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令和2年2月27日~(最新)令和2年10月13日
令和2年2月27日~(最新)令和2年10月13日
厚生労働省は13日、新型コロナウイルス感染拡大に関連する解雇や雇い止めが、見込みも含めて9日時点で6万5121人になったと発表した。業種別では製造業が前週から551人増で、前週に引き続き最大の増加数となった。
全体では前週よりも1774人増え、このうちアルバイトなど非正規労働者が約半数の884人を占めた。業種別では製造業が1万1623人で最多。飲食業1万207人、小売業8964人、宿泊業8107人、労働者派遣業4775人の順で多かった。
都道府県別では、17都道府県で千人を超えた。東京都が1万6240人で最も多く、大阪府6122人、愛知県3457人、神奈川県2868人、北海道2463人の順で続いた。
厚労省は2月から、全国のハローワークや労働局に相談があった事業所の報告を基に集計。網羅的に把握はできていないため、実際の解雇者はもっと多いとみられるほか、既に再就職した人も含まれる可能性がある。
(共同通信社)
非正規雇用の労働者と正社員の待遇格差を巡り、ボーナス(賞与)や退職金を支払わないことの是非が争われた2件の訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は13日、一部の支払いを命じた二審判決をいずれも見直し、「不合理な格差とまでは言えない」として賞与と退職金に相当する部分の請求を棄却した。
最高裁は「賞与、退職金の差が不合理と認められる場合はあり得る」とした上で「性質や支給目的を踏まえて検討すべきだ」との判断を示した。
旧労働契約法20条の定める「有期雇用による不合理な格差」に該当するかどうかが争点だった。非正規労働者は2千万人に上り、政府が進める「同一労働同一賃金」の議論にも影響を与えそうだ。
賞与について判断した大阪医科大(大阪府高槻市)の元アルバイト職員の訴訟では、賞与は労務対価の後払いや、功労報償の趣旨があり「正職員としての職務を遂行できる人材を確保し、定着を図る目的で支給している」とした。アルバイトは業務が相当軽易で配置転換もなく、職務内容の違いを考慮すれば、賞与を支給しないことは「不合理な格差」に当たらないとした。宮崎裕子裁判長ら裁判官5人一致の結論。
退職金が争点となった東京メトロ子会社「メトロコマース」の元契約社員の訴訟では「職務の内容には一定の違いがあり、正社員には配置転換の可能性もあった」と認定。不合理な格差とは評価できないとした。林景一裁判長ら4人の多数意見。行政法学者出身の宇賀克也裁判官は、退職金を支払うべきケースだとする反対意見を述べた。
(共同通信社)
大阪医科大(大阪府高槻市)でアルバイト職員だった女性が、正職員との待遇格差を是正するよう求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(宮崎裕子裁判長)は13日、格差は不合理だとして計約109万円の支払いを命じた二審大阪高裁判決を見直し、このうちボーナス(賞与)分の請求を棄却した。
旧労働契約法20条の定める「有期雇用による不合理な格差」に当たるかどうかが争点。政府が導入を進める「同一労働同一賃金」制度では、非正規雇用の労働者と正社員における待遇の違いをどこまで認めるのか曖昧な部分が多く、判決は多くの企業や労働者に影響を与えそうだ。
一、二審判決によると、女性は2013年1月に時給制で1年契約のアルバイト職員として採用され、教員のスケジュール管理などの事務を担当、ほぼフルタイムで勤務した。15年に提訴し、16年に雇い止めとなった。
18年1月の一審大阪地裁判決は全面敗訴としたが、二審は昨年2月に「賞与が正職員の支給基準の6割に満たない場合は不合理だ」と判断、夏期特別休や傷病休職制度がないことによる損害と併せて大学側に賠償を命じ、双方が上告した。
13日午後には、東京メトロ子会社の元契約社員の女性が退職金の支給を求めた訴訟の上告審判決が言い渡される。
(共同通信社)
総務省は12日、テレワークを導入している企業のうち、情報セキュリティーの明確な担当者は存在しないと答えた割合が20・8%に上ったとの調査結果を発表した。サイバー攻撃などによる被害が広がらないよう、同省は年内を目途に、安全対策の手引を改訂して対応の強化を促す考えだ。
専任の担当者やチームがいるのは計21・6%、担当者はいるが他の業務と兼務しているとの回答が55・6%だった。調査は、中小企業を中心に3万社を対象として7月下旬~8月下旬に実施した。5433社が回答、うち1569社がテレワークを導入していた。
総務省は、専任者を置く企業向けのガイドラインに加え、担当者がいなかったり兼務だったりする企業を対象に、チェックリスト方式の手引を用意。今回の調査を踏まえて改訂版を作成し、最低限のセキュリティー確保を急ぐよう求める。
テレワークは新型コロナウイルスの感染対策として急速に普及している。一部の企業で社員らが社内システムに接続する際に必要な「VPN(仮想私設網)」の認証情報が盗まれていたことが判明しており、対策が課題となっている。
(共同通信社)
75歳以上の人の医療費窓口負担について、年収240万円以上で383万円未満の人を現在の1割負担から2割に引き上げる案が厚生労働省内で浮上していることが9日、分かった。対象は十数%に当たる約190万人。菅政権として新型コロナウイルス感染拡大の状況を見つつ、全世代型社会保障検討会議などで議論し、年末までに決着を図る構えだ。
高齢者に負担増を求める「痛み」を伴う改革だけに、年収の線引きを巡っては政府、与党内や医療関係団体にも異論があり、調整を本格化させる。
75歳以上の人は約1700万人(2017年度)。医療費の窓口負担については現在、年収約383万円以上の「現役並み所得」がある人は3割となっており、約7%の約115万人いる。それ以外の人は1割負担だ。
同じく高齢者を対象にしている介護保険制度は所得の上位20%が2割負担となっており、厚労省は医療費もこれに合わせたい考えだ。80%の人は現在の1割負担を維持する案だ。
厚労省の暫定的な試算では、負担割合が1割から2割になる人が医療機関の窓口で支払う額は、年間3万5千円程度増える。その分、公費や保険料などから支払われる給付費を1千億円規模で削減する財政効果がある。
急速な少子高齢化の進展で、医療や介護、年金といった社会保障給付費は伸び続け、国の財政を圧迫している。このため政府は昨年、全世代型社会保障検討会議を立ち上げ、制度改革を議論。一定の所得がある75歳以上の人の負担割合を22年度までに2割へ引き上げる方針を決め、どこで線を引くかが焦点になっている。
財務省は、財政健全化のために引き上げ対象をさらに広くするべきだとの立場。医療関係団体は、負担を引き上げると高齢者の受診控えを招くとして対象を狭めるよう求めている。
(共同通信社)
人事院は7日、2020年度の国家公務員一般職のボーナスに当たる期末・勤勉手当の年間支給月数について、前年度より0・05カ月分少ない4・45カ月に引き下げるよう国会と内閣に勧告した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う景気減速などを背景に、民間企業のボーナス水準が公務員を下回ったため。ボーナス引き下げは10年度以来10年ぶり。勧告は、地方公務員の水準改定の参考になる。
人事院が6~7月に郵送や電話で実施したボーナス調査によると、民間の支給月数は4・46カ月。新型コロナ感染が本格化する前に夏のボーナス水準が決まった企業も多いとみられ、影響は限定的だった。勧告もこれに伴い、19年度の支給月数4・50カ月からの小幅引き下げにとどまった。
政府は給与関係閣僚会議で協議し、対応を決める。今月26日召集予定の臨時国会で必要な法改正が済めば、12月支給の冬のボーナスから適用される。
国家公務員の月給改定に関しては、民間実態調査が新型コロナの影響で遅れたことを受け、人事院が月内にも追加で勧告する。例年はボーナスと月給同時で、勧告時期がずれるのは初。都道府県などの人事委員会が地方公務員の給与に関して行う勧告も、ボーナスを先行する例が出そうだ。
人事院は、公務員の人事管理に関する報告書も国会と内閣に提出した。不妊治療と仕事の両立を巡る職場環境の課題を把握し、必要な取り組みを検討するとしたほか、18年度の意見書に基づき、国家公務員の定年を段階的に65歳まで引き上げる措置を取るよう改めて要請している。
(共同通信社)
2017年の衆院選滋賀4区の開票作業で無効票を水増ししたとして懲戒免職処分となった滋賀県甲賀市の元総務課長の男性(57)が、処分まで1年以上自宅待機を命じられながら給与などが未払いで不当だとして、市に約700万円の支払いを求めた訴訟の判決で、大津地裁は7日までに市に約589万円の支払いを命じた。
6日付の判決によると、男性は18年2月に市から自宅待機命令を受け、19年4月に免職処分を受けるまで、一部しか給与が支払われなかった。
堀部亮一裁判長は、自宅待機中に無給となる法律や条例上の根拠はないとし「事実上、懲戒処分と同様の効果をもたらす措置を講じることは許されない」と指摘。一方で市長がボーナスに当たる勤勉手当の額の基となる「成績率」をゼロと定めたことに関し「民主主義の根幹を揺るがす不正行為を行ったことからすれば、裁量権の逸脱や乱用にはあたらない」とし、勤勉手当の請求については退けた。
甲賀市人事課の担当者は「判決内容を精査し、弁護士と協議して対応する」とコメントした。
(共同通信社)
ウイルス性の劇症型心筋炎で2014年に死亡した男性調理師=当時(33)=の妻が、発病は長時間労働による免疫低下が原因として労災認定を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は1日、労災と認めた一審大阪地裁判決を取り消し、原告側の請求を退けた。
判決理由で木納敏和裁判長は、平均時間外労働が1カ月約250時間で「疲労が相当蓄積していた」と指摘。しかし劇症型心筋炎の発病メカニズムは「医学的に不明」とした上で「長時間労働が発病を招いた関係を是認し得る高度の蓋然性を認めることはできない」と述べ、国の不支給決定に違法性はないとした。
判決などによると、男性は大阪市内のレストランに勤務していた12年11月、高熱や胸痛を訴えて緊急入院。大学病院に再入院したが14年6月に死亡した。妻は療養補償などを申請したが、大阪中央労働基準監督署は同年12月に不支給とした。
19年の一審判決は、発病と過労の因果関係を認め不支給決定を取り消していた。
(共同通信社)
厚生労働省は29日、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会を開き、昨年度の取得率が7%余りにとどまった男性の育児休業の取得推進策について議論を始めた。夫婦で柔軟に取れるよう最大2回までとなっている分割取得の拡大や、夫が妻の出産直後に休みやすくする「男性版産休制度」の創設などが焦点となりそうだ。
年内をめどに結論をまとめ、来年の通常国会に育児・介護休業法などの改正案を提出する考え。
厚労省によると、現行制度では育休は1回にまとめるのが原則で、夫のみ出産後8週間までに取った場合は2回目を取得できる。これを夫婦とも複数回に分けられるようにすれば、職場や家庭の事情に応じて休みを取り、子育てや職場復帰の負担を軽減できる。
産後うつや体調不良で妻の負担が大きくなる出産直後に、夫が育休を取りやすくなる具体的な制度づくりにも着手。制度周知のため、現在は努力義務にとどまっている従業員への育休制度の説明を企業に義務付けることも検討する。
分科会で使用者側委員は「多くの人は給料が保障される有給休暇を取っており、育休の取得義務は議論すべきではない」と主張。労働側委員からは「育児が女性に偏っている現状を変えなければ、男性育休の意味がない」との意見も出た。
(共同通信社)
厚生労働省は10月1日から、自己都合で退職した人が退職後2カ月で失業手当を受け取れるよう給付制限を1カ月短縮する。安易な退職を防ぐため設けてきたが、転職が一般的になる中、給付をこれまでより早く始め、安心して再就職活動や資格取得をできるよう環境を整備するのが狙い。
失業手当は、解雇やリストラなどの会社都合では申請後1週間で支給されるが、自己都合の場合は3カ月間の制限を設けてきた。在職中に再就職先を見つけるか、3カ月分の生活費を確保しておくかしないと退職しにくく、特に賃金の低い若者の転職を阻む要因だと指摘されてきた。
制限緩和の対象は10月1日以降に自己都合で退職した人。5年間で退職2回までは2カ月で失業手当を支給する。9月30日以前の退職や3回目以降の退職は、従来通り3カ月の制限をかける。
経団連は昨年9月に、不足する産業に人材を集めるため、制限を短くするよう提言。1984年に3カ月となるまでは制限が1カ月だったこともあり、昨年末に厚労省の審議会が期間短縮を求める答申をまとめていた。
2年後をめどに制限緩和の効果や雇用保険財政への影響を検証する。
(共同通信社)
厚生労働省の労働政策審議会分科会は25日、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする改正高年齢者雇用安定法を巡り、企業が守るべき事項を盛り込んだ指針をまとめた。新たに法律の対象となった働き方である業務委託を選択する場合、雇用関係がなくなって労働関係法令が適用されないため、保護策を講じるよう求めた。
改正法は今年3月に成立し、来年4月の施行に向け指針づくりを進めてきた。
指針では業務委託や社会貢献事業を就業確保策として実施する場合、労使の合意を得るのが望ましいとした。その上で(1)個々の高齢者の希望を踏まえつつ、適切な業務量や頻度による契約を結ぶ(2)契約変更の際に高齢者に支払う金銭や納期の取り扱いについて労使間で十分に議論する(3)事業主が指揮・監督をせず、業務依頼や指示への高齢者の諾否の自由を拘束しない-ことなどに留意するよう求めた。
(共同通信社)
熊本県の公立小学校の教諭だった男性(53)が、脳出血で寝たきりになったのは過労が原因だとして、公務災害と認めなかった決定の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁(増田稔裁判長)は25日、過労による公務災害に当たると認定し、請求を棄却した一審熊本地裁判決を取り消した。
高裁判決によると、男性は2011年12月、勤務中に体の異変を感じて帰宅した後意識を消失。脳出血と診断され、寝たきりになった。地方公務員災害補償基金熊本県支部に公務災害認定を請求したが、退けられた。
今年1月の一審判決は、発症前1カ月間の残業時間が基準に達していないことなどを根拠に請求を棄却した。高裁は、プリント作成など、自宅での労働時間を一審より多く認定し「長期にわたる長時間労働による身体的、精神的負荷が脳出血を引き起こした」と判断。公務災害と認めなかった決定を取り消した。
