株式会社シンク・フジイのワイヤーセンサー式土石流センサー (LoRa通信土石流センサー)は見通し10㎞の通信距離が得られます。土石流災害、堰堤建設などの際には是非ご活用ください。
株式会社シンク・フジイのワイヤーセンサー式土石流センサー (LoRa通信土石流センサー)は見通し10㎞の通信距離が得られます。土石流災害、堰堤建設などの際には是非ご活用ください。
このWEBページはNETIS登録技術の
LoRa(ローラ)通信土石流センサー(おすすめ)
を紹介しています。
ー ワイヤーセンサーによる安全管理 ー
LoRa通信土石流センサーをお勧めします。
労働安全衛生法(第二編安全基準第十二章)では土石流による危険がある場合、事業者が安全対策を講じることを義務付けています。
警報用の設備;第五百七十五条の十四
事業者は土石流危険河川において建設工事の作業を行うときは、土石流が発生した場合に関係労働者にこれを速やかに知らせるためのサイレン、非常ベル等の警報用の設備を設け、関係労働者に対し、その設置場所を周知させなければならない。事業者は前項の警報用の設備については、常時、有効に作動するように保持しておかなければならない。
この他にも土石流による労働災害防止のためのガイドライン や土木工事安全施工技術指針などに警報機の設置が定められていますが、施工業者様におかれましてはご存じのことと思います。
多くの現場で「ワイヤーセンサー式の土石流警報装置」が使用されています。 その理由は?
・とにかく安価であること ; 振動センサー・音響センサー・光センサーはセンサーや解析装置が高価であり、建屋等の設備や電線・光ケーブル等の敷設が必要になる。
・設置や撤去が容易 ; 恒久対策である堰堤や防護柵が完成すれば必要なくなるため、工事が終了すれば撤去となる。仮設式で設置や撤去が容易なものが良い。
・電源が無い場所に設置できる ; 現場が山奥のため電源もインターネット環境もない。バッテリーやソーラー電源で稼働するものが良い。
LoRa通信土石流センサーは「ワイヤーセンサー式」で「NETIS登録技術」です。
新技術名称; LoRa通信土石流センサー(登録番号 HR-240015-A)
総合評価落札方式 で 技術評価点 が向上します。
工事完成段階 で 工事成績評表定点 が 加点 されます。
LoRa通信土石流センサーの NETIS 掲載ページ ← クリックすると掲載ページにジャンプします(別タブで開きます)
製品のメリット
○ 通信が強力(超高感度の受信)なのに、誰でも使用できる電波(特定小電力無線)
・ 見通し10㎞(障害物がない場合)まで中継機が不要(従来型特小無線は見通し800m)
・ 1㎞以下の短距離通信でも障害物に強い。
○ 送信機は市販の電池で寿命1年、受信・警報機はソーラー電源で電源の無い場所でも設置できます。
○ 通信機と警報機は仮設に特化したシンプルな構成で設置が簡単。
○ ワイヤーセンサーとネットを併用すれば落石センサー(クリックでネット併用土石流センサーのページへ)になります。
そもそも LoRa通信土石流センサーってどんなもの?
