このページは、2016年度に作成した論文を掲載しています。
現在、新しいGoogle Siteに変換中です。(2021.5.1)
お詫び:新しいGoogle Siteへの移行の過程で、各ページの論文へのリンクが解除されていました。少しずつ再設定を行っていますのでご了承ください。(2021.6.2)
(吉田博、渓流)
まず、一覧です。【論文】をクリックするとファイルが開きます。
22. 2017.3.18. 『東京株式取引所統計年報』にみる戦前日本の株式市場 【論文】
21. 2017.2.21. 『本邦事業成績分析』にみる戦前日本企業 【論文】
20. 2017.1.23. 日本の投資信託、リーマンショック以降の着実な発展 【論文】
19. 2016.12.28. 米日でのインデックスファンドとETFの発展 【論文】
18. 2016.11.30. 株式会社と直接投資のダイナミクス: R.N.ラングロワの所説を手がかりにしながら 【論文】
17. 2016.11.1. 中国における株式会社の発展と民営化進展の危機 【論文】
16. 2016.10.8. 戦間期イギリスの海外投資と対中投資 【論文】
15. 2016.9.20. イギリスにおける株式会社の成立と現代:チャンドラー「個人資本主義」批判 【論文】
14. 2016.8.25. 世界最古の企業から市場を基盤とする企業へ 【論文】
13. 2016.7.17. フランスのコーポレート・ガバナンスと英独との比較 【論文】
12. 2016.6.23. 伊藤レポートとその後の経営改革ーROEと総還元性向の向上をめざして 【論文】
11. 2016.5.24. 東芝の粉飾決算とコーポレート・ガバナンス改革 【論文】
10. 2016.5.8. 現代ドイツ企業の実像:強力な家族支配(続編) 【論文】
9. 2016.4.28. 現代ドイツ企業の実像:強力な家族支配 【論文】
以下では、論文毎に詳しい説明があります。
論文「『東京株式取引所統計年報』にみる戦前日本の株式市場, Japanese Stock Market in the Pre-war Period Shown in “The Yearly Statistical Report of Tokyo Stock Exchange”」を本ページ最下段に掲載しました。(2017.3.18)
キーワード (Key Words):戦前(戦間期)(Pre-war Period (Inter-war Period))、株式時価総額 (Market Capitalization)、バフェット指数 (Warren Buffett Indicator)、PER (Price Earnings Ratio)、PBR (Price Book-value Ratio)
先の論文「『本邦事業成績分析』にみる戦前日本企業」では、戦前(戦間期) 日本企業の財務状況に焦点を合わせ、当時の日本企業が高い収益とその成果の投資家への還元をめざす戦略を採っていたこと、そのコーポレート・ガバナンスが市場中心型であることを見出した。その意味で、戦前と現在の日本企業の財務状況とコーポレート・ガバナンスは共通した点が多かった。
本論文では、『東京株式取引所統計年報』を用いて、戦前の日本と各国の企業の株価と、日本の株式市場全般の特徴を明らかにしたい。それらのデータを用いて、戦前の日本企業のPERとPBRを試算し、現在と比較してみたい。本論文でも、すでに刊行した『日米コーポレート・ガバナンスの歴史的展開』での関連する結論を改めて確認する。
なお、戦前最後の時期での、株式市場の重要な動向のひとつとして、投資信託の登場が挙げられるが、それは次の論文の課題としておきたい。以上3つの論文で、戦前日本の金融市場と企業活動についての一連の研究をまとめておきたい。
論文「『本邦事業成績分析』にみる戦前日本企業」を本ページ最下段に掲載しました。(2017.2.21)
私は、『日米コーポレート・ガバナンスの歴史的展開』の出版(2006)前後から、戦前日本企業のコーポレート・ガバナンスと財務状況について検討を重ねてきた。その結果、戦前日本企業のコーポレート・ガバナンスが市場中心型であり、高い収益とその成果の投資家への還元を重視する戦略を採っていたことを見出した。
最近では、「伊藤レポートとその後の経営改革ーROEと総還元性向の向上をめざして」をはじめとする私の論文で、現在の日本企業がROEと投資家への還元を重視する戦略へと転換しつつあり、市場中心型コーポレート・ガバナンスが着実に復活していることを明らかにしてきた。
