2021年度の論文

以下のページでは、2021年度(2021.4-2022.3) に作成した論文を以下に掲載します。引き続きご検討をいただけましたら幸いです。

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以下は、2021年度の論文一覧です。【論文】をクリックするとファイルが開きます。

New! 106 2022.3.29 制裁で打撃を受けるロシア有力企業とオリガルヒ 【論文

105 2022.3.11 プーチン政権と一体化するロシア国有企業群:ウクライナ侵攻の背景 【論文

104 2020.2.15 ウクライナ危機、2022年初頭:ロシア・ウクライナ両国の歴史と経済関係 論文

103 2020.2.2 李栄薫氏の慰安婦論 朝鮮王朝時代から戦後まで 【論文

102 2022.1.16 リーマン・ショックと現在:キンドルバーガー『熱狂、恐慌、崩壊』の最新版を読む 【論文

101 2021.12.26 強まるバブル懸念の指標とバブル研究の古典 【論文

100 2021.11.14 中国の監視社会と監視カメラ・顔認証企業論文

99 2021.10.20 書評 李大根『帰属財産研究 韓国に埋もれた「日本資産」の真実』論文

98 2021.9.18 新型コロナウイルス感染症と中国製薬・バイオ企業、2021年9月、10月に追記 論文

97_2 2021.8.30. 日中戦争と和平工作 基本文献の検討:日中経済合作の可能性(2)戸部良一『ピース・フィーラー』【論文

97. 2021.8.17. 日中戦争と和平工作 基本文献の検討:日中経済合作の可能性(1)論文

96. 2021.7.29. ローズヴェルトの対中政策と整風運動に関する文献の紹介 【論文

95_2. 2021.5.28. 書評 井口治夫『鮎川義介と経済的国際主義』(2) 論文

95. 2021.5.17. 書評 井口治夫『鮎川義介と経済的国際主義』(1) 論文

94. 2021.4.21. 論文「半導体製造装置産業を牽引するASML論文

93. 2021.4.5. 書評 イザベラ・バード『朝鮮紀行』論文

New! 106 2022.3.29 制裁で打撃を受けるロシア有力企業とオリガルヒを本ページに掲載しました。

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ロシアのウクライナ侵攻が始まってすでに1か月以上が経過した。ロシアの攻撃は止まらないが、戦局にはいくつかの重要な変化が見えつつある。本論文は前の論文「「プーチン政権と一体化するロシア国有企業群:ウクライナ侵攻の背景」を受けて、ロシア企業についてさらに詳しく検討し、先進民主主義諸国による制裁がロシア企業に与えている影響についても明らかにする。

1節は、ロシア企業の対象をさらに広げ、制裁の影響を確認する。2節は、ロシア経済を支える外資系企業を新たに取り上げる。3節は、ロシア企業の発展とともに巨大な富を蓄積したオリガルヒ(新興財閥)と制裁の影響について考察する。

これらの検討を通じて、ロシア企業の先進国経済・企業への深い依存と、制裁による深刻な影響が解明されるだろう。

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105 プーチン政権と一体化するロシア国有企業群:ウクライナ侵攻の背景 を本ページに掲載しました。

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2022年初頭 、ウクライナを巡る動きがいちだんと緊迫している。北京オリンピック開催期間中であるにもかかわらず、ロシアの軍隊がウクライナ国境全域に配置され、侵攻する可能性が高まっている。本論文は、ロシアのウクライナへの侵攻の動きを、歴史的な両国関係と、ヨーロッパ経済と政治の変化に対する、ロシアの軍事的対応として捉える。

1節は、ウクライナ危機の現状と、ロシア革命以降の両国の歴史を概観する。2節は、ロシアの「勢力圏」と、資源支配の戦略を明らかにする。3節は、EUとNATOの拡大によって、中・東欧に自由な経済システムと民主主義的な政治制度がロシアにまで迫っていることを示す。4節では、ウクライナにおいて、ロシアとの相互関係が貿易や原子力産業で弱まり、米英とEU諸国や中国との関係が深まっていることを明らかにする。