すみません。とにかくお伝えしたいことを先に出しました。 遅れましたが、LoRa通信土石流センサーの説明です。
土石流センサーとは (一般的に)
河川上流に張られたワイヤーセンサーが土石流により切断されると下流に設置された警報機(サイレンや回転灯など)が動作し、住民や作業員に土石流の発生を知らせて避難を促す警報システムです。ワイヤーセンサーと無線機器(無線を使用しない場合も)、警報機などを含めたシステム全体を「土石流センサー」と呼ぶ場合もあります。
LoRa通信土石流センサーとは
河川上流のワイヤーセンサーが断線すると送信機により警報信号が下流に設置された警報受信機にLoRa無線(長距離通信が可能)で送信されます。警報信号を受けた受信機は接続された警報機器を稼働させます。
下流の受信機には様々な警報機(屋外・屋内用警報機やメール通報機など)が接続可能です。
受信機は、通常は送信機からの無線信号を受信して出力(接点出力、有電圧出力)を行いますが、無線が必要ない場合、送信機を使用せず、上流から引いたワイヤーセンサーを内部タイマーユニットの接点入力部に直接接続して有線式土石流センサーとして使用することもできます。
LoRa通信土石流センサー システム概要
河川上流のワイヤーセンサーが断線すると送信機により警報信号が下流に設置された警報受信機にLoRa無線で送信されます。LoRa(Long-Range)無線は従来型特小無線(FSK)通信に比べて5~10倍以上の通信距離が得られます。
警報信号を受けた受信機は接続された警報機器を稼働させます。下流の受信機には様々な警報機(屋外・屋内用警報機やメール通報機など)が接続可能です。
送信機は河川上流のワイヤー断線信号を見通し10㎞離れた下流の受信機に1.2秒で伝達します。
1台の受信機で4台の送信機からのID信号を区別し、受信機のIDランプの点灯で区別が可能。
送信機は市販の単1アルカリ電池3本で1年以上稼働(12か月毎に交換)
受信機の出力はDC12Vタイマー出力×2(MAX 5A)、無電圧接点出力×2(5sec)
2つのタイマー出力で回転灯とサイレンを別々の時間稼働させることができます。
無電圧接点出力はメール通報機や監視カメラ、夜間照明などオプションのON・OFFトリガーとして使用できます。
送信機は信号送信後に受信機からのコールバックを受信できるため送信側で通信の可否を判断できます。
通信が必要ない場合、受信機にワイヤーセンサーを直接接続して有線式土石流センサーとして使用することもできます。
LoRa通信土石流センサー 送信機
送信機は市販の単1アルカリ電池で1年間稼働します。
LoRa通信土石流センサー 受信機
河川上流 ワイヤーセンサー 設置例 ワイヤーセンサーの張り方はこちら
ワイヤーセンサーは河床に立てた鉄筋杭の上下2段に張っています(上のワイヤーが見えにくいかも)下の段や河川岸側に動物の噛み切りを防ぐためフレキ管をかけている部分が白く見えています。
河川上流 送信機 設置例
どちらも送信機から出ているケーブルの先にワイヤーセンサーが接続されています。(というより傍にある川に張られているワイヤーセンサーの一端を伸ばして見晴らしの良い河岸上側の送信機に繋いでいます) 右の上下写真は通信テストによる確認です。
河川下流 受信機・警報機 設置例
上からアンテナ、警報機(サイレンと回転灯)、ソーラーパネル、受信機(白いボックス)、バッテリーボックス(黒い箱)です。単管を組んだ仮設の架台に取り付けています。設置や撤去が簡単です。
通信機以外の機器(警報機やソーラー電源)の仕様は下のアドレスのページでご覧ください。
LoRa通信土石流センサー WEBページ (機器仕様) ← クリックするとシンク・フジイのWEBページにジャンプします(別タブで開きます)
LoRa通信土石流センサー パンフレット(PDF) ← クリックすると表示されますので保存してください。
ここまでご覧いただきまして有難うございます。
NETISページや弊社WEBページをご覧になり、ご興味を持たれたのなら、同時に幾つか疑問も持たれたことと思います。
以下、予想される疑問点について(裏話も含めて)多少詳しく説明したいと思います。
知りたい項目をクリックすると折り畳みが開きます。
1.NETIS掲載ページでは見通し 10㎞ の通信距離となっています。自分たちの現場は河川が 800m もないのでLoRa通信など必要ないのでは?
