日本語著書・訳書・論文・解説文など

競争という言葉が表すものは二つあり、両者はだいぶ様子が違う。日常生活では、競争と言えばライバル同士が競り合い、互に相手に負けまいとする様子が思い浮かぶ。だが経済の世界で言われる競争は、ほとんど正反対の様相を呈する。競争市場では、個人的に張り合うということはない(ミルトン・フリードマン(村井章子訳)『資本主義と自由』(2008年、日経BP社)、p.227、強調は引用者)(引用者注:ここで、フリードマンは、いわゆる「完全」競争市場を想定しているものと思われるが、競争が(ある程度)「不完全」な場合の方が、かえって「ライバル同士が競り合い、互に相手に負けまいとする」日常用語的な競争のイメージに近くなると考えられよう。)
今日存在しているような市場が機能するためには、単に売買がなされる物理的な施設を準備するだけでは十分でないことは明らかである。さらに必要とされるのは、そのような施設のなかでなされる取引を行なう人々の権利や義務を律する法的なルールを制定することである。(ロナルド・コース(宮澤健一・後藤晃・藤垣芳文訳)『企業・市場・法』(2020年、ちくま学芸文庫)、p.25、強調は引用者)(引用者注:コースがこのように述べているのは、いわゆるデジタル経済勃興前の1988年である。)

(最終更新:2024年5月24日)

鴨の川辺に凛として佇む青鷺

未公刊

1.『不完全競争の経済学に向けて   市場支配指数アプローチ』(仮題、初稿は既に2023年度末に脱稿済み、2025年3月前後の出版に向けて準備中

2.ロビンソン『不完全競争の経済学』の前後:「不完全競争の経済学」の歴史叙述に向けて(2024515日)

2024

1. 『21世紀の市場と競争   デジタル経済・プラットフォーム・不完全競争勁草書房(2024年6月20日)

図2.2、2.3、2.4、2.5、4.4(エクセル)

図2.6(エクセル)

図4.3、4.3(エクセル)

図8.3(マセマティカ)

2023

2022

1.不完全競争の一般均衡モデルで考える競争政策の意義」『経済論叢』(京都大学経済学会第196巻第3(2022年11月)、pp.45-54。

2.  ナヒド・アスランベイグイ、ガイ・オークス/著 、安達貴教/訳『ジョーン・ロビンソンとケインズ    最強の女性経済学者はいかにして生まれたか慶應義塾大学出版会(2022年11月5日)

3. データとモデルの実践ミクロ経済学   ジェンダー・プラットフォーム・自民党慶應義塾大学出版会(2022年6月20日)

         - 随所に現れる「われわれ」は「我々」に統一。         - p.9、下から3行目      誤:第3節及び第4節で議論するように                 正:以下の2.3で議論するように         - p.12、上から4行目              誤:次節で説明されるように                                         正:以下の2.3で説明されるように         - p.13、上から11~12行目      誤:次節で述べるように                                                   正:次章で述べるように         - p.16、上から5行目      誤:いよいよ本節では、前節で説明された          正:いよいよ本章では、前章で説明された         - p.16、上から13~14行目      誤:前節で議論されたように                                         正:前章で議論されたように         - p.19、下から6行目      誤:われわれは次節において                                         正:我々は次章において

4.「拝観税問題から考える、公共政策の「コスパ」評価」(連載「経済学者が読み解く 現代社会のリアル」)『週刊東洋経済』2022年5月28日号、pp.86-87

                1. 中室牧子教授による「こども政策の推進に係る有識者会議」資料                2. そこで言及されているアメリカの研究(Hendren, N., Sprung-Keyser, B., 2020, Quarterly Journal of Economics                3. 筆者らの研究チームによる論文(Adachi, T., Fabinger, M., 2022, Journal of Public Economics                4. なお、拙稿執筆にあたっては、芳澤元(2021)「“巨大企業体”のような組織だった禅僧集団」(久水俊和編・日本史資料研究会編『「室町殿」の時代-安定期室町幕府研究の最前線』山川出版社、pp.231-250)からもインスピレーションを与えられたことに記して感謝したい。 

2019年 

1. 「二面市場を対象とする競争政策の理論的基礎付け」『新東技報』第37号、pp.19-20(2019年12月)。

2.「「生産・出荷集中度調査」の再開を求める」『経済セミナー』2019年12月・2020年1月号、pp.54-57。

本文

2018年 

2017年 

1.知の先端:「価格転嫁」のメカニズムと実態の理解に向けて「名大トピックス」No.290(2017年7月)、pp.12-13。 

元原稿 

2.「交渉ゲーム理論の実証的側面『公共選択』第67号、2017年2月、pp.85-103。 

本文

2016年

2015年

2014年

1. 「パーソナル・コンピューターの延長保証購入における性差に関する実証分析」『電気・電子・情報関係学会東海支部連合大会講演論文集(CD-ROM)』、ROMBUNNO.S1-5(2014年9月1日)。

2013年

2012年

1.著作物小売販売とパッケージ割引」(海老名剛氏との共著;査読付き)『Studies in Applied Economics 応用経済学研究第6巻(2012年度)、pp.69-83。

オンライン付録

3.「メディア・バイアスと投票行動の政治経済学的分析:サーヴェイ」(肥前洋一氏との共著) 田中愛治(監修)・小西秀樹(編)『政治経済学の新潮流』第4章、勁草書房、2012年3月、pp.75-92。

ワーキングペーパー版

2011年

1.組閣から、政治家の公共政策への関心を考える」『経済セミナー』2011年8-9月号、日本評論社、pp.38-43。

2010年

1.「論文Today 自営選択とリスク選好との関係」『日本労働研究雑誌』2010年1月(No. 597)、pp.119-120。

補足

2009年

2008年

2007年以前 

1.「大臣の重み-構造推定アプローチによる自民党政権(1958-1993)の分析」(渡辺安虎氏との共著)『日本政治研究』第2巻第1号、2005年1月、pp.6-30。  

2.「著作物再販「賛否」の大誤解 論議正常化へゲーム論的提案」『週刊ダイヤモンド』1997年2月8日号、ダイヤモンド社、pp.98-100。

本文

3.「再販制度をめぐる新聞報道の問題点」『東京大学新聞』1996年1月30日号。