ROBOT-PROOF:AI時代の大学教育(Amazon)
https://note.com/morikita/n/nec873a5b0b33「2020年代の大学は何を教えるのか?」(杉森公一)
大学が歴史に残る転換期のただ中にいることにどれだけの人が気づいているだろうか。AI時代を生き抜く学生を育てる場に大学は変われるのか。どのような能力をどのような方法で教えるのか。あなたがこれから5年以上大学で教え続けるのなら、この問いと真摯に向き合わねばならない。本書は、AIの可能性と限界を冷静に描くとともに、この問いに向き合う意欲的な大学事例を情熱とともに紹介している。未来の大学教育のあり方を考えるヒントに満ち溢れた一冊だ。大学関係者のみならず、今の大学教育に満足できない大学生、これから大学を選ぶ受験生・保護者・高校教員にも読んでほしい。
――佐藤浩章(大阪大学)
AIに代表される急速な技術革新が進む現代、この変化を難題とするのか好機とするのか――高等教育はその岐路に立つ。人間ならではの教育とはどうあるべきか、創造性やアントレプレナーシップ、経験学習、異文化アジリティ、生涯学習など数々の鍵となる概念を軸に、高等教育がどう変わるべきかを具体的かつ堅実に論じ、価値を発揮していくための方向性を指し示す。自分には遠い話…と思う人にこそ手にとって欲しい。
――栗田佳代子(東京大学)
本書は、高等教育が進むべき次のステップに関する卓越したモデルを提示し、行動を喚起する。AI経済のなかで我々はいかに自らを再教育するかについて、前向きで、なにより現実的なビジョンを示している。
――ジェフリー・ボーンスタイン(ゼネラル・エレクトリック副社長兼CFO)
この、独創的、刺激的で時宜を得た一冊において、アウン学長は高等教育が人工知能時代についての考え方を変え、それに備えるよう促す。
――ヴァータン・グレゴリアン(ニューヨーク・カーネギー財団会長)
大学教育学会JACUEセレクション2021 https://jacue.org/article/misc/books/book_20211208
ロボット・プルーフとはロボットに仕事を奪われない「耐ロボット性」をさす。そのような卒業生を輩出する、人工知能時代の高等教育の在り方のひとつは、人間に特有な創造性と柔軟性の育成であり、経験学習が効果的である。筆者が学長をつとめるノースイースタン大学のコーオプ教育(教室での学習と長期の職場経験を交互に行って統合する)が紹介されている。もうひとつは生涯学習の継続であり、生涯学習需要の増大と多様化に対応する国内外の大学間連携が、高等教育の進化における次の段階であるとする。産業や科学技術の発展などの歴史的変遷を丁寧に整理しつつ、現在の社会的状況を鋭く考察して、人工知能時代に求められる大学教育の在り方について具体的に言及している。コロナ禍における大学教育の在り方の議論に対しても有効な知見を提供している。(審査員評から一部抜粋)
上原栄一郎(2024)「アントレプレナーシップ(起業家精神)教育と作業療法」作業療法学芸雑誌第2号
藤崎弘士(2024)「生成AIと戯れた日々 2023」日本医科大学基礎科学紀要第52号
ヘルスケア・医療のエシカル消費、ハワイの現実と課題、これからの大学教育、自動運転の民主化など、最先端の知に触れる【東大Week@Marunouchi DAY2】https://xtech.mec.co.jp/articles/9399
日本キャリア教育学会編, 岡本仁宏(2023)「」『キャリア教育の射程』実業之日本社
藤井輝夫(2023)東京大学学部入学式総長式辞
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message2023_01.html
竹永啓悟(2023)「読んでおきたいこの1冊」名古屋大学高等教育研究センターかわらばん 2023年冬号(2023年1月)
https://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/publications/file/2023_winter.pdf
井下千以子(2022)『思考を鍛えるライティング教育』慶應義塾大学出版会
杉森公一(2022) 「教えるを学ぶエッセンス[第4回] I-E-O モデルと「火急の問い」」週刊医学界新聞、3479(2022年7月25日). https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2022/3479_05
スチュアート・ラッセル(著) 松井信彦(翻訳)(2021)『AI新生―人間互換の知能をつくる―』みすず書房
塚原修一(2021)「リカレント教育と私立大学」、『私立大学研究の到達点』私学高等教育研究所、144-147(2021年3月31日). https://www.shidaikyo.or.jp/riihe/book/toutatsuten.pdf#page=147
山口洋典(2021)「身体性を重視して異文化対応に身構えを 」 、対人援助学マガジン44(11-4)、178-183.