弊社の経験からも、土石流災害は河川の全長が500m程度の短く急峻な川で起きていることが多く、土石流センサーに「見通し10㎞」もの通信距離は必要ないように思われるかも知れません。
しかし、過去に屋外で特定小電力無線式の土石流センサーやデータ通信機をお使いになられた方ならお分かりになられると思います。
通信機の性能としてしばしば使用される「見通し距離」というのは、送信機と受信機の間に障害となる物が何もない理想的な条件での通信距離です。
確かに従来の一般的な特定小電力無線通信機・通信モジュールの仕様書などには「見通し800m」と記載されていますが、一緒に「間の障害物の程度によって変わります」というような但し書きがついています。この「変わります」というのが曲者で、変わる程度は、少し、どころではありません。実際は大幅に変わるのです。障害物(尾根や樹木、建物など)の程度によって距離は1/2どころか1/3以下になったりします。「どの程度か」を知るのは無線の専門家でも困難です。極端な話をすれば、間に厚さ1㎝の大きな鉄板の壁があればその裏側で(通信距離1㎝でも)電波が届かないということになります。これはLoRa通信も含め、電波で通信を行うもの(Wi-Fi や Bluetooth など)は皆、同じです。
LoRa通信土石流センサーの見通し10㎞の通信というのは、従来型特小無線の見通し800mに比べ、
(障害物の程度が)同じ条件なら10倍以上の通信距離が得られることとお考えください。。
土石流災害が発生した河川は全長500m以下で、ワイヤーセンサー設置位置は下流からだいたい200~300m程度が多いのですが、この距離が従来型の特小無線で判断に苦しんできた距離なのです。LoRa通信土石流センサーはこの程度の距離なら多少の障害物があっても問題なく通信ができます。
つまり、数百mの近距離においても従来型特定小電力無線よりも通信の信頼性・確実性が10倍以上高いと言えます。
LoRa通信土石流センサーは、誰よりも自分たち(シンク・フジイ)が困っていたから新たに開発した製品です。
弊社はこれまで山間部で従来型の特定小電力無線式の土石流センサーを数多く設置してきました。送信機と受信機の間に樹木や尾根などがあると800mの半分どころか200~300m程度であっても届かない、ということもよくありました。
山の形状や現場ヤード内の事情から通信機の設置場所もそんなに自由には選べないことが多く、送信機を通信が届く位置までケーブルで引き出したり、やむを得ず中継機を追加設置することもありました。このため、特に土石流センサー設置の計画段階で発注者様より「無線は届くのか?」と聞かれるのが最も返事に苦しむところでした。
電波伝搬シミュレーションソフトを使って検討もしましたが、尾根などの地形の影響はある程度分かっても微地形(樹木、建物など)の影響は分かりません。結局、実際に現場に足を運んで調査し、必要なら実際に通信試験を行ってからでなければ分かりません、と答える他ありませんでした。
このため、弊社製品の従来型土石流センサーは、お客様が通信に関する知識を充分お持ちになられている場合を除き、販売やレンタルは行ってきませんでした。
LoRa通信土石流センサーは、ほとんどの土石流災害現場で上記のような通信距離に関する悩みを解決します。
このため、弊社は本製品「LoRa通信土石流センサー」についてはレンタルと販売を開始しました。
2.ワイヤーセンサー式はケーブルを動物に噛まれて誤報が出ることが多いのでは?
正直に言って、LoRa通信土石流センサーでも「誤報」の可能性は(低いながらも)あります。また、これは土石流センサーに関して弊社で過去、最も数多く受けてきた質問でもあります。そして、この質問をされるお客様(発注者様や施工業者様)の多くは、「ワイヤーセンサー式」を河川上流から下流の警報機まで全てケーブルでつながった「有線式」の土石流センサーのことだとお考えになっておられました。
一般に「土石流センサー」は土石流を検知して警報を出すシステム全体を表すことが多く、弊社も皆さまに分かりやすいよう警報機まで含めて「LoRa通信土石流センサー」と呼んでいますが、正確に言えば、「土石流センサー」とは土石流を検知する部分で、河川上流部に張られたワイヤーセンサーのことを意味します。ワイヤーセンサーから先の警報機までの経路は「警報システム」になります。
このワイヤーセンサーが断線したことを下流の警報機に伝える手段が、ケーブルであれば「有線式」で、無線通信であれば「無線式」になります。つまり、
・ワイヤーセンサーを使用した「有線式 土石流警報システム」
・ワイヤーセンサーを使用した「無線式 土石流警報システム」
があるということです。
