吹っ飛ばされる山雞。四人が食事に使っていたテーブルが壊れる。
着地先で饅頭を咥えてしまう奇跡。
食べ物を求め、うろつく餓鬼たち。
山雞をやられ怒る猴孫は、餓鬼に攻撃を仕掛ける。
貝瑪の前に立ち、守る姿勢の康楚。
龍種と羊咩咩も、VS餓鬼に参戦。
ド派手なアクション。
物凄い量の餓鬼が押し寄せる。
山雞の口には更にパンが入り込む。(そんな事ある?)餓鬼がそれを見つけてニッコリ。
羊咩咩も餓鬼をオーバーキル。
山雞は顔面に食い散らかしたものとよだれを浴びる地獄状態。
龍種が吹き飛ばした餓鬼が柱を破壊。
猴孫に蹴飛ばされた餓鬼が酒類を悉く破壊。損害は甚大だ。
超ビビりながらキッチンにまだ食べ物がある事を説明。
貝瑪は仲間たちに餓鬼を傷つけないよう促す。もうちょい早く言ってあげたらよかったかもしれない。
キッチンから戻ってきた二人は、いい表情で餓鬼に食べ物(饅頭とトウモロコシ)をブン投げる。
餓鬼について詳しく説明。六道(輪廻)については下記コラム参照。
山雞はその説明に頷きながら神妙に聞く。
手話で祭壇を用意するよう康楚に指示。
康楚は貝瑪を見ていない。
しかし、力強く頷く。
誰も手を触れていないが横一列に並ぶ敷物。
貝瑪が座る台座は康楚が用意。
貝瑪のアップから徐々に引いていく。
左手に持つ鈴、右手に持つでんでん太鼓を鳴らす。
傍には両手を合わせた康楚が控える。
幽幻道士1で行った觀落陰の術「探亡魂」の時とは、鈴を持つ手も握り方も異なる。
でんでん太鼓らしきものは、干摩地が使っていたものとはまた違うもののようだ。
様子をジッと見守る。
同じく神妙な面持ちで見守る二人。
術が進み、敷物の上に蝋燭に囲まれた食べ物の容器が出現する。
読経が開始される。
短い読経の繰り返しが続く神秘的なシーン。
餓鬼達も貝瑪をジッと見つめる。
指で光球を弾く。
弾かれた光球は次々と餓鬼たちに命中。
訝しみながら様子を見る四人。
当たった喉部分が光球によって広がっていく。これで食事が出来るようだ。
読経を再開し、また光球を作る。
今度は餓鬼にではなく、お供え物に弾く。
光球に光と同時に、器の中身も消える。
五色の敷物の上にある器が、みるみる満たされていく。
他の器にも同じ事を繰り返す。
豆や花びらが五色の敷物の上の器を満たす。
ゆっくりとそれに近づく餓鬼たち。
法輪を回しながら六道金剛咒(下記コラム欄参照)を唱え始める。
法輪を回すシーンというだけで胸が熱くなる。
法輪から複数の光球が出て来る。
一斉に餓鬼の元へ飛んでいく。
光が餓鬼を包み込む。
光と共に、餓鬼も消えてしまった。残るは食べ残しで絶望的に汚れた床。
何だかんだ言いつつ餓鬼を心配する、可愛い龍種。
餓鬼を輪廻の輪に入れた為、人間に生まれ変われると報告。
さっきまで殺す気マンマンだった相手に、カネが稼げるように生まれ変わらせてくれと懇願する二人。
得た功徳を分け与えると言う。
閉じた手のひらをゆっくりと開くと、蓮の花が現れる。
それを放つ、とても美しいシーン。
吹き飛ばされる三人。
空に浮かぶ羊肖・猴肖・雞肖の星座。実際の三人の並びとは猴肖と雞肖が逆だ。
三肖は龍種の時と同じ文言を繰り返し唱える。
康楚はその様子を、少しうれしそうな尊い表情で見ている。
対照的に龍種は少し物憂げな表情。私以外いらないのに、と思っているのだろうか。
三肖のお辞儀に応える。
六道輪廻・・・インド発祥の世界観。六道は住む世界を示すもので、
①天(人間の世界より苦が少なく楽の多い世界。)
②人(生病老死の四苦八苦がある世界。)
③修羅(独善的で怒りに我を忘れ、戦いを繰り返す世界。)
の三善道(三善趣)と
④畜生(殺しあいが繰り返される弱肉強食の世界。)
⑤餓鬼(欲望・嫉妬にまみれた世界。この世界から抜け出るために更に無理を重ねてしまう。)
⑥地獄(様々な苦しみを受ける、六つのうち最も苦しみの多い世界。)
の三悪道(三悪趣)の六つの世界がある。
輪廻とは、無限に生死をくり返すことで、六道輪廻とは生まれ落ちた各世界での行い(業・カルマ)によって、
次にどの世界に生まれ変わるか、といった考え方。
六道輪廻を一枚の絵柄にした六道輪廻図(下記参照)には、一番上には死を司る神である羅刹がいて、中心の円の中にはそれぞれ
「貧(貪欲)・瞋(怒り)・痴(無知)」を表す動物(鶏・蛇・豚)が描かれており、多くの絵では互いのしっぽを咥えている。
これは煩悩の為に生きている者には苦しみが生じ、いつまでも抜け出せない事を示している。
また、その円の外側にあるそれぞれの世界の図には、どの世界にも必ず仏が描き込まれている。
それはどの世界においても仏は見捨てず必ず救済に立ち向かうことを表している。
説明が長くなってしまったが、円の一番外側には十二因縁と呼ばれるものが描かれており、これを断ち切り外へ出て行く事を
解脱と呼び、何度も転生を繰り返して学ぶ事で解脱出来るとされ、貝瑪はこのシーンで餓鬼たちの解脱→輪廻の輪に入る手伝いを
してあげていたのである。
啞阿夏沙嘛哈について…餓鬼を輪廻へと入れる為に行ったのは、觀落陰の術のうち、「亡魂煉渡大法」と呼ばれる秘術。
(詳細は幽幻道士1-⑯のコラム欄参照。)その際に唱えていた「啞阿夏沙嘛哈」は、六道金剛咒(六道金剛真言)、
別名大円満六字明真言とも呼ばれる真言。これは普賢王如来の最も根本的な三つの真言の一つであり、
六道の衆生を成仏させたり、極楽浄土へ誘う事が出来るばかりではなく、功徳を積む奇跡さえもを起こす真言である。
製作スタッフの知識には脱帽である。