【 テーマ 3 】児童生徒に情報活用能力を育成するための指導法
8 . 情報活用能力の幅を広げる共同編集
8 . 情報活用能力の幅を広げる共同編集
【 学習目標 】
社会科を中心とした初等・中等教育での ICT 活用を意識しながら、様々なアプリでの共同編集作業ができる
社会科を中心とした初等・中等教育での ICT 活用を意識しながら、様々なアプリでの共同編集作業ができる
学習の流れ
0. 事前準備
【教員】
Google Classroom の[課題]から、授業概要と以下の資料を共有する
□ 授業スライド
□ 学生用ワークシート:演習用シート(スプレッドシート) >、回答用シート(スプレッドシート) >
1. 目標と学習の流れの確認
Classroom に投稿された内容を読むとともに今回の授業目標を確認する
※ここでは複数回の授業で実践された学習の流れを紹介しています
目標:
「社会科を中心とした初等・中等教育での ICT 活用を意識しながら、様々なアプリでの共同編集作業ができる」
【 Classroom 投稿例 】
2. スプレッドシートによる統計処理
(学生用ワークシート:演習用シート、回答用シート)
(学生用ワークシート:演習用シート、回答用シート)
① 社会科で特に必要な統計処理に使えるスプレッドシートを使い、共同編集を行う
② スプレッドシートの「演習用シート」に用意されている「小学校教員 30 人に対するアンケート結果」について、ドキュメントの指示に沿って統計処理を行う
③ 統計処理をした結果から考察したことについて班ごとで相談し、その内容について回答用シートに記載する
統計は社会科(地理歴史科、公民科)の授業では欠かせないので、教科との関わりを意識できるような演習課題を設定しましょう
表計算は学生にとって困難な内容の 1 つです。実演しながら注意を促すとともに、資料には過去の授業をふまえ、あらかじめつまづきそうな点を織り込んでいます。そのため、教員の個別対応は最小限ですみ、一定程度は学生同士で進めることができるでしょう
【 スプレッドシート「演習用シート」入力例 】
3. Jamboard による意見の整理
① グループごとに白紙の Jamboard ファイルを作成する
②「 Google Workspace for Education のツール内にある共同編集機能を用いてできそうな社会科での授業展開」というテーマでブレストを行い、グループででた意見をまとめる
③ 集約した意見について、グループごとに発表する
他者の表現を参考にし、自らの改善や考え方の深まりにつなげられるのが共同編集のよいところです。それを体験させること自体が、「将来教員になったときに自分ならこうする」と学生に考えさせるきっかけを提供することになります。授業の終盤あたりでそうした演習課題を設けるのもよいでしょう
共同編集ができる Google Workspace のツールでは、リアルタイムで回答が確認できます。担当教員はそれを見て、いいなと思った内容、逆に誤解があると見られる点があれば、声掛けやフォローをしていきます。共有しておいたほうがよさそうな事項があれば、担当教員から全体に説明や指示をだすこともあります。実はそういう指導の仕方は学生自身が教員になっても同じようにできるのだ、というメッセージも込めるとよいでしょう
【 Jamboard 例 】
共同編集は、イメージやデータの共有に便利で、アイデアがでやすくなり、グループワークの円滑化に役立ちそうだと感じた
話し合いと異なり、共同編集機能を使うことで、熟考しながら協働することができた。また、互いにコメントし合うことで個別の学習に寄りすぎず、全体的な視点に立って分析できた
◆ 課題内容
時間内に終えられなかった分の演習課題に、時間外に随時取り組む
時間内に終えられなかった分の演習課題に、時間外に随時取り組む
演習課題は、個人差がでるので、授業時間外でも随時取り組んでもらうことを念頭に置いています。その意味では、ほぼ全ての演習が「事前課題であり事後課題である」といってもよいでしょう
家庭学習(授業時間外学習)と学校での学習の連携は、 1 人 1 台端末環境での課題の 1 つなので、結果としてそのあり様を示す形になっています。「個別的な学習」と「協働的な学習」の両立に目を向けさせるようなコメントをしてもよいでしょう