LoRa通信土石流センサーは「無線式の土石流警報システム」です。
ケーブルが野生動物(タヌキ、ネズミ、その他)に齧られて断線し、下流の警報機が作動するといった誤った土石流警報(誤報)はそのほとんどが「有線式」で起こっています。河川上流のワイヤーセンサー位置から下流の警報機まで、山の中を数百mに渡ってケーブルを敷設しますので、数カ月から2年程度の監視期間中、途中を動物に噛まれるということは当たり前のように起きます。
無線式では山中のケーブルが無いためこの可能性は格段に低くなります。
無線通信が一般的でなく、有線で警報機を繋いでいた昔は、土石流センサーに限らず、山中で行う計測業務などでこれが良く起きていました。そして、現代でも「有線式」は最も安価な方法であるため多くの現場で使われ、しばしば誤報が発生しています。
誤報が発生した場合、下流に住宅地があったりすれば大騒ぎになります。動物の活動が盛んな夜間に起きることが多く、特に土石流災害の後であれば消防や警察が出動する事態となります。これを特に発注者様が恐れていらっしゃいます。
「無線式」は山の中にケーブルを這わせる必要がないため、「有線式」に比べて誤報の可能性を格段に低く抑えられるのですが、ワイヤーセンサー自体やそれと送信機を接続する部分にケーブルがあるため、可能性が全く無い、とは言いません。
しかし、これらの危険な部分を保護管(フレキ管など)で守れば動物の噛み切りによる誤報はほとんど起きません。
誤報の可能性をゼロにしたい、とは自分たちも常々考えています。では、かかる費用を無視してでもワイヤーセンサー以外の方法なら「誤報ゼロ」が可能か、と言われれば、残念ながら現時点でも可能な方法は見当たらない、と言わざるを得ません。より高度な方法として費用はかかりますが振動センサーや音響センサー、光センサーを用いてデータをAIで監視させる方法もあります。しかし、現時点ではAIが人間と同様な常識を持つところまでは至っておらず、センサーが捉えた振動や音響が本当に土石流かどうかを判断する能力が充分とは言えません。むしろこの方がワイヤーセンサーより誤報の可能性が高いのでは、とも思われます。
それなら警報が来たら人間がWEBカメラで確認すれば、という意見も多いのですが、土石流はとにかく警報が出たらすぐに退避・避難しなければなりません。土石流は平均で秒速12mとされており(早ければ20m/sも)、300m上流にセンサーがあるなら警報発令後、(300/12=)25秒以内に逃げなければなりません。警報が出てからそれを人間がカメラで確認している暇はありません。この確認もAIが行うとなれば、結局は前に述べたのと同じことです。
少し質問の意図から外れるかも知れませんが、弊社では土石流に限らず「誤報」は起き得るという前提で災害からの避難計画を周知させることが重要と考えています。決して「誤報が起きても良い」などとは言いません。しかし、可能性はどんな方法をとってもゼロにはならないのが現実です。
弊社が土石流の監視業務を受けた時は、必ず事前に「誤報」の可能性を関係者に理解していただくようにしています。充分に理解していただいていると、「誤報」が発生して避難した人たちから「非難」ではなく「誤報で安心した」と言われます。誰も土石流の発生を望んではいません。むしろ、土石流が発生しても警報が出なかった、というのが本当に恐ろしいことなのです。このため毎月の機器やワイヤーの点検は欠かせません。
3.LoRa(ローラ)通信は最近、他の観測などでも使われています。どこが新技術なのですか?
少し面倒臭い話をします。電波などあまり興味が無いという人は後半の赤太字部分だけ拾って読んでください。
LoRa通信という通信方法自体はそれほど新しいものではなく、最近まであまり注目されなかった通信です。LoRaというのはLong-Range(長距離)の略なのですが、通信規格であり、LPWA(Low Power Wide Area);低電力で広範囲に通信できる無線通信技術 (LoRa、SIGFOX、NB-IoTなど様々な通信規格が存在する) のうちのひとつです。
LoRa通信はIoT(モノのインターネット)の発展と共に急速に普及が進んでいます。低電力で長距離通信ができるため最近は土木建築の分野でも屋外の広範囲のデータを収集するような計測で使用されるようになってきました。弊社でもLoRa通信土石流センサー開発より前から地盤モニタリング(Loraのび太安全管理システム)のデータ転送にLoRa通信を使用していました。
「LoRa通信土石流センサー」に使用しているLoRa通信はより詳しく言えばCSS(チャープスペクトル拡散)方式と呼ばれる通信方式で、弊社では周波数に429MHz帯を使用します。CSSという名称は通信の専門家ですらあまり耳にすることが無いようなマイナーな方式です。しかし、マイナーだから新しいというわけでもありません。
