2025年3月28日(金)更新
2年生秋学期のHACCPと大量調理(実践)の授業のご紹介です。
この授業では、2年生春学期に行った大量調理マネジメント(実践)などで得た知識を元に、HACCP※の考え方を取り入れた衛生管理や大量調理の要点と技法を学びます。
全6グループに分かれ、それぞれ異なる主菜の食材(肉、魚、豆、卵)とジャンル(和食、洋食、中華)の組み合わせを元に、1食当たりの栄養素の目標量や予算、食品構成などを考慮して献立を作成しました。大量調理当日は、作業指示書をもとに、グループ内で検収、下処理、調理、配膳、下膳、衛生管理などの一連の給食管理業務に対して、それぞれ担当者を決めて作業を行いました。
下処理室
回転釜
スチームコンベクションオーブン
提供
大量調理作業中に衛生管理担当者は、安全な給食が提供できるように、微生物検査、ATPふきとり検査(衛生検査)、水質・温度測定など衛生に関わる項目を測定しました。
微生物検査
ATPふきとり検査
水質測定①
水質測定②
初めての大量調理で使用する食材の量に驚き、慣れない調理器具での作業もたくさんあったと思いますが、どのグループも彩り豊かで美味しい給食を提供することができました。
実習を終えた学生の皆さんからの感想では、美味しい給食を安全に、円滑に提供するためには、給食管理についての知識はもちろんのこと、声掛けなどコミュニケーションやチームワークが欠かせないと感じたという意見が多数あげられていました。この授業を通して、栄養士としての給食管理の実践的な内容を学ぶことができたのではないかと思います。
※HACCPとは、Hazard Analysis and Critical Control(危害要因分析重要管理点)の略で、世界で標準的に活用されている衛生管理の手法です。原料の受入から製造、製品の出荷までのすべての工程において、食虫などの健康被害を引き起こす可能性のある危害要因を科学的根拠に基づき管理する方法とされています。
2025年1月24日(金)更新
皆さんは、運動時に息が上がったり、呼吸が苦しくなった経験はありませんか?運動をすると、たくさんのエネルギーが必要になるため、体内ではより多くの酸素を消費し、二酸化炭素を体外に排出しよとします。今回は、運動時の呼吸応答の単元を振り返ります。
この単元では、低強度・中強度・高強度と運動強度を高めた時の呼気量(吐き出した空気の量)および呼気ガス中の酸素濃度と二酸化炭素濃度を測定し、ガス交換の仕組みを学ぶとともに、最高酸素摂取量を推定しました。
さらに、安静時の呼吸応答からエネルギー代謝量を推定し、体内で利用されるエネルギー基質(糖質や脂質)の割合についても調べました。
実験を通して、2年生春学期に学んだ『運動生理学』(座学)の知識をより深めることができたのではないでしょうか。
まずは、運動時の呼気を集めます。収取には、ダグラスバッグという袋を用いました。
次に、呼気に含まれる酸素濃度と二酸化炭素濃度を分析します。呼気ガス分析器に表示される値を見逃さないよう皆さん集中しています。
最後に、呼気量を計測します。ダグラスバッグ内に呼気を残さないよう、必死に絞っていたのが印象的です。
2025年1月16日(木)更新
2025年を迎え、秋学期もいよいよ終盤となりました。今学期も新たな学びが展開され、その一つに「運動生理学実験」があります。この実験では、ヒトが運動している時の生体応答の測定・評価を行います。今回は、運動時の循環応答を調べる単元について振り返ります。
この単元では、低強度、中強度および高強度と運動強度を高めていった時の血圧や心拍数を測定し、運動時の心臓の働きや筋肉に血液を供給する仕組みについて学びました。
さらに、循環応答は環境条件の影響を受けることが知られていることから、人工環境制御室(温度、湿度や酸素濃度を調節できる部屋)を使用し、暑熱環境や低酸素環境が循環応答に及ぼす影響についても調べました。
次回は、運動時の呼吸応答の単元について振り返っていきます。
血圧の測定に”リバロッチ・コロトコフ法”を用いました。運動時の血管の音を聞き取るのに苦戦していたのが印象的です。
実験では、暑熱環境(室温35℃、相対湿度40%)や低酸素環境(酸素濃度16%)で血圧や心拍数の測定を行いました。
2024年10月30日(水)更新
10月11日の「キャリアデザインB」の講義では、菅公学生服株式会社の尾﨑茂社長をお招きし、特別講義が行われました。
講義では、尾﨑社長から会社経営や商品に対する思いについてお話いただくとともに、学生からの質問にも一つ一つ丁寧にお答えくださいました。
中学・高校でカンコー学生服を着用していた学生も多く、菅公学生服株式会社は、栄養科学科の学生にとって身近な企業であったようです。尾﨑社長のお話に、熱心に耳を傾けている姿が印象的でした。
2024年10月16日(水)更新
最後は大量調理マネジメントで学ぶ”主調理”の紹介です。
主調理では、検収・下処理を経た食材を献立に合わせて調理してきます。少量調理に比べ大量調理では調理時間が長く、温度変化が緩慢になるという特徴、また、水分蒸発量が少なく、加熱後の余熱が大きいため、食材が肉崩れを起こしやすいという特徴もあります。加熱処理する工程では、温度計を用いるなどして食材の中心温度が基準に達しているかを確認しながら調理していきます。これは、安心・安全な料理を提供するためにとても重要なことです。そして、忘れてはならないのが盛り付け・配膳です。盛り付け作業は、外観や味などの品質が変わりにくい料理から行います。さらに、ただ盛り付けるのではなく、50食分すべて均一に配膳する必要があります。そうすることで食品ロスをなくすことにもつながります。主調理の工程はまさに給食の醍醐味ですね。
食材が適切に加熱されているかを確認します。
ザ・給食!って感じがしますね。
均一に盛り付けるのが至難の技です!!配膳は、料理だけじゃありません!スマイルも一緒に提供してます!