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ウクライナ危機、2022年初頭:ロシア・ウクライナ両国の歴史と経済関係 を本ページに掲載しました。

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2022年初頭 、ウクライナを巡る動きがいちだんと緊迫している。北京オリンピック開催期間中であるにもかかわらず、ロシアの軍隊がウクライナ国境全域に配置され、侵攻する可能性が高まっている。本論文は、ロシアのウクライナへの侵攻の動きを、歴史的な両国関係と、ヨーロッパ経済と政治の変化に対する、ロシアの軍事的対応として捉える。

1節は、ウクライナ危機の現状と、ロシア革命以降の両国の歴史を概観する。2節は、ロシアの「勢力圏」と、資源支配の戦略を明らかにする。3節は、EUとNATOの拡大によって、中・東欧に自由な経済システムと民主主義的な政治制度がロシアにまで迫っていることを示す。4節では、ウクライナにおいて、ロシアとの相互関係が貿易や原子力産業で弱まり、米英とEU諸国や中国との関係が深まっていることを明らかにする。

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李栄薫氏の慰安婦論 朝鮮王朝時代から戦後まで を本ページに掲載しました。

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本書評論文は、落星垈研究所の李栄薫氏の従軍慰安婦論をまとめ、紹介する。検討の対象は、『反日種族主義 日韓危機の根源』(2019)、『反日種族主義との闘争』(2020)の2冊 である。

 李栄薫氏の研究の最も重要な特色は、朝鮮王朝時代から戦後までの長い歴史における、慰安婦についての実証的な方法に基づく研究であると言えるだろう。1節は李栄薫氏と落星垈研究所について紹介する。2節は日本と朝鮮での公娼制の確立、朝鮮王朝時代の妓生制について、3節は戦後の、韓国軍と民間の慰安婦、米軍慰安婦についての、李栄薫氏の見解をまとめ、紹介する。最後の4節は、慰安婦についての主要な議論をまとめる。

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リーマン・ショックと現在:キンドルバーガー『熱狂、恐慌、崩壊』の最新版を読む を本ページに掲載しました。

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先に公表した私の論文「強まるバブル懸念の指標とバブル研究の古典」は、今日のバブルの懸念を示す指標とともに、バブル研究の古典である、キンドルバーガー『熱狂、恐慌、崩壊 金融恐慌の歴史』、ガルブレイス『新版 バブルの物語』とチャンセラー『バブルの歴史』を検討した。キンドルバーガーの著書は後に新しい版が刊行され、アリバーによってリーマン・ショックまでの金融危機の記述などが追加された。

本論文では、キンドルバーガーの2つの版を比較しながら、改めてリーマン・ショックまでの金融危機の歴史を考察してみたい。1節はキンドルバーガーの2つの版を概観する。2節はアリバーが追加した十大金融バブルと信用バブルについて、3節は大恐慌以来の深刻な金融危機であるリーマン・ショックを検討する。その検討を踏まえて、4節は、キンドルバーガーの最も重要な問題提起、最後の貸し手について検討し直し、おわりにでリーマン・ショックと現在を考える。

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強まるバブル懸念の指標とバブル研究の古典を本ページに掲載しました。

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 アメリカの株式市場でバブルの懸念が強まっている。2020年初頭から始まった新型コロナ感染症の拡大によって、市場は一時パニック的な下落に陥ったが、その後順調に回復を続け、今ではバブルの懸念が強まるほど上昇を続けてきた。

 バブルの懸念は、よく知られている指標に表れている。1節では、3つの代表的な指標で現状を確認してみたい。2節では、3つの著名なバブルと金融危機の研究の古典を、バブルと金融危機とは何か、どのように対処してきたかについて焦点を合わせて紹介したい。

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New! 中国の監視社会と監視カメラ・顔認証企業 を本ページに掲載しました。

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私は『論文集 超管理社会をめざす中国と中国企業』で、現在の中国を、全土に監視カメラが設置され、個人のあらゆる行動が政府によって監視・管理される「超管理社会」と特徴付けたが、本論文は最近の実情を明らかにしたい。

