研究の成果 >
第17回京都から発信する政策研究交流大会(主催:公益財団大学コンソーシアム京都)
日時:2021年12月19日(日)
場所:オンライン
①京友禅班「京友禅による更なる地域活性化──京都府宇治市の観光業界の事例──」
私たちは京都府宇治市の更なる地域活性化のために京都の伝統工芸品である京友禅を用いて宇治市の観光を盛り上げようと考えた。京友禅の生産は京都の様々な地域で行われており、宇治市もそのひとつである。宇治市では、観光人口が年々増加傾向にあるが、観光滞在時間が短いことやリピーターが少ないことが問題である。これらの問題を解決する手段として、京友禅を活用しようと考えたが、京友禅業界にも後継者不足や着物を着る機会の減少といった問題があることが分かった。また、宇治市は京友禅の生産地であるが、そのことに対する人々の認知度が低いため、京友禅を使った宇治の観光政策はほとんど実施されていない。これらの問題について先行研究の検討やインタビュー調査、フィールドワークを行うことで改善策を見出した。以上を踏まえ、伝統産業と宇治市の観光を融合させることで地域の特徴を生かし、持続的に交流人口の増加を目指すための政策提言を行う。
② 京野菜班「ブランド京野菜を用いた地域活性化──京都府亀岡市の事例──」【分科会2】
ブランド京野菜有数の産地として京都府亀岡市が挙げられる。しかし、亀岡市の農業は農業就業者の高齢化や担い手不足が問題となっている。また、亀岡市は観光面においても旅行利用形態が日帰り利用者の割合が多く、宿泊利用者数が極端に少ないという課題が存在している。そこで、私たちは亀岡市の農業や京野菜について研究し、これらの問題の解決につながる政策を検討するため、亀岡市役所産業観光部農林振興課と(公社)ふるさと産品協会へのインタビュー調査を行った。本論は亀岡で生産されるブランド京野菜を観光と結びつけることで、亀岡市の観光課題と農業課題の解決を目的とし、亀岡市の知名度向上さらには地域活性化につなげるための政策を提言するものである。とくに、若者の旅行者のタイプに合わせた京野菜を活用するグリーン・ツーリズムを提言する。
③ 京菓子班「脱京菓子離れ──若者へ向けたPRから文化継承へ──」【分科会4】
京菓子。それは、日本、そして京都の年中行事や季節と強く結びつき、その優美な見た目や気品あふれる風味から五感で楽しまれ、京都の伝統文化として長く愛されてきた歴史を持つ伝統和菓子である。
しかし、近年、社会では洋菓子の普及などを背景に和菓子離れが懸念されており、消費量は年々減少傾向にある。特に若者の間で洋菓子の普及や和菓子離れが進んでいることから、若者を対象とした京菓子の需要拡大が京菓子業界において課題となっている。
そこで、今回、私たちは京菓子業界の現状を理解し、現代の若者の間で起こる京菓子離れの問題解決につながる政策を検討するため、京菓子協同組合や京菓子販売を行う京菓子司寿菓舗にインタビュー調査を実施した。その結果をもとに、これからどのようにして若者の京菓子への関心を高め、長期的な需要拡大につなげていくのかについての政策提言を行う。