2024年9月17日(火)更新
今回は大量調理マネジメントで学ぶ”下処理”について紹介します。
下処理では、検収で確認した食材の洗浄・消毒、切裁、下味を行います。洗浄の目的は、食材に付着している汚れなどの異物や有害微生物をできるだけ減らすこと、そして、衛生的で食味上も好ましい状態にすることです。そのため、葉物野菜の場合には洗浄時に1枚ずつばらし、汚れが付着していないことを確認しながら洗浄します。切裁の目的は形や大きさを揃え、食べやすくするのと同時に出来上がりをよくすること、そして表面積を広げ、熱伝導や調味料の浸透をよくすることです。食材を献立に合わせて適切な大きさに、かつ、形を揃えることは練習が必要です。
※次回はおまちかねの「主調理」について紹介予定です。お楽しみに~!!
葉物野菜は1枚1枚剥がして洗浄します!
切り込みを入れたこの切り方を
”スマイルカット”といいます!
主食:ご飯、主菜:鰆の和風あんかけ、付け合わせ:きのこと野菜の和風あん、副菜:ごぼうと野菜のマヨネーズ和え、汁物:豆腐と油揚げの味噌汁、果物:オレンジ、飲み物:麦茶。 計637kcal
2024年7月19日(金)更新
7月も中旬に差し掛かり、春学期も大詰めを迎えています。
2年生の食品衛生学実験では、身近な「水」を通して食品衛生を学ぶ課題の後半、「食品中の水と保存性」ついて学修しています。
食品中の水には、食品成分と結合している「結合水」と微生物の活動に使われる「自由水」の2つの概念が存在し、食品の保存性を考える上では「自由水」の割合が重要とされています。
実験では、小麦粉や煮干し、野菜類、味噌やようかん、イカの塩辛など、状態の異なる食品を準備して、「自由水」の割合を示す「水分活性」を専用の測定器で測定します。測定後、各食品の状態(乾燥しているのか、砂糖漬けや塩漬けなのかなど)を思い出しながら水分活性の測定結果を考察し、食品の保存において「微生物が利用できる水の状態を把握する」意義を理解していきます。
1年次の食品衛生学の講義で学んだ「水分活性」の概念。それを2年次の実験で検証する。この繋がりは学生にとってもより深い学びになるのではないでしょうか。
2024年7月11日(木)更新
私たちの生活に欠かせない「水」。日本の水道水の安全性は世界でもトップレベルと言われており、それ故に、その安全性について普段から意識することはなかなかないかもしれません。
栄養科学科2年生対象の食品衛生学実験では、水質検査を通して「水の安全性」について考える一コマがあります。実験では、家庭の水道水や池の溜まり水、あるいは市販のミネラルウォーターなど、いくつかの水をサンプルとして、水質検査の一項目である大腸菌(群)検査と塩素濃度測定を実施しました。大腸菌(群)陽性の水はあるのか、大腸菌(群)検査の結果と塩素濃度は関連があるのか、あるいは塩素濃度と安全性をどのように考えるのか、実際の水質検査を通して、身近な「水」の安全性と検査の意義を考察し、レポートにまとめます。
2024年7月11日(木)更新
7月5日の「キャリアデザインⅠ」では、昨年に引き続き、デザインとマーケティングのコンサルタントとしてご活躍されているギリシャ出身のイオアニス・チャガリディスさんをお招きし、特別講義が行われました。
「夢を現実に変える~ポジティブな思考力と変化を受け入れる力~」をテーマに、自らのキャリア形成について、全編英語でお話いただきました。「前進するために一歩後退することを恐れない」や「自分自身の最大の支持者であれ」といったポジティブな言葉が印象に残る講義でした。日本で活躍する海外出身の方から貴重なお話を伺うことができ、栄養科学科の学生にとって大変有意義な時間になりました。
2024年6月28日(金)更新
平年より2週間以上遅く梅雨入りが発表された今年の関東地方。本日も梅雨空の一日でした。
さて、夏に向けて気温が高くなり、かつ湿気の多いこの梅雨の時季、食品の保存や衛生管理の話題を耳にすることも多いのではないでしょうか。
昨今、おいしさや健康志向が注目されることの多い食品ですが、その大前提として「安全であること」は言うまでもなく、食品製造現場や調理現場でも最優先事項の一つと言えます。その安全に関わる食品衛生の基礎を学ぶ授業の一つが、現在2年生が受講している「食品衛生学実験」です。