(共同通信社)
同僚らからセクハラやパワハラを受けたとして、徳島市の郵便局に勤務する30代女性が損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、高松高裁(片田信宏裁判長)は25日、同僚2人に計30万円の支払いを命じた。2人に計40万円の賠償を命じた一審徳島地裁判決の一部を取り消した。
判決によると、女性は2016年6月、労働組合の歓送迎会で、同僚の男性2人から性的な質問などを受けた。女性がこのことをフェイスブックに投稿すると、うち1人から「ええかげんにせえ」「埋める」などと言われた。
判決理由で片田裁判長は一審判決と同様、2人が一体となって性的な発言をしたことは「人格権を侵害する違法な行為」と指摘し、セクハラと認定。一方、女性が看護学校で学んだことなどに関し、うち1人が執拗に性的な質問を繰り返したという原告側の主張については「的確な証拠がない」として認めず、賠償額を減額した。
(共同通信社)
厚生労働省は24日、新型コロナウイルス感染拡大に関連して解雇や雇い止めされた5万9673人(18日時点、見込みを含む)について、詳細な分析結果を発表した。業種別では飲食業が9814人と最多で、前週から2278人増えた。このうちアルバイトなど非正規労働者が1898人を占めた。全体では11日時点から4856人増加。このうち約77%に当たる3762人が非正規だった。
業種別では、飲食業に続き製造業が534人(うち非正規152人)増の9561人、小売業が1443人(同1225人)増の8526人だった。
都道府県別では、東京都が1万5745人で最多だった。大阪府が5388人、愛知県が3273人と続いた。
厚労省は2月から各地の労働局やハローワークに相談があった事業所の報告に基づき、解雇や雇い止めの人数を集計している。ただ労働局などが把握している人数に限られるため、実際はもっと多いとみられる。
厚労省は24日午前、23日時点の解雇や雇い止めが見込みも含めて6万439人になったとの速報値を明らかにしている。
(共同通信社)
厚生労働省が24日公表した8月の労働経済動向調査(年4回公表)によると、4~6月に一時休業や残業規制といった雇用調整を実施した事業所は1~3月期に比べ12ポイント増の49%で、リーマン・ショックの影響が出た2009年4~6月期と並び過去最高となった。7~9月期に実施予定の割合も39%と高く、新型コロナウイルス感染拡大で社会経済活動が停滞したためとみられる。
雇用調整は、事業の拡大、縮小や景気に応じて事業主が働く人数を増減させることで、同調査では解雇や雇い止めに加え、出向や配置転換も含めた計9項目を集計している。
内容別では残業規制が23%と最も高く、振り替えなどによる休日増17%、一時休業17%と続く。解雇や雇い止め、新卒採用に大きな変動はないが、中途採用の削減・中止は8%と4ポイント増えた。
中でも一時休業は13ポイント増えており、厚労省の担当者は「緊急事態宣言による飲食店の営業自粛や工場の稼働休止の影響ではないか」と分析する。
業種別では、製造業や宿泊・飲食サービス業、生活関連サービス・娯楽業の3業種が64%と最も高く、他業種は30~40%台だった。
(共同通信社)
過労死・過労自殺の現状や国が進める防止対策をまとめた2020年版「過労死等防止対策白書」の概要が24日、判明した。15、16年度に仕事が原因の精神障害で自殺、労災認定された人の職種を分析した結果を掲載。専門・技術職と管理職で全体の5割超を占めた。また、自殺する前に医療機関を受診していなかった人も6割に上った。白書は10月に閣議決定される見通し。
白書の概要によると、15、16年度に過労自殺で労災認定された167人を調査したところ、研究者やエンジニアなどの「専門的・技術的職業従事者」が67人、企業の課長などの「管理的職業従事者」が25人だった。その他は事務従事者が24人、販売従事者が18人などだった。
167人のうち60・5%の101人は、自殺する前に医療機関の受診歴がなかった。
また、10~17年度、業務に起因する脳・心臓疾患になったケース計2280件を分析した結果、発症前6カ月の負荷要因として労働時間以外で「拘束時間の長い勤務」「交代勤務・深夜勤務」などが多かったことも分かった。過労死や過労自殺による労災認定件数は10~19年度、ほぼ横ばいだった。
国は対策方針をまとめた過労死防止対策大綱で、1週間の労働時間が60時間以上となる従業員の割合を「20年までに5%以下」とする目標を掲げている。近年は減少傾向にあるが、19年はまだ6・4%だった。
厚生労働省が民間企業に委託、実施したアンケートでは、労働者の多くが過重労働防止に向け「人員を増やす」などの対策を求めたが、企業側から「人員不足のため対策を取ることが難しい」といった意見が出た。
(共同通信社)
日本郵便の元契約社員の男性(39)が、正社員と同じ仕事内容なのに休暇に格差があるのは違法だとして損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷は24日、双方の意見を聴く上告審弁論を開いた。山口厚裁判長は、同社の契約社員が起こした他の2件の訴訟と同じ10月15日に判決期日を指定した。3件は高裁段階での判断が異なっており、最高裁が統一判断を示すとみられる。
3件は東京、大阪、佐賀の各地裁に起こされ、いずれも、休暇や手当の違いが不合理かどうかが争われた。24日に弁論が開かれたのは佐賀訴訟で、二審福岡高裁は、契約社員に夏期・冬期休暇がないのは違法だとして賠償を命じていた。
日本郵便側は「契約社員と正社員は果たすべき役割に本質的な違いがあり、休暇を手厚くするのは会社への貢献を動機付ける意味がある」と主張。男性側は「社会全体を見れば、お盆や年末年始に休んで帰省する慣習があり、この時期に働く負担は正社員も契約社員も変わらない」と訴えた。
(共同通信社)
厚生労働省は24日、新型コロナウイルス感染拡大に関連する解雇や雇い止めが、23日時点で見込みも含めて6万439人になったと明らかにした。5万人を超えた8月31日時点から20日余りで1万人増えており、増加のスピードが若干速まった。雇用情勢が好転する兆しは見えず、失業者増に歯止めがかからない状況だ。
解雇や雇い止めは5月21日に1万人を、6月4日に2万人を超えた。それ以降は1カ月前後で1万人のペースで増加していた。経済停滞が長期化し、企業が持ちこたえられず解雇や雇い止めにつながった可能性もある。
厚労省が15日に発表した解雇、雇い止めの集計(11日時点)によると、産業別では製造業、宿泊業、飲食業、小売業、労働者派遣業の順に多かった。都道府県別では東京都が最多。大阪府、愛知県、北海道、神奈川県と続いた。
厚労省は2月から各地の労働局やハローワークに相談があった事業所の報告に基づき、解雇や雇い止めの人数を集計している。ただ労働局などが把握している人数に限られるため、実際はもっと多いとみられる。
(共同通信社)
厚生労働省が所管する労働分野について、2021年度予算の概算要求の概要が23日、分かった。新型コロナウイルス感染拡大に伴い急速に普及したテレワーク環境の整備など、柔軟な働き方の促進に20年度当初予算の5倍強となる34億円を計上。悪化している雇用情勢の改善と就業機会の確保対策も重視した。
政府は感染防止や働き方改革としてテレワークを一層推進する方針。関連予算ではパソコンや通信機材の購入費、社内規定の改定などで必要な専門家への相談費用に助成する。
このほか、人手不足となっている介護・福祉分野への就職を促すための支援として53億円も盛り込んだ。立場の弱い非正規労働者や新卒者の就職では、個別の相談に乗るスタッフの配置などに53億円を積み増し、716億円とした。
労働者が安全で健康に働くことができる職場づくりの推進にも293億円を計上。職場での感染防止対策や残業抑制に取り組む中小企業への助成金などに充てる。
新型コロナ対策では、具体額を決めない「事項要求」も多く、今後さらに額は膨らむ見通し。
(共同通信社)
夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は憲法が禁じる「信条による差別」に当たるとして、広島市の女性医師(64)が国に50万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、広島高裁(横溝邦彦裁判長)は16日、憲法違反には当たらないとして請求を棄却した一審広島地裁判決を支持し、原告側控訴を棄却した。
横溝裁判長は判決理由で「制度変更に当たっては慎重な検討が必要。夫婦同姓には一定の意義がある」と指摘。結婚する際に夫婦どちらかの姓を選べることから「規定が結婚を不当に制約しているとまでは言えない」とした。
一方、昨年始まった通称として旧姓を併記する制度には一部金融機関で利用できないなど限界があることや、国連女子差別撤廃委員会から制度改変を求める勧告が出ていることを踏まえ「国会には真摯な議論が期待されている」と付言した。
原告は恩地いづみさん。「女性の社会進出を背景に別姓制度を求める声は高まっている」と訴えたが、裁判長は「国民の意思と言えるまでには至っていない」と退けた。
夫婦別姓を巡っては、2015年に最高裁大法廷判決が、民法規定に男女の不平等はないとし、合憲と判断した。
判決後の記者会見で恩地さんは「妻か夫が名前を失わなければいけないのは不平等だ。議論を進めてほしい」と訴えた。
(共同通信社)
北九州市立総合体育館(八幡東区)の管理に従事し、肺がんを患って2013年に死亡した男性=当時(78)=の遺族が、体育館のアスベスト(石綿)対策を怠ったのが原因だとし、市と、雇用した管理会社に損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁(徳地淳裁判長)は16日、体育館の安全性が不十分だったとして市と会社の責任を認め、計2580万円の支払いを命じた。
判決後に記者会見した原告弁護団は「石綿が使われた建物を保有・管理する自治体の責任が認められた判決は例がない。被害者の救済に非常に意義がある」と述べた。
判決によると、北九州市の二見修夫さんは、設備管理を請け負う太平ビルサービス(東京)の社員として、1990~2005年に体育館で勤務。肺がんを患って肺の一部を切除し、13年9月に肺炎による疾患で死亡した。体育館の建材には石綿が使われており、除去工事は06年だった。
判決は、体育館の石綿が肺がんを引き起こし死亡につながったと判断。「勤務を始めた90年の時点で、石綿の危険や除去の必要性は広く認識されていた」とし、市の責任を認めた。太平ビルも対策を怠ったと指摘した。
北九州市は「判決を精査し、対応を検討する」とした。太平ビルサービスは「判決の詳細を把握していないためコメントできない」としている。
(共同通信社)
経団連は15日、会員企業の新卒採用活動に関する調査結果を公表した。新型コロナウイルス感染拡大を受けて2021年度入社の採用で導入が相次いだウェブ面接は、22年度入社以降も活用するとの回答が51・6%に上った。
活用の内訳は21年度と「同程度」が34・9%、「さらに活用」が16・7%。ウェブ面接には企業、学生ともに賛否両論があるが、今後も約半数の企業が継続する方針を示した。
21年度入社では、最終面接を含め全てウェブ面接を実施した企業が63・8%で、1回でも実施した企業を含めると92・9%だった。ただ対面よりもウェブ面接の方が「評価が難しい」との回答も62・7%に上り、複数回答で聞いたウェブ面接のデメリットで最も割合が高かったのは「細やかな表情等が把握しにくい」の83・7%だった。メリットは「遠方の学生に有効」の96・4%が最高。
21年度入社の採用人数は79・9%の企業が「当初計画通り」と回答。コロナ禍で業績が悪化する企業が多い中で、減らしたのは18・7%だった。
調査は6月26日~7月22日に実施し、大企業を中心に442社から回答を得た。
(共同通信社)
厚生労働省は15日、2020年春卒業の大学生や高校生への採用内定取り消しが、8月末時点で76事業所、174人だったと発表した。19年春卒を対象とした調査の5倍で、新型コロナウイルス感染症拡大が大きく影響した。100人を超えたのは東日本大震災翌年の12年春卒以来、8年ぶり。入社時期が遅れたり、自宅待機になったりした学生も1210人いた。全国のハローワークを通じて集計した。
内定取り消しは解雇に相当するため、客観的で合理的な理由がない場合は無効となる。3月ごろから内定取り消しが相次いだことを受け、厚労省はハローワークに相談窓口を設置するなど対策を講じている。
174人の内訳は大学生132人、高校生が42人。業種別に見ると、緊急事態宣言による外出自粛の打撃を受けた産業が中心で、理容業などの生活関連サービス・娯楽業が42人で最多。卸売・小売業が40人、宿泊・飲食サービス業が20人と続いた。
また、入社時期が遅れるなどしたのは87事業所、1210人。内訳は大学生666人、高校生543人、中学生1人だった。このうち1184人がすでに入社済みだが、5人は入社していない。また入社が遅れた末に内定取り消しになった人も12人いた。
これまでも経済危機や災害時に内定取り消しは続発しており、リーマン・ショック後の09年春卒で447事業所、2143人、東日本大震災後の11年春卒で196事業所、598人が確認されている。
(共同通信社)
東京メトロ子会社「メトロコマース」の元契約社員と大阪医科大の元アルバイト職員が、正職員には支給される賞与や退職金がないのは違法だとして待遇格差の是正を求めた2件の訴訟の上告審弁論が15日、それぞれ開かれ、最高裁第3小法廷はいずれも10月13日に判決を言い渡すと決めた。
15日の弁論で大阪医科大の元アルバイト職員の女性は「私だけの裁判ではなく、全国の非正規労働者を背負った裁判だと感じている」と意見陳述。大学側は「職務の内容を考慮した上で労働条件を定めており、法に沿った合理的な経営判断だ」と反論した。
待遇格差を巡っては、日本郵便に関する2件の訴訟でも第1小法廷が10月15日に判決を言い渡す。手当や休暇の違いが労働契約法20条の禁じる「不合理な格差」に当たるかどうかが争点となっており、最高裁が非正規労働者の待遇に関する一定の指針を示すことになりそうだ。
(共同通信社)
日本商工会議所は14日、中小企業を対象に7~8月に実施した雇用調査の結果を公表した。「人手が不足している」とした割合は36・4%で、2019年調査から30・0ポイント低下した。15年の調査開始以来、最も低い水準。新型コロナウイルス感染症の影響で、人手不足の緩和が進んでいることが鮮明となった。
特に下げ幅が大きいのは新型コロナの影響が顕著な宿泊・飲食業。「人手が不足している」の割合は32・4%となり、19年調査から49・4ポイント下がった。運輸業は41・4%で36・8ポイント、製造業は24・3%で33・4ポイントそれぞれ低下した。
