岡山大学薬学部

高度先導的薬剤師養成プログラム

山田養蜂場研修(2022年9月2日)

健康サポートを含め、地域住民の生活全般に貢献する薬剤師を育成するためには、健康食品や化粧品等に関する正しい知識が必要です。しかしながら、大学では十分に教えられる状況にはありません。また学生には、医薬品に限らず、機能性食品や化粧品の研究・開発も魅力的な職業であることを学び、興味を持ってもらえればとも思います。山田養蜂場は、岡山県は鏡野町にてサプリメント等の健康食品や化粧品等について、研究・商品開発をされている企業です。当日は、商品開発の経緯(着想)、開発での苦労話、安全性評価、品質管理をどのように実施されているか、研究・開発のストーリーについて伺うとともに、社内見学・体験学習させていただきました。この場を借りて、このような機会をいただいた山田養蜂場様に心からお礼申し上げます。

参加学生の報告書から


 今回の学外研修では、実際に企業にお邪魔してお話を聞くことの大切さを痛感しました。ただ情報として知るだけではなく、生の声を直接お聞きできるというのは非常に大きな経験となったと思います。

 研修では、研究・開発・品質管理・お客様応対などの部門に分けての説明をしていただきました。山田養蜂場については、高校生の時に一枚画コンクールに応募したことがあり漠然と知ってはいましたが、実際にお話を聞くと扱っている商品の多さにとても驚きました。基礎研究についてははちみつ・プロポリス・ローヤルゼリーを中心にお話を聞き、どれも非常に興味深く思いました。健康食品に焦点をおいたお話を聞いたのは初めてに近く、どのように研究・開発が為されているのかこれまでよく理解できていませんでしたが、とても高度な研究が行われており、また、より良い効果を得るためや他製品との差別化を図るために様々な工夫が考えられていることを知り、一つの商品が完成するために多くの努力をされていることを直に感じることができました。

 企業理念である「一人の人のために」、商品開発で大事にされている「自分の家族が使える商品」、また品質管理についてはロットごとに検査をされていることを聞き、お客様のことを第一に考えられていることが強く伝わりました。企業と消費者が直接繋がるからこそ心掛けられている、より伝わりやすい商品説明や電話応対の仕方などでもそれが感じられ、商品を提供する際に最も大事なことは何なのか、考えさせられました。

 商品開発・製剤開発のお話では、打錠体験をさせていただき、座学で学んだことを実際に見ることでより明確なイメージをもつことができ、知識の深い理解に繋げることができたと感じました。また開発部門の方のお話で、製剤系を専攻されていた方はおらず、皆さん初心者から始められたということを聞き、自分自身の将来の選択肢について、もっと可能性を考えても良いのかと思えるようになりました。また、他の参加された方の参加動機を聞き、低学年のうちから自発的に行動することができてなかった自分に少し後悔しました。しかし、この経験は今後の生活においてのモチベーションに繋がったのではないかと感じます。

 今回研修に参加できたことは、先に述べた様々なことを学べただけでなく、自身の今後に求められる行動力などについても考えさせられる非常に良い経験とすることができました。研究から開発まで、多くのことをお教えいただけた山田養蜂場の方々に感謝するとともに、後悔を感じることがないように行動することができるよう、努力しようと思います。