食品衛生学実験では、身の回りの環境や食品中に存在する微生物を培養し、我々の生活環境の中にどのくらいの微生物が存在しているのかを視覚的に捉え、また培養をする上で重要な無菌操作を学び、微生物検査の考え方と手技を身に付けていきます。最初は教員に指示を仰ぐことが多かった学生たちも、回を重ねるごとに手洗いの重要性や無菌操作の意義を理解し、実験班のメンバー同士で指摘し合う光景も見られるようになりました。
日常的に微生物を培養することはなかなかないかと思いますが、その操作をする上での考え方や感覚は、調理現場においてとても重要になります。今学期、2年生は調理現場レベルで食品衛生を学ぶ「大量調理マネジメント」の実習も受講しており、2つの授業が繋がると、より深い学びになるのではないでしょうか。
2024年6月21日(金)更新
今回は大量調理マネジメントで学ぶ”検収”について紹介します。
検収作業は、大きく2つのステップに分けて行われます。第1ステップは、検収スペースの清掃・消毒です。大量調理の工程において、検収室が最も汚染度の高いスペースになります。ですが、食材を業者さんとやり取りする大切な場所でもあります。そのため、事前に作業スペースの清掃と消毒を行います。第2ステップはいよいよ検収です!作業内容は主に食材の規格・数量、期限表示、品温、品質鮮度、包装や異物の確認・点検を行います。さらに、これら確認・点検は、食材の汚染度が低い順からすすめていかなければならないというルールがあります。こうした作業は、食材提供におけるインシデント(食材の汚染、異物の混入など)を未然に防ぎ、衛生的な食材を下処理室へ送る役割があります。
※次回は「下処理」について紹介予定です。お楽しみに~!!
まずの汚染度の低い缶詰から!
鮮度、包装に異常はないか、異物はないか、しっかりチェック!
主食:ご飯、主菜:鶏肉の南蛮あんかけ、副菜付け合わせ:野菜の南蛮あん、副菜:野菜サラダ、汁物:根菜スープ、デザート:杏仁豆腐、飲み物:麦茶。 計631kcal
2024年6月19日(水)更新
6月14日のキャリアデザインⅠでは、昨年に続きミュージシャン/作詞家/音楽プロデューサーとしてご活躍のサエキけんぞうさんを講師としてお招きし、特別講義が行われました。
歯科医師としての勤務経験もあるサエキさんが、現在に至るまでどのようなキャリアを築いてきたかをお話いただき、「生身の出会い」の大切さや「バカヤロウと言われること」のありがたさなどについて、熱く、ユーモアたっぷりに語ってくださったことが印象的でした。また、ご自身の歌を披露してくださる時間もあり、学生からは拍手が沸き起こっていました。講義終了後には質問や写真撮影にも快く応じてくださり、サエキさんの優しいお人柄を感じる時間にもなりました。
芸能界で活躍する方の貴重なお話を伺うことができ、栄養科学科の学生にとって大変刺激的な時間になったのではないでしょうか。
2024年5月29日(水)更新
2024年度から2年生対象の『大量調理マネジメント(実践)』がはじまりました。本実習では、給食における「検収(数量、期限、品温、品質鮮度、包装や異物の点検)」、「下処理(食材の洗浄・廃棄部の除外)」、「主調理(加熱調理、温度管理、配膳)」を学びます。そして、安全で安心して食べられる食事を提供するため、全体を通して衛生管理を学びます。
1年生対象の『調理学実習』では4~5名程度(班員分)の調理でしたが、この実習では50名分の調理を一度に行うことが特徴です。
※検収、下処理、主調理について今後、紹介予定です。
モニターを通して,調理室、下処理室、検収室の様子を見て、学ぶことができます。
量を均一に盛り付けるのが至難の技!
主食:ご飯、主菜:鶏の照り焼き風、付け合わせ:パプリカの甘酢炒め、副菜:がんもどきと根菜の煮物、汁物:具だくさんお吸い物、果物:オレンジ、飲み物:麦茶。 計618kcal
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