一方、地域別でみると北海道は「不足している」が53・1%と高止まりしている。中国、四国、九州もいずれも40%を超え、不足感が比較的強かった。
日商担当者は、労働人口減少や少子高齢化が進むため、不足感の緩和は一時的で、中長期では不足が続くとみている。
調査は7月16日~8月7日にかけて実施し、全国の中小企業2939社から回答を得た。
(共同通信社)
日本郵便の契約社員ら計11人が、正社員と同じ仕事をしているのに手当などの待遇に格差があるのは違法だとして損害賠償や是正を求めた2件の訴訟で、最高裁第1小法廷は10日、双方の意見を聴く上告審弁論を開いた。山口厚裁判長は、いずれも10月15日に判決を言い渡すと述べた。
2件は東京、大阪の両地裁に起こされ、2018~19年の二審判決はいずれも一部の請求を認めたが、判断に食い違いも生じた。年末年始勤務手当や夏期・冬期休暇といった待遇の違いが、労働契約法20条で禁じられている「不合理な格差」に当たるかどうかが争点。
最高裁は18年に別の待遇格差を巡る訴訟の判決で個別の項目ごとに精査すべきだとの判断枠組みを示しており、第1小法廷はこれに沿って統一判断を示す見通し。
大阪訴訟の原告側は弁論で「年末年始に働かなければならない労苦は正社員も契約社員も同様だ」と主張。東京訴訟の原告側も「従業員の半数近くを占める契約社員がいなければ郵便事業は成り立たず、格差を放置してはならない」と訴えた。
日本郵便側は「正社員は幅広い役割や重い職責を担う。同じ業務を担っているようでも役割は同じではない」と述べた。
東京都内の郵便局で働く原告の浅川喜義さん(49)は閉廷後に記者会見し「新型コロナウイルス感染症の拡大で配達が増えた。正社員には有給で90日ある病気休暇が、私たちには無給で10日しかない」と話した。
11人は東京、千葉、愛知、大阪、兵庫、広島の各都府県の郵便局で集配業務などに従事。うち1人は既に退職した。これとは別に、日本郵便の元契約社員が佐賀地裁に起こした訴訟の上告審弁論も9月24日に開かれる。
(共同通信社)
厚生労働省は8日、長時間労働が疑われる全国約3万3千事業所を2019年度に調べたところ、約47%に当たる1万5593事業所で、労使協定を超えるなどの違法残業があったとの監督指導結果を公表した。厚労省は16年度分から結果を公表しており、対象事業所に占める割合は最高だった。
残業の上限規制を柱とする働き方改革関連法が19年度から施行されたが、企業側の法令順守に問題が残る実態が浮き彫りになった。
一方、違法な残業のあった事業所のうち、過労死ラインとされる月80時間超の残業をした労働者が確認されたのは約37%の5785事業所で、16年度分以降で最少。厚労省の担当者は「法施行に伴い、各企業で長時間労働を減らそうという意識が高まっているのではないか」としている。
監督指導結果によると、違法残業のあった事業所を業種別にみると、製造業が3626カ所と最多で、商業、接客娯楽業が続いた。また、残業代の未払いも2559カ所で見つかった。
立ち入り調査した製造業の中小企業では、19人の労働者が月100時間超の残業をしていた。固定残業代を採用していたが、残業代の支払いに不足があった。
残業の上限規制は19年度から大企業に適用され、20年度からは中小企業も対象になる。時間外労働を原則として月45時間、年360時間とした上で、繁忙期など特別な事情がある場合でも時間外、休日労働で月100時間未満、複数月の平均で80時間以内に制限されている。
(共同通信社)
厚生労働省は8日、新型コロナウイルス感染拡大に関連する解雇や雇い止めが見込みも含めて5万2508人だったと発表した。4日時点。前週より3041人増加し、このうちパートやアルバイトなど非正規労働者が約77%に当たる2347人を占めた。
厚労省が2月から、全国のハローワークや労働局に相談があった事業所の報告を基に集計。報告があった事業所に限られるため、実際はもっと多いとみられる。
業種別では製造業が8670人で最多。宿泊業が7724人、飲食業が7365人、小売業が6540人、労働者派遣業が4143人だった。
都道府県別では、東京都が1万1760人で最も多かった。続いて大阪府4970人、愛知県3207人、北海道2249人、神奈川県1948人だった。
各地の労働局やハローワークに休業に関する相談をした事業所は、9万8カ所だった。
(共同通信社)
厚生労働省は7日、2021年3月に卒業を予定する高校生の求人・求職状況(7月末時点)を公表した。求人倍率は前年同期と比べ0・44ポイント低い2・08倍で、11年3月卒を対象とした調査以来、10年ぶりの低下となった。新型コロナウイルスの感染拡大が影響したとみられる。
厚労省によると、求人倍率が最も高かったのは東京都で5・93倍。大阪府が3・55倍で、広島県が2・60倍、愛知、香川両県が2・56倍だった。
最も低かったのは沖縄県で0・83倍。青森県が1・13倍、長崎県が1・18倍、鹿児島県が1・27倍、奈良県が1・29倍だった。
求人数は前年同期比24・3%減の33万5757人で、求職者数は同8・0%減の16万1666人だった。
(共同通信社)
厚生労働省が8日発表した7月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上の事業所)によると、残業代などの所定外給与は前年同月比16・6%減の1万6317円だった。比較可能な2013年1月以降、ことし5月、6月に続いて過去3番目の減少幅だった。
厚労省の担当者は「5月調査を底にして減少幅は縮小している。ただ依然として新型コロナウイルスの影響が所定外給与に大きく出ている」と分析する。
調査によると、減少幅が最も大きかったのは理美容などの「生活関連サービス」で42・1%減。続いて飲食サービス業が33・3%減、製造業が29・1%減だった。新型コロナの緊急事態宣言の打撃を受けた産業が中心となった。
所定外労働時間(残業時間)は15・3%減だった。正社員が16・1%減で、パートタイム労働者が16・7%減だった。
現金給与総額は1・3%減の36万9551円だった。正社員が2・3%減の48万6493円で、パートが前年同月と同水準の10万3766円だった。
労働者全体に占めるパートの割合は0・77ポイント低下の30・67%で、6カ月連続の減少だった。経済情勢の悪化で採用が抑えられた可能性もある。
(共同通信社)
女性の人材登用を社内外から「進めている」とする企業は42・6%にとどまることが帝国データバンクの調査で分かった。前年から7・4ポイント減った。同社は「新型コロナウイルス感染症流行による景気後退もあり、女性登用に向けた企業の動きが従来よりも鈍化している」と分析している。
調査は7月に実施。全国の約1万1700社から回答を得た。
調査によると、女性登用を「進めていない」は41%と7ポイント上昇。「分からない」も16・4%あった。登用を進めた企業に効果を聞いたところ「男女にかかわらず有能な人材を生かせた」が最多で、「女性の労働観が変化した」「多様な働き方が促進された」が続いた。
政府は「女性の管理職30%」を数値目標に掲げているが、課長級以上に占める女性は平均7・8%(前年比0・1ポイント増)で横ばいだった。女性管理職割合が「今後増加する」と見込む企業は21・7%で前年比1・9ポイント減。女性役員の割合が増加するとしたのはさらに低く、6・9%(同0・7ポイント減)だった。
業種別に見ると、小売り、不動産、サービスで高く、建設、運輸・倉庫が低かった。
政府は今夏、「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする」との女性登用目標の先送りを決定。民間でも取り組みが停滞している現状が鮮明になった。同社の担当者は「登用が進むためには、誰もが働きやすい環境整備が必要。女性の家庭での負担軽減のほか、テレワーク普及は多様な働き方につながる」としている。
(共同通信社)
新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化で厳しい雇用情勢が続く中、政府は失業を防止するため、休業中の人と人手不足に悩む企業を結びつける「雇用シェアリング」への支援を強化した。雇用維持のための助成金の利用条件を緩和。コロナ禍で同じ業種内の求人が少なくなっており、異業種間のマッチングが期待されている。
雇用シェアは「従業員シェアリング」などとも呼ばれ、「在籍型出向」として以前から雇用維持策の一つとなってきた。雇用継続が難しくなった企業から、人手不足の企業に一時的に移る仕組み。元々働いていた企業との雇用関係は維持し出向先とも契約する。
企業間の調整を担う公益財団法人「産業雇用安定センター」によると、コロナ関連で手掛けた事例は8月28日現在で161人。
観光や飲食、宿泊などでニーズが高く、外国人観光客が来なくなって仕事が激減した観光バス運転手がマスクや消毒液などの衛生用品や食料品を運ぶトラック運転手として働いた例がある。営業自粛を求められたレストランの調理師がスーパーの食材調理担当になったケースもあった。
政府は雇用調整助成金の要件を緩和しており、出向期間が3カ月以上必要だったが、短期間でも対象になるよう特例で1カ月以上に短縮した。
取り組みを支援する厚生労働省は「マッチングは無料で実施しており、活用してほしい」と呼び掛けている。
(共同通信社)
元劇団員の男性が所属していた劇団の運営元に未払い残業代や慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は4日までに、約51万円の支払いを命じた一審東京地裁判決を変更し、約185万円の支払いを命じた。一審が認定した裏方作業に加え、公演への出演・稽古も業務と認めた。判決は3日付。
裁判では、劇団員が労働基準法上の労働者に当たるかどうかが争われた。劇団側は「単なる趣味やサークル活動で、労働者ではない」と主張したが、阿部潤裁判長は、劇団が毎月支給していた6万円は労務の対価だと指摘。公演への出演や稽古についても「劇団の指揮命令下の業務と認められる」と判断した。
判決を受けて記者会見した元劇団員の末広大知さん(34)は「主張が認められた。好きなことなのだから、つらくて当然だと劇団にすり込まれていた」と話した。
判決によると、末広さんは2008年12月に都内の劇団に入団。13年からは月額6万円を受け取っていた。16年に退団した。
(共同通信社)
建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み、肺がんや中皮腫になったとして、埼玉、千葉、東京各都県の元労働者や遺族計121人が、国と建材メーカー18社に計約43億2千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は4日、国とメーカー5社の責任を認め、原告のうち112人に計約13億円を支払うよう命じた。ほか9人は作業内容などを理由に請求を棄却した。
判決で前沢達朗裁判長は、国は遅くとも法令で規制が強化された1975年10月以降、屋内作業などの際に「労働者のマスク着用を義務付け、石綿の危険性を警告するといった規制権限を行使すべきだったのに怠った」と指摘。予防策が不十分で、違法だったと認めた。メーカーは、警告しないまま石綿建材を製造販売した責任があるとし、業界シェアの高かった5社が共同で賠償するよう命じた。
原告の多くを占める「一人親方」と呼ばれる個人事業主について、国は「法律上保護される労働者ではない」と主張したが、判決は救済対象だと認定した。
弁護団の小野寺利孝団長は「国の責任が(地裁や高裁で)連続して断罪されている。国は真摯に受け止め政治的解決を決断すべきだ」と述べた。国は「主張が一部認められなかった。対応を検討する」としている。
千人以上が全国9地裁に提訴した「建設アスベスト訴訟」を巡っては、最高裁が10月、初の上告審弁論を開く。国の責任範囲や、救済の対象などで高裁判断が分かれており、統一的な基準を示す可能性がある。
(共同通信社)
厚生労働省は27日、労働者が副業、兼業をする際の注意点をまとめたガイドラインを改定する方針を決めた。長時間労働の抑制や健康確保のため、労働時間は本業分と副業分を通算して管理するが、副業分の労働時間は労働者による自己申告とするとした。9月1日から改定される見通し。
27日に開かれた厚労省の労働政策審議会分科会でガイドラインの改定案が了承された。審議会では労働側の委員から「労働者が副業先を探す際、労働時間の制約について正直に申告できるか」などと懸念が示された。
労働基準法は「事業場が異なる場合も労働時間を通算する」と定める。ガイドラインの改定案では通算の残業時間を、「月100時間未満」などと労基法が定める上限に収まるよう企業側に時間管理を求めた。
既に就労している労働者が、さらに別の企業などと雇用契約を結んだ場合を「副業」とし、本業での労働時間が所定内に収まっても通算で法定労働時間を超えた場合は副業分が時間外労働に当たると整理した。
また、通算時間が残業の法定上限に達しないように、企業と労働者が協議し、本業、副業それぞれの企業が事前に労働時間の上限を定めておけば、他の企業における就労状況を考慮しなくていいとの仕組みも提示した。
一方、フリーランスや自営業など労基法の対象とならない働き手や、企業で労働時間規制が適用されない管理職などは通算による時間管理の対象外としたが、偽装請負など実態として雇用契約と認められる場合は、使用者が責任を問われることがあるとした。
国は働き方改革の一環として副業や兼業の普及を推進、制度などの整備を進めている。9月からは副業している人の労災保険を巡り、給付の算定基準を全ての勤務先の賃金総額とする改正労災保険法が施行される。現行のガイドラインは2018年に策定された。
(共同通信社)
厚生労働省は27日、新型コロナウイルス感染対策のため、妊婦に特別有給休暇を取得させた企業向け助成金の対象期間を3カ月間延長し、12月末までとする方針を固めた。感染が収束しない中、雇用調整助成金の特例措置の期限延長に足並みを合わせた。
また小中高校が臨時休校した際、子どもの世話をするために仕事を休んだ保護者に対し、特別有給休暇を与えた企業に最大で日額1万5千円を支給する制度も同様に延長する。両制度とも利用は低調で、新たな予算は必要ない。
妊婦向け助成は、6割以上の給与を補償する有給休暇制度を9月末までにつくり従業員に周知した企業が対象となる。医師の指導に基づき休暇を取得し、休暇が5日以上20日未満の場合は1人当たり25万円を支給。それ以降は20日ごとに15万円を加算する。
一方、助成を受けるには雇い主による国への申請が必要で、ほかの従業員との公平性などを理由に利用をためらう企業も多い。野党や当事者団体は、より利用が進むよう個人による申請に切り替えるよう要望している。
(共同通信社)
