Tineoidea
汎世界的に分布し、世界で5科、日本からは4科が知られているグループです。
旧体系では7つの科に分かれていましたが、Regier, et al. (2015)で行わてた分子系統解析の結果からヒロズコガ科Meessiidaeとマメヒロズコガ科(スジモンヒロズコガ類)Dryadaulidaeの2科が独立し、今の体系となりました。
基本的に課題だらけのグループで、図示がされていなかったり体系の検討が不十分だったりと、非常に研究のし甲斐がある分類群です。
ヒメヒロズコガ科 Meessiidae
マメヒロズコガ科 Dryadaulidae
ヒロズコガ科 Tineidae
ミノガ科 Psychidae
トゲバネガ科
*日本から記録なし
特徴
何よりもフサフサの頭部が特徴的です。メンコガ亜科にように、髪型がオールバックになっているものもいますが、基本的に髪型からヒロズコガだとわかります
ヒロズコガ亜科
メンコガ亜科
さらにわかりやすいのは口器の形態です。見づらいものも一部いますが、Labial palpusの剛毛が特徴的です。
食性
チョウ目の99%が生葉食いなのに対して、ヒロズコガ上科は非常に多様な食性を獲得しています。
潜葉性や寄生性のような特殊な例を除いたチョウ目に見られる食性のほとんどをカバーしており、腐植食(枯葉、朽木、腐敗した実)、生葉食、動物質食(糞、角、昆虫の死骸、金魚の餌)、菌食(キノコ、地衣類)のものがいます。
ヒメヒロズコガ科(地衣食)
生態
大概は蛾らしく夜に飛び、ライトに誘引されます。
一方で、台湾などに分布するCoryptilumのように鮮やかで日中飛び回るものもいたり、ライトでは採り難いものもいます。
また、ヒロズコガ上科の多くはポータブルケースを作って幼虫期を過ごします。
その形は多岐におよび、ミノガでよく見られる家型のものがあれば、筒状だったり、シートを二枚重ね合わせた寝袋状だったりします。
有名なものだとツヅミ状のケースを作るマダラマルハヒロズコガもヒロズコガ上科に含まれます
2024. 5. 27 朴鎮亨