新設Cチーム企画
塩安 九十九
Body Maintenance Studio Ninaru
大森暁
この分科会では、LGBTQ+の健康格差の問題を「スポーツ・運動環境」という切り口から紐解き、データやアンケートを参照しながら考察する。また、「Body Maintenance Studio Ninaru」のLGBTQ+フレンドリーな取り組みを紹介する。更に、具体的な場面を想定した参加型ケーススタディを行い、それぞれの日常での実践をエンパワメントしたい。
メンタルヘルスの状態がよくないLGBTQ+の人が多いこと、そして自殺念慮・自殺未遂の割合が一般に比べると何倍も高いことは様々な研究調査から明らかになっている。一方、そうしたメンタルヘルスの悪化を防ぐ方法の1つとして、スポーツ・運動は一定の効果があるとされているが、どれだけのLGBTQ+の人がストレス発散の選択肢にスポーツ・運動をあげるだろうか。今「あがらないの?なんで?」と思った人は、体育の授業で、笑い物にされたり、恥ずかしい思いをさせられることなく、良い経験をしてきたからかもしれない。
あるデータによると8割を超えるレズビアン・ゲイのアスリートがスポーツの場で同性愛嫌悪の中傷を耳にしている。「男らしさの祝祭」であるスポーツ・運動の場では、女性蔑視が当然とされ、同性愛嫌悪・トランス嫌悪が野放しにされている。このような構造的な排除の仕組みの中で、「自分は運動に向いていない」「身体を動かすのは苦手」と思いこまされている人は、LGBTQ+に限らず実は多いであろう。それにはまず「スポーツ・運動=一部の人だけがする競技スポーツ」というイメージを払拭し、本来の意味である「すべての人にとっての、気晴らし・休養・遊び」へと塗り替えることが重要だ。
健康になるための権利は、基本的人権であり、健康になるためにスポーツ・運動をすることも、すべての人に保障される基本的人権だ。誰にジャッジされることなく身体を自由に動かし、楽しむ自由、そして自分の身体を自分の手に取り戻す。そのような視点を提案し、少しでもLGBTQ+の健康格差解消のヒントとなることを願う。
普段の日常生活には、決めつけや価値観の押し付け行為が横行しています。しかし、いざ、外見やふるまい、属性などで、あり方を決めつける発言、体型や肌の色など見た目に関してジャッジする発言に出くわしても咄嗟に対応することは難しいものです。
実際のケースを使って、職員として、あるいは利用者として、ひとこと返せるように練習してみましょう。当日は皆さんの回答をシェアできるよう、専用掲示板に回答を投稿して頂きます。
※事前に質問内容を共有いたします。
分科会進行中、専用掲示板としてLiveQを使用します。代替方法として、スタッフにzoom上のチャットで送信いただくことも可能です。
新設Cチーム企画主宰。
LGBTQの人権啓発にまつわる様々な取り組みに従事。
共著「トランスがわかりません!」「恋愛のフツーがわかりません!」小学生向け性教育動画「性別思い込みあるある」シリーズYoutubeで公開中。
子ども時代はスポーツに親しみ、現在は登山などを嗜む。
コンセプトは、フェミとクィアのがんばらないトレーニングスタジオ。Ninaruは、誰もが参加しやすい運動環境を目指しています。「スポーツや体育が嫌いだった」「今まで運動したことがない」「ジムやフィットネス環境が好きではない」「からだを見られたり評価されたくない」そんな思いを持った方も安心して参加していただけるように、理想的な体型の押し付けや、ただキツイだけのトレーニングは提供していません。また、Ninaruのスタジオを利用される全ての人の心理的安全性を高めるために、管理者・トレーナー共々SOGIの理解を深めています。
LGBTQフレンドリーな方ならどなたも参加可能な「レインボーマッスル」は、ジェンダー/セクシュアリティのステレオタイプを押し付けず、多様な人々を受け入れ自分らしくからだをいたわることができるクラスです。このクラスでは、他人と比べることも見た目でSOGIを決めつけることもしません。グランドルールをもうけてその場にいる全員が協力して安全な場を目指します。