厚生労働省は21日、国と自治体、民間企業に雇うよう義務付けている障害者の法定雇用率に関し、2021年3月から0・1ポイント引き上げると労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会に提案し、了承された。雇用率は企業2・3%、国と自治体2・6%になる。
法定雇用率は段階的に改定している。18年4月に、企業は当時の2・0%から現在の2・2%、国や自治体は2・3%から2・5%にそれぞれ引き上げられた。
厚労省は3月の分科会で、21年1月に引き上げる案を示した。これに対して、新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化を懸念した経営者側から「在宅勤務が広がり、障害者の業務が減った」などとして先送りを求める意見が出たため、今回新たな案を提示した。
障害者雇用促進法は障害者の社会参加を促すため国と自治体、民間企業に一定割合以上の障害者を雇うよう義務付けている。
(共同通信社)
厚生労働省は19日の参院厚労委員会の理事懇談会で、運用を停止している雇用調整助成金のオンライン申請について、月内の再開を目指すと表明した。新型コロナウイルス感染拡大で企業の業績が悪化する中、5月20日にオンライン申請をスタートする予定だったがトラブルが相次ぎ、外部の業者に原因の調査を依頼していた。
オンライン申請のシステム設計は富士通が受注し、3社に再委託した。5月20日の運用開始直後に、システムのプログラムミスで個人情報が漏えいしたため停止。再発防止策を講じたとして6月5日に再開したものの、事業者の銀行口座や従業員の給与明細が他社に閲覧される状態になり、約3時間後に停止した。
雇用調整助成金は業績が悪化し、従業員に休業手当を支払った企業に支給する。厚労省は、対象や支給内容を拡充し、雇用維持の柱として位置付けている。
(共同通信社)
パソコンやタブレット端末を使って職場外で働くテレワークの実態を把握しようと、厚生労働省は近く、数万社とその従業員を対象に大規模調査に乗り出す。本年度にテレワーク時の労務管理ガイドライン(指針)を改定するのに合わせ、現状の働き方や課題を把握するのが狙い。
政府は新型コロナウイルス対策としてテレワーク活用を促している。17日に有識者検討会を設置し、推進策や労働時間の管理方法について議論を進める。
厚労省によると、調査対象は中小企業を中心に、全国の2万社前後で調整している。企業にはテレワークの実態や問題点、要望などを幅広く探るための調査票を配布。従業員にも、テレワーク導入前との労働時間の変化や働き方の改善点をインターネットで回答してもらい、労使間の認識差を調べたい考えだ。
テレワークは通勤時間の削減や仕事と育児の両立といった利点がある一方、私生活と仕事の区分が曖昧になり、長時間労働を引き起こすとの指摘がある。そのため、現在の国の指針は例示として「時間外・休日・深夜労働の原則禁止」を盛り込んでいる。この指針は労使で合意すれば変更できるが、「働き方を縛る」と誤解する中小企業も多いという。
東京商工リサーチが7月に公表した調査結果では、在宅勤務などを一度も導入したことがない企業は資本金1億円以上で15・1%だったのに対し、1億円未満では47・6%に上った。指針が導入を妨げる一因になっているとの指摘が政府内で上がっており、検討会では新たな指針内容についても議論を進める。
(共同通信社)
京都大職員として勤務中、精神的不調により欠勤したのに正当な理由として扱わず懲戒解雇処分とされたのは違法として、50代女性が地位確認を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(大島真一裁判長)は5日、解雇無効とした一審京都地裁判決を支持し、大学側の控訴を退けた。
判決によると、女性は京大に勤務していた2015年から精神的に不安定になり、17年3月から長期間欠勤。適切な手続きをせずに欠勤を繰り返したとして、18年2月に懲戒解雇された。
判決理由で大島裁判長は、大学側に対し「必要な治療を勧めた上で休職などの処分を検討すべきだった」と指摘した。
京大は「判決文を見ていないのでコメントできない」としている。
(共同通信社)
厚生労働省は31日、病院の常勤医約9千人のうち、労働時間が週60時間以上と答えた人が4割近くに上るとの調査結果を発表した。週60時間働いて生じる残業時間は年に換算すると960時間に相当する。厚労省は、2024年度から勤務医一般の残業上限時間を年960時間とする方針だが、調査によると、多数の勤務医がこの上限を守れない恐れがある。
調査結果では常勤医のうち1割が、年換算で1824時間を超える残業をしていることも判明。厚労省は地域医療を担う特定の医療機関や研修医について、特例として残業の上限を年1860時間とする方向で検討している。担当者は「特例上限を下回る医師が増えるような取り組みが必要だ」としている。
働き方改革関連法で導入された残業時間の上限規制に関し、一般の労働者は19年度から適用されたが、医師は5年間猶予とされ厚労省の有識者検討会で残業上限時間などを議論。
19年3月にまとめた報告書で上限時間を具体的に定め、健康確保措置として勤務間インターバルの導入や、連続勤務が28時間を超えないようにすることを義務付けることを盛り込んだ。
厚労省は19年9月、全国の医師約14万人を対象に勤務実態を調査、2万人余りから回答があった。このうち病院で週4日以上働く常勤医約9千人について労働時間を分析した。
また厚労省は、医師の働き方改革が地域医療に及ぼす影響に関する調査結果も公表。都市部に近い大学と地方大学の二つの大学病院における医師の勤務状態を調べると、大学病院と他の医療機関を兼務する医師について、合算した労働時間が上限を超えるケースが出ていると指摘した。
(共同通信社)
厚生労働省は31日、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会に、希望する人が70歳まで就業する際、企業の留意事項をまとめた指針案を示した。高齢者が業務委託で働いたり、社会貢献事業に従事したりする場合、業務量を適切に調整するなどの保護策を求めている。雇用関係がなくなり労働関係法令が及ばないため。今後、議論を進める。
先の通常国会で改正高年齢者雇用安定法が成立。希望する人が70歳まで働けるよう企業に就業機会確保の努力義務を課す内容で、法成立を受け指針案をまとめた。
改正法では、定年延長・廃止、継続雇用制度の導入という従来の制度のほか、フリーランスを希望する人への業務委託や、自社が関わる社会貢献事業に参画させることなども選択肢に加えた。
指針案では、どの選択肢を採用するか「労使間で十分に協議し、高齢者のニーズに応じることが望ましい」と明記。
業務委託や社会貢献事業は(1)個々の高齢者の希望を踏まえつつ、適切な業務量や頻度による契約を結ぶ(2)契約変更の際は、金銭や納期の扱いについても労使間で十分に協議する(3)事業主は指揮・監督せず、業務の依頼に対する高齢者の諾否の自由を拘束しない-ことなどに留意するよう定めた。
改正法は来年4月に施行される。
(共同通信社)
トヨタ自動車の男性社員=当時(40)=の自殺を巡り、労災認定するよう求めた男性の妻の請求を棄却した29日の名古屋地裁判決は、男性が発症したうつ病について「業務との因果関係は認められない」と指摘した。原告側は控訴する方針。
井上泰人裁判長は判決理由で、業務内容が変わり目標を実現できない中、上司からの叱責が続き相談しにくい状況だったとしたものの、「仕事量が著しく増えたり、常時緊張を強いられたりする状態ではなかった」と判断。
上司の言動にも人格否定や執拗さはなかったとした上で、「心理的負荷が精神障害を発病させる程度の強度とは言えない」と結論付けた。
妻は判決後に記者会見し「夫を思いながら、きっと勝てるという気持ちで今日を迎えた。悔しさでいっぱいです」と話した。
豊田労基署を管轄する愛知労働局は「国の主張が認められた。今後とも適正な保険給付に努める」とコメントした。トヨタは「ご遺族には改めてお悔やみ申し上げる。判決に対しては、弊社は裁判の当事者でないため、コメントは差し控える」とした。
判決によると、1990年にトヨタに入社した男性は09年10月ごろうつ病となり、10年1月に豊田市内の雑木林で首つり自殺した。豊田労基署は12年、「業務上の疾病に該当しない」として労災補償の不支給を決めた。
(共同通信社)
東京メトロの子会社「メトロコマース」の元契約社員と、大阪医科大の元アルバイト職員が、正職員との待遇格差の是正を求めて起こした2件の訴訟で、最高裁第3小法廷は28日、上告審弁論をいずれも9月15日に開くと決めた。2件はそれぞれ、非正規職員に対する退職金と賞与の在り方が主な争点で、最高裁の判断が注目される。
9月には第1小法廷も日本郵便の待遇格差を巡る訴訟の弁論を開く。一連の労働訴訟を通じ、最高裁が非正規職員の待遇に関する一定の指針を示すことになりそうだ。
メトロコマースの訴訟で東京高裁は「長期間勤務した契約社員に退職金の支給を全く認めないのは不合理」と判断。金額は正社員と同じ基準で算定した額の「少なくとも4分の1」とした。大阪医科大の訴訟でも大阪高裁が「アルバイトに全く賞与を支給しないのは不合理。本来なら約6割分が支給されるべきだ」と認定した。
最高裁が弁論を開くのは二審の結論を変更する際に必要な手続きのため、両高裁判決が見直される可能性がある。ただ第3小法廷は2件とも、原告、被告側双方の上告申し立てを受理しており、どちらに有利な結論になるかは見通せない。
(共同通信社)
日本郵便の契約社員が、正社員と同じ仕事をしているのに手当などの待遇に格差があるのは違法だとして、損害賠償などを求めた3件の訴訟で最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は16日、双方の意見を聴く上告審弁論を9月にそれぞれ開くと決めた。休暇や手当など個別の項目ごとに、支給すべきかどうかの考え方が3件の高裁判決で分かれており、最高裁が統一判断を示す見通しだ。
いずれも、待遇の違いが労働契約法20条で禁じられている「不合理な待遇格差」に当たるかどうかが争点。
最高裁は2018年、別の待遇格差を巡る訴訟の判決で、賃金総額での比較だけではなく、手当など個別の項目ごとに妥当性を精査すべきだとの判断枠組みを初めて示しており、今回もこれに沿って項目ごとに判断するとみられる。
3件は東京、大阪、佐賀の各地裁に起こされ、18~19年に東京、大阪、福岡の各高裁が判決を出している。上告審弁論は東京、大阪訴訟が9月10日、佐賀訴訟は同24日に開かれる。
年末年始勤務手当の不支給や、夏季冬季休暇、病気休暇などの取得が認められないことが違法かどうかで判断が分かれていた。
(共同通信社)
厚生労働省は10日、新型コロナウイルスに感染したが経路が特定されていない小売店販売員について、接客中に感染したとして労災認定したと明らかにした。厚労省によると、感染した場合は原則認定するとしている医療、介護従事者を除き、経路不明で認定された初めてのケースになる。
厚労省は、クラスター(感染者集団)が発生した飲食店の店員や、感染した同僚と同じ作業車に同乗していた建設作業員といった認定事例もホームページで公表。加藤勝信厚労相は「こうした事例を参考に、業務で感染した場合は積極的に労災申請してほしい」と呼び掛けている。
労働基準監督署が小売店販売員の労災申請を受けて調査したところ、発症前14日間に連日数十人を相手に接客。私生活では日用品の買い物や散歩でしか外出していなかった。医療専門家からの「接客中の飛沫や接触による感染が考えられる」との意見も踏まえ、業務中の感染と判断した。
厚労省は4月、全国の労働局への通達で、医療、介護従事者は業務外での感染が明らかな場合以外は原則として労災保険の給付対象になるとの方針を示した。また、スーパーの店員、バスやタクシーの運転手、保育士など「顧客との近接や接触機会が多い職場」は感染リスクが高いとし、柔軟に対応するとしている。
(共同通信社)
厚生労働省は9日、個人が任意で入る個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」に関し、勤務先が「確定給付企業年金」に加入している会社員の掛け金を月最大2万円に引き上げる方針を示した。現行は月最大1万2千円に制限されており、上限額の引き上げで加入を促進したい考えだ。
厚労省が社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会に提示した。与党や財務省と調整し、2022年度以降に導入する。
イデコは公的年金に上乗せする私的年金で、個人が掛け金を払い運用実績に応じて将来の受取額が決まる。加入者は今年3月末時点で約156万人にとどまっており、政府は老後に向けた資産形成のため加入を推進している。
先の通常国会で年金制度改革関連法が成立し、22年10月からは希望する全ての会社員がイデコに入れるようになる。これに合わせる形で、イデコへの掛け金の上限を広げることにした。
確定給付企業年金は勤務先が掛け金を拠出し、会社員はあらかじめ約束された金額を将来受け取る。この掛け金に上限はないが、イデコと併用する際は合わせて5万5千円以内とする。
(共同通信社)
京都市の設計会社の契約社員だった60代女性が、正社員登用試験を巡る上司らの発言でうつ病になったのに、休業補償を不支給とした京都上労働基準監督署の処分は違法だとして取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(小西義博裁判長)は3日、原告敗訴の一審京都地裁判決を取り消し、請求を認めた。
判決によると、2007年に契約社員として採用された女性は、社長から正社員になるよう勧められ、登用試験申請のために英検2級などに合格。だが14年1月の面談で、上司から登用試験に推薦しないと言われたり、社長から合格は難しい旨を伝えられたりした。落胆した女性はうつ病と診断され、休職と復職を繰り返した。
国側は、女性が病気になったのは性格が主な原因などと主張。しかし小西裁判長は判決理由で、上司の発言は女性にとって「予想外の不意打ちで、配慮を著しく欠いた」と指摘、社長の対応も不適切だったとした。その上で女性の病気は業務が原因で、不支給処分を違法と判断した。
(共同通信社)
政府は3日に未来投資会議を開き、新たな成長戦略の案を示した。キャッシュレス決済の普及を阻害しているとして銀行間手数料の引き下げを求めるほか、兼業・副業の労働時間を把握しやすくして多様な働き方を後押しする。巨大IT企業の影響力が増すデジタル広告では、取引の公正性や透明性を確保するためのルールを整備する。