本論文では、戦前日本企業の研究には必須の文献である、『本邦事業成績分析』を用い、『日米コーポレート・ガバナンスの歴史的展開』とも比較しながら、戦前日本企業の財務状況に焦点を合わせ、戦間期と現在の日本企業の財務状況とコーポレート・ガバナンスの共通点を改めて明確にしてみたい。
論文「日本の投資信託、リーマンショック以降の着実な発展」を本ページ最下段に掲載しました。(2017.1.23)
昨年12月末に掲載した論文「米日でのインデックスファンドとETFの発展」では、米日両国の戦前から現在にいたるまでの投資信託の歴史を概観した。2017年冒頭では、その歴史の各段階を順次詳しく検討していきたい。まず、本論文で取り上げるのは、日本の戦後の歴史である。
1では、1965年から現在にいたるまでの日本の投資信託の歴史を概観する。2では、最近の日本の投信で大きな役割を果たした、分配型投信とファンドラップの現状と問題点、それらに代わる今後の動きについて検討したい。最後に3では、日本の投資信託の発展に重要な役割を果たしていくだろう代表的な機関投資家である年金積立金管理運用独立行政法人の資金運用戦略をみて、投資信託全般の今後について考えてみたい。
論文「米日でのインデックスファンドとETFの発展」を本ページ最下段に掲載しました。(2016.12.28)
2016年末、トランプ政権の誕生を前にして、ニューヨーク証券取引所のダウ平均株価は20,000ドルの大台に迫っている。ダウ平均は120年前(1896年)に算出を開始して以来、最初に1,000ポイントの節目を超えたのは1972年であり、ダウ平均の算出を開始してから76年以上かかった。1999年3月にはついに10,000ドルを超えたが、今もうひとつの大きな節目を迎えようとしている。
この順調な成長の背景には、アメリカ経済の発展はいうまでもなく、金融市場の改革と新たな金融商品の開発があった。本論文では、新たな金融商品として金融市場の発展を促した、戦間期における投資信託、戦後のインデックスファンド、最近のETFの登場とその後の展開を検討してみたい。
なお、この過程を牽引したのはアメリカであるが、日本もその動きを直ちに追いかけている。以上の3つの金融商品で、日米間でどのような競争があるかもみていきたい。
論文「株式会社と直接投資のダイナミクス: R.N.ラングロワの所説を手がかりにしながら」を本ページ最下段に掲載しました。(2016.11.30)
本論文は、今注目されている、ラングロワの『消えゆく手 株式会社と資本主義のダイナミクス』をひとつの手がかりにしながら、株式会社と直接投資の2つのダイナミクスと、その相互連関を歴史的にとらえてみたい。
1では、株式会社のダイナミクスの2つの源泉である、株式会社組織そのものと、そのコーポレート・ガバナンスの歴史的な変化について、これまで発表した論文をもとにまとめる。2では、今ではグローバル経済を牽引している直接投資のダイナミクスに焦点を合わせる。この課題は、ラングロワが詳しく検討していないが、株式会社の発展の結果であるとともに、株式会社のいっそうの発展を強く促している。特に戦間期アメリカを取り上げて、株式会社と直接投資の2つのダイナミクスの相互連関について具体的に検討する。3では、その検討を踏まえて、2つのダイナミクスの相互連関を歴史的に一覧にしてまとめたい。
論文「中国における株式会社の発展と民営化進展の危機」を本ページ最下段に掲載しました。(2016.11.1)
この間私が作成した3つの論文「戦間期イギリスの海外投資と対中投資」、「イギリスにおける株式会社の成立と現代:チャンドラー「個人資本主義」批判」、「世界最古の企業から市場を基盤とする企業へ」で、イギリスと日本における株式会社の成立と発展の歴史を概観してきた。上記の最新の論文では、イギリスでの株式会社の発展と対中投資の関連について検討した。
本論文では、投資受入国であった中国で株式会社がどのように成立し発展したかを検討する。1では、19世紀後半に創設された中国株式会社の特徴としての、官督商辦や合股とは何かをみていきたい。それらとの比較のために、現代経済発展の原動力である、株式会社の基本的な特徴についてもまとめる。2では、戦間期中国で活躍した代表的な企業である申新紗廠と永安紡織印染公司、そして上海華商証券交易所を取り上げ、中国の株式会社の新たな発展をとらえる。3では、世界市場に登場した現代の中国国有企業から民営化された企業の特徴と、いっそうの民営化が危機にさらされている現実を明らかにしたい。
