側線は完全。胸鰭は発達。鱗がない。背鰭と臀鰭は尾鰭で連続。クロアナゴ亜科 Congrinae， チンアナゴ亜科 Heterocongrinae， ホンメダマアナゴ亜科 Bathymyrinaeに分類される。チンアナゴ亜科 は体が非常に細長く，砂底に穴を掘り半身を埋め，流れてくるプランクトンを食べる。近年の分子系統学的解析では本科の単系統性は支持されておらず(例えば Inoue et al. 2010)，クズアナゴ科やハモ科などとの関係性も含め，その系統分類には課題が多い。
チンアナゴ亜科チンアナゴ属。体は著しく細長い。上唇左右の遊離縁は前方でつながり，前鼻孔，感覚孔は遊離縁上で開く。 体は黄褐色地に2～3列の暗色斑が並ぶ。鰓孔に大きな長方形状の白色斑がある。奄美大島産の標本に基づき，2018年に記載された。伊豆半島や伊良部島，ミンドロ島やマブール島で水中写真が撮影されている。
チンアナゴ亜科チンアナゴ属。体は著しく細長い。上唇左右の遊離縁は前方でつながり，前鼻孔，感覚孔は遊離縁上で開く。 体は明色地に小黒色斑点が密在。鰓孔周辺，体幹部，肛門周辺に黒色斑がある。水族館などでも見られるポピュラーな種。
チンアナゴ亜科チンアナゴ属。体は著しく細長い。上唇左右の遊離縁は前方でつながり、前鼻孔，感覚孔は遊離縁上で開く。体はくすんだ白色地で、体背側に細い茶色横帯と斑紋が入り、体幹部の横帯の一部は腹面に達する。体の模様は尾部にいくにつれ不明瞭になる。鰓孔は暗褐色。日本では愛媛県愛南や西表島で見られる。
チンアナゴ亜科シンジュアナゴ属。体は著しく細長い。上唇左右の遊離縁は前方でつながらず、前鼻孔，感覚孔は遊離縁の間で開く。体に茶橙色と白色の横帯が交互に入り、後者は尾部に行くにつれ小さくなる。 チンアナゴと並びポピュラーな種。
チンアナゴ亜科シンジュアナゴ属。体は著しく細長い。上唇左右の遊離縁は前方でつながらず、前鼻孔，感覚孔は遊離縁の間で開く。体は茶褐色で，頭部感覚孔と側線孔は白く縁どられる。
チンアナゴ亜科シンジュアナゴ属。体は著しく細長い。上唇左右の遊離縁は前方でつながらず、前鼻孔，感覚孔は遊離縁の間で開く。体は青灰色で，小銅黄色斑点が散在。唇部は暗褐色。
主な文献
Böhlke, J. E. & J. E. Randall. 1981. Four new garden eels (Congridae, Heterocongrinae) from the Pacific and Indian Oceans. Bulletin of Marine Science, 31(2): 366-382.
Castle, P. H. J. & J. E. Randall. 1999. Revision of the Indo-Pacific Garden Eels (Congridae: Heterocongrinae), with Descriptions of Five New Species. Indo-Pacific Fishes, 30: 1-52.
Hatooka, K., T. Yoshino, H. Senou & K. Yano. 1986. The fourth garden eel (Pisces, Congridae, Heterocongrinae) from Japan. Galaxea, 5: 255-259.
Koeda, K, T. Fujii & H. Motomura. 2018. A new garden eel, Heteroconger fugax (Congridae: Heterocongrinae), from the northwestern Pacific Ocean. Zootaxa 4418(3): 287-295.
Inoue, J., M. Miya, M. J. Miller, T. Sado, R. Hanel, K. Hatooka, J. Aoyama, Y. Minegishi, M. Nishida & K. Tukamoto. 2010. Deep ocean origin of the freshwater eels. Biology Letters, 6: 363-366.
Shao, K.-T. 1990. Garden eels from Taiwan, with description of a new species. UO, 40: 1-16.