取引関係で不利な立場に置かれた企業の事業環境を改善するとともに、人材を確保しやすくして、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けている国内経済の活性化につなげたい考えだ。7月中旬に閣議決定する見通し。安倍晋三首相は会議で「働く人の目線に立ち、安心して働くことができる環境を整備する。(キャッシュレスは)速やかな対応を図る」と述べた。
成長戦略案では、40年以上も変わっていない銀行間の送金手数料が、店舗に売上代金を送る際にキャッシュレス決済事業者が支払う振込手数料が高止まりしている原因だとして、金融業界に対して合理的な水準への見直しを求めて改善を図る。
米グーグルなど巨大IT企業の存在感が強まるデジタル広告市場について、取引内容の不透明性や、広告閲覧数の水増しが横行するといった不満が取引先企業などから出ている。このためサービスの透明性や公正な競争環境を整える。
副業や兼業は、本人の自己申告を基に本業の企業が労働時間を把握できるようにする。虚偽申告などにより本業と副業の通算で設定された時間を超過しても、本業の企業に対して責任は問わない方針。厚生労働省の労働政策審議会で議論し、秋までの結論を目指す。
未来投資会議はメンバーなどを拡大して7月下旬に次回会合を開き、新型コロナを踏まえた新たな国家像などについて議論を始める方針だ。
(共同通信社)
東京都福生市の公立福生病院の男性職員(60)が適応障害を発症したのは上司のパワーハラスメントが原因だとして、病院の運営団体に約540万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁立川支部がパワハラを認定し、慰謝料など計約200万円の支払いを命じる判決を言い渡したことが分かった。男性らが2日、都内で記者会見し明らかにした。判決は1日。
判決によると、男性は病院の医事課長だった2016年10月~17年2月、会議などの場で当時事務次長だった男性から「何一つできもしない一番程度の低い人間」「うそつきと言い訳の塊」「生きている価値なんかない」などの暴言を繰り返し受け、眠れないといった症状を訴えるようになり、適応障害と診断されて一時休職した。
地裁支部は暴言について「業務の適正な範囲を超えて精神的苦痛を与えるものだ」と認定。慰謝料100万円や、休職中の減収分約70万円などの支払いを命じた。
原告男性は会見で「病院側に謝罪してほしい。他の職員も被害を受けており、再発防止のため全体像の調査が必要だ」と訴えた。病院を運営する福生病院企業団は「判決文を受け取っておらずコメントできない」としている。
(共同通信社)
パート社員として勤務する大阪府岸和田市の東証1部上場の不動産会社「フジ住宅」で、ヘイトスピーチに当たる民族差別的な文書を配布され精神的苦痛を受けたとして、在日韓国人の50代女性が同社と男性会長(74)に計3300万円を求めた訴訟の判決で、大阪地裁堺支部(中垣内健治裁判長)は2日、計110万円の支払いを命じた。
判決は「労働者の国籍によって差別的扱いを受けないという人格的利益を侵害するおそれがあり違法だ」と判断。原告側弁護団は、職場での「ヘイトハラスメント」を認めた司法判断だと評価した。
判決などによると、女性は2002年から勤務。13年ごろから社内で業務とは無関係に、中国や韓国を非難する表現を丸印や波線で強調した書籍や雑誌が配布された。また15年に女性が提訴した後、社内で訴訟に関する説明会が開かれ「温情をあだで返すばか者」「彼女に対して世間から本当の意味でのヘイトスピーチが始まる」など女性を誹謗中傷する旨の社員の感想文が配られた。
中垣内裁判長は判決理由で、資料配布は原告個人に向けられた差別的言動とはいえないとする一方、原告の名誉感情を害し、差別的取り扱いを受けるのではと危機感を抱かせると指摘。「労働契約に基づく従業員教育としては、人格的利益侵害のおそれが社会的に許容しうる限界を超えている」と違法性を認めた。
また感想文配布についても、原告が提訴したことを従業員に周知し批判するもので「裁判を受ける権利を抑圧し、職場で自由な人間関係を形成する自由を侵害した」と判断した。
会社側は「表現の自由の範囲内だ」と請求棄却を求めていた。
(共同通信社)
2015年に北海道立稚内高(稚内市)の男性教諭=当時(34)=が自殺したのは、先輩教諭のパワハラが原因として、仙台市在住の両親が北海道に計約7070万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は1日、先輩教諭への適切な指導を怠った校長と教頭の安全配慮義務違反を認定し、道に約2530万円の支払いを命じた。
中島基至裁判長は判決理由で「自殺の原因は教師としての自信を喪失させるような先輩教諭の度重なる注意にあった」と認定。「校長らが先輩教諭に自制を促し、男性との接触機会を減らしていれば、自殺することはなかった」と判断した。
一方、先輩教諭の注意は(1)執拗だったが生徒指導に関する内容だった(2)校長らから男性がうつ状態になったと知らされずに行われた-として不法行為に当たらないとした。
判決によると、男性は13年に同校の定時制に赴任。仕事に関し先輩教諭に注意を受け、15年6月にうつ状態と診断された。同7月に再び注意を受けた後に自殺した。遺書には「仕事のミスで周囲にわびる日を繰り返し、消えたくなる気持ちでいっぱいだった」と記していた。
北海道教育庁の池野敦総務政策局長は「今後の対応については、判決書の内容を十分検討し判断したい」とのコメントを出した。
(共同通信社)
政府は23日、個人事業主などフリーランスで働く人を保護するため、労災保険に加入できるよう制度を改正する方針を固めた。現在例外的に加入できる人もいるが、対象を拡大する。政府が25日に開く全世代型社会保障検討会議の中間報告に明記する。政府は多様な働き方としてフリーランスを推進しており、仕事でけがや病気になった場合でも公的な補償を受けられるようにする。
フリーランスで働く人を巡っては、新型コロナウイルスの感染拡大を受け補償など法的保護が不十分な実態が浮き彫りになり、改善を求める声が高まっている。政府試算では、フリーランスは462万人に上る。
労災保険は原則企業などに雇われた人が対象。フリーランスのような自営業者でも労働者と似た働き方をしていると認められる場合、例外的に「特別加入制度」が設けられている。現在は個人タクシーの運転手や建設現場の一人親方などの職種に限られている。
政府が25日にまとめる全世代型社会保障検討会議の2回目の中間報告に「フリーランスとして働く人の保護のため労災保険のさらなる活用を図るべく、特別加入制度の対象拡大等について検討する」と盛り込む。
厚生労働省が今後、制度の詳細を設計して省令を改正する方針だ。
俳優らでつくる協同組合「日本俳優連合」が、芸能分野で働くフリーランスを加入対象とするよう求めていた。
政府の全世代型社会保障検討会議は昨年末に中間報告を作成。今月に最終報告を取りまとめる予定だったが、新型コロナの影響で年末に延期した。今回の会議では、フリーランス保護の強化に向けたルール整備などを取り上げ、2回目となる中間報告をまとめる。
(共同通信社)
新型コロナウイルス感染拡大を受け、勤務先から休業手当を受け取れない労働者向けの給付金を新設する雇用保険法の臨時特例法が12日の参院本会議で、全会一致により可決され、成立した。厚生労働省は7月末までの支給開始を目指す。
中小企業で働く人が対象。自分で直接申請する。休業日数に応じて休業前の賃金の80%を受け取れる。上限は月額33万円。週20時間未満の短時間労働者にも同じ条件で支給される。
業績悪化などにより労働者が休業させられた場合、企業に休業手当の支払いが義務付けられている。しかし企業の手元に運転資金がないなどの理由で、休業手当をもらえない労働者が相次いでいることから給付金を新設した。
給付金に関し、加藤勝信厚労相はこの日の記者会見で、今後1カ月以内に受け付けを始めると述べた。申請を受け、2週間程度で支給する方針だ。
新型コロナの影響で求職活動が長期化することに対応するために、失業手当の給付日数も原則60日延長する。基本的に失業手当は90~330日受給することができるが、最長で360日とする。
(共同通信社)
長時間労働を強いられたとして、アクサ生命保険(東京)の社員が損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は10日、長時間労働を放置した安全配慮義務違反を認め、同社に10万円を支払うよう命じた。久屋愛理裁判官は、心身の不調を認める医学的な証拠はないとしたものの「結果的に具体的な疾患の発症に至らなくても不調を来す可能性があった」と判断した。
判決によると、社員は都内の営業所の部長として2015年11月~17年3月、月30~50時間の時間外労働に従事した。
長時間労働を巡っては、長崎地裁大村支部が昨年9月、具体的な病気の発症がないケースで会社側に30万円の賠償を命じた。その後、控訴審で和解した。
東大の水町勇一郎教授(労働法)は「過労死ラインと言われるほどの時間ではなく、長時間労働による病気が確認されていなくとも、使用者の安全配慮義務違反を認めたのは意義がある」と指摘。「こうした司法判断が定着すれば、健康被害の発生を予防する効果が期待できる」としている。
(共同通信社)
宇都宮市の公益財団法人「グリーントラストうつのみや」の有期雇用嘱託職員だった女性が、無期雇用への転換申請が可能になる直前に雇い止めをされたのは不当とし、地位の確認を求め提訴した訴訟の判決で、宇都宮地裁(伊良原恵吾裁判長)は10日、「女性に対する雇い止めに合理性は認められない」として、原告の訴えを認めた。
裁判で女性側は、2018年1月に法人側から、非正規労働者が有期契約を5年超更新すれば無期契約に転換できる「5年ルール」について、女性が同年4月から対象になると言及され、「今回契約更新はできない」などと雇い止めを告げられたと主張していた。
判決では、女性は法人の基幹業務に携わっていたと認定。法人について「女性の雇い止めを決めた経緯や手続きの妥当性がまったく検討されていなかった」とした上で、「人員整理を目的とした雇い止めで、合理性と社会的相当性は認められない」との判断を示した。
その上で、判決は法人に対し、18年4月以降の賃金を女性に支払うよう命じた。
原告側の石田弘太郎弁護士は「雇い止めが無期転換逃れだと認められた」と話し、原告の女性は「全国の同じ境遇にいる方々には、泣き寝入りせず自分を守ってほしい」と笑顔を見せた。
被告側の法人は「今回は主張が認められず残念。今後については、判決文を読んで判断する」とコメントした。
(共同通信社)
2014年、岩手県奥州市の市立診療所の医師鈴木茂さん=当時(66)=が自殺したのは過労による精神疾患が原因だとして、鈴木さんの妻が公務災害(労災)と認定するよう求めた訴訟の判決で、盛岡地裁は5日、請求を認めた。「公務外」とした地方公務員災害補償基金岩手県支部の決定を取り消し、同支部長(達増拓也知事)に公務災害認定を命じた。
基金側はタイムカードなどから「時間外労働は長くなく負荷が過重だったとは言えない」と主張したが、中村恭裁判長は「鈴木さんは唯一の常勤医となった13年1月以降、帰宅後も常に呼び出しなどに対応できる態勢を取っていた。一年を通じ完全に業務から解放されることはなかった」と認定。「過重業務で精神疾患を発症し、自殺に至った」と結論付けた。
判決によると、鈴木さんは10年7月から診療所に勤め、14年1月に双極性障害(そううつ病)となり同6月に自殺した。妻は公務災害の認定を求めたが、基金側が16年2月に退けた。審査請求などでも結果は覆らず、18年に提訴した。
判決を受け、妻は代理人弁護士を通じて「医師の心の苦しみや悲しみを裁判所に理解していただき、ありがたく思います」とコメント。地方公務員災害補償基金(東京)は「内容を検討し、対応を判断する」とした。
(共同通信社)
厚生労働省は、「心理的負荷による精神障害の認定基準」を改正し、5月29日付で厚生労働省労働基準局長から都道府県労働局長宛てに通知した。
この改正は、今年6月からパワーハラスメント防止対策が法制化されることなどを踏まえ、今月取りまとめられた「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告を受けたもので、「パワーハラスメント」の出来事を「心理的負荷評価表」に追加するなどの見直しを行った。具体的なパワーハラスメントとしては、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等を受けたこと」や「パワーハラスメントに該当しない優越性のない同僚間の暴行やいじめ、嫌がらせを受けたこと」が該当する。
厚生労働省は27日、新型コロナウイルス感染症への不安を抱える妊婦が仕事を休みやすいよう、医師の指導を受けた妊婦に5日以上の特別有給休暇を取得させた企業に対し、助成金を創設すると発表した。妊婦1人当たり100万円が上限で、助成対象は1事業所20人まで。政府の第2次補正予算案に90億円を計上した。
厚労省は今月、男女雇用機会均等法の指針を改正。妊婦が医師の指導を受けて休みや在宅勤務を希望した場合、事業主に応じるよう義務付けた。
新たな助成金は、こうした妊婦が取得できる有給(賃金の6割以上)休暇制度を導入し、社内に周知した企業が対象。休んだ期間が5日以上20日未満の場合は1人当たり25万円を支給し、それ以上休んだ場合は20日ごとに15万円を加算する。
これとは別に、厚労省は妊婦がかかりつけ医と相談して希望する場合、分娩前にPCRなどのウイルス検査を受ける費用を全額国費で補助する。里帰り出産ができない妊産婦については育児支援サービス利用費を補助する。乳児健診を個別健診に切り替える費用も含め予算案に計177億円を計上した。
(共同通信社)
厚生労働省は26日、休業手当がもらえない労働者向けの給付金を創設するための雇用保険法の臨時特例法案を労働政策審議会(厚労相の諮問機関)に示し、了承された。今国会に法案を提出し、6月17日の会期末までに成立させる考え。雇用保険の失業手当の給付期間も原則60日間延長する。
新たな給付金は、新型コロナウイルス感染症の影響で会社から休業させられたのに、休んでいる期間の賃金が払われない中小企業の労働者が対象。正規・非正規を問わず、週20時間未満の短時間労働者も含まれる。賃金の8割(月額上限33万円)を休業日数に応じて支給する。
感染症の影響で失業者の求職活動が長期化する恐れがあるため、失業手当の給付日数を特例で延長する。通常は雇用保険の加入期間や年齢などに応じ90~330日間受け取り可能だが、受け取り期間を原則60日延ばし、最長360日にする。ただし、緊急事態宣言後に自己都合で離職した人は対象にならない。
また省令を改正し、基礎疾患がある人や妊婦、高齢者らが感染予防のために離職した場合、雇用保険法の「特定受給資格者」として失業手当の長期給付を認める。5月1日以降の離職者が対象。
(共同通信社)
