2024年度

東北大学幾何セミナー

セミナー情報

次回の予定

64日(火) 15:00〜16:30
講演者:三石史人氏(福岡大学)
タイトル:崩壊する境界付き3次元アレクサンドロフ空間
形式:対面(数学棟305号室)
概要:アレクサンドロフ空間とは断面曲率の下界性を備えた距離空間であり,多様体列のグロモフ・ハウスドルフ収束極限として自然に登場する.崩壊する3次元リーマン閉多様体の構造解明は,塩谷・山口によってなされ,その後,崩壊する3次元閉アレクサンドロフ空間の研究が,山口氏と講演者によってなされた.今回は,境界付き3次元アレクサンドロフ空間の崩壊現象を調べた.本講演の内容は筑波大学の山口氏との共同研究に基づく.

前期のセミナー予定

7月23日(火) 15:00〜16:30
講演者:山田大貴氏(島根大学)
タイトル:TBA
形式:対面(数学棟305号室)
概要:TBA

7月16日(火) 15:00〜16:30
講演者:未定
タイトル:
形式:対面(数学棟305号室)
概要:

【集中講義】78日 (月)〜712日 (金)
担当教員:井上瑛二氏(理化学研究所)
講義題目:TBA
*詳細はこちらをご覧ください.

7月2日(火) 15:00〜16:30
講演者:未定
タイトル:
形式:対面(数学棟305号室)
概要:

6月25日(火) 15:00〜16:30
講演者:梶ヶ谷徹氏(東京理科大学)
タイトル:TBA
形式:対面(数学棟305号室)
概要:

6月18日(火) 15:00〜16:30
講演者:酒匂宏樹氏(新潟大学)
タイトル:TBA
形式:対面(数学棟305号室)
概要:TBA

6月11日(火) 15:00〜16:30
講演者:高橋雄也氏(名古屋大学
タイトル:TBA
形式:対面(数学棟305号室)
概要:TBA

【集中講義】5月27日 (月)〜5月31日 (金)
担当教員:清水伸高氏(東京工業大学)
講義題目:高次元エクスパンダーとその応用
*詳細はこちらをご覧ください.

【集中講義】5月20日 (月)〜5月24日 (金)
担当教員:納谷信氏(名古屋大学)
講義題目:固有値最大化と空間実現
*詳細はこちらをご覧ください.

5月14日(火) 散歩会

5月7日(火) 15:00〜17:20 ※時間が通常とは異なります

形式:対面(数学棟305号室)

スケジュール:

15:00-16:00 大島駿氏(東北大学)

16:00-16:10 質疑応答

16:10-17:10 景山諒平氏(東北大学)

17:10-17:20 質疑応答

講演者:大島駿氏(東北大学)
タイトル:測度距離空間のオブザーバブル直径と正の測度を持つ点の存在
概要:測度距離空間とはBorel測度を持つ距離空間であり、近年のリーマン幾何学においてよく研究されている概念である。Gromovによって考えられた測度距離空間の理論において、部分直径やオブザーバブル直径と呼ばれる重要な不変量がある。

本講演ではこれらの不変量が0になるための必要十分条件について新たに得られた結果を紹介する。

講演者:景山諒平氏(東北大学)
タイトル:反復積分とホモトピー極限
概要:多様体の有理homotopy群とホモトピー群を繋ぐ定理としてChenの定理やHainの定理がある。これらに現れる写像はその構成を見れば非常に似通っている、ないしほとんど同じものだと分かる。またそれらは大きく三種類の写像に分解できることが見てとれる。

本講演ではこれらの写像の肝の一つである反復積分に焦点を当てる。特に「反復積分の類似物が単体的集合で定義できること」「積分を使わない方法で''定義''することが可能である」ことを中心に、上記の定理のある種の一般化に関する考察を紹介する。

