン・リサーチペーパーをやっていました。リサーチペーパーはグループで行った場合も、個人で提出します。


授業名:Development Work Experience

(Overseas Experienceを専攻している生徒のみ、3年次が始まる前の夏や

3年次の秋学期など)

内容・感想:

この授業はレクチャーではなく、NGOなど現場で数ヶ月(最低2ヶ月)働きます。評価の仕方は毎年変わっているようです。今年は、フレームワークを使い、働いた組織や自分のやったことを分析しエッセイにまとめるものでした。評価は春学期の場合、それぞれのユニットで試験が50%で残りの50%はエッセイやプレゼンで評価されます。私が選択したコースの中では、個別プレゼンがあるものはありませんでした。ほとんどがグループです。


大学情報

図書館(ITエリアを含む)・寮・学部などほとんどの施設がキャンパス内にあるのでアクセスはとてもよいと思います。大学の周りにスーパーもあり、キャンパス内にも郵便局・銀行・パブ・トラベルショップ・小さいスーパーもあるので、大学内でほとんどの用事を済ますことが出来ます。街までは、バスが大学から約10分おきに出ており、約15-20分で着きます。

学費は、どこの大学でもそれほど変わらないと思いますが今年は£9,000ほどです。学部から授業料のカット(最大半額)を受けられるので、入学時に提出する高校などの成績が良いとチャンスはあると思います。寮費は、住む寮によって違うので一概には言えませんが、ロンドンなどと比べるとオフキャンパスに住んだ場合(月£210-280)でもそれほど高くないと思います。


その他の情報

Dean of Student Officeに問い合わせをすると、UEAで学んでいる日本人学生と話ができるように取り計らってくれるようです(以前、大学内のメールでまわってきたことがあるので)冬休みの前に連絡を入れると、クリスマスホリデー(12月中旬から1ヶ月)の間に帰国する生徒と日本で話をすることも出来ると思います。