https://www.humanservices.jp/wp/wp-content/uploads/magazine/vol44/35.pdf
丸山宏(2021)「研究力の危機を乗り越える」一橋ビジネスレビュー、69(2)
https://note.com/hiroshi_maruyama/n/n6017d1a97042
山地弘起(2020)「 〈書評〉 ジョセフ・E・アウン著 杉森公一・西山宣昭・中野正俊・河内真実・井上咲希・渡辺達雄訳『ROBOT-PROOF:AI時代の大学教育』」、大学教育学会誌 42(2)、115-116. https://daigakukyoiku-gakkai.org/site/journal/latestissue/
松浦良充 (2020)「【Book Review】 ジョセフ・E・アウン 著,杉森公一 ほか 訳 『ROBOT-PROOF:AI 時代の大学教育』」、 IDE現代の高等教育 No.625 2020年11月号(11月1日発行)「大学の教育改革-再考」. http://ide-web.net/newpublication/blog.cgi?n=14
赤堀侃司「広がるオンライン学習」、日本経済新聞朝刊・書評、2020年5月23日 https://style.nikkei.com/article/DGXKZO59448420S0A520C2MY6000/
張厚泉(2020)『新編日語読解教程』(日本語学習教材)、2020年6月30日
池田光穂(2020)「ロボット・プルーフ(耐ロボ性)fail-safe and fool-proof」 http://cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/00-Frame2012.html https://navymule9.sakura.ne.jp/robot_proof.html (2020年8月17日)
早川公(2020)「地域志向教育における〈主体性〉の布置 : 中動態を手掛かりとして」関係性の教育学 19(1), 183-192. https://researchmap.jp/hayakawako/published_papers/24728842
早川公・近藤友大(2020)「異分野連携フィールドワークによる「地域資源共創」は可能か―宮崎世界農業遺産認定地域における研究プロジェクトを対象として」大阪国際大学紀要 34(1), 21-37. http://id.nii.ac.jp/1197/00001080/
久保田晃弘(2020)「ものをつくらないものづくり #5 — 大学のスペキュラティヴ・デザイン」https://makezine.jp/blog/2020/11/make_without_making_05.html (2020年11月16日)
文部科学省 科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援部会(第2回)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu31/siryo/000017123.htm (2021年7月30日)
文部科学省 科学技術・学術審議会 産業連携・地域支援部会(第24回)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu16/siryo/1422222_00002.htm (2020年8月28日)
Bidshahri, Raya (2018) How We Can ‘Robot-Proof’ Education to Better Adapt to Automation. Singularity Hub https://singularityhub.com/2018/03/08/why-we-need-to-robot-proof-education-in-the-face-of-ai/
多くの人が現在の自動化の流れを恐ろしい脅威と見る一方で、チャンスと見る人もいます。『ロボット・プルーフ』では、機械にできないことをできるようにするための学生教育を提案しています。そして、ロボットにはできない、この世界に必要な「発明、創造、発見」を若い世代に教える新しいパラダイム、ロボットには不可能な「創造と発見」を教える新しいパラダイムを提唱しています。
Camilleri, Patrick (2018) Robot-proof: higher education in the age of artificial intelligence, Journal of Education for Teaching, 44:4, 519-520, DOI: 10.1080/02607476.2018.1500792
読者に余韻を残すことができる本があるとすれば、それはアウンの本であろう。ほろ苦いけれども、嵐の前の静けさを鮮やかに描き出した珠玉の一冊である。進化は消滅によって特徴づけられるというのはよく知られた事実である。本書は必ず、人工知能(AI)主導の文化的進化が近づいていることを示唆している。この進化は、私が書いているように、自ら解き放たれ、近い将来、高等教育(HE)に対する我々の信念を全力で解き放ち、打ちのめすだろう。もともと私は、本書が大学や学者、教育政策担当者に向けられたものだと考えていた。今となっては、急速に発展するデジタルの現実の中で、スタイリッシュに生き残ることに関心のあるすべての人に有効な目からウロコの本であると信じている。本書は、大学やその他の高等教育機関が短期的・長期的な将来にわたって適切な存在であり続けるためには、確かに変わらなければならないが、高等教育機関が自らを包んできた現状と脆弱な偽りの安心感に対して有効な挑戦を提供しているのである。
Camnie, Silvia (2019) 3 Literacies for a Robot-Proof Future. https://www.linkedin.com/pulse/3-literacies-robot-proof-future-silvia-cambie/
