ttm012(Synth D)
ttm012は独自の波形合成エンジンとモジュレーション機構を搭載したデジタルシンセサイザーです。波形生成エンジンはttm002と同じですがフィルタ機能などを追加してより音作りの自由度を高めています。デジタルシンセサイザーを名乗っていますが、操作感はアナログシンセサイザーと同じでもちろんアナログシンセサイザーの音も得意です。
5種類の波形生成パターンから任意の種類を選択し、最大8個のパラメータを調整することによって簡単な操作でメインオシレータ波形の生成を行うことができます。また、モジュレーション波形やLFO波形をサブ波形として重ね合わせることで、より複雑な音作りを行うことができます。
最終的な音色調整のために、ハイパスフィルター、ローパスフィルター、コーラス、エコーが備わっています。
特徴
独自のアルゴリズムによるメインオシレータ波形の生成。
独自のモジュレーション機構による音色変化。
LFOはメインオシレータを含む6種類の波形から選択可能。
モジュレーション波形とLFO波形をサブオシレータとして使用可能。
メモリ使用量が小さく負荷が軽い。
パラメータの説明
メインオシレータの波形タイプ
ボタンをクリックすることで波形の種類をSin/Rect/Rect2/Sin-N/Sin-Xから選択できます。波形の種類によってParam.1~Param.7の効果が異なります。使用しないParam.はグレーアウトします。
Sin:サイン波を基本波形としてParam.1とParam.2を使用して波形を変形させることができます。
Rect:矩形波を基本波形としてParam.1~Param.7を使用して波形を変形させることができます。
Rect2:矩形波を基本波形としてParam.1~Param.7を使用して波形を変形させることができます。Rectに対して角を丸めた柔らかい音色を特徴としています。
Sin-N:サイン波を基本波形としてParam.1~Param.3を使用して波形を変形させることができます。サイン波を複数回重ね合わせることによってノイズ波形を生成することができます。
Sin-X:サイン波を基本波形としてParam.1とParam.2を使用して波形を変形させることができます。サンプリング周波数を荒くすることによって金属的な音色が得られます。
ウィンドウ
メインオシレータ波形の両端の丸める範囲を調整します。数字を大きくするほど音色が柔らかくなる傾向があります。上側の波形が0%、下側の波形が100%のときの画像です。
サブオシレータ
サブオシレータの調節をします。
Mix:加算するサブオシレータの音量の割合を調整します。ノブを左側に回すとLFO波形を加算し、右に回すとモジュレーション波形を加算します。0の場合はメインオシレータの波形を割合50%固定で加算します。コントロールチェンジの20番でリアルタイムに制御することができます。
Tune:サブオシレータの音程を-100(1オクターブ下)~100(1オクターブ上)の範囲で調整します。コントロールチェンジの21番でリアルタイムに制御することができます。
モジュレーション
モジュレーションの調節をします。
Level:数値が大きいほどモジュレーションの効果が大きくなります。コントロールチェンジの22番でリアルタイムに制御することができます。
Time:1波形当たりのモジュレーションの回数を調整します。
X:モジュレーション波形を調整します。
LFO
LFOの調節をします。
Type:ボタンをクリックすることで波形の種類をSin/Tri/Saw/Square/Main/Mod.から選択できます。"Main”はメインオシレータ波形、"Mod."はモジュレーション波形になります。
Freq.:LFOの周波数を調整します。コントロールチェンジの23番でリアルタイムに制御することができます。
Amp.:音量の振幅を調整します。コントロールチェンジの24番でリアルタイムに制御することができます。
Pitch:音程の振幅を調整します。コントロールチェンジの25番でリアルタイムに制御することができます。
Filter:フィルタの振幅を調整します。コントロールチェンジの26番でリアルタイムに制御することができます。
フィルター
フィルターの調節をします。
HPF:ハイパスフィルタのカットオフ周波数を調節します。
LPF:ローパスフィルタのカットオフ周波数を調節します。
Reso.:ローパスフィルタのレゾナンスを調整します。
コーラス
コーラスの調節をします。
Freq.:コーラスの周波数を調節します。
Depth:コーラスの振幅(揺れの大きさ)を調節します。
エコー
エコーの調節をします。
Level:エコーの音量を調節します。
Time:エコーの持続時間を調節します。
エンベロープの選択
調整を行うエンベロープの選択を行います。調整したいエンベロープをクリックして選択してください。
Amp.:音量のエンベロープを調整します。
Pitch:音程のエンベロープを調整します。
Filter:ローパスフィルタのエンベロープを調整します。
音程によるエンベロープの調整
音程(キー番号)によってエンベロープ速度が変化する度合いを調整します。プラスで音程が高くなるほどエンベロープ速度が速くなり、マイナスで遅くなります。
ベロシティによるエンベロープの調整
ベロシティによってエンベロープ速度が変化する度合いを調整します。プラスでベロシティが大きくなるほどエンベロープ速度が遅くなり、マイナスで速くなります。
オーバーサンプリング
ボタンをクリックすることでホスト側で設定されているサンプリング周波数に対して、内部処理のサンプリング周波数を何倍にするかを1倍(x1)と2倍(x2)から選択できます。内部処理のサンプリング周波数を上げることで音質の向上が期待できる場合があります。
エンベロープレベル
エンベロープレベルを調整します。音量とフィルタは0~100、音程は-100~+100の範囲で調整します。調整中のエンベロープレベルの値は下部のラベルに表示されます。
A:発音直後のレベルを調整します。
H:アタック時間経過後のレベルを調整します。
D:ディケイ時間経過後のレベルを調整します。
S:サスティン時間経過後のレベルを調整します。
E:リリース時間経過後のレベルを調整します。
エンベロープ時間
エンベロープ時間を調整します。調整中のエンベロープレベルの値[ms]は下部のラベルに表示されます。
A:レベルHに達するまでの時間を調整します。
H:レベルHを維持する時間を調整します。
D:レベルDに達するまでの時間を調整します。
S:レベルSに達するまでの時間を調整します。
E:レベルEに達するまでの時間を調整します。
メインオシレータ波形
メインオシレータ波形を表示します。
パッチ名
パッチ名を変更します。テキストボックスをクリックすると入力モードに切り替わります。
音量ゲイン
音量を調整します。数値が大きいほど音量が大きくなります。
パッチの保存/読み込み
パッチデータの保存/読み込み/一時保存を行います。
Save:パッチデータの保存。
Load:パッチデータの読み込み。
Keep:現在選択中のパッチデータをプリセット番号0に一時的に保存します。
小技
設定の微調整を行う
Shiftキーを押しながらGUIを操作すると値の変化量が通常の1/5になって微調整が行いやすくなります。