1節では、世界と中国で監視カメラによる監視社会がどのように進展しているかを概観する。2節は、世界と中国の監視社会を支えている中国の監視カメラ・顔認証企業の最新動向を明らかにする。3節は、このような中国企業の動向に対して、アメリカ政府による制裁の新たな動きを紹介する。

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書評 李大根『帰属財産研究 韓国に埋もれた「日本資産」の真実』(Book Review: Dae-Keun LEE, Study on Vested Property) を本ページに掲載しました。

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李大根著、金光英実訳、黒田勝弘監訳『帰属財産研究 韓国に埋もれた「日本資産」の真実』(文藝春秋、2021年)が刊行された。原書は2015年に刊行されている。原書の一部が削除されているようだが、日本語版でも本文が485ページに及ぶ大著である。本書は、帰属財産についての本格的な研究を通して、具体的で歴史的な事実に基づく 、韓国・朝鮮近代史の包括的な研究となっている。

 大著でもあるので、本書評は各章の主要な論点について、できるだけ李大根氏の記述を詳しく紹介したい。ただし、対象は帰属財産のその後を扱った第五章と第六章を除く章を中心とする。なお、本書では、非常に多くの有益な図表が作成され説明されている。そこで図表の一部は本書評本文で紹介するが、末尾に本書には無い図表一覧を掲載しておきたい。

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新型コロナウイルス感染症と中国製薬・バイオ企業、2021年9月 (COVID-19 Infection and Chinese Pharmaceutical and Biotech Companies)を本ページに掲載しました。

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新型コロナウイルス感染症の感染拡大は依然として続いている。これに対して、ワクチンの開発も、これまでに無い早さで、mRNAやウイルスベクターのような革新的な製品の開発に成功しつつ、接種も先進国が中心であるが急速に進展している。

 1節では、新型コロナウイルス感染症とワクチン開発の世界的な現状を整理し、2節では、特に中国と中国企業によるワクチン開発と、中国製薬・バイオテクノロジー企業の現状に注目して検討している。3節では、現在のワクチン開発を破壊的イノベーションと呼ぶことがあるが、その特徴と今後について簡単にまとめた。

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文献紹介:日中戦争と和平工作 基本文献の検討:日中経済合作の可能性(2)戸部良一『ピース・フィーラー』(Essential Books on Sino-Japanese War and Peace Move: Possibility of Japan-China Economic Collaboration)を本ページに掲載しました。

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 すでに公表済みの私の書評論文「日中戦争と和平工作 関連文献の検討 日中経済合作の可能性(1)」に続いて、本書評論文は、(1)の後半で紹介した、複雑な日中和平工作の全貌を明らかにしようとした、戸部良一『ピース・フィーラー 支那事変和平工作の群像』をできるだけ詳しく紹介したい。

 同書に取り上げられた多数の和平工作を見れば明らかなように、「「支那事変(日中戦争)の大きな特徴は、戦争の遂行と和平への努力が、そのほぼ全期間を通しほとんど常に並行して行われていたことにあるといわれる。」(2、本書ページ数、以下同様)そのような努力にもかかわらず、なぜ日中和平は実現しなかったのか、について改めて考えてみたい。

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文献紹介:日中戦争と和平工作 基本文献の検討:日中経済合作の可能性(1) (Essential Books on Sino-Japanese War and Peace Move: Possibility of Japan-China Economic Collaboration)を本ページに掲載しました。

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今年も第2次世界大戦が終わった8月15日がやってきた。年を追うごとに、この時期になると、70年以上前の戦争は何だったのかを問う作業が活発になっている。本書評論文は、日中戦争と和平工作に関する重要な文献である、戸部良一『ピース・フィーラー 支那事変和平工作の群像』を、2回に分けて検討する。

 まず第1回では、近年に刊行された『決定版 大東亜戦争(上、下)』と『決定版 日中戦争』の2冊を取り上げ、大東亜戦争と日中戦争を概観する。第1回後半では、『ピース・フィーラー』の簡単な紹介を行う。第2回では、『ピース・フィーラー』によって、日中戦争における和平工作を詳しく検討する。

