国立民族学博物館
ラテンアメリカの民衆芸術
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/37894
あふれる色とはじける形、ラテンアメリカの民衆芸術の展覧会です。ラテンアメリカでは、民衆のつくる洗練された手工芸品を民衆芸術(スペイン語でArte Popular=アルテ・ポプラル)とよびます。北はメキシコから南はアルゼンチンまで、古代文明の遺物から現代のアート・コレクティブの作品まで、国立民族学博物館が所蔵する作品を中心に約400点のいろいろな民衆芸術作品を展示します。特別展では、なぜラテンアメリカの民衆芸術はこれほど多様なのかという問いを掘り下げます。先コロンブス時代以来の文化混淆(こんこう)の歴史、芸術として洗練されていった過程、そして現代の制作者の批判精神の3点に焦点をあて、その答えを探します。文化の多様性をはぐくむためには何が大切か。ラテンアメリカのさまざまな民衆芸術に触れながら考えてみましょう。
海のくらしアート展――モノからみる東南アジアとオセアニア
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/34228
東南アジアやオセアニアの海域世界には、海と密接に関わりながら、島や大陸の沿岸部にくらしてきた「海の民」とも呼べる人びとのくらしが営まれてきました。その長い歴史のなかで日常的に利用され、洗練されてきた様々なモノがあります。たとえば漁具は、島世界にくらす人びとの必需品ですが、そこには海や捕獲対象となる生き物たちと向かい合ってきた人類の知恵と工夫があふれています。舟は海上で人びとの命を守る最も大切なモノともなります。そのため海の民たちは舟や櫂に彫刻や彩色を施し、美しく装飾してきました。同時に舟は死者や霊を乗せ、この世とあの世をつなぐモノとなることもあります。海域世界では、人びとが身につける装飾品にも、貝など海から得られる素材が好んで使われてきました。とくにオセアニアでは釣針や舟の加工具、仮面や貨幣にも様々な貝が利用されてきました。
Homō loquēns 「しゃべるヒト」~ことばの不思議を科学する~
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/19085
身近にありすぎてほとんど振り返ることのない「コトバ」をテーマに、言語学のみならず、文化人類学、工学系、教育系、脳科学、認知心理学等の120名を超える国内外の研究者が協力して、その不思議をお見せします!さらに展示の一部として、映像作家の山城大督がことばをイメージした作品を公開!
コレクション展示「現代中国を、カワウと生きる―鵜飼い漁師たちの技」
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/31989
鵜飼はカワウやウミウを利用して魚をとる漁法です。2000年の歴史があるとされる中国の鵜飼は、カワウを利用し、生業として続いています。本展示は、本館の卯田宗平が中国各地で撮影した鵜飼にかかわる写真と動画を中心に、民博が所蔵する鵜飼い船もあわせて公開することで、現代中国をカワウと生きぬく漁師たちの技を紹介するものです。本展示では現地で撮影した写真や動画のなかで中国の鵜飼を特徴づけるものを選びました。中国における鵜飼の特徴とは、地域による技術の多様さとカワウの人工繁殖、生業としての漁法です。本展示では、このような特徴を踏まえ、写真や動画、標本資料を「中国各地でみられる鵜飼」、「持ち運びが便利な鵜飼船」、「カワウを繁殖させる技術」、「カワウを利用した漁の技術」という4つのテーマに分けて公開しています。とくに、中国の鵜飼では各地の漁師たちがカワウを自宅で繁殖させ、ヒナを育てて利用しています。こうしたカワウの人工繁殖は、世界中をみても中国でしかおこなわれていません。展示を通して、鵜飼の技術や知識、鵜と人間とのかかわりを理解していただければ幸いです。
「邂逅する写真たち――モンゴルの100年前と今」
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/23187