現在、人間と機械の関係がどうなるかを説明する試みが多くなされている。恐怖を煽るような表現も多い。未来の世界に立ち向かうために、私たちが身につけるべきスキルについて、本当に十分に考えている人はほとんどいない。その一人が、ノースイースタン大学のジョセフ・アウン学長である。アウンはまず、高等教育の役割について根本的な問いを投げかける。「この急速に変化する世界に対して、どのように人々を準備すべきなのでしょうか?」と。
Gleason, Nancy W. (2019) Higher Education in the Era of the Fourth Industrial Revolution, Springer Singapore https://doi.org/10.1007/978-981-13-0194-0_1
https://doi.org/10.1007/978-981-13-0194-0_7
ブルームの改定版学習目標分類(タキソノミー)では、学習と知識のレベルを6つに分類している。それらは、記憶、理解、応用、分析、評価、創造である。従来の講義とテストの形式による情報伝達では、高次の思考という認知能力のランクをあまり上げることはできない。しかし、これにはもう一つの側面がある。2001年にLorin Andersonらが「Knowledge Dimension (知識の次元)」と呼んだもので、具体から抽象までの知識の範囲を表している。知識次元は、事実、概念、手順、メタ認知から構成されている。メタ認知は、ポスト・トゥルース時代における知性の必須要素である情報リテラシーと結びついているため、重要である。ノースイースタン大学学長のジョセフ・E・アウン氏は、近著『Robot-Proof』 の中で、システム思考、起業家精神、異文化アジリティを中心とした認知能力とコンテンツを組み合わせた教育が必要であると説いている。
Kim, Joshua (2018) If You Read One Higher Ed Book This Year, Make it 'Robot-Proof'. (今年の高等教育本を1つ選ぶなら『Robot-Proof』を読もう) Inside Higher ED https://ihenow.com/2rXVhXB
高等教育がロボットに耐えられるようになるためのレシピは何だろうか?その答えは、それぞれの教育機関が自らの強みと伝統の上に築かなければならず、文脈に依存することになるだろう。・・・Aounが力強く主張するのは、リベラルアーツ教育を就職の準備と対立させるような伝統的な考え方に終止符を打つことである。彼は、リベラルアーツと就職準備の二項対立はもはや正確ではなく、教育機関を発展させる上でも特に有用ではないと考えている。
大学における教育と学習を、学習に関する研究と一致させるよう努めるべきであると、Aounは主張している。学習科学研究が示すのは、抽象的な学習にも応用的な学習にも限界があるということである。この2つは両立させなければならない。アクティブラーニングと経験学習は、高等教育の価値ある重要な構成要素である。・・・しかし、『ロボット・プルーフ』を読むと、学習科学研究に沿ってすべての教育方法を大幅に見直さない学校、特にアクティブラーニング・経験学習を優先させない学校は、教育の不正行為を犯していると感じられるだろう。
Komesch, Daniel (2018) Robot Proof: What Joseph Aoun’s latest book means for higher education in Canada. iPolitics https://www.polytechnicscanada.ca/opinions/robot-proof-what-joseph-aouns-latest-book-means-for-higher-education-in-canada/
職業の性質の変化は、最近のホット・トピックであり、世界中の政策立案者は、それがもたらす課題に取り組まなければならない。解決策を模索する際、私たちは仕事の未来が教育の未来と表裏一体であることを忘れてはならない。ジョセフ・アウンの新著『ロボット・プルーフ』が、労働力開発や教育政策について考えている人にとって必読書となるのは、この関連のためである。(もちろん、仕事について考えているなら、教育についても考えているはずだが)。
人工知能(AI)とインテリジェント・オートメーションに代表される技術的破壊が、個人、労働市場、社会に及ぼす圧力の全容については、議論の余地がある。アウンは、自動化に対する不安を払拭するために、雇用は破壊されるがそれ以上に多くの雇用が創出されると指摘し、労働力移動の恐怖を大きく打ち消している。したがって、課題は、避けられない創造的破壊に対抗することではなく、それに適応することである。
機械が中心的な役割を果たす未来に適応するための最良の方法は、人間と機械を区別する特性を活用することである、とアウンは言う。そのためには、ヒューマニクスと呼ばれる「人間が高度に発達した技術世界を理解するだけでなく、それを超越するために必要な能力、すなわち創造性と精神的柔軟性」に教育の焦点を当てることを提案している。また、機械に対する生来の競争力をさらに高めるために、デジタル・リテラシー、データ・リテラシー、ヒューマン・リテラシーという3つの新しい重要なリテラシーに重点を置いた教育を行うことも提案している。
Lenway, Stefanie (2018) What I'm Reading: ‘Robot-Proof’ (今読んでいる本:『Robot-Proof』) The Chronicle of Higher Education, July 20, 2018, issue. https://www.chronicle.com/article/What-Im-Reading-/243930
機械はやってくるかもしれないが、人間の創造性、文化の内と外とのコミュニケーション能力、批判的思考やシステム思考のスキルが我々の未来を支えてくれるだろう。・・・もしアウンのビジョンが実現すれば、人工知能は人文科学のルネッサンスを呼び起こすかもしれない。