弊社の使用するLoRa通信(CSS)は従来から計測などの分野で使われてきた特定小電力無線(FSK方式など従来型の特定小電力無線)と同様に電波法の区分では特定小電力無線にあたります。つまり、誰でも使用できる出力の小さな(0.1W以下)無線です。ちなみに、電波出力がこれより大きい通信機を使用する場合、免許や登録が必要となり電波使用料も納めなければなりません。
では、なぜ電波の出力(強さ)が従来の特定小電力無線と同じなのに長距離通信が可能なのかというと、非常に簡単に言えば、LoRa通信は弱い電波でも何度も何度も繰り返し信号を送るからです(すみません、専門家の方からは叱られそうですが、素人にも分かりやすく、ということです)繰り返し送ることで従来型の特定小電力無線では周囲のノイズに飲まれてしまうような微弱な信号でも受信側で拾うことができるのです。つまりLoRa通信は非常に高感度の受信ができる通信ということになります。
しかし、何度も信号を送るということはそれだけ時間がかかります。
普通に市販されているLoRa通信モジュールは、デフォルト(標準となっている)で1回の通信に20秒~30秒かかります。ここがLoRa通信を土石流センサーに使うにあたって問題となります。通常の定期的な地盤観測(ゆっくりした動きが多いので10分~1時間間隔の観測が多い)などでは問題にならないのですが、ワイヤー断線から25秒で来てしまう土石流に対してこの通信は使えません。
弊社はLoRa通信の省電力・長距離通信にとても魅力を感じ、通信モジュールメーカーのサーキットデザイン様と通信が専門の青電舎様に、何とか短時間で通信できるLoRa通信はできないかと相談を持ち掛け、3社の共同開発の結果、1.2秒(ほぼ即報)で通信が可能な特殊プロトコルを持つLoRa通信モジュールと、それを搭載した土石流センサー用の通信機が完成しました。
要するに、「非常に短時間でに信号を伝達できるLoRa通信が新規開発できた」ため「土石流センサーに使った」その結果、「見通し10㎞まで中継機がいらない」などのメリットがある、というのがNETISに新技術として登録された理由です。
通信が届くかどうか、を難しくしているのは障害物が間にあるからです。障害物の「程度」によって通信がどうなるかは専門家でも「最終的にはやってみないと分からない」と答えます。
しかし、障害物がない「見通し」が利く(通信相手が見える)なら心配はありません。従来型の特定小電力無線で800mまで、LoRa通信土石流センサーでは10㎞まで通信が届きます。
障害物があって通信が届かない、というとき、弊社の経験では、見通しが利くようにしてやる(障害物を避けて送信機と受信機を設置する)ことで、その問題の大半は解決してきました。(やむを得ず中継機を設置することもありますが、通常、それに伴う機器費用は当初の予算に含まれないので自腹になります。これは避けたい!)
ワイヤーセンサーの設置場所は決まっていますので変えるわけにはいきません。しかし、送信機と受信機(警報機)の位置は多少なりとも融通が利きます。弊社がこれまで(従来型特定小電力無線を使用していた時から)良く行ってきたのは、送信機を受信機まで見通しの利く場所まで引き出してくる、という方法でした。例えばワイヤーセンサーの設置位置が切れ込んだ谷の底であり、周囲が岩壁で遮られ、そこに送信機を設置しても麓の受信機まで電波が届かない、といった場合、ワイヤーセンサーの送信機に接続する部分を延長し、左岸か右岸のどちらかで受信機まで見通せる谷の上に送信機を設置します。もちろん、この延長部分は有線式となりますので動物の噛み切りから守るためケーブルには保護管(フレキ管)をかけます。
電波は見えないので良く分からない、と多くの方から言われます。確かに電波は見えませんが、電波と同じ電磁波である「光」なら皆さまにも想像していただくことができます。
もちろん、通信に使用する電波と光は同じ電磁波であっても周波数が異なるため性質も全く同じとは言いません。ただ、確かなことは、「光」が届くのなら「通信に使用する電波」も届くということです。(※)
「電波はどこなら届くのでしょうか」というような良く質問を頂きます。この時、自分たちはこのようにお客様に伺います。
「想像でも構いません。送信機を置く場所に光源(ライト)があって、夜中に受信機(警報機)がある場所からその光が見えるでしょうか?見える場所なら通信は可能です」
見えない場合、送信機や受信機(警報機)の位置を変えて見える場所にすれば解決します。
(※)確かなこととは言いましたが、特殊な場合(長距離トンネルの中や水中、他の同周波数電波による障害がある場合など)は除きます。
