落石 防護柵 防護ネット 堰堤 安全管理 作業員 土石流 復旧工事 センサー NETIS登録 LoRa通信 株式会社シンク・フジイ ネット併用 藤井基礎設計事務所
「ネット併用 落石・土石流センサー」をスライド方式でご案内いたします。
補足
株式会社藤井基礎設計事務所(土木コンサルタント)と株式会社シンク・フジイ(機器開発会社)はグループ会社(株式会社藤井基礎設計事務所グループ)です。
補足
ワイヤーセンサーを縫い通すネットはテンサーネット以外のネットでも可能ですが、ネットの強度が弱いと落石等によりネットが破れた場合にワイヤーが切断されないことが起こります。
ワイヤーがTOV-SS(鋼芯入り屋外線)の場合、張力150㎏で切断されます。より弱い張力で切断させる場合、別のワイヤー(電線)を選択するか、TOV-SS内の鋼芯を切断しておき、導線のみの強度とする方法などが考えられます。
補足
河川にワイヤーセンサーのみ張った場合、高さ60㎝+高さ30㎝の2段(弊社設置の場合)で間に30㎝の隙間があります。
野球ボール大のサイズの岩塊などはこの間を容易にすり抜けて落下しますが、このサイズの岩塊でも上流から飛来して作業員に衝突すれば致命傷になり得ます。
ネット併用土石流センサーは小型の岩などはそこで止める防護ネットの役目も果たします。
逆に河川を常時、流下する物がある場合、ここにネットを張ると流下してきたものを全て受け止めてしまってワイヤーが切断されるため、このような場合はワイヤーを水面より少し上に設置するなどの工夫が必要になります。
補足
ワイヤーが切断された場合、下流の警報機(サイレンと回転灯)が動作します。
作業員は緊急避難します。
この時、作業員がどこに、どのようなルートで避難するのか、あらかじめ周知させておく必要があります。
普段から防災学習・避難訓練を行っておくことをお勧めします。
補足
河床に立てた鉄筋杭を支柱としてワイヤー(TOV-SS;灰色)が上下2段に張られています。
一般的なワイヤーセンサーです。
ピンクリボンと黄色の注意書きは、ワイヤーセンサーが張られているのが見えにくいため、目印としてつけています。
奥の岩盤固定部付近のワイヤーには保護管が掛けてあるため白く見えます。特に川岸近くは野生動物の通り道になっていることが多いため、ワイヤーを噛まれないよう保護しています)
補足
この現場のように崩壊した岩塊などが斜面上部にある現場で、斜面下に落石防護柵を設置する場合などにネット併用土石流センサーが有効です。
補足
一般的なワイヤーセンサー設置は河床に立てた鉄筋杭にワイヤーを張っていきますが、ネット併用ワイヤーセンサーの場合は、あらかじめワイヤーを上下に通したネットをロール状に巻いて設置場所に行き、河床に立てた鉄筋杭などに固定します。
鉄筋杭の強度などにもよりますが、必要なら上流・下流方向に杭を保持するワイヤーを張ってネットを自立させます。
現場導入例 ネット併用土石流センサー(ワイヤーセンサー+テンサ―ネット)
補足
令和2年に宮崎県で発生した土石流災害現場で災害対策工事として、落石防護柵と堰堤を建設する工事現場の安全管理でネット併用ワイヤーセンサーをご使用いただきましたのでご紹介します。
補足
本現場では泥流や落石のおそれがあるため最下流に堰堤、その上流に落石防護ネットが建設されます。
これらの建設時の作業員の安全管理のため、さらに上流部にネット併用ワイヤーセンサーを設置し、土砂や落石が流下してきた場合、小規模なものはそのネットで止め、規模の大きなものはワイヤー切断により下流の警報機(2基)が動作して作業員の避難を促すようにしています。
補足
写真のネット併用ワイヤーセンサーの長さは30mです。
写真の通り、本現場の斜面は崩壊岩を含む泥が表層を覆っており、普段はほとんど水の流れない涸れ側ですが、豪雨の際には表層の土砂を含んだ泥流が流下してきます。
補足
ネット併用土石流センサーを設置して監視している期間中に土石流が発生しました。
気象庁データでは1日の降雨量が580㎜に達する猛烈な雨が降りました。
写真は土石流(2次)が発生した2日後の航空写真ですが、崩壊斜面の中央部に溝のような浸食(エロ―ジョン)が見られます。表層の土砂を含んだ泥流が建設中の堰堤部を超えて流出しています。
補足
設置していたネットは見当たらず、建設が終わっていた落石防護ネット付近にはあまり土砂の堆積はありません。
流下したのは多くの土を含んだ泥流で落石防護ネットの下を通過して堰堤建設部に達しています。
補足
ネット併用の土石流センサーは泥流と一緒に流下してきた杉の切株により切断されたと見られ、切株は落石防護ネットの手前で止まっていました。
本現場は土石流発生当日が休工日(休日)の夜間であったため堰堤建設工事は行われておらず、現場に作業員はいなかったため人的被害はありませんでしたが、流出した土砂は堰堤建設部を超えて前の仮設道まで広がりました。
補足
費用としては、
通常のワイヤーセンサー設置に加え、
・ネット(定尺30m)の購入
・労務費の追加(ネットへのワイヤー縫通しや運搬、設置)
が必要となります。
通常のワイヤーセンサー設置費用(労務費を含む)については、
がご参考になります。