論文「戦間期イギリスの海外投資と対中投資」を本ページ最下段に掲載しました。(2016.10.8)
先月に公開した論文「イギリスにおける株式会社の成立と現代」で、第1次世界大戦までのイギリスの海外投資が、証券投資が中心であったことを明らかにした。産業革命を起こし、早くから株式会社を普及させてきたイギリスで、多くの投資家は、株式会社を通じた新たな産業革命ではなく、証券投資を通じた海外投資に巨額の投資を行った。
本論文は、その後の戦間期のイギリス海外投資の全体像を改めて確認し、投資先のひとつとして中国を取り上げ、投資の実態を主要な産業で詳しく検討してみたい。中国はイギリスにとって典型的な投資先ではないが、中国でもイギリスの海外投資は重要な特徴は見出せる。とりわけその投資において、イギリス企業がどのような役割を果たしたかに注目したい。なおその際に、投資の比較対象となるのが後発国日本である。
論文「イギリスにおける株式会社の成立と現代:チャンドラー「個人資本主義」批判」を本ページ最下段に掲載しました。(2016.9.20)
私の最も新しい研究ノート「世界最古の企業から市場を基盤とする企業へ」では、企業の発展史を、日本企業に主な焦点を当てながら、企業の成立、株式会社の成立、市場を基盤とする企業(市場中心型コーポレート・ガバナンスを持つ企業)の発展という、3つの段階としてとらえた。
本論文では、産業革命を興し、近代の経済発展を牽引してきた、イギリス企業はどのような発展の歴史をたどってきたのかについて検討してみたい。イギリス企業については、チャンドラーが「個人資本主義」という特徴を与えているが、その批判的な検証も課題となる。
・研究ノート「世界最古の企業から市場を基盤とする企業へ」を本ページ最下段に掲載しました。(2016.8.25)
表の出所の修正と参考文献の追加を行った第2版を掲載しました。本文を含むその他の修正はありません。(2016.9.12)
企業と株式会社はいつどのように成立し発展してきたのか、ファミリー・ビジネスはその過程でどのような役割を果たしたのか、について世界的な幅広い関心が集まっている。資本主義の限界や終焉という主張も再び活発になり、冒頭の議論を加速させている。本論文では、企業の発展史を、日本企業に主な焦点を当てながら、企業の成立、株式会社の成立、市場を基盤とする企業(市場中心型コーポレート・ガバナンスを持つ企業) の発展という、3つの段階としてとらえてみたい。
この文書には、一部に私自身による検証が不十分な課題があるため、「研究ノート」して掲載いたします。
・論文「フランスのコーポレート・ガバナンスと英独との比較」を本ページ最下段に掲載しました。(2016.7.17)
2016年の最も重要な事件となるだろうと予測されるのはBREXIT、6月23日の国民投票によるイギリスのEU離脱の決定だろう。すでに世界経済に重要な影響を与えているが、それはこれから起こる大きな変動の前触れに過ぎない。
その変化の中で、確実に起こるだろうと予測されるのが、EUあるいは世界の経済統合の後退だろう。EUでは次の離脱がささやかれているし、アメリカやその他の国でも経済のグローバル化や統合への否定的な意見が強まっている。
本論文では、この困難に立ち向かうEUを支える大国フランスの主要企業の動向を検討する。私はすでにドイツ企業について2つの論文を作成した。このドイツに関する2つの論文をふまえて、本論文では英仏独3か国企業の比較を行い、BREXITがこれらの企業活動に与える影響について考えてみたい。
・論文「伊藤レポートとその後の経営改革ーROEと総還元性向の向上をめざして」を本ページ最下段に掲載しました。(2016.6.23)
2014年8月に、伊藤邦雄一橋大学大学院商学研究科教授を座長とする、「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクトの最終報告書(以下、伊藤レポートと呼ぶ)が発表された。報告書は、アベノミクスの第三の矢の中核として、ROEなどの資本効率の向上などを含む、持続的成長への経営改革について広範囲に提言している。
私は、『日米コーポレート・ガバナンスの歴史的展開』をはじめとする日英両語の著作で、日本企業の委員会設置会社への移行と機関投資家の株主行動主義の推進の必要性を主張してきた。
本論文では、この問題意識を受け継いで、1で伊藤レポートの基本的な問題提起を紹介し、2でこの報告書を受けて、企業がコーポレート・ガバナンス改革をどのように進めようとしているかを、3で機関投資家が企業に改革をどのように迫っているかを明らかにしたい。
