第7回勉強会のご案内

★☆★☆IDDP 2020/21 第7回勉強会★☆★☆


IDDP 「開発×医療 – 国際保健とその展望−」

日時:2021年5月8日(土) 11:00 – 13:00 (GMT), 19:00 – 21:00 (JST)

会場:オンライン(Zoom)

※参加人数に限りがありますので、お早めにお申し込み下さい。

※勉強会中にブレイクアウトルームを使用いたしますので、Zoomの最新版へのアップデートをお願いいたします。

※勉強会終了後に別途40分程度講師の方を交えた懇親会があります(参加は任意です)。


講師:

杉下 智彦様 東京女子医科大学国際環境・熱帯医学講座(教授/講座主任)

川原 尚之様 認定NPO法人ロシナンテス 理事長


講演概要:

いまだに終息が見えないCOVID-19のパンデミックを受けて、公衆衛生に対する関心が世界的に高まっています。アフリカでは爆発的な感染拡大は今のところ起こっていませんが、ワクチン分配や医療体制において課題が多く残っており、保健分野における世界的な取り組みが求められています。


「国際保健とその展望」と題した今回の勉強会では、アフリカ現地でのご経験が豊富なお二人の講師にご登壇いただき、グローバルな視点とローカルな視点双方から、国際保健の現状やお二人のこれまでの取り組み、今後の国際保健のあり方についてお話しいただきます。


パンデミックを受けて国際保健に興味を持たれた皆様、アフリカの様々な国での保健事業や講師の方のご経験にご興味のある方は奮ってご参加ください。


また、今回の勉強会は完全オンライン開催となりますので、イギリス・日本その他世界中からのご参加をお待ちしております。



講師紹介:


杉下 智彦様 東京女子医科大学国際環境・熱帯医学講座(教授/講座主任)


医学部(東北大学)、公衆衛生修士(ハーバード大学院)、医療人類学修士(ロンドン大学院)、地域保健博士(グレート大学キスム校大学院)。アフリカを中心に30か国以上で保健システム案件の立案や技術指導に携わる。WHOや世界銀行などとともに「持続可能な開発目標(SDGs)」の策定を支援する。2016年10月より現職。2014年ソーシャル・ビジネス・グランプリ大賞受賞。2016年医療功労賞受賞。JICAグローバルヘルスアドバイザー。


川原 尚之様 認定NPO法人ロシナンテス 理事長


九州大学医学部卒業後、九州大学第二外科(現:消化器・総合外科)入局。1998年外務省入省。2002年在スーダン日本大使館に一等書記官兼医務官として着任。2005年1月に外務省を辞職し同年4月よりスーダン国内での医療活動を開始。翌2006年5月「NPO法人ロシナンテス」設立。2019年にはザンビアでも活動を開始。「支援した地域の人たちが、“医療”を自分たちのものとし、地域の人たちだけで医療を継続できる仕組みが根付いている世界」を目指し、現地での持続性を大切に活動している。


参加費:£2(勉強会運営費に充てさせて頂きます。)


言語:日本語


事前にEventbriteサイト(https://www.eventbrite.com/e/iddp-7-tickets-152576880557)よりお申し込みをお願いいたします。

 

☆★IDDP第7回勉強会レポート☆★

5/8にIDDP第7回勉強会「開発×医療~国際保健とその展望~」を開催いたしました。


本勉強会では、東京女子医科大学教授の杉下智彦様と、認定NPO法人ロシナンテス理事長の川原尚行様にご登壇いただきました。


まず最初に、杉下様より「COVID-19パンデミックとグローバルヘルスの新しいランドスケープ」というテーマでお話を頂戴いたしました。各国のコロナウイルス感染症の流行状況を、ただ感染者数の多さを見るだけでなく、感染率や医療インフラとの関連性などの観点を取り入れた分析を行った上で、今後の課題や対策を考える必要があるとご説明いただきました。コロナウイルスは、各国の医療サービス整備度合と死亡率に強い関連性が見られないという点において特殊であるという主張が興味深いものでした。また、杉下様がアフリカの保健システム向上にご尽力されているという背景から、アフリカのコロナウイルス感染状況やそれに対する政府の対策、副次的な社会経済への影響についても語っていただきました。


次に、川原様にご講演いただきました。最初に、認定NPO法人ロシナンテスの活動概要についてお話いただきました。「自立できる医療の仕組みを作る」という理念のもとアフリカ地域にて、医療だけでなく、水・教育・コミュニティ状況などの改善にも包括的に取り組まれているそうです。その後、主な活動地域であるスーダンやザンビアにて、現地や日本の様々なアクターと共働しながら取り組んでいる具体的なプロジェクトについてのお話をいただきました。出産に際して何時間もかけてクリニックまで通わなければならない状況の改善、家畜と人が利用する水を分けることによる感染症の防止、新生児指紋認証と合わせた電子化された母子保健登録システムの確立、最終的には電子化された母子健康手帳を目指すとのお話はとても興味深いものでした。


ご講演後には、国際保健に関連する質問に対してお二人に議論していただく、パネルディスカッションの時間を設けました。長きにわたって国際保健の改善にご尽力されてきたお二方の豊かな知見に基づく議論はとても勉強になるものでした。また現地経験が豊富だからこそ話せる現場間のあるお話はとても新鮮で、多くの参加者の方に楽しんでいただけたことと思います。