法学基礎演習A

科目紹介

西村:

今日は、新しく中央大学法学部国際企業関係法学科に入学された新入生のみなさんに、

「国際企業関係法学科」と「法学基礎習演習A」について、ベテランの先生方に伺ってみようと思います。先生方、よろしくお願いいたします。

早速ですが、北井先生、国際企業関係法学科について、その特徴と何を学ぶのか簡単にご紹介いただけますでしょうか。

北井:

はい。国際企業関係法学科では、国際社会において企業活動から生じるさまざまな法律問題を中心に、グローバルな観点で問題を解決する基礎能力を養います。法律や経済の知識を学ぶと同時に、現代の国内・国際社会における企業の役割もしっかりと学ぶことができます。 

特に、法律学科との違いについては、第1に、グローバル化した世界の中で、国家と企業の行動原理を理解する、第2に、1年生から国際関係法を専門的に学ぶ点にあります。加えて、経済学等の他分野の学問、そして、外国語科目を学ぶ機会も充実させています。


西村:

ありがとうございました。

それでは、佐藤先生、国際企業関係法学科の新入生のほぼ全員が参加する「法学基礎演習A」についてお聞かせください。どのような授業科目なのでしょうか。


佐藤:

「法学基礎演習A」の教育目標は、次の3つの点です。


■2年次以降の専門科目の学びにつながるように、社会の基本的な仕組みを理解し、社会問題に対して批判的関心をもつことができるようにします。


■文献・資料を読み解く力、論理的に考える力、問題を発見・調査・分析する力、分かり易く表現する力など、大学での学びに必要な基礎的学習能力を身につけます。また、レポートや論文作成のための基礎力、その作成における基本的ルール(盗用やコピペの禁止等)を修得します。


■学生相互の交流、学生と教員の交流を通して、大学生活を楽しくかつ意義あるものにします。


担当される先生方は、皆さんがスムーズに大学での学びが開始できるように様々な工夫をこらして授業を準備されています。


西村:

では、北井先生、佐藤先生、最後に新入生にメッセージをお願い致します。


北井:

ソーシャルディスタンスが強調されていますが、これは逆説的に人間が社会的動物であることの証拠です。コロナの前とは少し違っても,大学では多くの出会いと刺激がみなさんを待っています。


佐藤:

教授といっても、このキャンパスに来てみると、いまだに書生気分が抜けません。私自身も、何事につけ、勉強中です。はっとさせられるような質問を投げかけてもらえることを、期待しています。

担当者一覧

法学基礎演習Aの担当教員は「アカデミック・アドバイザー」です。 学生生活全般についての様々なテーマの良き相談者として、皆さんに接していくことになります。

井川 志郎
いかわ しろう


<自己紹介>

働く人を守る法(労働法)が専門です。現在はとくに、国際的なサプライチェーン上で働く人々の人権保護について研究しています。

<message>

皆さんには、情熱と知性をもって社会課題の解決に挑戦できる≪実践的知識人≫となって、卒業して欲しいと思っています。法学は、エッセンスを体得できれば、そうした挑戦のための有力な武器になるはずです。エッセンス体得のためには、まず何より法学を楽しみましょう。私の役割は、法学の「熱さ」や「面白さ」を感じてもらえるよう、様々な刺激を皆さんに提供することです。もちろん、技術的な面でのつまずきに際しては、それを乗り越えるための助言も行います。皆さんの大学での学びをサポートできることを、とても楽しみにしています。 

小島 千枝
こじま ちえ


目先の失敗や成功にこだわらず、将来の大きな夢に向かってチャレンジしてください。大学時代にたくさんの異なる意見に触れ、多角的な視点とコミュニケーション能力を養ってください。一緒に楽しく勉強しましょう。

小宮 靖毅
こみや やすたけ


どうせなら法学部での、しかも国際企業関係法学科(コッキ)の4年間を おもしろがれた方がいいです。そして ”法” という現象は多面的なので、おもしろがり方はひとつではありません。どうすればいいかは、教員が わりと知っています。教員はかつての学生であり、卒業したのにまだ法を勉強しているような、法を「 おもしろがる方法を知る 」ひとたちだからです。

同じものを見聞きしても同じようには感じないのがわたしたちです。同じようにおもしろがれたなら、それはかなりの幸運です。そんなみなさんの幸運の手伝いができたらうれしいです。 

