■ コンテンツ
[事例報告] R7. 2.14掲載
第4期中期計画・評価指標の策定状況と課題-国立大学法人評価への対応の観点から-
高田 英一(神戸大学 戦略企画室)
概要:第4期の国立大学法人評価において高い評価を得るには中期計画、評価指標の達成が非常に重要であるため、策定の際は、評価方法を踏まえて「達成可能性」を考慮することが望ましい。このため、中期計画等の「達成可能性」に影響を与えると思われる項目数、ロジックモデルに基づく性格という形式面の観点から、中期計画等を分析した。その結果、大学ごとの差異が大きいこと、策定時に評価方法を踏まえた「達成可能性」を考慮した可能性が推測される大学が存在した。
キーワード:国立大学法人評価、中期計画、評価指標、達成可能性、ロジックモデル
[事例報告] R7. 6. 9掲載
三宅 将史(公立鳥取環境大学 総合戦略課)
概要:授業アンケートを基に学生の授業満足度に及ぼす要因を分析した。大学全体の授業アンケートを対象とし、探索的因子分析及び確認的因子分析を行い、「学生の関与度」「授業の難易度」「授業の質」といった潜在変数を抽出した。これに「学修成果(到達目標達成感や興味喚起)」という潜在変数を追加し、共分散構造分析を用いて、授業満足度との影響を検証した。その結果、「学修成果」「授業の質(説明のわかりやすさなど)」が満足度に直接的な影響があり、「関与度」「難易度」は「学修成果」を経由して間接的に影響があることが明らかとなった。
キーワード:授業アンケート、共分散構造分析(SEM)、授業満足度、教育改善、教学IR
[事例報告] R7. 6.16掲載
地方国立大学生の地域定着に関する一考察~入学時の就職希望地域と卒業時の就職先地域を比較して~
藤原 宏司、松坂 暢浩、山本 美奈子(山形大学 学術研究院)
概要:地方創生の観点から、地方国立大学には卒業生の地域定着率向上が強く期待されている。しかし、一般的に用いられている定着率の算出方法では、大学の地域貢献を的確に可視化することは難しい。そこで本稿では、山形大学のデータを用いて入学時の就職希望地域を踏まえた新たな算出方法を提示し、従来の手法との比較分析を行った。あわせて、高校段階からのキャリア教育や、大学・高校・企業・行政などによる包括的な地域連携の重要性について考察した。
キーワード:地域定着率、地方創生、地域連携、IR(Institutional Research)、キャリア教育
[事例報告] R7. 7. 1掲載
業務自動化ツールのIRへの応用-Power Automate Desktopを利用したデータマネジメントの事例-
大関 智史、中島 琢哉、古川 さゆり、藤川 さとみ、久保田 理絵(宮崎大学 IRセンター、企画総務部企画評価課、研究・産学地域連携推進機構産学・地域連携課)
概要:大学運営の意思決定を支援するインスティテューショナル・リサーチ(IR)は、大学運営の基盤と位置付けられているが、IR業務の基礎となるデータ収集・整理は困難が伴うことが少なくない。そこで本稿では、無料で利用可能な業務自動化ツールであるPower Automate Desktop(PAD)を活用したデータマネジメントの事例を紹介する。PADの概要及び基本操作を説明した上で、教職員の多くが利用しているExcelに焦点を当てた事例を示すことで、他大学のIR関係者に対して参考となることを目指す。
キーワード:業務自動化、データマネジメント、Power Automate Desktop、データ業務
■ 確定書誌情報
高田英一(2025)「第4期中期計画・評価指標の策定状況と課題-国立大学法人評価への対応の観点から-」, 情報誌『大学評価とIR』, 第19巻, 3-14.
三宅将史(2025)「授業アンケートにおける授業満足度の要因分析」, 情報誌『大学評価とIR』, 第19巻, 15-27.
藤原宏司・松坂暢浩・山本美奈子(2025)「地方国立大学生の地域定着に関する一考察~入学時の就職希望地域と卒業時の就職先地域を比較して~」, 情報誌『大学評価とIR』, 第19巻, 28-48.
大関智史・中島琢哉・古川さゆり・藤川さとみ・久保田理絵(2025)「業務自動化ツールのIRへの応用-Power Automate Desktopを利用したデータマネジメントの事例-」, 情報誌『大学評価とIR』, 第19巻, 49-61.
※原稿区分の別なく、受理順もしくは原稿完成順掲載となっております。従いまして、本Webサイトでの掲載時点で書誌情報が確定します。
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