2023学校図書館入門講座

投稿日: 2023/05/10 13:40  

■入門講座受講のお誘い

  学校図書館法に学校司書が定められ、専門職としての期待がされていますが、国による資格になっていないため、本来は専門的な職であるにも関わらず十分な知識を身に着ける機会が乏しい実情があります。こうした実情に対し、学校図書館総合研究所は、学校司書モデルカリキュラムの科目を網羅し、また、実践を豊かにするために実践編を組み込んで、学校司書の方がホッとする雰囲気の中で、互いに交流しながら、楽しく学ぶことができる講座を提供しています。講師は大学の教員が担当し、大学での学びと同等のレベルを提供しています。

 また、学校司書の資格認定が公的機関によって行われていないため、学校司書の専門性が見えにくくなっていることに対し、学校図書館総合研究所は「修了証」を交付することで学校司書としての資格があることを可視化しています。修了証は、全科目受講生に対し修了レポートを課し、学校司書としての熱意がある方を対象に交付しています。学校司書の資格認定機関がない現状において、自治体による修了証の活用が進み、学校司書としての資質が認められた方の採用が進むことを期待しています。

 なお、本講座は単科目での受講も可能で、学校司書ではない方の生涯学習としても活用できます。多くの方が本講座を受講され、学校図書館への理解を深めていただくことを願っています。 

  NPO法人 学校図書館総合研究所 所長 木幡洋子

(愛知県立大学名誉教授)


■講座案内

【前期】

■学校図書館概論(木幡洋子)

日本に学校図書館が制度として導入されたのはどのような経緯で、何を実現しようとしていたのか。また、情報時代において学校図書館の役割はどのようなものになっているのか。日本の学校図書館を、歴史と教育人権の視点から整理し外観することで、学校図書館の今日的な学校教育における意義についての理解を深めます。また、GIGAスクールと学校図書館の関係についても、現状において理解を深めるべき緊急課題としてとりあげます。

■情報1(伊藤真理)

「情報1」では、情報の組織化(目録)と情報の利用の両面から考えます。学校図書館では、さまざまなメディアを活用した情報リテラシーの育成が求められます。効率的な情報検索を支援する学校司書として、情報の手がかりとなる書誌情報の組織化について身につけておくべき知識を確認しましょう。また、情報の利用では、検索時に使用する「ことば」が検索結果に大きな影響を及ぼすため「ことば」に慎重になりましょう。メディアの種類によるどんな工夫が必要か一緒に考えましょう。

■情報2(旧図書館情報技術論)(服部繁彦)

図書館で情報提供するためには図書や雑誌だけではなく PC やネットワーク、データベースは欠かせません。PC やタブレットなどのデバイスについての技術的な話を中心に検索の小技などを前半に行い、後半はインターネットを使う上でついやってしまいがちな著作権について解説します。日常の授業のタブレットで使うロイロノートなど個々に使うアプリについては取り扱いません。

■実践講座:図書修理講座(田中稔)

 図書の修理についての基本的な技術を受講生のみなさんにも実習してもらう、実践にすぐに役立つ講座です。講師は岐阜市の製本業・図書館用品販売を営んでおられるタナカの田中稔社長さんが担当されます。技能士、職業訓練指導員(製本科)、図書館司書資格、などの資格を持っておられ、平易で楽しい講座には定評があります。

■学校図書館サービス論(岡田大輔

 学校図書館で学校司書がどのような仕事をするのか説明します。具体的には、貸出返却・飾り付け・読み聞かせなどの児童生徒と接する仕事とともに、図書館での授業の準備の方法や、先生と打ち合わせをするなど、先生に対する支援などがあります。また、校内へ学校図書館の価値を伝えていく方法や、司書教諭と学校司書の役割の分担についても考えます。

ミニ講習:「しまんと新聞バッグ」作成講座

(江良友子

「しまんと新聞バッグ」は、2003 年に最後の清流四万十川の環境保全をきっかけに、地域の方が「モッタイナイ×オリガミ」を融合させて考えた、新聞紙と糊だけで作るエコでおしゃれなバッグです。学校で循環型社会や SDGsについて考える際の教材としても使えます。当日は英字新聞を使って作品を作ります。道具は全て主催者が用意しますので、特に必要ありません。大学でも人気の講習です。


