このページでは,どういった講義ではどういったやり方があるのか,遠隔講義の準備が進んでいない人やITスキルに自信がない人向けにとって参考になるようにヒントやリンクをまとめていきます.
わからないことや悩ましいことは,素朴・初歩的なことでも,MS Teams「遠隔講義に関する情報共有」チームで相談してみてください.
遠隔講義を始めるにあたり,以下の点を検討してください.
情報収集
2021年3月時点で,遠隔講義についてのノウハウはインターネット上で多く見つかるようになりました.まずは調べましょう.
Microsoft Teamsの「遠隔講義に関する情報共有」チームでは,簡単なことでも質問・相談歓迎です.
学生との連絡
学生が迷子にならないように注意してください.
2021年4月に学務システムがActive AcademyからBlueに変わりました.
LMSの選択
2021年度はLMSとしてmanabaを利用してください.
他のツール(moodleなど)を利用することも可能ですが,manabaで学生にそれを伝えてください.
講義の形態
遠隔講義のやり方は様々あります.自分の講義に適した形態を選びましょう.
動画の撮影
撮影用の機材・部屋はマルチにあります.予約して利用してみてください.
自分で撮影する場合,本ポータルサイトや大城マニュアルを参考にしてください.
FAQ形式で,どういった状況にはどういった解決策があるのか,説明していきます.ここで不十分なところは,MS Teams「遠隔講義に関する情報共有」チームでお尋ねください.
まずは履修者と連絡取りたい!
Active Academyの「個人へのお知らせ登録」を使いましょう.
あわせて,講義ごとにホームページを作成するとよいでしょう.自身のウェブサイトの他,moodle, Google ClassroomなどLMSを利用すると便利です.
Active Academyのお知らせを学生が読んでない!
遠隔授業支援本部も困っており,対応を検討しています.
Active Academyよりも頻繁・双方向・カジュアルに連絡を取りたい
MS Teamsがおすすめです.
学生のメールアドレスってどうなってるの?
学生のメールアドレスは学籍番号に対応しています.たとえば学籍番号が「20S001」なら,「s20001」が「@okinawa-u.ac.jp」の前につきます.
履修者の学籍番号はActive Academyの出席簿などから入手しましょう.
遠隔講義はどういったパターンがあるの?
ひとまず3パターン紹介します(菅沼 拓夫 「東北大学における授業のオンライン化推進の状況について」より).本ページ下部でも似た説明をしています.
資料配付型
課題を指示するパターン.
講義資料 (PDFやスライド) を作成します.課題や活動の指示とともにLMSに登録しておきます.
スライドには音声を埋め込んだり,音声ファイルを別途用意しておくこともできます.
学生は講義資料をダウンロードして学習します.
学生はメッセージや課題をLMSにアップロード・登録します.
それを受けて教員はフィードバックします. (フィードバックはあとでまとめて,でなく基本的には毎週やる必要があります.)
ストリーミング配信 (リアルタイム,ライブ,同期型,…)
授業時間に映像をライブ配信するパターン.
ウェブ会議システム (Zoom, WebEx, Google Meet, MS Teamsなど) を使って「会議」を設定する.
「会議」の入り口 (URL) を,講義資料とともに,LMSなどで学生に通知する.
時間になったら学生は「会議」に参加する.質問などはチャットを主に用いる.
教員は適宜,学生に映し出す画面を切り替えながら (カメラの画像を映すだけでなく,スライドなどを参加者に見せる(画面共有)することができます),授業をする.
学生は質問や課題などをLMSで提出します.
それを受けて教員はフィードバックします. (フィードバックはあとでまとめて,でなく基本的には毎週やる必要があります.)
欠席者や復習用に,ライブ映像は録画しておき公開することが望ましいです.
オンデマンド配信
実習・演習なので,頻繁・双方向・カジュアルに連絡を取りたい
実技は遠隔でできない!
遠隔授業支援本部でも情報収集中です.
遠隔でできる部分から先に遠隔でやり,実技は感染症終息後に回す,といったスケジューリングで急場をしのぐことも考えられます.
課題を出すだけで講義として認められる?
単に教科書などを読ませるだけだと,単なる授業外の予習・復習と変わらず,講義として認められません (「面接授業に相当する教育効果を有する」と考えられない).「授業担当教員による事前のガイダンス等において,当該授業の目的やねらい,教科書を読むに当たっての留意点や,必要な視点・観点などを示すなどにより,授業中に課すものに相当する学修である必要があり」ます.
毎回の授業の実施に併せて質疑応答等による指導を行う必要もあります。
課題はどこで出せばいいか?
Active Academyでレポートを提出させることはできます.しかし,Active Academyはスマホからの利用に適していません.
manaba, moodleやGoogle ClassroomなどLMSで課題・アンケートを出すことが考えられます.
