「MSc International Development: Economics and Management of Rural Development」Institute for Development Policy and Management (IDPM), University of Manchester

山本 佳江(やまもとよしえ)さん

執筆:2009年3月

自己紹介

大学卒業後、有機農業関連の NGO を母体とする株式会社で約4年勤務。そして、青年海外協力隊に参加(村落開発普及員・パナマ)。帰国後は、大学院への進学は決めていたものの、日本の大学院か海外の大学院かで、迷いつつ少々時間が経ってしまいました。所属の農村開発を選んだ理由は、出願時に提出する自己推薦書を作成中に自分の興味や経歴、今後どういった道に進みたいのかを再度考える直す機会があり、その中でたどり着いたといった感じです。


所属コースの概要

IDPMには毎年300人以上の大学院生が登録されています。IDPMはSocial Development、 Development Economics、Human Resources for International Development、 Development Informaticsに大きく分かれており、そこからまた各コースに細分化されています。農村開発コースには7人が所属していて、国籍はベルギー、イタリア、トルコ、アメリカ、スリランカ、モンゴル、日本といった構成で、男女比は男性が1人のみです。それぞれのバックグラウンドは、コースが農村開発と言っても、「農村開発の経済とマネージメント」がフルネームなので、半分が経済系の修士号を既に持っています。これには少し驚きました。コースは思ったほど、農村開発にのみ特化している事はなく、ほとんどの授業は他のコースと共通です。しかし、ウガンダへのフィールドトリップがあり、そこでは農村を満喫することができました。


授業全体について

1年は前期・後期に分かれており、各期に4科目を履修します。そのうち2科目が必修、2科目が選択科目です。各授業は毎週の講義と数回の生徒参加型のチュートリアルで構成されています。授業全体としては、基本的に大人数で毎週講義を受けているので、日本の大学のイメージに近いかもしれません。


これまでに受けた授業の内容・感想

授業名:Perspectives on Development (必修)

内容・感想:

このクラスは、多くのコースにおいても必修となっており、かなり大人数でのクラスでした。内容は、開発における基礎知識をつけるものが多く、また大学院生活で最初のエッセイが課されたのも、この教科でした。(評価:1,500字の文献レビュー 30%、エッセイ2500字 70%)


授業名:Economics for Rural Development (必修)

内容・感想:

タイトルに農村開発と入っているのですが、内容は完全に一般的なミクロ経済学でした。そのため、クラスメートの半分はすでに経済の修士号を持っていたので、別の授業に変更し、結局3人しか履修しませんでした。これが、農村開発に関係しないと、どの授業でそれが勉強できるのか・・・といった感じです。(評価:レポート 2000字 3分の1、試験 3分の2)


授業名:Social Development (選択)

内容・感想:

政策的なことが学べるので履修しました。(評価:エッセイ3000字 100%)


授業名:Micro Finance (選択)

内容・感想:

マイクロファイナンスに対する一般的な知識はありましたが、ちゃんと勉強をしてみたくて履修しました。授業では理論や現実、その効果や団体の形態など総体的に勉強でき、また課題では1つの団体に絞った調査レポートでした。(評価:レポート 4000字 100%)


大学情報

図書館は夜遅くまで開いていていますし、本だけでなく、データ化された資料も豊富にあります。大学の立地も街中にあり、適度にリラックスできますし、しかしそれ程都会でもなく、勉強に専念するには程よい環境だと思います。


その他の情報

英語の成績を願書と一緒に提出しなくてもいいと聞いていたので、英語にあまり自信のない私は、英語はじっくり後で準備しようと、それ以外の書類のみで早々に出願しました。そして英語の条件付入学許可をもらった大学で、自分がどこに行きたいかを検討、マンチェスター大学に行こうと決めた後、語学の方も早々に渡英して、大学付属の語学学校で準備することにしました。今考えると、時間と経済的には負担にはなりましたが、大学や町に慣れるという意味でもすごくいい決断だったと思います。大学院が始まるまでに時間と心の余裕が少し持てました。大学院が始まるギリギリに来た友達は、勉強と生活に慣れるのに結構時間がかかっていたように思います。