10期生 コンソーシアム京都での研究発表

研究の成果‎ > 


第15回京都から発信する政策研究交流大会(主催:公益財団大学コンソーシアム京都) 

日時:2019年12月15日(日) 

場所:龍谷大学深草キャンパス


①御香宮班「子どもと祭りが地域にもたらす効果―京都市伏見区御香宮神社の事例―」【分科会2】 

京都市伏見区御香宮神社に伝承される神幸祭と呼ばれるお祭りがある。この神幸祭の特徴として、氏子地域で初日と最終日前に花傘総参宮が行われ、最終日には神輿の巡行が行われる。また、このお祭りには様々な団体が関わっているのも特徴である。

少子高齢化が進む現代社会において、祭りの担い手の高齢化問題や担い手不足が大きな問題となっている。御香宮神社で行われる神幸祭の神輿巡行でも担い手不足は問題視されている。

そこで、今回、私たちは神幸祭に関わる一つの団体「堀会」の担い手不足に焦点を当て問題の解決につながる政策案を模索するため、御香宮神社宮司代務者や運営団体にインタビュー調査するとともに、御香宮神社近くの大手筋商店街でもインタビュー調査を実施した。その結果をもとにこれからどのようにして堀会地域の神幸祭を継承していくかの政策提言を行う。

② 大将軍班「イベント活用による商店街の活性化―京都市上京区 大将軍商店街の事例―」【分科会2】 

京都市上京区にある大将軍商店街は西大路通から中立売通までおよそ400mの長さの道を「一条妖怪ストリート」と呼ばれており、平安時代、人間によって捨てられた古道具は「付喪神」と呼ばれる妖怪に変化し、一条通を西から東へと大行進したという。

この話をモチーフにしたイベントが毎年10月の第三土曜日、天門祭の宵宮として行われる。

今回私たちは、一条百鬼夜行にかかわる地域住民の方々へのインタビュー調査、参与観察、ボランティア調査等の社会調査を行った。調査の結果、商店街の住民と運営の間に団結が見られず、商店街の運営基盤の弱さが浮き彫りになった。

このような背景を踏まえ、イベント運営の強化、地域住民間のソーシャルキャピタルの子床が必要となる。そこで本調査では若者のボランティアを呼び込み運営の基盤強化、ソーシャルキャピタルを醸成する政策を提言する。

③ 美山班「ボランティアと協働する祭りの継承―京都府南丹市美山町鶴ケ岡地区の「上げ松」の事例―」【分科会4】 

京都府南丹市美山町には、地域住民中心の関係性の中で18世紀頃から受け継がれる伝統的な祭り「上げ松」がある。美山町は林業が栄えていたため、火伏せの利益があるとされる上げ松は、地域住民の間で重要な神事として継承されてきた。しかし、現在美山町には振興会などの地域ネットワークが存在してるにもかかわらず、1人暮らしの高齢者が多く、地域住民間のネットワークが希薄になり、加えて、人口減少、少子高齢化が進む美山町では、祭りの担い手不足により上げ松の実施が困難になっている。

そこで我々は、インタビュー調査や、「上げ松」の参与観察などを行い、地域の実態や課題を調査した。

そして、地域振興の中心である振興会など住民ネットワークが活発化することを目的とし、政策を提言する。

*美山班は、本報告によって、日本公共政策学会賞を受賞した。