・New ! 新保博彦の研究の概略を紹介するページを、2016年6月7日に作成を開始しました。そのページでは、これまでの研究成果の概略をできるだけわかりやすく紹介するとともに、現在、本ページで発表している新しい研究の位置を示したいと思います。(2016.6.10)
・論文「東芝の粉飾決算とコーポレート・ガバナンス改革」を本ページ最下段に掲載しました。(2016.5.24)
東芝は、2008年度から長期にわたって粉飾決算を続けてきた。内部に設置された委員会や監査法人はそれを見抜けなかった。2015年に設置された第三者委員会は、工事進行基準案件に係る会計処理を含む4つの課題について調査報告書を提出し、東芝はようやくそれを受け入れた。その後、東芝は2015年度の決算にあたって、第三者委員会が取り上げなかったのれんの減損も実施し、修正額はさらに巨額になり、決算は著しく悪化した。
本論文は、粉飾決算の経過と、それを防げなかった要因、そのうち最も重要だと思われる東芝のコーポレート・ガバナンスの問題点について検討する。わが国では、2014年に会社法の改正が行われ、コーポレート・ガバナンス改革を進めたが、この改正と東芝の改革案との関連を探ってみたい。
・以下の論文「現代ドイツ企業の実像:強力な家族支配」の続編を本ページ最下段に掲載しました。あわせてご検討いただけましたら幸いです。(2016.5.8)
先の論文「現代ドイツ企業の実像:強力な家族支配」では、現代ドイツ企業の特徴についてさまざまな資料を用いて検討した。その結果、ドイツ企業においては、現在でも家族企業がきわめて重要な役割を果たしていることが明らかになった。本論文では、その検討を詳しくし、またその際に対象としなかった金融業についても新たに検討を加えた。
さらに本論文では、ドイツ企業に対する検討結果をもとにし、同じ資料を利用して日本企業との全般的な比較を行った。日本が明治維新の際にドイツから多くを学んだこと、第2次世界大戦では同盟国であったことから、ドイツと日本の経済や企業で共通点が多いとしばしば思われている。しかし、本論文で検討するように、両国企業にはきわめて顕著な相違がある。
・2016年度最初の論文「現代ドイツ企業の実像:強力な家族支配」を本ページ最下段に掲載しました。(2016.4.28)
私は、論文「フォルクス・ワーゲンの不正問題と、ドイツ企業のコーポレート・ガバナンス」で、フォルクス・ワーゲンとドイツ企業の家族支配を取り上げ、フォルクス・ワーゲンの排ガス不正問題との関連を検討した。本論文では、フォルクス・ワーゲンを含む現代ドイツ企業全般の実像を、異なった手法によるいくつかの調査をもとに明らかにしてみたい。
ヨーロッパとEUを牽引するドイツ企業は、当然ながら典型的な市場に基盤を置く 企業が多いと思われがちである。その点で、日本企業との共通点が幅広く見られると考えるのが一般的である。しかし、実はドイツ企業で重要な特徴は、意外にも家族支配が根強く見られるということである。その特徴が、実はドイツ経済とドイツ企業、そしてそのコーポレート・ガバナンスの最も重要な特徴を形成している。そして今はその特徴が、フォルクス・ワーゲンの不正問題となって表れていると言えるだろう。
・図表の細部に補足をした第3版を掲載しました。本文に修正はありません。(2016.5.8)
・New ! Japanese Companies in East Asia: History and Prospects: Expanded and Revised Second Edition が、ようやくAmazon.comで刊行されました。 (Paperback, October 2, 2015)(2015.10.5)目次は以下の通りである。
Part 1 Prewar Global Economic System and Economic Interdependence between Japan and China
Part 2 Japanese Companies and Collaboration in East Asia in the Inter-war Period
Part 3 Current Economic and Business Competition and Alliance among Japan, China, Taiwan and ASEAN
さらに詳しくは研究業績のページへ
・新保博彦のページ(改訂版)を作成、公開しました。(2015.4.1)
「新保博彦のブログ」とともにご参照ください。