【後期】

■学校教育概論(小林達也

この科目は学校教育や児童生徒の心身の発達などの基本的事項についての理解を図ることをねらいとしています。まず、学校教育の意義や学校運営について具体例を通して説明をします。次に学習指導要領の内容とその内容をうけて各学校が教育課程を編成するうえで、教員がどのように関わるのかお話をします。さらに、児童生徒の心身の発達や学習活動で学校司書がどう関わるとよいか、具体例を紹介します。

■実践編:物語の語り方石丸みどり

 唐突に置かれた因果関係の無い物たちを見て、想像し、物語を創造する過程を体験し、タブレットのパワーポイントを使ったデジタル紙芝居にして発表します。また、物語の発表は、感情を込め、時にはジェスチャーも加え、「伝える」ことに集中します。この一連のワークショップを通して、物語の起源は如何なる物および所にもあり、想像により物語が成長し、創造によって魅力的なメディアになる過程を体験していただきたいと思います。パワーポイントによる紙芝居の作り方のレクチャーもあります。

■読書と豊かな人間性(田中聖子)

児童生徒が生涯にわたる読書習慣を身につけるためには、発達段階に応じて、読書の意義や価値を実感できる指導・支援が重要です。そして、楽しむ読書に加え、著者の考えや情報を読み解きながら自分の考えを形成していく主体的な読み手を育てる必要があります。本科目では、学校図書館の機能を活かし、学校全体で意図的・計画的・系統的・継続的な読書指導を行うために必要な知識と方法について、具体的な実践例を交えながら話を進めます。

■学習指導と学校図書館(木幡智子)

学習指導と学校図書館では、学校図書館が教育課程の展開に寄与するための活動として、学習活動の中で学校図書館をどのように活用していくことができるのかを紹介します。また、図書館利用教育の移り変わりや、情報活用能力育成のための体系表についてご紹介します。現在、公開コンテンツが増加しつつある、授業や学習活動に活用しやすいデジタルアーカイブについてもご紹介できればと思います。

■ 担当講師氏名・所属

前期

木幡洋子 愛知県立大学名誉教授

田中稔 タナカ社長

伊藤真理 愛知淑徳大学教授

服部繁彦 愛知淑徳大学非常勤講師

岡田大輔 相愛大学講師

江良友子 愛知学泉短期大学準教授

後期

小林達也 愛知淑徳大学非常勤講師

木幡智子 岐阜女子大学講師

田中聖子 皇學館大学非常勤講師

石丸みどり ものがたりラボ主宰者

愛知淑徳大学非常勤講師 


■申込締切 

前期 2023年

後期 2024年2月2日


■講座スケジュール

 前期

2023年8月19日(

9:00-12:00  学校図書館概論

13:00-16:00  実践編(製本講座)


2023年8月20日()

9:00-12:00   情報1

13:00-16:00   情報2


2023年8月27日()

9:00-12:00    学校図書館サービス論

13:00-16:00  ミニ講習(科目外)

      (しまんと新聞バッグ)


後期

2024年2月17日(

 9:00 -12:00 学校教育概論

  13:00-16:00  実践編:物語の読み方


2024年2月24日(

    9:00-12:00     読書と豊かな人間性

13:00-16:00    学習指導と学校図書館

 

■会場   

 愛知県立大学サテライトキャンパス  

 (ウインクあいち 15階)

対面受講が基本ですが、事情によって  ZOOM受講にも対応します。ご相談ください。


受講料 科目        3,000 円

  前期全5科目申込割引 13,000 円

   ミニ講習 教材費など 1,000 円

  後期4科目申込割引 10,000 円

※受講料は前期・後期での分納で、納入期限はそれぞれ申込締切日です。


■連絡先 slori.est.2016@gmail.com 

 

  Tel/FAX  052-775-6508


■講座申込先 

https://forms.gle/CxSbYkDCNR3AX4nTA