およそ100年前、欧米から多くの探検家たちが中央アジアを越えモンゴルに到達した。探検家たちは多くの写真を残し現在に伝えている。100年前のウランバートルは、活仏(かつぶつ)にして皇帝、ボグド・ハーンが治める「聖なる都」だった。欧米人がウルガと呼んだこの都の中心には、活仏の黄金の宮殿が燦然(さんぜん)と輝いていた。市場に行ってみると、騎馬でものを買う人びとの姿が見える。 “エキゾチックな”遊牧民たちの姿も興味深い。翻(ひるがえ)って現代、モンゴルの写真家たちも自らの社会を見つめ、写真で表現するようになった。モンゴルの首都ウランバートルは、人口160万人を越えるグローバル都市へと変貌(へんぼう)を遂(と)げた。首都の新しいシンボルは巨大なチンギス・ハーン像だ。首都の中心部には、高層ビル群が林立し、華やかな都市文化が花開く。その一方で都市の周縁部には、遊牧民の移動式テント、ゲルが密集する「ゲル地区」が広がっている。また、草原も変貌を遂げつつある。大草原と遊牧民は重要な観光資源である。その一方で、定住化が進んでおり、鉱山開発による環境汚染も懸念(けねん)されている。こうした現代のモンゴルのリアルを気鋭の写真家B.インジナーシらが写し出す。100年前の探検家たちが残したモンゴルと現代の写真家がまなざすモンゴル。本展示は、写真をめぐる100年の時空を越えた邂逅(かいこう)-出逢(であ)い-をテーマにしている。きっと新しいモンゴルの姿に出逢えるに違いない。
焼畑 ―― 佐々木高明の見た五木村、そして世界へ
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/29785
焼畑は人類の歴史とともに長い伝統を持ち、現在でも熱帯地域では欠かせない生業基盤のひとつになっている。しかし東南アジアなどでは森林破壊の原因のひとつと見られ負のイメージが強い。一方で焼畑は、アワ、ヒエ、バナナ、サトイモ、アズキ、ソバ、カブなどが栽培されて、収穫後は畑地を森にもどす再生型の農耕であり、その間には狩猟や採集がおこなわれる。このため今日の日本では自然に優しい持続型農法として注目されている。本展では、佐々木高明が熊本県五木(いつき)村で撮影した焼畑の写真や現地で使用されてきた道具をはじめとして、日本や世界の焼畑がどの地域でどのような環境のもとおこなわれてきたのか、各地域の焼畑の特徴はなにかを紹介する。また、五木村を中心とした世界の焼畑をとおして、人間と自然との共生のありかたについて考えてみる。
躍動するインド世界の布
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/19274
インドを中心とする南アジア世界において、布は時と場所、使途に応じて、あるいは宗教的規範や社会的慣習によって、用いられるかたちや色、文様が異なり、その扱われ方も場面ごとに明確に定められている。これまでインドについては、一枚布を巧みに変形させて、多様にまとう着衣文化があることが注目されてきた。だがインドにおける布は、衣装としてだけではなく、人生儀礼における贈与や、神がみへの奉納、社会運動でのシンボルといった多様な役割を担っている。人びとは場面に応じて多種多様な布のなかから目的や機能に適したものを選び、使い分けているのである。そのような人びとと布の多様な関係性は、多宗教、カースト制度、数百を超える言語といったインド社会の特質と深く結びついている。インド世界の布は、場をくぎり、人をつなぎ、神と人の媒介となり、政治をうごかし、グローバル経済をうみだす。このように躍動する布の現場に光を当て、布の役割や機能を明らかにすることは、グローバル化が進む現代インドの社会や文化の持続と変容の動態をひもとくことにつながる。本展示ではインド社会をつくりだしている人びとの営みを多彩な布とともに紹介する。
ユニバーサル・ミュージアム ―― さわる!“触”の大博覧会
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/16854
さわって体感できるアート作品が大集合!「歴史にさわる」「風景にさわる」「音にさわる」などのテーマの下、さまざまな素材と手法を用いて、“触”の可能性を探る大博覧会。コロナ禍を経験した人類は、「さわらない・さわれない・さわらせない」日常が人間本来のコミュニケーション(触れ合い)を破壊することを知った。非接触社会は、豊かな触感を持つ文化を育てることができない。展示場に足を運び、手を動かしてみよう。ユニバーサル・ミュージアムは単なる障害者対応、弱者支援ではない。本特別展に集うすべての来館者の手から、接触と触発の連鎖が広がる!
