Aro/Aceの情報発信・調査団体 As Loop
岩﨑 德子 神林 麻衣 三宅 大二郎
対人支援職に従事している方、これから対人支援職に従事しようとしている方
※この分科会は現地会場のみのワークショップです。当日のオンライン配信はありません。後日、講演部分のみアーカイブ配信を行います。
「アロマンティック」や「アセクシュアル」を知っていますか?
初めて聞く言葉で全く触れたことがない。
聞いたことはあるけれど、あまりよくわからない…。
知っているけれど、どんな当事者がいるのか想像がつかない。
など、さまざまだと思います。
アロマンティックは他の人に恋愛感情を抱かないこと、アセクシュアルは他の人に性愛感情を抱かないことをいいます。
少しずつ認知度は上がってきているものの、いまだに差別や偏見に苦しんでいる当事者も少なくありません。支援を提供する立場の専門家や職員からの無理解によって、本来得られるはずの安心感やサポート効果が損なわれる事態も、残念ながら発生しています。
本分科会では、対人支援職に従事している方、あるいは、これから対人支援職に従事しようとしている方を対象に、2部構成のコンテンツを提供します。第1部ではアロマンティックやアセクシュアルに関する基礎知識や困難・対応事例、支援者が見落としがちな点等の解説を行います。第2部(対面参加の方限定)では実際の支援の場を想定したワーク等を行います。
対人支援職としての役割を果たす中で、意図せず傷つきを与えることを防ぐためにも、ぜひご受講いただければ幸いです。
お申し込みいただいた方に、事前資料として動画:セクマイ大会2024「アロマンティックやアセクシュアルを知る
〜当事者の視点から社会のあり方を問い直す〜」(アーカイブ再編集)を共有します。なるべく事前にご視聴の上、ご参加ください。
岩﨑 德子(いわさき のりこ)
キャリアコンサルタント、公認心理師
NPO法人共生社会をつくる性的マイノリティ支援全国ネットワーク 副代表理事
As Loopメンバー
大学やNPO、自治体などでSOGIEに関わる相談支援や性的マイノリティのキャリア支援を行う。大学での職員研修など、支援者・組織への支援を含め、キャリアとSOGIEのよりよいあり方を求めて広く活動中。
神林 麻衣(かんばやし まい)
早稲田大学職員
As Loopメンバー
キャリアコンサルタント
アライの養成を目的とした研修プログラムの開発やLGBTQ+学生へのキャリアサポートガイドの発刊、ジェンダー・セクシュアリティに配慮したキャリア相談、アロマンティック・アセクシュアル関連のイベントの企画・運営等に従事。
三宅 大二郎(みやけ だいじろう)
大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程
中央大学ダイバーシティセンター、ジェンダー・セクシュアリティ領域コーディネーター
As Loopメンバー
アセクシュアルやアロマンティックをはじめとする多様なセクシュアリティ(Aro/Ace)について研究している。大学でLGBTQ+の学生支援に従事するほか、自治体等が主催するLGBTQ+の居場所づくり事業でファシリテーターを務める。
この分科会は、会場のみのリアルワークショップとして実施しました。
全体としては2部構成で、第1部として、As Loopのみなさま(岩﨑さん、神林さん、三宅さん)より、アロマンティックやアセクシュアルに関する基礎知識・困難事例・属性別対応事例・支援者が見落としがちな点などにつき解説をしていただきました。
*この第1部は後日、アーカイブ配信をしました。
第2部は、参加者が3グループに分かれて、As Loopがいままでサポートしたケースをベースに作られた事例についての「ケース検討」を行いました。続いて、3人1組のグループで(As Loop制作の)「ロールプレイ」を行いました。
また、質疑応答では多くの質問に丁寧にお答えいただきました。
この度は貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございました。
As Loopとして初めてとなる支援者向けのワークショップを、様々な立場の方が参加されるセクマイ大会の分科会でやってみたいという気持ちがあったため
運営の皆様のご助言をいただきながら当日を迎えることができ、多くの方にご参加いただけたことを本当にありがたく感じています。
講演とワークショップの2部構成でしたので、アーカイブの講演部分だけではわかりにくい部分があったり、ワークショップで戸惑いを感じる部分があったり、十分ではない点もあったかと思います。
時間の都合上、取り上げられなかったことも多く、ご参加いただいた方々の反応やアンケートでいただいたご意見全てが私たちにとって貴重なものでした。心より感謝申し上げます。
アロマンティックやアセクシュアルなどを自認する方々が何か困りごとに直面したときに、安心して相談につながり、相談したときに予期せずさらに傷つく経験をしないために何かできるのか、いただきました声を参考にしながら考え続けていきたいと思います。
この度は貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございました。
運営スタッフの皆様のご助力などもあり、当日は非常に多くの方にご参加いただきました。
講演部分とワークショップの2部構成とすることや、現場を想定した内容を取り入れるなど、As Loopとしても挑戦的な試みがありましたが、参加者の皆様が熱心に耳を傾け、取り組んでくださっているお姿に、とても勇気づけられました。
もともと関心のある方に対してはもちろんのこと、意図せずアロマンティックやアセクシュアルなどを自認する方々に傷つきを与えてしまうことを防ぐために、今後もこうした活動を広げていきたいと考えており、今回の分科会は、そのはじめの一歩になったのではないかと感じています。