2017年に栃木県那須塩原市の「栃木県西那須野自動車学校」に勤めていた男性=当時(51)=が自殺したのは、上司のパワハラが原因として、遺族が学校を運営する県交通安全協会などに約8300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、宇都宮地裁は20日、請求を棄却した。
伊良原恵吾裁判長は判決で、上司らが男性を技能検定員から外したり、同僚への態度を叱責したりしたと認めたものの「不法行為といえるほどの違法性は認められず、パワハラには当たらない」と判断。上司らの行為は「教習・検定業務の不統一を是正し、教習生からの信頼をつなぎ留めることが目的だった」と指摘した。
遺族側は、上司らに「代わりはいくらでもいる。すぐに辞表を持ってこい」と𠮟られたり、始末書を書かされたりするなど、自動車学校の組織的なパワハラがあったと主張していた。
判決によると、男性は12年から同校に勤務し、17年2月に福島県内の自宅敷地内で自殺。自宅から家族に宛てた遺書や交通安全協会宛ての文書が見つかっていた。
同協会側の代理人は「主張が認められ、安堵している」と話した。
(共同通信社)
厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者が発生した介護施設の職員に、事業所が「危険手当」を支給した場合の費用を助成する事業を18日までに始めた。施設が人手不足に陥ることを防ぎ、高齢者が必要とするサービスを続けられるよう支援することが目的。
2020年度補正予算で68億3千万円を充てた。助成金は国が3分の2、都道府県などの自治体が3分の1を負担。自治体によって具体的な開始時期は異なる。
対象は、主に特別養護老人ホーム(特養)などの入所施設や、デイサービスなど自宅から通う施設で、感染者や濃厚接触者が発生していることが条件となる。事業所が職員に配る「危険手当」のほか、マスクや消毒液といった物品購入も費用補助が受けられる。上限額は、特養が定員1人当たり3万8千円、デイサービスが1事業所当たり53万7千円。
一方、介護現場からは、感染の有無を問わず、幅広く危険手当の支給を求める意見がある。加藤勝信厚労相は15日の衆院厚労委員会で「声をしっかり承り対応していきたい」と表明。20年度第2次補正予算案への計上を検討する意向を示した。
(共同通信社)
厚生労働省は15日、新型コロナウイルスの感染拡大で勤め先から休業手当が支払われない労働者に向けた新たな給付金について、中小企業の労働者に賃金の8割程度を支給する方針を固めた。本人がハローワークに申請して受け取る。無給で休まざるを得ない労働者の生活を直接支援する。
政府は、休業手当を支払って労働者を休ませた企業に「雇用調整助成金」を支給し雇用維持を促す。だが助成金の手続きの煩雑さなどから手当を払わない企業が発生し、問題となっている。
与党内には、より高い割合の給付を求める声もあったが、他の制度との釣り合いを重視した。雇用調整助成金の利用が望ましい企業が、必要以上に新制度へ流れるのを防ぐ目的もある。上限は雇用調整助成金と同等の月33万円程度とする方針。2020年度第2次補正予算などの一般財源を活用し、パートやアルバイトといった週20時間未満の労働者も対象にする。
労働者支援のための新制度だが、一方で企業が安易に休業手当の支払いを免れようとする恐れもある。加藤勝信厚労相は15日の記者会見で「給付金が支給されたからといって(企業が手当を払う)義務がなくなるわけではない」とけん制した。
(共同通信社)
政府による緊急事態宣言の一部地域の解除を受け、経団連は「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を発表しました。
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/040_guideline1.html
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、令和2年度の労働保険の年度更新期間について、令和2年6月1日~7月10日から令和2年6月1日~8月31日に延長されます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11218.html
パートら非正規労働者への厚生年金の対象拡大を柱とする年金制度改革関連法案は8日の衆院厚生労働委員会で、与党や立憲民主党などの賛成多数により可決された。加入義務が生じる企業規模の要件を2022年から2段階で従業員51人以上として中小企業にまで広げる。
非正規労働者は国民年金だけの人も多く、厚生年金加入で将来の年金水準底上げを図る。法案は12日の本会議で可決され衆院を通過する見通し。
8日の厚労委では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う業績悪化を念頭に中小企業の保険料負担増を懸念する意見も出た。加藤勝信厚労相は「高齢期の長期化や就労の多様化を年金制度に反映させる必要がある」と意義を強調した。
厚生年金は、フルタイム勤務の人は企業規模に関係なく加入義務がある。一方でパートら短時間労働者は現在、従業員501人以上の企業で週20時間以上働くことなどが加入条件。
採決に先立ち、与党と立民などは法案の一部修正で合意。将来的な年金水準の目減りを見据え、法成立後も制度改革を検討するとの項目を盛り込んだ。
(共同通信社)
厚生労働省は25日、新型コロナウイルスの感染拡大で業績悪化した企業が従業員を休ませた場合に支給する「雇用調整助成金」の上乗せ給付について、新型コロナ特措法に基づく要請に応じて休業や営業時間短縮をしたことを条件に中小企業への助成率を10割に引き上げると発表した。経営基盤の弱い中小企業に雇用維持を強く促すのが狙いで、水準の高い休業手当の支払いや解雇しないことも条件となる。
助成金は、労働基準法で定める水準(60%)以上の休業手当を企業が従業員に支払う場合、国が一定割合を給付する仕組みだ。感染拡大を受け、すでに中小企業への助成率は通常の3分の2から解雇を伴わない場合には10分の9まで上乗せ給付している。今回の上乗せ拡大では、休業手当として従業員に賃金の100%か、助成の上限として定める日額8330円以上を支払っていることが前提となる。
政府の緊急事態宣言発令後の4月8日にさかのぼって適用する。企業経営者から引き上げ要望の強い日額8330円の上限は現段階では維持するとしている。
また、特措法に基づく休業要請を受けていない中小企業に対しても、解雇しないことを条件に、助成を上乗せし、労基法で定める60%を超える手当部分を国が全額負担する。賃金の100%の休業手当を支給した場合、会社負担分はこれまでは10%だが、特例として6%に抑える。
加藤勝信厚労相は25日、首相官邸で記者団に「感染防止のためにも長期の休業が求められている。働く人の雇用をよりしっかり守る必要がある」と上乗せの意義を強調した。
(共同通信社)
人材サービス会社のリクルートジョブズが、2020年3月度の派遣スタッフ募集時平均時給調査を公表しました。
それによると、三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は「1,580円」となり、前年同月に比べて49円減少。また、「関西エリア」の平均時給は、前年同月に比べて54円減少の「1,419円」となりました。
https://www.recruitjobs.co.jp/press/pr20200422_1210.html
人材サービス会社のリクルートジョブズが、2020年3月度の「アルバイト・パート平均時給調査」を公表しました。3月の平均時給は、前年同月比でプラスとなりました。
リクルートジョブズの発表によると、三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は「1,082円」となり、前年同月に比べて38円増となりました。また、「関西エリア」の平均時給は、前年同月に比べて39円増の「1,051円」となりました。
https://www.recruitjobs.co.jp/press/pr20200415_1208.html
大手証券会社の三菱UFJモルガン・スタンレー証券の元社員でカナダ人のグレン・ウッドさん(50)が、育児休業を取得後に従来の仕事を外され、うつ病にかかったことを理由に休職を命じられたのは不当だとして、未払い賃金や慰謝料を求めた訴訟の判決で、東京地裁は3日、請求を棄却した。
佐久間健吉裁判長は、育休取得をきっかけに仕事を外されたとする主張に対し「そのような事実は認められない」と指摘。うつ病発症後、他の仕事を提案したが、ウッドさんが断ったとした上で「従来の職務を行える健康状態にあったとは言えない」と判断した。
判決によると、ウッドさんは2015年に子どもが生まれ、育休取得。復帰後にうつ病を発症し、同社は17年10月に休職命令を出した。
判決後の記者会見でウッドさんは「非常に残念だ。私たちには、キャリアを持ちながら子どもを育てていく権利がある」と話した。
(共同通信社)
厚労省が公表した「毎月勤労統計調査 和2年2月分結果速報」によると、令和2年2月分について、一般労働者の現金給与総額は346,079円、パートタイム労働者は96,252円(時間当たり給与は1,189円)、一人当たりの所定外労働時間の平均は10.4時間、などとなっています。
詳細は、下記をご覧下さい。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r02/0202p/0202p.html
希望する人が70歳まで働けるよう企業に就業機会確保の努力義務を課すことを柱とした関連法が31日、参院本会議で自民党などの賛成多数により可決、成立した。少子高齢化の中、社会保障制度の担い手を増やすため、高齢者の就業や副業・兼業といった多様な働き方を促進する内容。2021年4月から実施する。
関連法は、高年齢者雇用安定法や雇用保険法など六つの法律を束ねた。
70歳までの就業は企業の選択肢を拡大した。定年延長・廃止や継続雇用制度の導入といった従来の制度のほかに、起業やフリーランスを希望する人への業務委託や、自社が関わる社会貢献事業に従事させることも新たに加えた。継続雇用制度では他社に転職させることも認める。
企業はいずれかの方法で就業機会の確保に努める。業務委託や社会貢献事業への従事は雇用関係がなくなるため、労使の合意を前提とする。厚生労働省は今後、合意するべき内容などを省令で定め、指針をまとめる。
副業や兼業を普及するため労災保険法も改正。仕事を掛け持ちする人の労災を認定する際、全ての勤務先での労働時間を合算して判断する新たな制度を設ける。
一方、現役時代から大幅に給料が減った60~64歳に月給の最大15%を支給する高年齢雇用継続給付制度は、25年度から給付率を下げて最大10%とする。企業による65歳までの雇用が同年度から完全義務化されるため。
雇用保険法を改正し、19年度までの時限措置としていた雇用保険の保険料率軽減を21年度まで延長する。国庫負担割合も21年度まで引き下げる。
(共同通信社)
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、厚生労働省は31日、臨時休校などの影響で仕事を休まざるを得ない保護者への休業補償について、3月31日までとしていた期限を6月30日まで延長すると発表した。4月以降も休校する学校があると見込んだ。
政府は、休校などで子どもの世話をする必要がある従業員に特別な有給休暇を取得させた企業に対し、日額8330円を上限に助成金を支給。個人で業務委託を受けて働いている人には国から日額4100円を補償するとしている。
(共同通信社)
時間外労働が長くなるほど歩合給を減らす仕組みになっていたタクシー会社「国際自動車」の賃金規則が、労働基準法に違反するかどうかが争われた訴訟の上告審判決で最高裁第1小法廷は30日、違反するとの判断を示した。
(共同通信社)
政府は、今般の新型コロナウイルス感染症により影響を受ける事業主を支援するため、雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大を今後行う予定と発表した。雇用調整助成金は、経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成する制度。
今回の措置では、助成金の支給要件を緩和すると同時に、助成率をリーマンショック時と同水準(4/5(中小企業))に引き上げる。また、雇用保険被保険者でない労働者の休業も助成金の対象に含める。緊急対応期間は、4月1日から6月30日まで。
(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10551.html
機械部品製造会社で2011年、営業を担当していた男性=当時(51)=が長時間労働で脳出血を起こし過労死したとして、遺族が勤務先などに計約6400万円の損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁(長谷川浩二裁判長)は27日、勤務先に計約1500万円の支払いを命じた。
判決理由で長谷川裁判長は「遅くとも脳出血の2カ月前の時点で著しい疲労の蓄積をもたらす業務に従事しており、勤務先は時間外労働を制限するなどして業務の負担を軽減する義務を負っていた」と指摘。
男性は亡くなる1カ月前にも月約86時間に及ぶ時間外労働に従事させられたこともあり、脳出血が起きたとして「安全配慮義務違反を認める」とした。一方、健康診断で高血圧を指摘されても受診していなかったことなどから、死亡した要因の7割は男性側の過失にあったと認定した。
判決によると、男性は1989年にサンセイ(本社・神奈川県厚木市、12年に解散)に入社し、岩手県奥州市の支社で係長として勤務。11年8月に脳出血で死亡し、12年7月に労災認定された。
男性の長男(24)は判決後に横浜市内で記者会見を開き、「裁判所は過労死が仕方のないものだと思っているのではないか。控訴して争いたい」と話した。
(共同通信社)
流通経済大(茨城県龍ケ崎市)の准教授として勤務していた50代男性が病気休職から復帰する際、大学から事務職員への職種変更を命じられたのは不当として、地位確認などを求めた訴訟の判決で、千葉地裁は25日、職種変更命令は無効とし、大学を運営する日通学園に准教授との賃金差額分約713万円などの支払いを命じた。
判決によると、男性は2001年に同大に講師として採用された。03年に助教授になり、09年に准教授と名称が変更。13年6月~14年11月末まで病気を理由に休職し、同年12月から辞令に伴い、事務職員として復帰した。
高取真理子裁判長は「採用時に求められる経歴や業績、専門性から雇用契約は職種を教員に限定していると認められる」と指摘。男性の同意も認められず、職種変更命令は無効と判断した。