Mayer, Chris (2018) Book Review of Robot-Proof: Higher Education in the Age of Artificial Intelligence. Higher Ed Connects https://higheredconnects.com/book-review-of-robot-proof-higher-education-in-the-age-of-artificial-intelligence
序文でアウンは、本書の骨格となる2つの問いを挙げている。1) この急速に変化する世界に対して、我々はどのように人々を準備するべきか? 2)職業や経済の分野で人々を支援するために、教育はどのように用いられるべきか?・・・『ロボット・プルーフ』は、高等教育のリーダーにとって重要な本である。なぜなら、職場における変化の速さについて学び、考えることで、それが学生を育てる方法にとってどのような意味を持つかを知ることができるからである。また、教育機関やその指導者が仕事から切り離され、その結果、社会に出る準備ができていない卒業生を生み出しているという世間の懸念について、教育機関が考えるきっかけにもなる。『ロボット・プルーフ』は、キャンパス・リーダーの読書会、あるいはカリキュラムの変更に着手しようとしている人たちにとって、特に有益な一冊となるだろう。
McDonald, Tim (2019). Humanics: A way to ‘robot-proof’ your career? (ヒューマニクス:キャリアを「ロボット・プルーフ」にする方法) BBC WORKLIFE https://www.bbc.com/worklife/article/20190127-humanics-a-way-to-robot-proof-your-career
AIが業界全体を混乱させる可能性のある未来に備えるために、将来の世代の教育方法を再考する必要がある - Future-proofing your career is less about picking a safe job and more about constantly updating your skills throughout your career
Mckie, Anna (2018) Robot-proof? Universities ‘finally waking up’ to the rise of AI. (ロボット・プルーフ?AIの台頭で「ようやく目覚めた」大学) Times Higher Education https://www.timeshighereducation.com/news/robot-proof-universities-finally-waking-rise-ai
Saglio, Justin (2018) Want to robot-proof your job? Here are some tips from experts in the field. (ロボットに仕事を奪われずに共存する秘訣は? 専門家が語る) MIT Technology Review https://www.technologyreview.jp/s/90269/want-to-robot-proof-your-job-here-are-some-tips-from-experts-in-the-field/
Sudlow, B. (2019). Review of Joseph E. Aoun (2017). Robot Proof: Higher Education in the Age of Artificial Intelligence. Postdigital Science and Education, 1(1), 236–239. https://doi.org/10.1007/s42438-018-0005-8
Wrench, J. S. (2024). The Role of Generative AI in the Communication Classroom, IGI Global
Robot-proof higher education is poised to revolutionize the education system by championing the digitization and personalization of learning. Although this departure from traditional methods may be substantial, it harbors the potential to amplify creativity and flexibility in the teaching-learning process. The concept of nurturing distinctive traits such as creativity and flexibility is encapsulated in the discipline of “humanics.” As a potent toolset, humanics unlocks both the potential benefits and challenges in robot-proof higher education, empowering individuals, particularly students, to collaborate with technology and shape their creativity to the fullest (Aoun, 2017). A pivotal advantage of robot-proof higher education is its emphasis on cultivating distinct human traits, including creativity, emotional intelligence, and critical thinking. Prioritizing these skills enables students to tackle