当日参加してくださった皆様や、アーカイブ配信をご覧になった皆様にとって、少しでも有意義なお時間を提供できていれば幸いです。
この度は貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございました。
As Loopとしては昨年に引き続き二回目の登壇となり、アロマンティックやアセクシュアルについて初めて聞く方向けに実施した初回を経て、今年は支援者向けのワークショップを開催できました。
アーカイブ配信される講演部分は、基礎知識のほかに、困難事例や対応例など内容が盛りだくさんになっています。
私は昨年と同様に基礎知識の部分を担当しましたが、今年は基本的な話に加えて支援者の方にとって必要だと思われる内容もお話しました。
初めてこのテーマについて知るという方はもちろん、すでに学んだことがあるという方にもぜひ聞いてもらえたら幸いに思います。
今回の分科会が、アロマンティックやアセクシュアルなどを自認する方々が困った時に相談支援を受けにくいという、社会課題の解決に向けた一歩になることを願っています。
ワークがよかった。
ただ、ケース検討も、ロールプレイングも、今日が初めての方もおられた感じで、そのような参加者の経験に凸凹があるなかで、一緒のワークに乗せる場合、どうすればいいかなぁ、と考えました。
AsLoopも言われていましたが、これから、どんどん発展できる最初の一歩だなと思っています。
Aro/Ace相談支援の実践ワークショップがとても面白かったです。いざロールプレイをしてみると考えることが沢山あり難しく学びのあるワークショップでした。
学校現場で教員として働いています。当日、会場で講演とワークショップへ参加しました。
アーカイブで改めて視聴した上での感想です。
講演では、アイデンティティの必要性や、Aro/Aceというカテゴリーに関して、当事者の中でもそれぞれの多様な状況があるということを聞けてよかったです。
また、特に相談支援ではどのような心構えで聞けば良いのかということを、テーマごとに分けてお話しいただいたために、状況の理解が深まりました。
おおまかに年代ごとに分けて、具体的な事例や体験談の紹介、そして対応策をいただいたパートは、自分のフィールドの状況で考えやすかっだと感じています。
その上で、ジェンダー等さまざまな要素が困難に関係してそれぞれ固有の困難になるということを補足されていたことは、考えるポイントとなって助かります。
講演で話されている当事者の幅はたいへん広いように思いましたが、環境によって直面させられる障壁や困りごとが変わってくるということを概観する事ができましたし、環境が変わった先での継続的な支援のあり方についても考えられるように思いました。
教育の中では、さまざまなカリキュラムを組む上でも参考になると思っています。
より参加しやすい学習の場をつくるために、学んだことを取り入れてゆきたいと思います。
会場でのワークでは、参加者のいる現場に応じてグループ分けされていたため、講演を踏まえてより実践的な話をすることができたのが良かったです。
Aro/Aceをテーマとした相談支援のワークに対面で取り組むことは始めてですので、何度か継続して受けてみたいと思いました。
今後も、教育現場向け、中学校向けなど、それぞれの場面に合ったワークショップも期待しています。
As Loopさんが居場所づくりや調査で得られた知見を、分析とともに支援のあり方に生かす形でお聞きできることをありがたく思います。
また機会があれば、ぜひ参加したいと思います。
実際の困難事例を多く紹介いただき、また、三宅さんの補足によっても、誤解なく理解できるように工夫されていたと感じました。
困難のテーマを年代ごとに分けていただいていたのは面白いなと、思いましたが、場面・関係性(学校・職場・家族・友人)などなどで困りごとを紹介するのもいいかも、と、感じました。
アロマンティック・アセクシュアルに関わる現時点での最大の問題は、その存在が認知されていないことだと感じました。さらに、カミングアウトした場合、説明がうまく伝わらないことがままあることも、大きな問題だと感じました。
あと、パートナーとの間でチェックシートを使うという提案のあとに、「これはアロマンティック・アセクシュアルに限らず必要なことだと思う。」という趣旨の補足をしていただいたのですが、ポリアモリーのコミュニティでも「パートナー間で、価値観のすり合わせをすることが大事なのはモノガミーのひとも同じなんだけどね。」ということをよく言っているので、すごく共感しました。
後半もアーカイブにいれて欲しかったです
*上記感想への、As Loopさんからのコメントです。
ご感想ありがとうございます。
場の安全性を確保するため、後半のワークについてはアーカイブ配信を行わない方針とさせていただきましたが、いただいたご意見を今後の参考とさせていただきたいと思います。
Aro/Aceが、性的指向に関する自己を表現する言葉としての立場があり、人によってその言葉をどの意味で表現しているかが異なり、その背景を理解する必要があることが、新しい学びでした。こちらでご紹介があった『アロマンティックアセクシュアル入門』を購入し、読んでいます(『いちばんやさしい~』も拝読しました)。自己の性的指向を表現できる言葉があることの重要性を感じると共に、このセクシュアリティがより多くの人に認知される必要を感じました。AsLoopさんが調査をして、このように発表してくださることに大変感謝しております。
今までAroAceについて当事者視点でしか見たことがなかったので、支援者・相談者の視点でAroAceを見れて面白かった。
デミセクシャルを自認していますが、「みんなそうじゃない?」と言われたり、笑われたり、そういうなかなかにしんどい体験をしています。
今回、同じような体験が話題にも出て、ちょっとホッとしました。アセクシャルの当事者会に行ってみたいな。と思いました。