流通経済大は「判決内容を見て対応を検討したい」としている。
(共同通信社)
「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険等の一部を改正する法律(令和元年法律第9号)」の公布等により、改正法の施行日(令和2年4月1日)以降の被扶養者(国民年金第3号被保険者を含む。以下同じ。)の認定にあたっては、これまでの生計維持の要件に加え日本国内に住所を有する(住民票がある)ことが要件として追加されました。
ただし、留学生や海外赴任に同行する家族等の日本国内に生活の基礎があると認められるものについては国内居住要件の例外(以下、「海外特例要件」という。)として、被扶養者(異動)届又は第3号被保険者関係届を届出いただくことで、被扶養者の認定が可能となります。
(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2020/202003/20200324.html
日立製作所の50代男性社員が上司から退職を迫られ、パワハラを受けたとして、同社に約270万円の慰謝料を求めた訴訟の判決で、横浜地裁は24日、20万円の支払いを命じた。違法な退職勧奨による精神的苦痛を認めた。
判決理由で新谷晋司裁判長は「上司は男性に対し、能力がないのに高額の賃金の支払いを受けているなどと自尊心を傷つけ、ことさらに困惑させる言動に及んだ」と指摘。「男性の意思を不当に抑圧し、違法な退職勧奨と認める」とした。
一方、この上司が、男性を叱る内容のメールを社員ら約30人に一斉に送ったことについては「部下への指導に際し配慮が十分でない」としたものの、1回だけだったなどとしてパワハラには該当しないと結論付けた。
判決によると、男性は1988年に入社し、2012年から課長としてソフトウエア関連の業務に従事。16年8~12月、上司である部長は8回の個別面談の中で、早期退職を繰り返し迫り、男性が断っても「君の能力を生かせる仕事はない」「能力がなくても高い給料を払ってくれるのが(日立の)魅力ならそう言ってほしい」などと発言した。
日立製作所は「判決内容を精査し、今後の対応を検討する」とのコメントを出した。
(共同通信社)
厚生労働省が、労働経済動向調査(2020年2月)の結果を公表しました。
「労働経済動向調査」は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の変化や問題点を把握することを目的に、四半期ごとに実施。
調査結果の概況は、下記リンクからご覧頂けます。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2002/dl/roudoukeizaidouko.pdf
人材サービス会社のリクルートジョブズが、2020年2月度の派遣スタッフ募集時平均時給調査を公表しました。
それによると、三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は「1,588円」となり、前年同月に比べて62円減少。また、「関西エリア」の平均時給は、前年同月に比べて41円減少の「1,418円」となりました。
https://www.recruitjobs.co.jp/press/pr20200319_1202.html
希望する人が70歳まで働き続けられるよう、企業に就業機会確保の努力義務を課すことを柱とした関連法案は18日、衆院厚生労働委員会で、与党などの賛成多数により可決された。19日午後の衆院本会議で採決、可決され、衆院を通過する見通しだ。
関連法案は高年齢者雇用安定法や雇用保険法など六つの法律の改正案を束ねた。高齢化や副業・兼業の増加など働き方の変化に合わせた改正となり、今国会で成立を目指し、2021年4月からの実施を予定する。
高齢者の就業機会確保は従来の定年延長や定年廃止、継続雇用制度の導入に加え、起業やフリーランスを希望する人への業務委託、自社が関わる社会貢献事業に従事させることを企業の新たな選択肢とした。企業は、いずれかの方法で希望者の就業に努める。
副業や兼業の普及を後押しするため労災保険法も改正し、仕事を掛け持ちする人の労災を認定する際、全ての労働時間の合算を基に判断する新制度を導入する。
また、多様な働き方の推進を目的に大企業に対し、正社員に占める中途採用比率を自社のホームページなどで公表するよう義務付ける。
(共同通信社)
高知県立大(高知市)に有期契約職員として勤務していた男性が2018年3月に雇い止めされたのは不当だとして、雇用関係の確認などを求めた訴訟の判決で、高知地裁は17日、「雇い止めは無効」と判断し、雇用継続と未払い賃金などの支払いを命じた。
同じ企業などでの勤務が5年を超えれば無期雇用への変更を申請できる改正労働契約法の「無期転換ルール」が18年4月から適用され、男性側は「雇い止めはルールから逃れる意図だった」と主張していた。
西村修裁判長は、男性が担当していたプロジェクトが終了する1年前に雇い止めされたとして「あえて雇い止めしなければならない客観的な理由があったかどうかは疑問。大学側は無期転換を強く意識していたと推認できる」と指摘。「雇用契約が更新されると期待する合理的理由があるのに、ルール適用直前に雇い止めするのは、法を免れるかのようなもので是認できない」とした。
判決によると、男性は遠隔テレビ会議などを使ったプロジェクトのシステム構築や運用を担当する技術職員として、13年11月から県立大に勤務。採用時に学長などから19年3月まで雇用すると伝えられたが、18年3月に雇い止めとなった。
県立大は「判決内容を精査し、今後の対応を検討する」としている。
(共同通信社)
広告大手博報堂の嘱託社員だった女性が、無期雇用への転換を防ぐため雇い止めされたとして、同社に雇用継続と賃金支払いを求めた訴訟の判決で、福岡地裁(鈴木博裁判長)は17日、雇用継続と賃金支払いを命じた。
訴状によると、女性は1988年から博報堂の九州支社で経理などに従事。2017年12月、契約は18年3月までで更新しないと会社側に告げられ、拒否したが雇い止めされたとしている。
13年4月施行の改正労働契約法で、同じ企業に通算5年を超えて働く有期契約の労働者は、18年4月から無期契約への変更申請が可能になった。企業側は断ることはできない。
(共同通信社)
出入国在留管理庁は17日、外国人受け入れ拡大のため2019年4月に新設した在留資格「特定技能」の申請手続きについて、24日からオンライン受け付けを開始すると発表した。窓口に行く必要をなくし利便性を高めることで、資格取得の推進につなげたい考えだ。
オンライン申請は、外国人本人は利用できず、外国人を支援する「登録支援機関」や受け入れ企業、弁護士、行政書士らが対象。企業の場合は、5年以内に出入国や労働に関する法律で罰せられていないことや、外国人の適正な受け入れ実績があることが条件だ。
入管庁は昨年7月、在留資格「技能実習」や「留学」のオンライン申請を開始。3月24日からは「特定技能」の取得の他、在留資格の変更など多くの手続きがオンラインでできるようになる。
(共同通信社)
厚生労働省が、高年齢労働者が安心して安全に働ける職場環境づくりや労働災害防止のための健康づくりのためのガイドライン(「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン))を公表した。
ガイドラインは、高年齢労働者の就労が一層進み、労働災害による休業4日以上の死傷者のうち、60歳以上の労働者の占める割合が増加すると見込まれる中、高年齢労働者が安心して安全に働ける職場環境の実現に向け、事業者や労働者に取組が求められる事項を取りまとめたもの。
ガイドラインのポイントは以下の通りです。
■ガイドラインのポイント
〇事業者に求められる取組
高年齢労働者の就労状況や業務の内容等の実情に応じて、国や関係団体等による支援も活用して、法令で義務付けられているものに必ず取り組むことに加えて、実施可能な高齢者労働災害防止対策に積極的に取り組むよう努める。
【具体的な取組】
(1)安全衛生管理体制の確立等
経営トップ自らが安全衛生方針を表明し、担当する組織や担当者を指定するとともに、高年齢労働者の身体機能の低下等による労働災害についてリスクアセスメントを実施
(2)職場環境の改善
照度の確保、段差の解消、補助機器の導入等、身体機能の低下を補う設備・装置の導入などのハード面の対策とともに、勤務形態等の工夫、ゆとりのある作業スピード等、高年齢労働者の特性を考慮した作業管理などのソフト面の対策も実施
(3)高年齢労働者の健康や体力の状況の把握
健康診断や体力チェックにより、事業者、高年齢労働者双方が当該高年齢労働者の健康や体力の状況を客観的に把握
(4)高年齢労働者の健康や体力の状況に応じた対応
健康診断や体力チェックにより把握した個々の高年齢労働者の健康や体力の状況に応じて、安全と健康の点で適合する業務をマッチングするとともに、集団及び個々の高年齢労働者を対象に身体機能の維持向上に取り組む
(5)安全衛生教育
十分な時間をかけ、写真や図、映像等文字以外の情報も活用した教育を実施するとともに、再雇用や再就職等で経験のない業種や業務に従事する高年齢労働者には、特に丁寧な教育訓練を実施
〇労働者に求められる取組
事業者が実施する労働災害防止対策の取組に協力するとともに、自己の健康を守るための努力の重要性を理解し、自らの健康づくりに積極的に取り組むよう努める。
【具体的な取組】
・健康診断等による健康や体力の状況の客観的な把握と維持管理
・日常的な運動、食習慣の改善等による体力の維持と生活習慣の改善
〇国・関係団体等による支援の活用
事業者は労働災害防止対策に取り組むに当たり、国、関係団体等による支援策を効果的に活用することが望ましい。
・個別事業場に対するコンサルティング等の活用
・エイジフレンドリー補助金等の支援策の活用
詳細は、下記をご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000608125.pdf
新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正新型インフルエンザ等対策特別措置法が13日、参院本会議で可決、成立した。14日にも施行される。全国的かつ急速なまん延で、国民生活や経済に甚大な影響を及ぼすと首相が判断すれば緊急事態宣言を出し、都道府県知事が外出自粛や休校措置を要請できる。国民の私権制限につながる可能性に懸念も指摘されている。
改正特措法は2013年施行の特措法の適用対象に新型コロナウイルス感染症を暫定的に追加する内容。期間は施行日から2年を経過する日までの間となる。政府は政令で1年間と定める見通しだ。
緊急事態が宣言されれば(1)興行施設の利用制限の要請・指示(2)土地や建物を臨時医療施設に強制使用(3)緊急物資の輸送の要請・指示-も可能となる。生活関連物資の価格安定措置を促す規定や、ワクチンが開発された場合に公費負担による予防接種の仕組みもある。
安倍晋三首相は9日の国会審議で、現状での宣言に慎重姿勢を示している。政府は世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症を「パンデミック(世界的大流行)」と表明した後も発令する状況にないとの立場を維持している。
与野党は付帯決議に、緊急事態を宣言する場合は原則として国会へ事前報告するとの項目を盛り込んだ。
(共同通信社)
高知県の高幡消防組合須崎消防署(同県須崎市)に勤務する消防士9人が副署長ら幹部からパワハラを受けたとして、同組合に計99万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、高知地裁は13日、原告2人に対する副署長のパワハラを認め、計6万6千円の支払いを命じた。
西村修裁判長は判決理由で、副署長が2015~16年、部下の消防士2人に対し、30分以上正座をさせて叱責しペットボトルを投げつけたり、指示を拒否されたことに感情を害し片足を膝の上に置いたりするパワハラをしたと認定。「業務上の指導の範囲を逸脱している」と判断した。
原告9人を含む消防士計32人は、深夜の割増賃金など未払い分の支払いも請求したが、地裁は同組合が不払いを認めて約220万円を供託しているとして退けた。
(共同通信社)
厚生労働省は13日、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で今春就職予定の学生への採用内定が取り消されるケースが生じているとして、実態把握に乗り出す方針を固めた。4月の入社を控え、直前の取り消しは学生へのダメージが大きいため、企業や学生に対する相談を強化することでトラブル抑制につなげる。
厚労省は全国のハローワークを通じて内定の取り消しを把握する仕組みを持っている。今春卒業予定の学生に対する新型コロナ関連での取り消しは、13日時点で1社を確認。ただ、旅行業やIT業などで取り消しがあると報じられているため、経済団体や大学などと連携して積極的に情報収集する方針だ。
新卒者への内定取り消しは2008年秋のリーマン・ショック後に大きな問題になった。09年春卒の大学、高校、中学生で、447事業所の2143人、東日本大震災発生後の11年春卒で196事業所の598人が確認されている。それ以降は減少傾向で19年春卒は23事業所の35人だった。
加藤勝信厚労相は13日の記者会見で「合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない内定取り消しは無効となり、通常の解雇と一緒だ」と指摘。企業側に回避に向けた最大限の経営努力を要請した。
(共同通信社)
床材メーカー「東リ」(兵庫県伊丹市)の工場での就業実態が違法な「偽装請負」だったとして、業務を請け負った会社に勤めていた男性5人が東リに直接雇用などを求めた訴訟の判決で、神戸地裁は13日、請求を棄却した。
泉薫裁判長は判決理由で、東リは請負会社の従業員に個別の指示を出しておらず、原告の労働時間の管理も請負会社が行っていたとして「偽装請負の状態にあったとはいえない」と結論付けた。
判決によると、40~50代の男性5人は、東リの伊丹工場で建材の製造作業などに従事。2017年3月に請負会社から解雇され、東リに直接雇用を求めていた。
(共同通信社)
人材サービス会社のリクルートジョブズが、2020年2月度の「アルバイト・パート平均時給調査」を公表しました。2月の平均時給は、前年同月比でプラスとなりました。
リクルートジョブズの発表によると、三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は「1,079円」となり、前年同月に比べて33円増となりました。また、「関西エリア」の平均時給は、前年同月に比べて30円増の「1,045円」となりました。
