・費用がかかる
・相続トラブルもないし,わざわざ登記までしなくても…
・必要になったときにすればいい
このような話をよく耳にしますが,相続登記は早めにしておくべきです。
(せめて遺産分割協議書だけでも作成しておいたほうがいいです)
相続には終わりがないことがほとんどです。放っておくと相続人が全国各地数十人に膨れ上がり,
所在を探すことさえ困難になってしまいます。
もちろん費用も高くなります。
土地を売却するときや自宅を新築するときに,その土地が亡き親の名義のままだったというケースは非常に多いです。
そのときになって遺産分割協議を焦ると大抵トラブルになります。
ある日突然,遠い親戚から実印を押してくれという手紙が届いても,ちょっと戸惑ってしまいますよね。
2021年の法改正により,相続登記は義務化されることになりました。
申請を怠ると過料に処せられることになります。
登記を怠っていた親の世代からの戸籍を収集し,
叔父(伯父)や叔母(伯母),従兄弟などと連絡を取り,遺産分割協議書を作成するのは非常に苦労します。
これらをすべて子や孫が行わなければなりません。
相続人の気持ちは小さなことがきっかけですぐに変わります。
相続登記は遺産分割の話合いがされた時点(合意があった時点)ですみやかに済ませておくべきです。
相続人全員の納得する「遺産分割協議書」を作成します。
遺産分割協議書についてはいろいろな種類があります。
作成する書面の内容によって費用も異なりますので相談ください。
「相続を放棄する」と周囲に告げて,相続の放棄は完了したと思っていませんか?
相続の放棄とは
裁判所に対し,
相続放棄の申述受理の申立てをする
相続放棄の申述受理がなされる
この手続きのことを指します。
裁判所への手続ですので書類を作成する必要があります。
また,裁判所から相続放棄についてお尋ね書が届きますので,相続放棄の意思など正確に回答しなければなりません。
もっとも,裁判所への手続だからといって敬遠しなくても大丈夫です。難しいものではありません。
相続人と親交が無く,トラブルに巻き込まれたくないような場合には,相続放棄をすることも選択肢としては十分あります。
~注意点~
相続放棄の申述受理の申立ては,亡くなったことを知ったときから原則3か月以内。
亡くなった方の死後手続を周囲に言われるがままに行うと,相続を承認したものとみなされてしまうおそれがあります。
← 年金の受取り,健康保険料の還付,預金解約などはしてはいけません。
・預金だけ相続して,不動産については相続放棄したい
相続の放棄は,そこまで都合のいいものではありません。
相続の放棄 ⇒ 一切の遺産を相続しない(相続できない)
預金は相続するけど不動産の相続は放棄するということはできません。
預金を解約し引き出した時点で,原則相続をしたものとみなされてしまいます。
・田舎の農地や山林の管理はできないから相続放棄すればいい
・倒壊の危険性がある家屋の相続はしたくない
相続の放棄をしたからといって不動産の管理をしなくてもいいということではありません。
民法 第940条
1項 相続の放棄をした者は,その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで,
自己の財産におけるのと同一の注意をもって,その財産の管理を継続しなければならない。
相続放棄したことで相続人が誰もいないくなる場合には,その遺産を管理する者が現れるまでは結局は相続放棄した者が
管理をしなければいけないということです。
家屋の修理や雪下ろし,土地の草刈り,倒れそうな樹木の伐採などは結局しなければいけません。
しかし,相続人ではありませんので,家屋の取壊しや土地の売却などは認められません。
預貯金を相続することはできないのに,不動産の管理はしなければいけない。
取り壊すことも難しく,売却もできない。
という理不尽な状況に陥ることになります。
近年問題となっている空き家,空き地の原因の一つがここにあります。
(令和3年10月17日 追記)
民法の改正により,相続放棄者と遺産の管理義務について新しい規定が誕生しました。
詳しくは 「 相続・物権改正 」 のページをご覧ください。
親や配偶者,そして子には遺留分というものがあります。
遺言で「すべての遺産は妻に相続させる」と記載しても,子は遺留分を請求することができます。
面倒を見てくれた二男にすべてを相続させ,長男には一切相続させたくないと遺言を作成しても 長男は俺にも遺産をよこせと請求することができます。
故人の意思に関わらず,遺産の一部だけは相続人に保障しようとする制度です。
特定の相続人が一切相続できないように画策することは非常に危険です。
※遺留分の算定は複雑です。また,相続人同士でトラブルになる可能性もありますので注意が必要です。