ttm002(Synth A)
ttm002は独自の波形合成エンジンとモジュレーション機構を搭載したデジタルシンセサイザーです。
4つの基本波形のバランスを調整することによって任意の波形を生成することができます。4つの基本波形の組み合わせはプリセットとして用意されています。
一般的なシンセサイザーのようにフィルタによって波形を削るのではなく、生成した波形の位相を時間的に変化させることで任意の音色を得ることができます。
最終的な音色調整のために、ハイパスフィルター、ローパスフィルター、コーラス(スキャナビブラート)が備わっています。
いかにもシンセサイザーらしい派手な音は苦手ですが、楽曲に必要な実用的な音に素早く近づけられるのではないかと思います。基本波形の編集方法(テキストエディタで編集!)も公開してるので皆さんとプリセットデータを作っていけたらと思っています。
最新版 Ver.01.03:KVRのサイトからダウンロード
1) ホストに保存したパッチデータが正しく反映されない不具合を修正。
特徴
独自のアルゴリズムによる無からの基本波形の生成。
独自のモジュレーション機構による積極的な音色生成。
基本的な機能に絞っているので簡単な操作で実用的な音を生成。
メモリ使用量が小さく負荷が軽い。
パラメータの説明
基本波形の選択
予め登録されている4つの基本波形の組み合わせの中からから任意の波形を選択します。最大で32種類の波形を登録することができます。基本波形の組み合わせはpresetフォルダにあるform.txtに保存されています。
ウィンドウ
基本波形の両端の丸める範囲を調整します。数字を大きくするほど音色が柔らかくなる傾向があります。上側の波形が0%、下側の波形が100%のときの画像です。
モジュレーション
モジュレーションの種類は1:Mono/2:Di/3:Triから選択でき、数字が大きいほど複雑な波形に変調されます。
Range大きくするとモジュレーションの効果が強くなります。モジュレーションの強さの時間的変化はモジュレーション用のエンベロープで指定することができます。
基本波形の音量バランス
A~Dの4つの基本波形の音量バランスを調整します。中央が音量0で、上方向が正相、下方向が逆相の音量になります。生成された波形は最大値が1になるように自動的に調整されます。
波形の生成結果はViewボタンを押すことで確認することができます。
パッチ名と基本波形名
上段はパッチ名が表示されています。パッチ名の表示部をクリックすることでパッチ名を変更することができます。
下段は基本波形名が表示されています。名称の編集はできません。
フィルター
フィルターの調節をします。
HP:ハイパスフィルタのカットオフ周波数を調節します。
LP:ローパスフィルタのカットオフ周波数を調節します。
コーラス
コーラスの調節をします。
Freq.:コーラスの周波数を調節します。
Depth:コーラスの振幅(揺れの大きさ)を調節します。
パッチの保存/読み込み
パッチデータの保存/読み込みを行います。
Save:パッチデータの保存。
Load:パッチデータの読み込み。
パッチの一時保存
現在選択中のパッチデータをプリセット番号0に一時的に保存します。
音量エンベロープ
音量のエンベロープを調整します。
変調エンベロープ
変調(モジュレーション)のエンベロープを調整します。
基本波形データの編集
ttm002では、基本波形データを任意に編集することができます。編集した基本波形データは起動時にプリセットの基本波形データとして読み込まれます。基本波形データは、presetフォルダの中にform.txtと言うテキストファイルに保存されています。このファイルの中身をメモ帳などで編集します。
form.txtの書式
[PRESET],基本波形名
[FORM],0,波形の種類,波形数,音量,パラメータ0,パラメータ1,パラメータ2,パラメータ3,パラメータ4,パラメータ5,パラメータ6
[FORM],1,波形の種類,波形数,音量,パラメータ0,パラメータ1,パラメータ2,パラメータ3,パラメータ4,パラメータ5,パラメータ6
[FORM],2,波形の種類,波形数,音量,パラメータ0,パラメータ1,パラメータ2,パラメータ3,パラメータ4,パラメータ5,パラメータ6
[FORM],3,波形の種類,波形数,音量,パラメータ0,パラメータ1,パラメータ2,パラメータ3,パラメータ4,パラメータ5,パラメータ6
[波形の種類]
1:sin波
パラメータ0:モジュレーションの種類(1~)
パラメータ1:モジュレーションの強さ(0~1)
*左の図はパラメータ0=1、パラメータ1=0の場合の例。普通のsin波になる。
2:矩形波
パラメータ0~6:第0~6区間の時間
*左の図は全てのパラメータが1の場合の例。
*各区間の割合は全てのパラメータの合計値に対する各パラメータの割合で決まります。
3:矩形波+sin波
パラメータ0~6:第0~6区間の時間
*各区間の間が直線ではなくsin波由来の曲線になります。
*左の図は全てのパラメータが1の場合の例。
*各区間の割合は全てのパラメータの合計値に対する各パラメータの割合で決まります。
3:ノイズ
パラメータ0:開始周波数
パラメータ1:周波数ステップ
パラメータ2:加算回数
*パラメータ0で指定した周波数からパラメータ1で指定した周波数ステップごとにパラメータ2で指定した回数分のsin波を合成します。
*左の図は全てのパラメータ0=100、パラメータ1=20、パラメータ2=5の場合の例。
*各区間の割合は全てのパラメータの合計値に対する各パラメータの割合で決まります。
*この波形の計算アルゴリズムは今後変更される可能性があります。
[波形数]
1波形に含まれる波形の個数を指定します。
[音量]
波形が選択されたときのBalanceに設定される初期値を指定します。
小技
プリセットの変更
presetフォルダ内に任意のパッチデータを保存しておけば起動時に自動で読み込まれます。プリセットデータは最大64個まで読み込むことができます。
設定の微調整を行う
Shiftキーを押しながらGUIを操作すると値の変化量が通常の1/5になって微調整が行いやすくなります。