課題やアンケートは,GoogleフォームやMS Formsなどアンケート用サービスを利用するとよいでしょう.
MS Teamsでも課題を課すことができます.学生はMS Wordなどにまとめて提出することになります.
学生が課題の出し方がわからないと言っている
マルチの自宅学習サポートページや経法商新入生向け特設サイトをご案内ください.
解決できない場合は,環境 (PC or スマホ,OSなど) や状況 (どこで詰まったか) を学生から詳しく聞き出し,MS Teams「遠隔講義に関する情報共有」チームで相談してみてください.
資料や板書をスキャンして電子化したい
Office Lensを使うと,PCのカメラやスマホがスキャナとして利用できるようになります.iPhoneに標準装備のメモ(Notes)にも,スキャナとしての機能がついています.
電子化した資料を配付したい
PDFやMS Word, MS PowerPointなどのファイルを学生に届けるには,(1) Active Academy,(2) LMS (manabaなど),(3) メールで直接,(4) クラウドストレージ (DropboxやGoogleドライブ, OneDriveなど) に保存して共有できるようにし,その共有URLを学生に送信,などの手段があります.
Active Academyの場合,「個人へのお知らせ登録」 → 「お知らせ新規登録」→ 「添付ファイル(オプション)」,で添付します.
LMSに直接アップロードするのが手っ取り早いです.ただし,動画や音声などファイルサイズが重たいものは,他の手段を利用した方がよいです.
少人数なら直接メールしてもよいでしょう.ただし学生のメール処理能力には限界があり,メールを送ったからといって届いたものとみなすのは注意したほうがよいです.
クラウドにアップロードし,リンクを知る人が閲覧できるように共有設定し,そのリンクをLMSなどに貼る,という手段もあります.ファイルサイズが大きいもの (音声や画像など) を共有する際には役に立ちます.
moodleとGoogle Classroomどっちがいいの?
お好みです.moodleのほうが多機能です.ClassroomはGoogleフォームやGoogle Drive, Google MeetなどGoogleのサービスと連携させやすいことが利点です.
2020年度後期に新たに始めようという方には,moodleを推奨します (2020年度後期遠隔講義ガイドライン20200828参照).複数のLMSが混在すると混乱する学生がいるためです.
学生の通信量を節約するため,音声のみの配信を行いたい
音声のみページをご覧ください.Windowsなら「ボイス レコーダー」,MacならQuickTime Player,などで音声を収録することができます.
録った動画から音声ファイルを抽出したい
音声のみページをご覧ください.
動画を撮りたい!
PowerPointなどスライドを撮りたいのか,板書を録りたいのか,自分の顔さえ写せばなんでもいいのか,など録りたいシーンによって,使うべきソフトが異なります.
大城マニュアルはオンデマンド動画配信を主なテーマに書かれています.以下様々なシチュエーションごとに使えそうなソフトを紹介しますが,すべてOBS Studioでできます.
PowerPoint + ナレーション,を撮りたい
まずはマイクを用意しましょう.
Windowsの場合
PowerPointにその機能があります.(なければOffice 365以上にPowerPointをアップデートしてください.)
MS Power Pointで動画を作る方法(外部サイト)
パワーポイントを使った解説動画入りmp4動画の作り方〈サンプル〉 (外部サイト)
Zoomでの録画も手軽です.
Windows標準装備のゲーム バーを利用することもできます.
Macの場合
PowerPointを撮影するには,QuickTime Playerの画面収録を利用するとよいでしょう.PowerPointはウィンドウ表示にしておくことをオススメします.
Keynoteを撮影するには,QuickTime Playerでも撮れますが,Keynoteの機能を利用することもできます.
Zoomでの録画も手軽です.
PowerPointでないファイル (PDFやMS Wordファイル) + ナレーション,を撮りたい
Windowsの場合
Macの場合
QuickTime Playerの画面収録を利用するとよいでしょう.Zoomでの録画も手軽です.
Googleスライド + ナレーションは?
参考: 音声付きGoogleスライドの作り方 (外部サイト)
PowerPointの撮影機能だと味気ない!普通の講義のような臨場感がほしい!
大きめのディスプレイにPowerPointスライドショーを映し,ディスプレイの前に立ち,その姿を撮影する,というのも一つの手です.テレビ番組にありそうな絵になります.
クロマキー合成 (緑色のカーテンを背後に用意して,背景を消す) を利用するとスライドの中に自分の姿を混ぜることができます.Zoomで手軽にできるようになりました.
自分の顔を撮りたい!PowerPointはいらない!
まずはカメラを用意しましょう.
Windows 10の場合
Windows標準装備の「カメラ」というアプリケーションで動画を撮影できます.スマホで動画を撮るのと同じような手軽さで撮影することができます.
カメラを複数接続していて,意図しないカメラが使われている場合は,「カメラ」アプリの画面右上のカメラが回るマーク (カメラの変更) をクリックしてください.