専門知識をお持ちなら、この他にも電波伝搬シミュレーションソフトなどで凡その電波到達範囲を調べる、など方法はあります。
しかし、基本は「相手が見通せる場所に通信機を設置する」のが確実です。
弊社はLoRa通信土石流センサーのレンタル・販売を行うにあたって、ただ製品を貸したり売ったりするだけではなく、土石流の監視業務全体についてどのように進めるか、最初から最後までご相談に乗ります。
まずは以下のWEBページをご覧ください(クリックするとそのページにジャンプします); 大丈夫です。「いきなり注文フォーム!?」なんてことはありません。お気軽にご覧ください。WEBページには「お問い合わせ・ご用命はこちら」という入口があります。ご質問などはこちらからご連絡ください。
シンク・フジイ LoRa土石流センサー レンタル・販売の流れ (初めて方に、最初のご相談から業務終了までの流れを大まかに紹介します)
https://sites.google.com/thinkhp/view/products/debris-flow1/deblis-flow2/rental1
シンク・フジイ LoRa土石流センサー 土石流監視業務の流れ (業務の各段階でどのようなことが必要なのか、を項目別に説明)
https://sites.google.com/thinkhp/view/products/debris-flow1/deblis-flow2/rental4
シンク・フジイ LoRa通信土石流センサー パンフレット ダウンロード
https://www.fujii-kiso.co.jp/think/image006/LoRadosekipanhu.pdf
シンク・フジイ LoRa通信土石流センサー WEBページ(機器仕様)
https://sites.google.com/thinkhp/view/products/debris-flow1/deblis-flow2
LoRa通信土石流センサー NETIS掲載ページ ; 国土交通省 NETIS(新技術情報提供システム)
https://www.netis.mlit.go.jp/netis/pubsearch/details?regNo=HR-240015%20
レンタルの場合、LoRa通信土石流センサーの費用はどれぐらい? ; あくまでも参考価格(自治体向け価格・目安です)です。条件により変わります。
https://sites.google.com/thinkhp/view/products/debris-flow1/deblis-flow2/rental2
ワイヤーセンサーの設置作業はそれほど難しい作業ではありませんが、ワイヤーセンサーを河川のどの位置に張るのか、については注意を要します。
凡その内容については次のWEBページをご覧ください。(アドレスをクリックするとそのページにジャンプします)
https://sites.google.com/view/thinkhp/products/debris-flow1/deblis-flow2/rental3
弊社または弊社の協力会社様が行くことができる場所なら、設置作業や業務委託を受けることもできます。
設置場所やその他について「良く分からない」ということがあれば弊社(シンク・フジイ)にお気軽にご相談ください。
そんなに短い時間の間に逃げることは可能か、ということはいつも議論されます。
土石流は平均で秒速12mとされており(早ければ20m/sも)、全長500m以下の短い河川で300m上流にセンサーがあるなら平均で25秒、早ければ15秒、200m上流にワイヤーセンサーがあれば平均17秒、早ければ10秒で麓まで土石流が来てしまいます。現場や住宅が2㎞も3㎞も下流にあるなら数分から10分以上は時間が稼げるでしょうが、ほんの10秒・20秒の時間では、現場なら近くの仮設足場や河岸に駆け上がる、住宅内なら2階への垂直避難がやっとというところでしょう。それで生存率は上がりますが、万全ではないことも承知しておいて頂きたいのです。
また、この問題があるからこそ、恒久対策として堰堤や柵など土石流や落石を止めてしまう施設を建設しているのです。
土石流センサーは堰堤や防護柵ができるまで、主にそれを建設する人たちの身を守る一時的な手段です。
ワイヤーセンサーでなくとも、最新のどのような方式の土石流センサーでも、土石流の発生を知ってから土石流が来るまでの到達時間は変わりません。
土石流センサーを設置したから安心、という訳ではありません。命を守る最終手段と考えるべきです。