430日(火) 15:00〜16:30
講演者:青井顕宏氏(和歌山高専)
タイトル:ある特異測度に関するSkoda-Zeriahi型の可積分性と相対エントロピーに関するコンパクト性について
形式:対面(数学棟305号室)
概要:Chen-Chengは, コンパクトな複素多様上のスカラー曲率が定数となるケーラー計量の存在が, 満渕汎関数と呼ばれるエネルギー汎関数のある種の変分法的性質と同値であることを証明した. またこれに錐的特異点を許容したものについても, 類似の結果がK. Zhengによって与えられた. これらをポアンカレ型と呼ばれる, 体積が有限な特異完備ケーラー計量について考えることが大きな目標であるが、対応する特異測度に関する多重劣調和関数のある種の可積分性が, 上記の状況に比べ非常に微妙な問題として現れる. 今回の講演では, 大沢-竹腰の拡張定理を用いてこの問題にアプローチする. また, log-log thresholdというある種の境界条件を導入し, それが一様であるという仮定の下で, 満渕汎関数に含まれる相対エントロピーに関するコンパクト性が成り立つことを見る.

4月23日(火) 15:00〜16:30
講演者:木村直記氏(東京理科大学)
タイトル:双対平坦多様体のPoisson幾何の観点からの一般化
形式:対面(数学棟305号室)
概要:Poisson多様体はシンプレクティック多様体の一般化であり、シンプレクティック多様体から交代テンソルの非退化性を落としたものである。また、Jacobi多様体はPoisson多様体と接触多様体の両方の一般化である。一方、平坦な統計多様体は双対平坦多様体と呼ばれるが、双対平坦多様体から対称テンソルの非退化性を落とした一般化として、Koszul-Vinberg多様体がBenayadi-Boucettaにより導入された。Koszul-Vinberg多様体は、余接束にLie亜代数の構造が入る等、Poisson多様体と多くの類似を持ち、Poisson多様体の対称版類似とみなせる。本講演では、Koszul-Vinberg多様体の一般化として、Jacobi多様体の対称版類似に相当するクラス、Jacobi-Koszul-Vinberg多様体を定義する。この研究は中村友哉氏(工学院大学)との共同研究である。この講演では予備知識を仮定せず、シンプレクティック多様体や統計多様体の定義から紹介する。

4月16日(火) 15:00〜16:30
講演者:後藤倫氏(大阪大学
タイトル:複素力学系の乗数スペクトルとモジュライ空間の非線形代数
形式:対面(数学棟305号室)
概要:非線形代数は、力学系の力学的な不変量について不変式論的に分析する分野である。射影直線上の有理関数fの各周期軌道P=(p_i)について、その乗数λ(f,P) = Π_i f'(p_i)は力学的不変量の例である。各nについてのΛ_n(f) = {λ(f,P)| Pはfの周期nの周期軌道}をfの乗数スペクトルという。乗数スペクトルは力学系のメビウス変換共役に関する不変量である。この講演では、乗数スペクトルによるfの分類や、メビウス変換共役を同一視した有理関数のモジュライ空間の構成について、非線形代数的なアプローチにより得られた結果を中心に紹介する。

4月9日(火) 15:00〜16:30
講演者:宮武夏雄氏(東北大学)
タイトル: Cyclic volume forms for a nonnegative singular Hermitian metric on the canonical bundle over Kähler manifolds

形式:対面(数学棟305号室)
概要:Kähler多様体$(X,\omega_X)$の標準束上の半正値かつ零でない曲率を持つ特異Hermite計量$e^{-\varphi}h_{\rm ref}$と 2 以上の自然数 r に対して, 巡回体積形式 (cyclic volume forms) と本講演においては呼ぶ,  r 個の(退化も許容する)体積形式を新たに定義します. 体積形式が従う楕円型偏微分方程式の, Dirichlet問題の解の存在と一意性と境界の無いコンパクトKähler多様体上での解の存在と一意性に関する定理が本講演の主定理です. また上述した体積形式の定義と, 巡回Higgs束上の調和計量との関連について説明します. $e^{-\varphi}h_{\rm ref}$に変化が生じたときの, 体積形式の変化の度合いを調べる, という方向に発展性があるのではないかと考えています.