投稿日: 2025/05/09 19:36
■入門講座受講のお誘い
学校図書館法に学校司書が定められ、専門職としての期待がされていますが、国による資格になっていないため、本来は専門的な職であるにも関わらず十分な知識を身に着ける機会が乏しい実情があります。こうした実情に対し、学校図書館総合研究所は、学校司書モデルカリキュラムの科目を網羅し、また、実践を豊かにするために実践編を組み込んで、学校司書の方がホッとする雰囲気の中で、互いに交流しながら、楽しく学ぶことができる講座を提供しています。講師は大学の教員が担当し、大学での学びと同等のレベルを提供しています。
また、学校司書の資格認定が公的機関によって行われていないため、学校司書の専門性が見えにくくなっていることに対し、学校図書館総合研究所は「修了証」を交付することで学校司書としての資格があることを可視化しています。修了証は、全科目受講生に対し修了レポートを課し、学校司書としての熱意がある方を対象に交付しています。学校司書の資格認定機関がない現状において、自治体による修了証の活用が進み、学校司書としての資質が認められた方の採用が進むことを期待しています。
なお、本講座は単科目での受講も可能で、学校司書ではない方の生涯学習としても活用できます。多くの方が本講座を受講され、学校図書館への理解を深めていただくことを願っています。
NPO法人 学校図書館総合研究所 所長 木幡洋子
(愛知県立大学名誉教授)
■講座案内
【前期】
■学校図書館概論(木幡洋子)
日本に学校図書館が制度として導入されたのはどのような経緯で、何を実現しようとしていたのか。また、情報時代において学校図書館の役割はどのようなものになっているのか。日本の学校図書館を、歴史と教育人権の視点から整理し概観することで、学校図書館の今日的な学校教育における意義についての理解を深めます。また、GIGAスクールと学校図書館の関係についても、現状において理解を深めるべき課題としてとりあげます。
■実践編:十進分類法と学校図書館の配架(中西由香里)
本科目では、学校図書館における分類と排架について学びます。学校図書館では、個々の資料を「日本十進分類法」に基づき、主題ごとに分類し排架をしています。実践編では、利用者にとって資料が探しやすく、利便性に優れた排架になっているのか、改めて学校図書館の現状について検討します。また、学校教育に照らし合わせた分類表示や請求記号についても受講生のみなさんと一緒に考えます。
*注:「排架」は一定の分類法に基づいた配架を指す
■情報1(伊藤真理)
「情報1」では、情報の組織化(目録)と情報の利用の両面から考えます。学校図書館では、様々なメディアを活用した情報リテラシーの育成が求められます。効率的な情報検索を支援する学校司書として、情報の手がかりとなる書誌情報の組織化について身につけておくべき知識を確認しましょう。また、情報の利用では、検索時に使用する「ことば」が検索結果に大きな影響を及ぼします。「ことば」に敏感になるとともに、メディアの種類による工夫について一緒に考えましょう。
■情報2(旧図書館情報技術論)(伊藤真理)
図書館サービスは,情報技術の進展と切り離して考えることはできません。情報ツールであるコンピュータ,ネットワーク等の基礎的な内容を確認するとともに,紙媒体と共にこれらのツールを学習活動に役立てる際に欠かせない情報の評価について理解しましょう。また,これからの学習環境を考えるためにも,学校図書館でICTを活用してどのような教育支援ができるかを考えたいと思います。
■学校教育概論(泉山靖人)
「教育」とは何か、その中で「学校教育」はどのような特性を持っているのか、学校教育は他の「教育」とどのような関係を持っているのか、など学校教育に関する入門的な事柄から概念的な解説を行います。その上で、教育行政や教員組織、それらにかかわる法制度といった学校教育を取り巻くさまざまな仕組みについて紹介する事を通して、学校図書館を取り巻く学校という場で働くうえで参考となる情報を提供します。
■実践編:改修と学校図書館(田崎正憲)