土石流センサーと共に重要なのは、降雨量の監視です。多くの土石流災害は1時間雨量で60㎜以上の雨(相当な豪雨)が数時間続いた場合に起きています。このような豪雨が予想される時、または実際に降り始めたら避難しておくべきです。
最近では気象庁や気象予報会社の降雨予測はかなり精度が上がり、登録してある地域で豪雨が予測される場合にスマートフォンなどを通して知らせてくれるサービスも数多くあります。弊社でも土石流センサーだけでは不安だというお客様の声に応えて「アメクル雨量情報提供サービス」という施工業者様向けのサービスも行っています。「アメクル」は、気象庁のデータを活用し、堰堤建設現場などで、その上流の河川の流域を範囲指定し、その範囲内のどこかで「強い雨が降ることが予想される」また、「実際に降った場合」に、メールでお知らせするサービスです。
「アメクル」は避難のタイミングを与えるサービスです。どの段階で避難するか、はその場所の状況や人によって異なります。
ご興味を持たれましたら以下の「アメクル雨量情報提供サービス」のWEBページをご覧ください。(雨量情報のページはサンプルです)
https://sites.google.com/view/thinkhp/products/amekuru ← クリックで開きます。
雨量を監視していれば、土石流センサーは必要ない、という訳ではありません。地下水や融雪により降雨から時間をおいて発生する斜面崩壊や落石、自然ダムの決壊などを起点とする突発的な土石流災害の発生もありますので、土石流センサーは必要です。しかし、土石流センサーは避難の最終手段と考えるべきです。そして、限られた時間の中で避難する必要があるということは、日頃から避難訓練などを行い、警報がどのようなもの(サイレンの音など)で、どこにどうやって逃げるのか、等を周知だけでなく実際に訓練しておく必要があります。特に堰堤建設現場の作業員の方々はサイレンを聞くと、先ず、本当に土石流が発生したか確かめようとする傾向がありますが、とにかく逃げることが最優先です。(仮に動物による誤報だったとしても…)
すみません。本技術のLoRa通信のプロトコルについては企業秘密とさせて頂いており、その内容についてはお明かしできません。現時点で特許出願の有無についても明かせません。
特許出願については多くの危惧すべき問題があります。まず、どのメーカーの通信モジュールでも通常は通信プロトコル(モジュール内のプログラム)はメーカー以外には読み取ることができないようになっています。仮に本技術の通信プロトコルを特許で公開したとして、それを他のメーカーが無断で使用して(侵害して)同様な通信モジュールを製作したとしても、弊社は特許を侵害しているかどうか証明できないのです。(侵害された場合、侵害されたことや、侵害した者がそれによってどれだけ利益を上げたか、などは発明・出願した者が証明しなくてはならないのです)また、特許が成立するまでにある程度時間がかかります。侵害されて訴訟を起こしたりすれば裁判に何年もかかります。最近のIT関係の機器やソフトの進歩は目を見張るだけ早く、新技術はすぐに陳腐化していきます。このような状況の中で自社の技術を特許公開するというのは必ずしも有利なこととは言えません。実際、最先端の研究や開発を行う会社では最新の技術について特許出願しないことが多いのです。
余談ですが、一方では所謂「防衛特許」の出願は多いです。これは、自社が開発した技術をいち早く公開して「公知の技術」としてしまい、他社が「特許」をとって独占することが無いよう、自社技術を「防衛」するという考え方です。意匠(デザイン)などではよく知られたことかと思いますが、特許の場合、他社が侵害していると分かるようなもの(製品の性能や品質に関わる構造や外観など)に限って言えば有効な方法と思われます。
まずは、おおよその価格が知りたいというお客様は、LoRa通信土石流センサー 価格(自治体・役所向け)のWEBページをご覧ください。
下 ↓ のリンクをクリックすると概算費用のページにジャンプします。
https://sites.google.com/thinkhp/view/products/debris-flow1/deblis-flow2/rental2
(ワイヤーセンサー1箇所・送信機1台・受信機各1台・警報機1台・ソーラー電源1式 (+メール通報装置) という最もシンプルな場合です。)
この価格は「土石流の監視業務」を受託した場合の機器設置費用など労務費を含んだ総額です。内訳は折りたたまれていますので開いて単価をご確認ください。
あくまでも参考価格(自治体向け価格・目安です)です。条件により変わります。
皆様から頂く質問のうち、他の皆様にも知っていただきたいことを順次アップしていきます。聞いてみたいということがありましたら、弊社 「問い合わせフォーム」でご連絡ください。