9回勉強会のご案内

★☆★☆IDDP 2020/21 第9回勉強会★☆★☆


IDDP 第9回勉強会 「国際協力における食・栄養支援~ファイナンス面から考える~」

日時:2021年7月31日(土) 9:00 – 10:30 (GMT), 17:00 – 18:30 (JST)

会場:オンライン(Zoom)

※参加人数に限りがありますので、お早めにお申し込み下さい。

※勉強会中にブレイクアウトルームを使用いたしますので、Zoomの最新版へのアップデートをお願いいたします。

※勉強会終了後に別途40分程度講師の方を交えた懇親会があります(参加は任意です)。


講演概要:

SDGs(持続可能な開発目標)では、2030年までに世界から飢餓を無くすことを目標に、国際機関などのさまざまな組織が、食・栄養の分野で活動しています。しかし、WFPによると、世界の11人に1人が十分な食料を得られないまま生活せざるを得ない環境で暮らしています。


昨年からのコロナ禍により、世界で増大する食料状況が悪化しているとの報告が複数の国際機関などから出されており、人間の生存に欠かせない食・栄養の分野の支援が喫緊の課題となっています。


今回の勉強会では、国連の組織であるWFP(国連世界食糧計画)と日本の公益財団法人という異なる立場から、どのように食・栄養の分野で国際協力を実施しているか、また、コロナ禍での影響等について、2名の講師の方にご講演いただきます。


立場の異なるアクターが、どのような組織の仕組みで同じ食・栄養の分野で活動されているか、より理解する機会となりますので、たくさんの方のご参加お待ちしております。



講師紹介:


栗脇啓様 公益財団法人味の素ファンデーション シニアアドバイザー


1981年に国際基督教大学を卒業後、味の素株式会社に入社。

1983-88年インドネシア味の素㈱にて調味料営業、マーケティング、新製品"Masako"開発。1995-99年アメリカ味の素㈱にて医薬用・健康食品用アミノ酸販売、1999-2004年味の素ユーロリジン(仏)にて飼料用アミノ酸マーケティング部長。その後本社飼料部、総合企画部、新事業開発部、CSR部を経て2017年より新設の(公財)味の素ファンデーションにおいて栄養改善事業(AIN、VINEP:ベトナム栄養制度創設プロジェクト)に携わる。 現在副業としてGlobal Partnership for Education(GPE)コンサルタントに従事。資格:自然観察指導員。趣味:ラグビーと料理。


田島大基様 国連WFPケニア国事務所 予算担当官(JPO)

19歳の時に参加したモンゴルへのスタディツアーが国際協力の原体験。東京大学経済学部卒業。在学中は開発経済学のゼミに所属、モンゴル孤児支援のNGOでボランティア。 大学卒業後、三菱UFJ銀行にて財務分析、融資格付業務等に従事。その後、インド地場大手会計事務所に転職し日系企業のインド進出サポート業務等に従事。2015年に米国公認会計士試験合格。 タフツ大学フレッチャースクールに進学し、国際開発とビジネスを専攻。在学中、ルワンダのNGOにてインターンを実施。 大学院卒業後、JICA民間連携事業部勤務を経て2018年度のJPO試験に合格。2019年4月より国連WFP在ケニア東アフリカ地域事務所に予算担当官として勤務。2021年4月より国連WFPケニア国事務所へ異動。


参加費:£2(勉強会運営費に充てさせて頂きます。)


言語:日本語


事前にEventbriteサイト(https://www.eventbrite.com/e/iddp-9-tickets-164336303307)よりお申し込みをお願いいたします。


〜第9回勉強会 開催報告〜

7月31日に、​​第9回勉強会​​「国際協力における食・栄養支援」を開催しました。


本勉強会では、公益財団法人味の素ファンデーション シニア・アドバイザーの栗脇啓様とWFP(国連世界食糧計画)ケニア国事務所 予算担当官の田島大基様、お二方を講師としてお招きしました。


栗脇様からは、国際協力分野における食・栄養分野の話を大枠で話していただきました。栄養に関する課題は、世界だけでなく日本にも存在することや、複数の栄養課題が1家族や個人の中でも発生していること、それに対する栄養介入としてダイレクトに対処する直接的(specific)介入と食環境や教育など背景となる原因からアプローチする(sensitive)介入に分類されること、また、味の素ファンデーションとしては後者を中心にどのように栄養介入事業を実施しているか、SDGsとの繋がりについてもお話いただきました。


次にお話いただいた田島様からは、ケニア・ダダーブ難民キャンプにおけるWFPの食料配給の現場がどのようなものであるか、プロセスを写真と共にご説明いただきました。また、食料支援の潮流として、今後、現物での支援よりも、現金・バウチャーを使用した支援の割合が増えていく見込みであることなどもお話いただきました。その上で、コロナ禍が食料配給に与える影響やその影響を踏まえてどうWFPとして対応しているかなど、現場目線のお話を聞くことができました。また、日本の都市銀行勤務を経験してから、国連組織の世界食糧計画に関わっている経歴から、日本と国連における業務で感じる違いなどもお話いただきました。


お二方のご講演後は、質疑応答セッション及び懇親会の時間を設け、学生の方や国際協力の実務者にご参加いただき、活発な議論をすることができました。