特別展「復興を支える地域の文化―3.11から10年」
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/14525
未曽有(みぞう)の被害をもたらした2011年の東日本大震災では、復興の原動力としての「地域文化」に大きな注目がよせられました。地域文化とは、その土地の自然に適合しながら形成された生活環境、その土地に人が住むことで蓄積されてきた歴史、そして、これらの生活環境や歴史の営みのなかで生み出されたくらしの総体であり、「地域で受け継がれてきた生活の記憶」ともいえるものです。また、地域文化は有形無形のさまざま形で受け継がれています。そしてこれらの地域文化は、地域に住む人びとの感情、あるいは人生の節目や季節の移り変わり目と結びつき、地域住民の豊かな人間性や創造性を育んでいきます。このことから、地域文化は災害からの復興を支える力をもった存在になりうるのです。しかしながら、日常のくらしの営みのなかでは、地域文化の存在は当たり前のものであり、ほとんど意識されることがありません。むしろ変化の大きな現代社会のなかでは、容易に忘れ去られる危機に常に直面しています。 そこで、本展示では災害からの復興を支える地域文化をめぐる活動について、東日本大震災から10年が経つ今、あらためて振り返ります。また、豊かな社会の礎(いしずえ)となる地域文化の大切さとその継承について考えていきます。
特別展「先住民の宝」
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/10141
世界には、現在70カ国以上の国々に、約3億7,000万人の先住民が暮らしており、その民族の数は少なくとも5,000と言われています。本特別展でいう宝とは、圧政や差別に苦しみながらも、日々を力強く、そして希望を失わず生きてきた彼らにとっての心の拠り所であり、民族としての誇りでもあります。先住民の思いをのせた約740点におよぶ展示品とともに、先住民の世界を紹介します。
梅棹忠夫生誕100年記念企画展「知的生産のフロンティア」
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/2556
みんぱく初代館長を務めた梅棹忠夫(1920-2010)は、多数の学術調査に参加した知の先覚者です。彼は、調査成果を論文などにまとめる方法を『知的生産の技術』(1969年)で述べましたが、具体的に資料を加工する過程は示しませんでした。この企画展では、梅棹のアーカイブズ資料とデジタル・データベースで彼の方法の舞台裏を紹介します。
「朝枝利男の見たガラパゴス――1930年代の博物学調査と展示」
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/665
1932年のガラパゴス諸島に足を踏み入れ記録した日本人がいた。コレクション展示では、アメリカの学芸員で画家・写真家・剥製師でもあった朝枝利男がガラパゴスで撮影した写真を中心に彼のアルバム・日記・魚の水彩画について紹介します。
企画展「アルテ・ポプラル――メキシコの造形表現のいま」
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/2580
メキシコでは先スペイン時代にメソアメリカ文明が開花し、16世紀以降はヨーロッパ、アジア、アフリカからさまざまな文化が流入して、独自のものづくりの伝統が生まれました。アルテ・ポプラルとは、特別な才能に恵まれた芸術家の作品ではなく、職人や一般の人びとによる造形表現の総称です。本展示では、仮面や毛糸絵、陶器の資料とともに、骸骨(がいこつ)の姿があふれる都市の街路をイメージしたコーナーや典型的なアルテ・ポプラルである生命の木など、現在のメキシコのアルテ・ポプラルの多様な姿を紹介します。
特別展「驚異と怪異――想像界の生きものたち」
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/18385
なぜ人類は、この世のキワにいるか・も・しれない不思議な生きものを思い描き、形にしてきたのか?奇妙で怪しい、不気味だけどかわいい、世界の霊獣・幻獣・怪獣が大集合!現代のアーティスト・漫画家・ゲームデザイナーたちによるクリーチャー制作も紹介し、妖怪やモンスターの源泉にある想像と創造の力を探ります。
企画展「サウジアラビア、オアシスに生きる女性たちの50年 ―「みられる私」より「みる私」」
https://older.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/thematic/saudi20190606/index
1960年代末、急激な社会変化をむかえるサウジアラビア西部のオアシスで、文化人類学者の片倉もとこは、当時ほとんど不可能と思われた長期調査をおこないました。そして「みられる私」ではなく「みる私」としてのサウジ女性の姿に気づきました。本展示では、片倉が現地で撮影した貴重な写真を手がかりに、半世紀後に実施した最新の追跡調査の成果を交えながら、飾面や民族衣装など個性的で色鮮やかな物質文化をとおして、サウジ女性の生活世界の変遷をたどります。
特別展「子ども/おもちゃの博覧会」
https://older.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/special/20190321kodomo/index
