公募シンポジウム

空間と時間の視点から紐解く群集集合

シンポジウム日程:11月6日(土)9:00-10:30

タイトル:空間と時間の視点から紐解く群集集合

使用言語:日本語

開催形式:リアルタイムのZOOMミーティング


オーガナイザー照井 慧(ノースカロライナ大学グリーンズボロ

企画趣旨

 何が群集構造を決めているのか?単純に思えるこの問いは、多くの生態学者が取り組みながらもいまだに統一的見解が得られていない難問である。2004年、Leiboldらが群集集合を構成種の特性(種のニッチや移動分散)に基づく4つのパラダイムに分類したことをきっかけに、群集生態学者は「どのパラダイムが観察された群集構造をよく説明するのか」を検証することに一つの方向性を見出した。しかし、その議論の行く末は分類群や系特異的であることが多く、群集集合の統一的理解からむしろかけ離れたようにすら思える。

 本シンポジウムでは、群集集合の統一的理解にむけた土台として、時間と空間の可能性を取り上げたい。構成種の特性と異なり、この両軸はすべての分類群および生態系に共通した「物差し」である。これらの物差しにそって課題を整理することで、群集生態学が陥りがちな状況依存性から脱却する道が拓けるかもしれない。ここでは、この視点をもつ多様なキャリアステージの研究者を招いた。いずれの講演者も、近年の生態学における技術革新や大規模データの蓄積を大いに活用し、これまで検証が難しかった時間・空間スケールで群集集合に関する研究を進めている。本シンポジウムを通じ、群集生態学の今後について議論を深めたい。


プログラム

鈴木裕香・Evan P. Economo沖縄科学技術大学院大学 ):多様性パターン制御における空間構造の役割


照井慧・Seoghyun Kim(University of North Carolina at Greensboro)・Christine L. Dolph(University of Minnesota)・角谷拓(国立環境研究所)・宮崎祐介(白梅学園短期大学)群集集合の収斂が生み出す頑健なスケーリング則

中臺亮介 国立環境研究所):個体の存続性と群集組成の時間的な変動

篠原直登・本郷悠貴・市野川桃子・西嶋翔太・澤山周平・黒木洋明(水産資源研)・宇都康行(千葉県水産課)・三田久徳・石井光廣(千葉水総研セ)・草野朱音(神奈川県水産課)、秋元清治(神奈川水技セ)時間的に変動する環境下での群集集合則の変化