研究の成果 >
第18回京都から発信する政策研究交流大会(主催:公益財団大学コンソーシアム京都)
日時:2022年12月18日(日)
場所:国立京都国際会館
①薫香班「「香り」を活かしたまちづくり」【分科会1】
「香り」を通して生活を快適にしたいというニーズの高まりから、私たちは京都の伝統産業である薫香に注目した。これを取り扱っている企業の一つが中京区にある。中京区は、高齢者が自治会・町内会活動の中心となっており、地域コミュニティの中心としてその活動を担う若者が少ないという課題がある。また、薫香は宗教離れによる需要の減少が問題となっている。このことから、私たちは中京区や薫香について調査・研究を行い、これらの問題の解決につながる政策を検討するため、京都市中京区役所地域力推進室と香老舗松栄堂、山田松香木店へのインタビュー調査を行った。本論は、薫香をまちづくりと結びつけることで、中京区と薫香業界双方の課題を解決することを目的とした政策提言を行うものである。特に、大学生や地域住民が主体となって、永続的な活動を行うことができるNPO法人を設立し、薫香を活用したイベントやワークショップ等を行うことを提言する。
②宇治茶班「宇治茶と空き家を融合させた宇治市の魅力発信」【分科会2】
京都府宇治市は、伝統農産物のひとつである「宇治茶」の産地である。生産、流通、販売、飲食などの面で宇治市にはお茶を活用した企業が多く存在し、宇治市は観光地としても知られている。しかし、宇治茶はその知名度に比べて、京都府での茶生産量が多くないこと、栽培面積の拡大が進んでいないこと、担い手不足などの課題がある。また、宇治茶と観光の繋がりについても、宇治茶を目的とした観光が少ないことや、宇治茶の魅力を知る体験の取り組みが少ないという課題もある。そこで私たちはこれらの課題解決のための政策を検討するため、宇治市茶生産組合と京都府茶業会議所へのインタビュー調査を行なった。本論は宇治市で生産されている宇治茶と宇治市内の空き家、そして観光を結び合わせることで、宇治茶生産に関する課題と宇治市の観光課題の解決を目的とし、宇治茶と宇治市への関心向上につなげるための政策を提言するものである。