2024学校図書館入門講座
投稿日: 2024/06/12 13:40
■入門講座受講のお誘い
学校図書館法に学校司書が定められ、専門職としての期待がされていますが、国による資格になっていないため、本来は専門的な職であるにも関わらず十分な知識を身に着ける機会が乏しい実情があります。こうした実情に対し、学校図書館総合研究所は、学校司書モデルカリキュラムの科目を網羅し、また、実践を豊かにするために実践編を組み込んで、学校司書の方がホッとする雰囲気の中で、互いに交流しながら、楽しく学ぶことができる講座を提供しています。講師は大学の教員が担当し、大学での学びと同等のレベルを提供しています。
また、学校司書の資格認定が公的機関によって行われていないため、学校司書の専門性が見えにくくなっていることに対し、学校図書館総合研究所は「修了証」を交付することで学校司書としての資格があることを可視化しています。修了証は、全科目受講生に対し修了レポートを課し、学校司書としての熱意がある方を対象に交付しています。学校司書の資格認定機関がない現状において、自治体による修了証の活用が進み、学校司書としての資質が認められた方の採用が進むことを期待しています。
なお、本講座は単科目での受講も可能で、学校司書ではない方の生涯学習としても活用できます。多くの方が本講座を受講され、学校図書館への理解を深めていただくことを願っています。
NPO法人 学校図書館総合研究所 所長 木幡洋子
(愛知県立大学名誉教授)
■講座案内
【前期】
■学校図書館概論(木幡洋子)
日本に学校図書館が制度として導入されたのはどのような経緯で、何を実現しようとしていたのか。また、情報時代において学校図書館の役割はどのようなものになっているのか。日本の学校図書館を、歴史と教育人権の視点から整理し外観することで、学校図書館の今日的な学校教育における意義についての理解を深めます。また、GIGAスクールと学校図書館の関係についても、現状において理解を深めるべき緊急課題としてとりあげます。
■実践講座:図書修理講座(田中稔)
図書の修理についての基本的な技術を受講生のみなさんにも実習してもらう、実践にすぐに役立つ講座です。講師は岐阜市の製本業・図書館用品販売を営んでおられるタナカの田中稔社長さんが担当されます。技能士、職業訓練指導員(製本科)、図書館司書資格、などの資格を持っておられ、平易で楽しい講座には定評があります。
■情報1(伊藤真理)
「情報1」では、情報の組織化(目録)と情報の利用の両面から考えます。学校図書館では、さまざまなメディアを活用した情報リテラシーの育成が求められます。効率的な情報検索を支援する学校司書として、情報の手がかりとなる書誌情報の組織化について身につけておくべき知識を確認しましょう。また、情報の利用では、検索時に使用する「ことば」が検索結果に大きな影響を及ぼすため「ことば」に慎重になりましょう。メディアの種類によるどんな工夫が必要か一緒に考えましょう。
■情報2(旧図書館情報技術論)(伊藤真理)
情報時代への移行に伴い、図書館で提供する資料は、図書や雑誌だけではなく PC やネットワーク、データベースによる資料も不可欠になっています。それに伴い、PC やデータベースを理解し、情報管理と提供を適切に行うことが求められるようになっています。また、これまでの紙媒体の資料に対する著作権の考えから、デジタル化された資料に対する著作権について理解しておくことも必要です。事例を紹介しながらわかりやすく説明をします。
■学校教育概論(木幡智子)
現在、学校教育は制度化され小・中学校は義務教育として行われていますが、教育はどのように考えられてきたのか、生涯学習時代と言われる現在における学校教育はどのように考えられているのか、社会の変化と教育はどのように関わっているのかなど、学校教育に関する基本的な内容をお話します。教育行政や学校内組織といった学校を取り巻く制度やシステムを知ることで学校図書館運営・活動を俯瞰できるような情報を提供したいと思っています。
■ミニ講習:「豆本」作成講座(江良友子)