complex, non-routine jobs that are less susceptible to automation. Moreover, a robot-proof curriculum fosters adaptability, enabling graduates to navigate diverse professional environments successfully. However, implementing a robot-proof educational system is not without hurdle. Conflictsmay arise among interdisciplinary, skill-focused, and established academic frameworks. Resistance to change by faculty and stakeholders accustomed to traditional methods can impede the seamless integration of robot-proof components into the curriculum. Coping with the rapid pace of technological advancement introduces an additional layer of complexity, necessitating ongoing efforts to craft current and flexible curricula. Ensuring inclusivity and accessibility in robot-proof education poses challenges because not all students have equal access to opportunities or resources. Innovative teaching strategies and cutting-edge technologies play crucial roles in overcoming these challenges. Immersive opportunities for skill development are offered through virtual reality experience, simulations, and online learning platforms. Collaborations between academia and the business sector provide students with real-world experience and practical Knowledge in areas less amenable to automation. In conclusion, although robot-proof higher education holds the potential to better prepare students for the future workforce, itis not without challenges. Overcoming resistance to change, addressing inclusivity concerns, and staying abreast of technological developments are essential for developing and maintaining a robot-proof education system. Embracing creativity, fostering teamwork, and adapting teaching methods to evolving student and labor market demands drive innovations in this educational paradigm.
O'Connell, J. (2024). Book Review: Robot-Proof: Higher Education in the Age of Artificial Intelligence by Joseph Aoun, Essays in Education 30(1), Article 3. https://openriver.winona.edu/eie/vol30/iss1/3
This book review examines Robot-Proof: Higher Education in the Age of Artificial Intelligence by Joseph Aoun, which focuses on the imperative to evolve higher education in preparation for AI-driven job labor market shifts that are only now entering the public consciousness. Aoun advocates for a new "humanics" curriculum that emphasizes cognitive skills and literacies robots cannot replicate. Highlighting numerous historical reinventions of the our education systems over the centuries, Aoun makes a compelling case that our colleges and universities once again find themselves responsible for preparing Americans for the technological displacements and miracles still to come.