Macの場合
QuickTime Playerのムービー収録を利用するとよいでしょう.
板書を撮りたい
上述の「自分の顔を撮りたい!PowerPointはいらない!」と同様,カメラを使って実物の黒板などを撮影すればよいです.
ハンディカムやスマホなどで撮影してもよいと思います.
板書アプリがほしい
いくつか選択肢があります.
ホワイトボードアプリ: Microsoft Whiteboard,Google Jamboardなど
これらはブラウザで利用することもできます.MS WhiteboardはWindows向けです.
お絵かきアプリ: MS Paint, Paint 3D, Adobe Illustratorなど.
iPad (SideCarやDuet Displayでミラーリングしておく, keynote remoteを使う.Apple pencilがあるとよい) やペンタブレットをパソコンにつなぎましょう.
撮影した動画ファイルはどうすればいいのか?
動画の編集をしたい!テロップをつけたりミスした部分だけを取り直したりトリミングしたり…
時間がどれだけあっても足りないので,動画の編集や取り直しはなるべくやらないほうがよいと思います.
MS Streamにアップロードする場合,MS Stream上でトリミングできます.
動画編集ソフトにはiMovie, Adobe Premiere Proなどがあります.
OSは何がいいか?
WindowsでもMacでもLinuxでもなんでも使い慣れているものを使ってください.
何言ってるかわからん
このページの下の方に,基本的な用語集を載せてあります.
MS Teams「遠隔講義に関する情報共有」チームでご要望やご相談も承ります.
ソフトウェアのインストール方法がわからない
「(インストールしたいソフトの名前) インストール」,とウェブで検索してみましょう.
難しければMS Teams「遠隔講義に関する情報共有」チームで相談してみてください.
ハードウェアよくわからん
ハードウェアの解説ページや大城マニュアルをご覧ください.
ウェブカメラがなくてもiPhoneやiPadをカメラ代わりに利用することもできます(たとえばWindowsならiVCam (外部サイト, 使用中は広告も出ます) を使用, MacだとLightningケーブルでつなげばよい).
ウェブ会議中に,学生の顔を確認したいので顔出しを義務づけたい.
おすすめしません.カメラを持っていない・手に入れることが難しい学生もいます.また,在宅学習中は背景に私生活が垣間見えてしまいます (他の参加者にも).
顔出しする場合,シラバスに書いておく,ガイダンスで理由とともに説明する (例: 語学なので口元を見たい),などあらかじめ学生の了解を得ておくことをおすすめします.
Zoomは怪しい!いくつかの組織や地域で使用禁止と聞いた.
他のウェブサービスと同じく,Zoomのセキュリティも万全ではありません.
使用する前には最新版にアップデートしましょう. (アップデート方法)
パスワードを不特定多数に公開しない,待合室を利用して不明な参加者は追い出す,などのトラブル予防策をとってください.
著作権が気になる.
オンデマンド
講義の動画を撮影し,学生が見たいときにいつでも視聴できるようにしておく.
ストリーミング
リアルタイム (同期型) に学生とやりとりをする.同時かつ双方向のコミュニケーションができる.
LMS
学習管理システム (learning management system) の略.
授業をオンラインで管理するための道具.連絡を取る,講義資料を配付する,課題やアンケートを実施する,などの機能があります.
manaba, moodleやGoogle Classroomが代表例.
ウェブ会議,ビデオ会議,オンラインミーティング
MS
Microsoftの略.MS Word, MS Excel, MS Access, MS Paint, MS Teamsなど.
遠隔講義に否定的・懐疑的な気持ちは多くの教員が共有しています.苦しいのは一人ではありません.周りに相談しましょう.
遠隔講義を準備する上で次のような資料に目を通しておくとよいでしょう.
東京大学 「オンライン基礎講座「ライブ配信ではない,動画やテキストなどを用いたオンデマンド型オンライン授業の作り方」」 [資料]
遠隔講義に求められているものは,対面して行う平時の講義 (面接授業) 相応の教育効果です (詳細は以下の「遠隔講義に関する法や規定」(赤下線は筆者) や文部科学省のコロナ対応ページをご確認ください).
ビデオ会議やストリーミングによる同時双方向型講義の場合
面接授業のように,「同時」かつ「双方向」であるべき.
授業中に学生と教員が,お互いに映像や音声等によるやりとりを行うことが必要.
学生の教員に対する質問の機会を確保することが必要.
オンデマンド型
面接授業と違って,「同時」または「双方向」である必要はない.
講義終了後すみやかに,(1) 「設問解答,添削指導,質疑応答等 による十分な指導」を行うとともに,(2) 「学生の意見の交換の機会」を確保する必要がある.
「講義終了後すみやかに」 … 学期末にまとめてやる,ではなく,毎週やります.