理想の学校図書館にとって、施設の環境整備は欠かすことができません。書架・椅子・机といった家具などでレイアウトプラン・配架計画は理想の学校図書館を考えるときに欠かすことができないものです。戦後初めての大規模改修の時期を迎えている学校図書館が理想に近づくことができる大きなチャンスの時期に、学校図書館関係者に何ができるか、一緒に考えます。
【後期】
■学習指導と学校図書館(木幡智子)
学習指導と学校図書館では、学校図書館が教育課程の展開に寄与するための活動として、学習活動の中で学校図書館をどのように活用していくことができるのかを紹介します。また、図書館利用教育の移り変わりや、情報活用能力育成のための体系表についてご紹介します。現在、公開コンテンツが増加しつつある、授業や学習活動に活用しやすいデジタルアーカイブについてもご紹介できればと思います。
■学校図書館サービス論(中西由香里)
本科目では、学校図書館を活用した教育活動を推進するための学校図書館サービスについて概説します。学校司書が、利用者である児童生徒や教職員に対して行う「間接的支援」「直接的支援」「教育指導への支援」に関する職務のあり方を解説します。また、学校図書館の機能「読書センター」「学習センター」「情報センター」についての理解を深めていきます。
■読書と豊かな人間性(田中聖子)
生涯にわたる読書習慣を身に付けるには、発達段階に応じて、読書の意義や価値を実感できる指導・支援が重要です。そして、子どもたちの読書活動が楽しむ読書に加え、能動的な読書となることを目指す必要があります。本科目では、学校図書館の機能を活かし、学校全体で意図的・計画的・系統的・継続的に行う読書指導について、具体的な実践例を交えながら話を進めます。
■実践編:読書バリアフリー(野口武悟)
2019年に「読書バリアフリー法」が制定され、学校図書館においても読書や図書館利用から「誰一人取り残さない」環境づくりが求められています。この講義では、無理なく取り組める読書バリアフリーの環境づくりに向けてのポイントを紹介します。
■ 担当講師氏名・所属
前期
木幡洋子 愛知県立大学名誉教授
中西由香里 愛知淑徳大学非常勤講師
伊藤真理 愛知淑徳大学教授
泉山靖人 東北学院大学教授
田崎正憲 愛知学株式会社研究開発本部
後期
木幡智子 岐阜女子大学講師
中西由香里 愛知淑徳大学非常勤講師
田中聖子 三重大学/ 皇學館大学非常勤講師
野口武悟 専修大学教授
■申込締切
前期 2025年8月8日(金)
後期 2026年2月6日(金)
■講座スケジュール
前期
2025年8月16日(土)
9:20-12:20 学校図書館概論
13:10-16:10 実践編(分類と配架)
2025年8月23日(土)
9:20-12:20 情報1
13:10-16:10 情報2
2025年8月24日(日)
9:20-12:20 学校教育概論
13:10-16:10 実践編(改修と学校司書)
後期
2026年2月14日(土)
9:20 -12:20 学習指導と学校図書館
13:10-16:10 学校図書館サービス論
2026年2月21日(土)
9:20-12:20 読書と豊かな人間性
13:10-16:10 実践編(読書バリアフリー)
■会場
岐阜女子大学文化情報研究センター
〒500-8813 岐阜県岐阜市明徳町10 杉山ビル6F
対面受講だけでなく、当日の ZOOM受講や
後日の録画受講も可能です。
■受講料 一科目 (実践編含む)3,000 円
前期全6科目申込割引 15,000 円
後期全4科目申込割引 10,000 円
前後期一括申込割引 24,000円
■納入期限
前後期一括 2025年8月8日(金)
前期のみ 2025年8月8日(金)
後期のみ 2025年2月6日(金)
■振込先
三菱UFJ銀行 藤ヶ丘支店(店番252)
番号 0500951
名義 NPO法人学校図書館総合研究所
(ご希望に応じ講座当日現金納入も可)
■連絡先 slori.est.2016@gmail.com
Tel/FAX 052-775-6508
■講座申込先