日本の社会は、明治の海外からの技術や知識の伝来や、国家による軍隊や学校などの制度の施行、昭和の第二次世界大戦の敗戦などによって大きな変化をこうむり、その時々の子どものありようや人びとの子ども観に影響を与えました。展示では、江戸時代から戦後のさまざまな玩具をつうじ、子どもや子どもをめぐる社会の変遷とその意味を探ります。
企画展「旅する楽器―南アジア、弦の響き」
https://older.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/thematic/tabisuru20190221/index
南アジアは弦楽器の宝庫です。世界中で知られるシタールだけでなく、多種多様な弦楽器が、様々な人々によって、千差万別のスタイルで演奏されてきました。宮廷の華として王侯貴族を陶酔させた弦の響きは、古典音楽として受け継がれています。儀礼に使われた弦楽器は、神を讃える歌や祈りの支えとなり、物語の世界を眼前に蘇らせ、歌手の紡ぎだす旋律を引き立ててきました。これらの楽器の多くは、西アジアや中央アジアから伝えられ、南アジアで演奏家や職人たちによって改造され、生まれ変わったものです。南アジアで定着した楽器が、さらに形や音を変えながら、東南アジアや東アジアに伝えられた場合もあります。本展示では、このような弦楽器の遥かな旅を、南アジアを中心にして紹介します。
特別展「工芸継承―東北発、日本インダストリアルデザインの原点と現在」
https://older.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/special/20180913kougei/index
明治時代に入り、政府は殖産興業・輸出振興政策の一環として、積極的に日本の工芸技術を世界に向けて発信し、世界的にも大きな評価を得るまでにいたりました。その後、時代を経て、昭和3年に国立工芸指導所が国内で初めて宮城県仙台市に設置され、工芸の近代化、産業化の推進と東北地方の工芸業界の発展をめざした活動がおこなわれていきました。そして、工芸界、デザイン界をリードする組織として、剣持勇、豊口克平などを輩出し、昭和40年代まで活動を続けました。これらの活動はまさに日本におけるインダストリアルデザインの原点の活動の一つとして位置づけることができます。本特別展示では、こうした国立工芸指導所で試みられた日本のインダストリアルデザインの出発点となった伝統工芸品に注目し、この素晴らしい技術を次の世代にどのように継承するのかについて考えるものです。ここでは、現在、工芸界で活躍する若手職人やデザイン・工芸に関心を持つ学生たちとのワークショップをとおして、彼らの視点から、くらしを豊かにする新しい現代の工芸について議論しました。また、連綿と受け継がれ、生み出された工芸技術を大学や博物館でどのように継承するのかについて検証するとともに、家業として受け継がれる工芸技術の技術伝承の実際についても注目しました。さまざまな産業界において、国際競争力が試されるなか、日本の得意分野を生かした技術開発が求められるようになっています。ここでは機能性はもちろんのこと、世界で通用するデザイン力も求められています。国立工芸指導所が目指した工芸品は、そうした機能性、デザイン性を追求したインダストリアルデザインであり、まさに先駆的な活動であったといえます。世界にほこる日本の工芸品が、国立工芸指導所の精神を受け継ぎつつ、どのように世界に挑戦するのか。このような点に着目し、これまでの工芸、これからの工芸を考えてみたいです。
企画展「アーミッシュ・キルトを訪ねて―そこに暮らし、そして世界に生きる人びと」
https://older.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/thematic/quilt20180621/index
プレーン・ピープル(簡素な人びと)とも呼ばれるアーミッシュが無地の布をパッチワークしつくるベッドカバーは、あざやかな色合いと幾何学模様から生まれるデザインや細やかなステッチで20世紀後期に注目を集めました。特に、厳格に教会コミュニティを守ろうとするオールドオーダー・アーミッシュは、現在も馬車を使用し公共の電気を引かず、公教育の期間を制限しています。世界から孤立したようにみえる人びとは、どのように環境や周囲と交流してきたのでしょうか。本展示では、みんぱくコレクションを素材として、キルトに織りこまれた日々の暮らしや物語、キルトが結ぶ世界との交流をたどります。
開館40周年記念特別展「よみがえれ! シーボルトの日本博物館」
https://older.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/special/20170810siebold/index
プレーン・ピープル(簡素な人びと)とも呼ばれるアーミッシュが無地の布をパッチワークしつくるベッドカバーは、あざやかな色合いと幾何学模様から生まれるデザインや細やかなステッチで20世紀後期に注目を集めました。特に、厳格に教会コミュニティを守ろうとするオールドオーダー・アーミッシュは、現在も馬車を使用し公共の電気を引かず、公教育の期間を制限しています。世界から孤立したようにみえる人びとは、どのように環境や周囲と交流してきたのでしょうか。本展示では、みんぱくコレクションを素材として、キルトに織りこまれた日々の暮らしや物語、キルトが結ぶ世界との交流をたどります。