アロワナ団 Osteoglossomorpha
比較的原始的な形質を有する硬骨魚類の一群で,淡水域に生息。ヒオドン目は北米に分布し,ニシン型の体形,管状で強く屈曲する鼻骨,主上顎骨の上向棘などが特徴。アロワナ目は東南アジアやオーストラリア,南米,アフリカの淡水域に分布し,小さく頭蓋骨に固着する前上顎骨などが特徴。
比較的原始的な形質を有する硬骨魚類の一群で,淡水域に生息。ヒオドン目は北米に分布し,ニシン型の体形,管状で強く屈曲する鼻骨,主上顎骨の上向棘などが特徴。アロワナ目は東南アジアやオーストラリア,南米,アフリカの淡水域に分布し,小さく頭蓋骨に固着する前上顎骨などが特徴。
ヒオドン目ヒオドン科。比較的透明度の高い水を好む。背鰭起部は臀鰭より前方に位置する。腹部正中線上の隆起線は腹鰭前方に達しない。虹彩は銀色。
ヒオドン目ヒオドン科。比較的濁った水域を好む。背鰭起部は臀鰭起部上方かより後方に位置する。 腹部正中線上の隆起線は峡部に達する。虹彩は黄色。
アロワナ目Arapaimidae。南米のアマゾン川に分布する大型の淡水魚で,ピラルクとも呼ばれる。体は長い円筒形で,後方で側扁。鱗は大きい。成魚は9~1月にかけて雌雄のペアを作り,増水時に湖の岸辺,一時的な湖,水路の浅い砂地に共同で巣をつくり産卵する。産卵後3~5日で孵化し,オスは3~4か月の間,氾濫林の餌が豊富な場所へ移動して仔魚を守る。 鰾で空気呼吸を行い,その際大きな音を出すため容易に漁獲される。1868年以降長い間単独種とみなされていたが,(Stewart, 2013a; 2013b)により少なくとも5有効種が存在することが確認された。ただし,うちA. gigasとA. mapaeはホロタイプのみ現存,A. agassiziとA. arapaimaはホロタイプ消失という状況であり,各種の保全状態については不明のままである。A. leptosomaはソリモンエス川流域で採集された1個体をもとに,2013年に記載された種である。アマゾン川で採集されたその他の学術標本は分類学的位置が不明な種という扱いになっている。
アロワナ目Arapaimidae。アフリカに分布。昆虫やプランクトン,水草を食べる。オスは水底に産卵巣をつくり,産卵後はオスとメスで卵と仔魚を守る。
アロワナ目Pantodontidae。アフリカに分布。流れが静かな場所の表層付近に生息。胸鰭は大きく翼状になり,これを大きく動かすことで水面に飛び出すことができる。腹鰭は糸状。オスとメスとで,臀鰭の形態が異なる。
主な文献
Hilton, E. J., W. E. Bemis & L. Grande. 2014. Hiodontidae-Mooneyes. North American freshwater fishes: evolution, ecology, and behavior, 1: 299-312.
Stewart, D. J. 2013a. Re-description of Arapaima agassizii (Valenciennes), a rare fish from Brazil (Osteoglossomorpha: Osteoglossidae). Copeia, 2013(1): 38-51.
Stewart, D. J. 2013b. A new species of Arapaima (Osteoglossomorpha: Osteoglossidae) from the Solimões River, Amazonas State, Brazil. Copeia, 2013(3): 470-476.
Stiassny, M. L., G. G Teugels & C. D. Hopkins. 2007. Fresh and Brackish Water Fishes of Lower Guinea, West-Central Africa, Volume 1. IRD Editions, Paris. 800pp. Faune et Flore Tropicales, Volume 42.