https://www.recruitjobs.co.jp/press/pr20200312_1199.html
希望する人が70歳まで働き続けられるよう、就業機会の確保を企業の努力義務とすることを柱とした関連法案は11日、衆院厚生労働委員会で趣旨説明が行われ、審議入りした。今国会での成立を目指し、2021年4月からの実施の見通し。
加藤勝信厚労相は「高齢者や複数の職場で働く人らのセーフティーネット整備や就業機会確保を図り、誰もが安心して活躍できる環境づくりが重要な課題になっている」と説明、法案成立に理解を求めた。この日は質疑は行わなかった。
法案は、現行の定年延長、定年廃止、継続雇用制度の導入の選択肢に加え、起業やフリーランスを希望する人への業務委託、自社が関わる社会貢献事業に従事させることを追加した。
今回、高齢化や副業・兼業の増加など、働き方や社会構造の変化に合わせる形での改正法案で、高年齢者雇用安定法や雇用保険法など六つの法律の改正案を束ねた。労災保険法も改正し、仕事を掛け持ちする人の労災を認定する際、全ての仕事での労働時間を合算して判断する新たな制度も導入する。
(共同通信社)
厚生労働省は9日、新型コロナウイルス感染症対策を目的にテレワークを新たに導入したり、従業員向けの特別休暇を整備したりする中小企業への助成金の申請受け付けを開始した。テレワーク導入の場合は費用の2分の1を上限100万円まで補助。特別休暇の整備では原則として費用の4分の3を上限50万円まで支援する。2月17日~5月31日に実施した取り組みが対象となる。
政府は感染対策としてテレワークや時差出勤を求めており、助成を通じて企業の取り組みを後押しする。テレワーク相談センター(東京)と各都道府県労働局で申請を受け付ける。テレワーク相談センターは電話(0120)916479。
仕事と私生活の両立を支援する「時間外労働等改善助成金」を活用した時限措置。
(共同通信社)
育休から復職する直前に解雇されたのはマタニティーハラスメントだとして、神奈川県内の保育士の30代女性が、保育園を運営する同県伊勢原市の社会福祉法人「緑友会」に雇用関係の確認などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は4日、解雇は違法で無効とし、慰謝料30万円と未払い賃金の支払いを命じた。
判決で高市惇史裁判官は「園長に反抗的」とする解雇理由には裏付けがないと指摘。「決まっていた子供の保育所入所も取り消され、大きな精神的苦痛を受けた」と述べた。
判決によると、女性は2017年に出産し、18年に復職を希望したが、解雇された。
女性側の甲斐田沙織弁護士は「判決が、産後1年以内の解雇を原則禁じた男女雇用機会均等法にも反すると認めたことは意義深い」と話した。緑友会は「判決を検討し、対応を決めたい」としている。
(共同通信社)
厚労省が公表した「毎月勤労統計調査 和2年1月分結果速報」によると、令和2年1月分について、一般労働者の現金給与総額は360,450円、パートタイム労働者は97,039円(時間当たり給与は1,198円)、一人当たりの所定外労働時間の平均は9.9時間、などとなっています。
詳細は、下記をご覧下さい。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r02/0201p/dl/pdf2001p.pdf
政府は3日、パートなど非正規労働者の厚生年金の加入促進を柱とする年金制度改革関連法案を国会に提出した。保険料を負担する中小企業の経営に配慮し、加入義務の企業規模要件を2022年10月に101人以上、24年10月に51人以上と2段階で広げる。公的年金は少子高齢化で将来的な給付水準低下が避けられない。保険料を払う制度の支え手を増やし、水準改善を図る狙いがあるものの微増にとどまる見通しだ。
企業要件緩和でパートなどの約65万人の加入が見込まれるほか、弁護士や公認会計士ら「士業」と呼ばれる個人経営事務所のスタッフも対象とし、計約70万人が新たに厚生年金の支え手となる。
年金制度を維持するため、計画的に給付水準を抑える仕組みがあるため年金の実質的な価値は目減りしていく。厚生労働省の試算では、現役世代の平均手取り収入に対する年金受給額の割合「所得代替率」は現在の61.7%から約30年後には50.8%に低下。法案に盛り込まれた改革を実行すると0.2%分底上げされ51%になるという。政府は、公的年金に上乗せする私的年金の拡充策も盛り込み、自力での資産形成を後押しする考えだ。
厚生年金は、フルタイムで働く人は企業規模にかかわらず加入義務がある。パートら短時間で働く人は現在、従業員501人以上の企業で週20時間以上働くことなどが加入要件だ。政府試算では、51人以上の企業が対象になると65万人が加入。厚生年金の保険料は労使が折半するため、企業の保険料負担は年1590億円増える。
高齢者の就労を促す見直しも盛り込んだ。公的年金の受け取り開始年齢は65歳が基本だが、現在は60~70歳の間で選べる。この上限を引き上げ選択肢を60~75歳に広げる。65歳から遅らせると毎月0.7%ずつ増額するため、75歳からの受け取りでは65歳開始と比べ、毎月の年金額が84%増える。
(共同通信社)
厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症対策として、新たにテレワークを導入し、又は特別休暇の規定を整備した中小企業事業主を支援するため、時間外労働等改善助成金(テレワークコース、職場意識改善コース)について、特例的なコースを新たに設ける。
時間外労働等改善助成金(テレワークコース、職場意識改善コース)では、「テレワーク用通信機器の導入・運用」や「労務管理用機器等の購入・更新」、「就業規則等の作成・変更」に掛かった費用の一部が助成される。
対象期間は、令和2年2月17日~令和2年5月31日。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09904.html
新型コロナウイルスの感染拡大による臨時休校で、厚生労働省は2日、独自の有給休暇を設け働いている保護者に取得させた企業に対し、日額上限8330円の助成金を支給すると発表した。企業に助成を利用して、正規、非正規を問わず収入を全額補償してもらう考え。保護者に安心して休んでもらう狙いがある。
新型コロナウイルス対策で臨時休業した小学校や特別支援学校などに通う子どもがいたり、風邪の症状があり感染が疑われる子どもがいたりする従業員が対象。企業が通常の年次有給休暇と別に、賃金を全額支給する特別な有給休暇を取得させた場合に支給する。2月27日~3月31日の間に取得した休暇に適用する。
中学校以上の子どもは仕事を休んで世話する必要が低いと判断し、助成の対象外とした。安倍晋三首相は全国の小中高校に休校を要請している。
(共同通信社)
現在(令和2年3月3日時点)、厚労省が公表している「新型コロナウイルスに関する労務管理上の注意点」です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、新型コロナウイルス感染症に係る小学校等の臨時休業等により影響を受ける労働者を支援するため、労働者を有給で休ませる企業に対し助成する仕組みを設ける。
小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子の保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規・非正規を問わず、労働基準法上の年次有給休暇とは別途、有給の休暇を取得させた企業に対して助成金を支給する予定。
支給額は、令和2年2月27日~3月31日の間に対象労働者が取得した休暇中の賃金相当額(※上限有り)を予定している。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09869.html
高知県土佐市でトマトの生産などを行う「池一菜果園」に勤めていた女性=当時(59)=が上司のパワハラや長時間労働が原因で精神障害を発症し自殺したとして、遺族が同園と社長ら2人に計約6400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、高知地裁は28日、計約4960万円の支払いを命じた。
西村修裁判長は判決理由で、1カ月で100時間を超える時間外労働や、常務取締役だった女性に休暇中に呼び出され、過失がないにもかかわらず、一方的に𠮟責されるなどの嫌がらせがあったと認定。「その直後に精神障害を発症し、心理的負荷は強かったといえる」と指摘とした。
判決によると、女性は2004年に同園に入社。生産管理などを担当する統括部長を務めていた10年に自殺した。須崎労働基準監督署は12年、自殺と上司の嫌がらせや長時間労働との間に因果関係があるとし、労災認定した。
池一菜果園は「社長と協議した上で今後の対応を決める」とし、遺族は「主張が認められほっとした」とコメントした。
(共同通信社)
厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症への対応として、令和2年2月14日より「雇用調整助成金」について特例措置を講じているが、さらに特例措置の対象となる事業主の範囲を拡大する。これにより、日本人観光客の減少の影響を受ける観光関連産業や、部品の調達・供給等の停滞の影響を受ける製造業なども幅広く特例措置の対象となる。
特例措置の内容は、休業等の初日が、令和2年1月24日から令和2年7月23日までの場合に適用される。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09852.html
現在(令和2年3月1日時点)、厚労省が公表している「新型コロナウイルスに関する労務管理上の注意点」です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
厚生労働省は新型コロナウイルスによる企業の経営への影響を和らげるため、従業員を休ませるなどして雇用を維持する企業に支給する「雇用調整助成金」を拡充する。中国関連の販売が1割以上を占める企業を対象に特例措置を設けているが、新型コロナによる影響が出る企業全般に広げる。観光業にとどまらず製造業などの幅広い企業が対象になりそうだ。
雇用調整助成金は景気の悪化など経済上の理由で雇用調整せざるをえない企業が対象だ。企業の都合で休ませた従業員に賃金の6割以上を支払う「休業手当」や、賃金の一部を助成している。
新型コロナウイルスの感染拡大で、観光業では中国からのツアーがキャンセルになるといった事例が相次いだ。このため厚労省は14日に雇用調整助成金の特例措置を設けると決めた。
現在の特例の対象は中国関連の売上高が10%以上の企業に絞っている。ただ国内の製造業では必要な部品が中国から仕入れられなくなり生産調整する動きが出るなど、影響が広がっている。風邪の症状があれば外出を控えるよう政府が求めていることなどから国内観光も打撃を受けている。
(日本経済新聞)
勤務中に人身事故を起こした従業員が自ら被害者側に賠償した後、会社などの雇用主に相応の負担を請求することができるかどうか争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は28日、「可能」との初判断を示した。
民法715条は、従業員が仕事で第三者に損害を与えた場合、雇用主が被害者に賠償した後、従業員に負担を「求償」することができると規定。ただ従業員が先に賠償した後、雇用主に負担を求める「逆求償」が可能かどうかは明確な規定がない。
原告は運送大手、福山通運(広島県福山市)のドライバーだった女性。2010年に大阪府吹田市で同社のトラックを運転中に死亡事故を起こし、遺族に約1500万円を支払った。女性は同額を会社が負担すべきだとして提訴した。
17年9月の一審大阪地裁判決は「雇用主も相応の責任を負うべきだ」として逆求償の権利を認め、福山通運に約840万円の支払いを命じた。しかし18年4月の二審大阪高裁判決は「本来は従業員が全額の賠償責任を負うべきだ」との考え方から逆求償を認めず、原告側の逆転敗訴とした。
(共同通信社)
現在(令和2年2月25日時点)、厚労省が公表している「新型コロナウイルスに関する労務管理上の注意点」です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
総務省統計局が、令和2年1月分の「労働力調査」を公表しました。
それによると、就業者数は6,687万人、雇用者数は6,017万人となり、前年同月に比べいずれも85カ月連続の増加となりました。一方、完全失業者数は159万人、完全失業率(季節調整値)は前月に比べ0.2ポイント上昇の2.4%となりました。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
厚生労働省が、令和2年1月分の「一般職業紹介状況」を公表しました。
それによると、令和2年1月分の「有効求人倍率」は前月に比べて0.08ポイント低下の1.49倍、「新規求人倍率」は前月に比べて0.40ポイント低下の2.04倍となりました。
有効求人倍率はほぼ横ばいで推移しており、労働市場では、引き続き「売り手市場」となっています。
※令和2年1月から求人票の記載項目が拡充され、一部に求人の提出を見送る動きがあったことから、求人数の減少を通じて有効求人倍率・新規求人倍率の低下に影響していることに留意が必要。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00030.html
人材サービス会社のリクルートジョブズが、2020年1月度の派遣スタッフ募集時平均時給調査を公表しました。
発表によると、三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は「1,623円」となり、前年同月に比べて34円減少となりました。また、「関西エリア」の平均時給は、前年同月に比べて20円減少の「1,449円」となりました。
https://www.recruitjobs.co.jp/press/pr20200220_1195.html
人材サービス会社のリクルートジョブズが、2020年1月度の「アルバイト・パート平均時給調査」を公表しました。1月の平均時給は、前年同月比でプラスとなりました。
リクルートジョブズの発表によると、三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は「1,082円」となり、前年同月に比べて36円増となりました。また、「関西エリア」の平均時給は、前年同月に比べて35円増の「1,050円」となりました。
https://www.recruitjobs.co.jp/press/pr20200213_1192.html