第2章 明鏡止水

人生は劇場。

あなたは観客であり、主人公だ。

あなたが一生かかって観るその劇が、

波乱万丈か、感動的か、平凡か、殺伐したものかは、

主人公のあなたが決める。

だから、あなたは演じなければいけない。

あなたが、あなたをつくり、あなたを演じる。

それは、あなたがあなたを演出するということだ。

あなたの心は、溶鉱炉のように、

欲望の炎が渦巻いているかもしれない。

それをそのまま出してしまっては、無制御に近い。

動物と同じだ。

哲士は演じる。

静かな湖面のように、穏やかに冷静に努める。

道理を究めるためには、まず正しくものごとを見究めなければ。

ならないからだ。

余計な感情に、目が曇ってはいけない。

演じることによって、制御する。

型を決めてしまうことによって、制御しやすくする。

哲士とは、以下の態度をとる。

泰然性・・・因果に従い、

陰湿を嫌い、堂々と、

誠意を持って、対処する。

裕然性・・・こだわらず、

本質をつかみ、

先行きを見通す。

毅然性・・・冷静に、

現状を受け入れ、

他人に応じない。

整然性・・・秩序を重視し、

正確に、丁寧に、

礼儀正しく、努める。

哲士は演じる。

自分のために演じる

そしてその演じる姿を観る。

『哲士は、明鏡止水、

何事にも邪念なく、

澄んだ心で応じ、澄んだ心に映す』