佐藤 文彦
さとう ふみひこ


<自己紹介>

法曹を志して中央大学法学部に入学したものの、法を学ぶこと自体が楽しくなり、研究者へと方向転換して現在に至っています。

<message>

ようこそ中央大学法学部へ。

学生時代は、貴重なものです。充実したものとしてください。何事につけ、挑戦を。成功すれば、自信となり、失敗すれば、経験という大きな糧になります。

知的戦闘力=知識量×知的技法の練度。そして、新しい知的技法を身につけることは、頭がよくなることです。知識を求めるだけでなく、新しい知的技法を求め、それに習熟することを心掛けてはいかがでしょうか。 

DERNAUER, Marc
デルナウア マーク


日本の法学部の学生にとって日本法の特徴と法律英語の知識はとても重要で、なるべく早く身につけた方が良いと思います。そのため法学基礎演習に日本法の特徴と法律英語をテーマにします。

富田 真紀
とみた まき


VUCAの時代を生き抜くには、自分を持ちつつ、時代の変化に柔軟に対応しながら必要な時に必要なことを学び続けることが求められます。大学時代はそのための土台作りです。

授業を通じて「教わる」機会でなく「学ぶ」機会を提供し、クラスメートとの交流を通して、共に学び、成長していけるような授業運営を行います。

一緒に楽しく学びましょう。 

楢﨑 みどり
ならざき みどり


ウクライナ戦争やガザ紛争など、日本を取り巻く世界は激しく動いています。経済社会の現状に合わせて、柔軟に考え、周囲との関係性を考慮しながら、規律を作っていくことが、今の法律家には求められていると思います。この演習では、規律の見かたや考え方を感じ取る、とくに世界との比較において、どのような差異があるかをできるだけ体感していくことを、1年を通じたテーマにしています。

西海 真樹
にしうみ まき

<自己紹介>

国際法総論、開発の国際法を担当します。 

<message>

入学おめでとう。よく学び、よく遊び、たくさん悩み、楽しい経験を積んでください。法を学ぶことの目的は、法技術を修得することだけではありません。自らの立場を相対化し、ものごとを多面的かつ根本的に認識する態度・方法を身につけることも、法を学ぶことの重要な意義です。まずは自分の考えをもつこと。同時に「自分は今このように考えているけれどそれは本当に正しいのかな」と自らを疑う視点をもつこと。それを心がけてください。皆さんに教室で会うのを楽しみにしています。

堀江 亜以子
ほりえ あいこ


「受け身を捨て、盛大に間違おう!」これが私の法学基礎演習Aの基本です。最初からどこかにある正解を探すのではなく、自分の頭で考え、仲間達と意見を交わし合いながら、正解を探していくことが、本当の学びと知識に繋がり、これから先の長い人生を自分らしく生きていく力になります。実りある大学生活たらんことを!

宮野 洋一
みやの ひろかず


紛争を「解決」するってなんだろう?判決が出されてその内容が実現されればそれで一件落着なんだろうか。現実の紛争は複雑な要素がからみあい、単純にひとつの「結論」では解消しきれない「いきもの」です。身の回りの紛争から国際紛争まで、それとどう取り組めばよいのか。豊かな着地点を創造しそれをめざした柔軟な過程を想像する経験を積むことが大切です。

多様な素材、ゼミでの発表・議論や、ウィズ・コロナ状況でどこまで可能かわかりませんが、ゼミ・ランチ、上級生と合同の夏合宿での合同ディベートなどの機会をも通じて、新たな考え方や、異なる見解と遭遇し自ら成長する「過程」をゼミの仲間と一緒に楽しみましょう。

宮本 航平
みやもと こうへい


<自己紹介>

スヴェン・ベッカート『綿の帝国ーグローバル資本主義はいかに生まれたか』と伊藤俊一『荘園ー墾田永年私財法から応仁の乱まで』という本がめちゃくちゃ面白かったです。法を学ぶ皆さんにオススメです。

<message>

法学の勉強をすることで、それまで当たり前だと思っていたことが当たり前じゃないと知るような、常識から解き放たれて目の前がパッと明るくなるような、昨日の自分とは違う自分になっていることに気づくような、そんな学びができればそれはとても素敵なことだろうと思っています。 

森 光
もり ひかる


法律学を勉強するための基礎体力づくりがこの授業の中心になります。でも、法律学の面白さにも少しだけ触れることができればとも思っています。

力丸 祥子
りきまる さちこ


<自己紹介>

日仏の家族法を比較研究しています。外国語にも関心が高く、英仏伊西韓中と様々な言語を勉強中です。

<message>

ご入学おめでとうございます。この法学基礎演習A で、法学を学ぶ際の基礎を身につけるとともに、皆さんにとって、自らの考えを表明し、議論し合える素敵な仲間作りの場になれば良いと思っています。

正解は一つではない、そんな法学の旅に一緒に出かけませんか?