「ロボット・プルーフ」が求められる背景・文脈には、農業革命、産業革命、技術革命に次ぐ「デジタルとロボット(知能機械)」革命の時代の到来がある。著者のアウンは、かつてジェニー紡績機に職を奪われた織工たちが一掃されたのち、教育が産業と労働者キャリアのギャップを埋める役割が求められた歴史経緯を念頭に、4度目の経済・社会の転換の今日にあっても、耐ロボット性を保障する新しいカリキュラムと、人間特有の創造性と柔軟性の育成を目指す学習モデル・学問分野「ヒューマニクス」を力強く提唱する。
このヒューマニクスにおける新しいリテラシー(技術リテラシー、データリテラシー、ヒューマンリテラシー)を基盤となるコア・カリキュラムとして、大学教育は、アイディアを分析して応用し、複雑な系を理解し制御するために必要なメタスキル(「批判的思考」、「システム思考」)、オリジナルな方法で価値を想像する「アントレプレナーシップ」、異なる文化の人々がその課題や状況に持ち込む多様な理解と価値を認識する能力「異文化アジリティ」の4つの高次の認知能力の育成を説く。しかし、これらを教えるには、知識内容の伝達の偏重からの拡張を図り、経験学習への移行が必要である。
経験学習(コーオプ)は、教室と現実世界での経験を統合するという点で、いかなる伝統的な学習形態とも異なる。ノースイースタン大学は、100年もの間のコーオプ教育の開発を経て、130か国以上、3300社とのパートナーシップを組み、雇用者及び学生に対するコーディネーター組織と、評価枠組み(SAIL)を構築してきた。さらには、これらを補完する準正課経験は「経験的リベラルアーツ」という正課への融合・学際プログラムへの展開や、企業内教育プログラムとしてアウトリーチとカスタマイズを実現していく。教員が新しい教育方法を備え、卒業生が母校にネットワーク活動の場を求め、大学間連携がグローバルにも境界を溶融させるというように、大学教育の姿と構造は変化と統合を続けていく。それはまさに、教育機関としての大学が社会の高度化を担う容器として、人々のダイアローグを促し、生涯にわたって学び続けるという価値創造と知識革命の時代を先導する場となることを意味する。K-12からK-60へ、ひとつの大学経営戦略の事例を映し鏡として、本邦の大学教育を振り返るとともに、私たちの手で大学と社会と時代を編み直していく希望を見出していきたい。
2020年度、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、新学期の授業運営は、所属元の組織的判断に基づきつつ教員個々が手探りで工夫を重ねることにより、開講準備が進められた。その端緒は、2万人を越えるメンバーが参加したFacebookグループ「新型コロナのインパクトを受け、大学教員は何をすべきか、何をしたいかについて知恵と情報を共有するグループ」(10月9日に「新型コロナ休講で、大学教員は何をすべきかについて知恵と情報を共有するグループ」から名称変更)で確認できる。
そこで本シンポジウムでは、COVID-19の経験をもとに、人口減少社会・グローバル化、そしてVUCAの時代の大学の存在と役割について探究する。コロナ禍から1年、SNSを通じた集合知はいかに働いたかを確認しつつ、大学における、あるいは大学のための新しいリテラシーを探究する機会としたい
シンポジスト(共同演者:岡本仁宏 、山口洋典)
https://www.consortium.or.jp/project/fd/forum/2020-2
機械学習や生成型AIは、大学教育において、より効率的な学習や個別化された学習支援、新しい教育方法の開発など、多くの可能性を秘めています。一方で、AIによる自動化が進むことで、人間の役割が変化する可能性もあります。人間らしさやコミュニケーション能力など、AIが代替できない人間の強みを生かすために、授業設計や学習課題にどのような変更が迫られるのか、考えるきっかけとしたい。
https://cybersymposium.jp/
https://doi.org/10.24729/0002000692
Since 2020, the global pandemic caused by COVID-19 infections has shaken the education and research environment. We may have experienced emergency responses to remote instruction, online access to academic conferences, etc., and realized new possibilities for university education in the age of Artificial Inteligence (AI) and digital. The emergence of Generative AI, represented by “ChatGPT,” has further impacted university education. What methods can be adopted to nurture students not only as experts but also as creators through a shift to experiential education in university chemical education and experiential education (Co-Op education) that alternates classroom learning with learning in professional workplaces.
https://main.spsj.or.jp/c5/kobunshi/kobu2023/2307.html#338
三村泰臣「CO-OP教育とキャリア開発」一般教育学会誌 15(2)(通巻第28号)144
宮澤 かおる, 米国アカデミアにおける教育研究の変遷, アメリカ教育研究, 2023, 33 巻, p. 89-109 https://doi.org/10.51050/jaaes.33.0_89
林 隆之, 大学改革政策の展開と新たな大学像の模索, 研究 技術 計画, 2021, 36 巻, 3 号, p. 257-270, https://doi.org/10.20801/jsrpim.36.3_257