密教法具
五鈷杵
金剛杵の成り立ち
〔大人向け〕
古代インドの武器に源流を持っており、密教では金剛杵が本来持っている武器性でもって心中の煩悩を打ち砕き仏性を顕現せしめる意味で用いています。
古いものほど武器性をとどめたものが多く、時代が下るにつれて武器性を失って象徴的な品になってゆき、形姿のうえでも多岐に変化していきます。
〔子ども向け〕
もともとは、昔のインドで戦うための武器として使われていました。
密教(みっきょう)では煩悩(ぼんのう)が仏様の敵であるとされていて、その煩悩を倒し、仏様の力をはっきりさせるために使われていました。
昔に作られたものほど武器としての力を持っていて、新しいものになるほど、武器らしい形から離れてしまいます。
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五鈷杵
把(つか)の両端で中鈷(なかこ)を中心に四方に脇鈷(わきこ)を出したもの
現存している金剛杵のうち最も数が多い
両端の形は、仏教において悪とされている竜を食べる『迦楼羅(かるら)』という鳥のくちばしがモチーフになっている
〇金剛杵には五鈷杵の他にもいくつか種類があります。
どんな種類があるか調べてみましょう
五鈷鈴
金剛鈴とは
密教の修業を行う際に、これを振り鳴らし眠っている仏性を呼び覚ますのに用いられていました。
金剛杵とともに密教法具の中で最もポピュラーな存在です。
五鈷鈴
柄を五鈷杵形に表した金剛鈴
現存している金剛鈴の中でも主流であり、種類も多く残されています。
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参考文献
阪田宗彦 (1989)『密教宝具』(日本の美術282)至文堂
関根俊一 (2011)『金剛鈴と金剛杵』(日本の美術541)至文堂
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クレジット表記例:「出典:こくとち360°まるみえミュージアム」・「出典:國學院大學栃木学園参考館」または"Kokutochi Museum"
このページは國學院大學栃木短期大学日本史フィールドの2020年度博物館実習の一環として作成したものです(公開開始2020.8.31)。
3Dデータは、野口淳氏、株式会社ラングの方法を参考に、Agisoft Metashare standard、Cloud compareを用いて作成しました。