 2回を通じて、日中戦争での和平工作に、経済提携・合作の観点が不可欠であったことを主張したい。

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文献紹介:ローズヴェルトの対中政策と整風運動に関する文献の紹介 (Essential Books on Roosevelt's Policy toward China and Rectification Movement)を本ページに掲載しました。

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 今年(2021年)7月1日、中国共産党は創立100周年を祝った。この100年間に、中国共産党は中華人民共和国を成立させ、その独裁政権による強力な指導で、世界で第2番目の経済大国に成長した。しかし、中国共産党が犯した誤りと悲劇も、その成果に匹敵するほど重大であった。

 ところで、中国共産党が毛沢東思想をもとに中国で影響力を急速に拡大した1940年代に、アメリカのローズヴェルト政権による対中国政策あるいは対アジア政策全体が、中国において共産党の支配を確立するのに重要な役割を果たしたことは、指摘しなければならない。

 本書評の3つの節では、以下の課題について詳しく検討している代表的な文献を紹介しつつ検討する。1節では、1930年代のアメリカの対ソ政策を概観する。2節は、1940年代のアメリカの対中政策の策定に大きな役割を果たしたチャイナ・ハンズの政策を検討する。3節は、同じ時期に中国共産党で進められた整風運動と毛沢東思想の確立について明らかにする。

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書評 井口治夫『鮎川義介と経済的国際主義』(2) (Book Review: Haruo Iguchi, “Ayukawa Yoshisuke and Economic Internationalism” (2))を本ページに掲載しました。(2021年5月28日)

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井口治夫『鮎川義介と経済的国際主義』の第II部の紹介と全体のまとめを掲載しています。

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書評 井口治夫『鮎川義介と経済的国際主義』(1) (Book Review: Haruo Iguchi, “Ayukawa Yoshisuke and Economic Internationalism” (1))本ページに掲載しました。(2021年5月17日)

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 私はこれまで満洲国の経済と企業についてJapanese Companies in East Asia: History and Prospects: Expanded and Revised Second Editionで論じ、フーヴァー元米大統領については、論文「フーヴァーの思想と経済・外交政策」などで検討してきた。井口治夫『鮎川義介と経済的国際主義』は、鮎川義介の経済的国際主義を中心に、鮎川とフーヴァーとの関係を包括的に論じているので、本書評で取り上げたい。井口氏の著作は500ページ近い大著なので、書評も同書第I部、第II部に対応して、2回に分ける。

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論文「半導体製造装置産業を牽引するASML (ASML, A Leader in the Semiconductor Manufacturing Equipment Industry)」本ページに掲載しました。(2021年4月21日)

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私はこれまで、半導体産業についてはファウンドリーとファブレスの動向を中心に検討してきたが、本論文では、半導体製造装置企業を取り上げる。とりわけ半導体製造装置で最も重要な露光装置で、圧倒的なシェアを持つオランダ企業のASMLを検討したい。半導体露光装置では、かつては日本企業も活躍していたが、今ではASMLの後塵を拝している。その原因は何か考えてみたい。1節では半導体製造装置産業を概観し、2節はASML、3節は日本企業に焦点を合わせる。

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「書評 イザベラ・バード『朝鮮紀行』(Book Review: Isabella Bird Bishop, Korea and Her Neighbours)」本ページに掲載しました。(2021年4月5日)

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私は先にエッカート『日本帝国の申し子』の書評を作成したが、エッカートはその著書で、何度かイザベラ・バードの『朝鮮紀行』について触れている。『朝鮮紀行』は、エッカートが取り扱った時期よりも前となる、19世紀末の朝鮮について、バードが旅した世界各国との比較を踏まえて、様々な角度から率直に描いている。

イザベラ・バードはその一生を世界各国の旅行に費やしただけではなく、それぞれの旅行先の社会、経済、文化などを幅広く紹介する旅行記を公刊している。彼女の一連の旅行記は、記録の少ない時代と地域を理解する最良の資料となっている。本書評論文は、バードの記述に沿いながら、『朝鮮紀行』をできるだけ詳しく紹介したい。

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