豆本は、一般には本の長辺が 76 ミリ以内のものを指すことが多いようです。この講座では、長辺 60 ミリ×短辺 50 ミリの豆本を制作します。表紙は一見革に見える洋紙をはじめ、10 種類以上の中から選んでいただきます。また、栞や見返しに使う用紙も豊富に用意しました。豆本は、学校図書館のイベントや展示にも使えます。道具は全て主催者が用意しますので、特に必要ありません。大学のオープンキャンパスミニ授業でも人気の講座です。
【後期】
■学習指導と学校図書館(木幡智子)
学習指導と学校図書館では、学校図書館が教育課程の展開に寄与するための活動として、学習活動の中で学校図書館をどのように活用していくことができるのかを紹介します。また、図書館利用教育の移り変わりや、情報活用能力育成のための体系表についてご紹介します。現在、公開コンテンツが増加しつつある、授業や学習活動に活用しやすいデジタルアーカイブについてもご紹介できればと思います。
■学校図書館サービス論(中西由香里)
本科目では、学校図書館を活用した教育活動を推進するための学校図書館サービスについて概説します。学校司書が、利用者である児童生徒や教職員に対して行う「間接的支援」「直接的支援」「教育指導への支援」に関する職務のあり方を解説します。また、学校図書館の機能「読書センター」「学習センター」「情報センター」についての理解を深めていきます。
■読書と豊かな人間性(田中聖子)
生涯にわたる読書習慣を身に付けるには、発達段階に応じて、読書の意義や価値を実感できる指導・支援が重要です。そして、子どもたちの読書活動が楽しむ読書に加え、能動的な読書となることを目指す必要があります。本科目では、学校図書館の機能を活かし、学校全体で意図的・計画的・系統的・継続的に行う読書指導について、具体的な実践例を交えながら話を進めます。
■実践編:ビブリオバトル(田中聖子)
「人を通して本を知る。本を通して人を知る」ビブリオバトル。学校では、読書活動推進以外にも様々な効果をもたらします。子どもたちが自発的にビブリオバトルに参加し、楽しむためには、先生達がルールや実施方法を理解し、負担感なくできることが大事です。本講座では、基本的なルールの確認と様々な場面での取り入れ方やその時に必要な指導・支援について演習を通して学び合います。
■ 担当講師氏名・所属
前期
木幡洋子 愛知県立大学名誉教授
田中稔 タナカ社長
伊藤真理 愛知淑徳大学教授
木幡智子 岐阜女子大学講師
江良友子 愛知学泉短期大学準教授
後期
木幡智子 岐阜女子大学講師
中西由香里 愛知淑徳大学非常勤講師
田中聖子 三重大学/ 皇學館大学非常勤講師
■申込締切
前期 2024年8月9日(金)
後期 2025年2月7日(金)
■講座スケジュール
前期
2024年8月17日(土)
9:00-12:00 学校図書館概論
13:00-16:00 実践編(製本講座)
2023年8月18日(日)
9:00-12:00 情報1
13:00-16:00 情報2
2023年8月25日(日)
9:00-12:00 学校教育概論
13:00-16:00 実践編(豆本作成講習)
後期
2025年2月15日(土)
9:00 -12:00 学習指導と学校図書館
13:00-16:00 学校図書館サービス論
2024年2月24日(土)
9:00-12:00 読書と豊かな人間性
13:00-16:00 実践編(ビブリオバトル)
■会場
愛知県立大学サテライトキャンパス
(ウインクあいち 15階)
対面受講が基本ですが、事情によって
ZOOM受講/動画受講にも対応します。
ご相談ください。
■受講料 一科目 3,000 円
前期全6科目申込割引 15,000 円
後期全4科目申込割引 10,000 円
前後期一括申込割引 24,000円
■納入期限
前後期一括 2024年8月9日(金)
前期のみ 2024年8月9日(金)
後期のみ 2025年2月7日(金)
■振込先
三菱UFJ銀行 藤ヶ丘支店(店番252)
番号 0500951
名義 NPO法人学校図書館総合研究所
(ご希望に応じ講座当日現金納入も可)
■連絡先 slori.est.2016@gmail.com
Tel/FAX 052-775-6508
■講座申込先